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友達はいらない

41 ◆WtwNEFVgig:2011/10/07(金) 22:21:53 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
「ね…ねぇ昴。」
俺の様子がおかしいことに気がついた舞衣が近寄ってきた。
「何、舞衣。」
「なんでそんなに自分を責めるの?
 稜が死んだことと、昴は何の関係もないじゃない。
 もちろん大事な友達がその…死んじゃったから…嫌な気持ちもわかるけどさ…。」
確かに自分を責めている。
舞衣には考えがお見通しなのかな。
「畑中を責めるから。」
「え?」
「自分を責めないと畑中を責めてしまいそうだから。」
「…そっか。誰か責めなきゃいけないの?」
「いけないわけではないけど…。」
「…ごめん、昴には昴なりの考えがあるんだよね。」
無言でうなずく。
それにこたえるかのように舞衣は無言で、俺の頭がグシャグシャになるくらいになでてから友達のほうに戻って行った。

そしてある日、俺あてに一通の手紙が届いた。
俺宛てに来ることはめったにない。
誰からだろうと思い封筒を見ると表には俺の住所と『古山 昴様』と書かれていた。
裏を見るとなんと『岩倉 稜』と書いてあった。その名前を見たとたん、急いで封筒を開ける。
すると中には数枚の紙が入っていた。
『昴へ

 この手紙を読んでるということは、僕は今この世にはいないでしょう。
 …なんてね、遺書っぽく書いてみたかったんだ。
 実は親にもこんな手紙は書いてないんだ。
 昴にだけ。
 
 なんで手紙を書いたのかっていうと
 昴のことだから今頃僕が死んだことを自分のせいだって責めてると思ったんだ。
 それが無理矢理だったとしても。
 今回のことは誰も悪くないんだよ。僕が弱かったのがいけないんだ。
 だからどうか自分を責めないで。
 自分を傷つけないで。
 誰かを責めたって何もいいことなんてないから。
 僕、言ったよね。
 「僕のせいで昴を傷つけるのは嫌だ」って。
 だから絶対に責めないで。
 約束守ってよ?僕と昴の最後の約束なんだから!
 
 ……昴にだったら本音だって全部言えたんだ。
 無理にとは言わないけど僕のことずっと覚えててくれたら嬉しいな。
 
 昴、7年間の間本当にありがとう。

                        稜  』

稜は居なくなった。だけどそこに稜が居るような感じがした。
少し封筒が濡れる。
「稜……。」
なんだか自分を責めてきたことがバカバカしくなってきた。



その次の年。
無事に高校受験も終わって、「古山昴」ではなくて「杉本昴」として今の学校に行くことになる。
自分を責めることはやめたけどやっぱりなかなか友達を作る気にはなれなかった。


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