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人生を自由と読むサイコ男と妖怪女

7脳筋トレ漢72キロ:2011/11/28(月) 22:50:19 HOST:zaqdadc6848.zaq.ne.jp
「ゴボォ?!」
突如視界が暗くなり迅騎はもがき苦しんだ。
足をつかむ手を離そうと足をばたつかせるが迅騎は水底に引っ張られていった。底から見える不気味に光る二つの目玉、かっぱの仕業に違いないのは明らかだった。

「ゴボゴボォ!!」
水中では言葉にならない罵声がかっぱに向けられる。
迅騎は状況を打破するべく、かっぱの手を掴み力いっぱい引っ張った。するとどうだろう迅騎の考えたとおりにかっぱの手は抜けた。
少しビックリした様子の迅騎だったが水面目指して泳ぎだした。

「迅騎・・・大丈夫かな?」
川原ではマリが心配そうに水面に顔を近づけていた。
すると、突然顔が飛び出してきてマリに頭突きをかまして吹き飛ばした。

「いったー!?」
「邪魔だぞマリ!」
転がるように川から出てきたのは迅騎だった。かっぱの手を掴んだままのずぶ濡れの迅騎は手を叩きつけた。
両手のつながったかっぱの手は実に奇妙な物だった、グロテスクともいえないその手にはどこか愛着するわき部屋の壁に飾りたくなるようなものだった。
マリはそのかっぱの手を川に投げ捨てた。

「なんで投げんだ? 部屋に飾ろうと思ったのによ」
「かっぱに返さないと可愛そうよ」
まったくかみ合わない二人の前に手をはめ込んだのだろう、腕の長さが少しずれたかっぱが川から這い出てきた。


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