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panel game

1ライナー:2011/09/18(日) 17:04:03 HOST:222-151-086-019.jp.fiberbit.net
二作目となるでしょうか、知る人は知る小説バカ、ライナーです^^
題名は panel game (パネルゲーム)です。
今回も、SFアクションです。SF大好きなんですよ〜^^;
まあでも、このジャンルを基本に恋愛、ギャグなどのジャンルを盛り込みたいと思います。
では、注意事項です。
 〜注意事項〜
・ジャンルがSFですが、ファンタジーと似てしまう部分があります。ご注意下さい。
・無いとは思いますが、グロテクス表現が起こりうる場合があります。
・本作は盗作などをしていません、また、本作を盗作をすることはご遠慮下さい。
・誤字脱字などの可能性がありますが、発見次第直させていただきます。
・チェーンメール、アスキーアート等は、ご遠慮下さい。(一行レスも同様です)
・まだまだ未熟な部分もある駄作かと思われますが、温かい目で見守ってくだされば、光栄です。
・更新は一作目が終わるまで、かなりスローペースになり、いつ更新するか分かりませんが、ゆっくり御覧になって貰えると有り難いです。
・コメント、アドバイス、等以外のコメントは受け付けません。

 感想、アドバイス、等々は喜んで受け付けますので、宜しくお願いします。

※一作目は 係争の異能力者(アビリター) です。こちらも是非宜しくお願いします。

2ライナー:2011/09/18(日) 18:30:18 HOST:222-151-086-019.jp.fiberbit.net
 −プロローグ−

 少年はただその場に立ちすくんでいた。
 恐ろしい光景を目の当たりにしていたからだ。
 少年の見る景色は、真っ赤に染まっていた。不良がとんでもないような武器で、緑の鏤(ちりば)められた都会の風景を燃やしていた。
 辺りには、野次馬根性旺盛な人々や、テレビ撮影に来ている者さえもいる。
 そして少年は、不良達の輪のど真ん中にいた。
「何で、何で僕がこんな事……」
「しょうがないでしょ!キミしか周りにいなかったんだから!」
 少年の背には一人の少女がいた。
 少年は、地が深緑の黒い英語の文字が書かれた洒落たジャケットと、ジャケットの中には黒と黄土色ラインが引いてあるTシャツ、そしてダメージ加工が施(ほどこ)してある黒いジーンズを身に纏っていた。
 一方少女は、黄色のタンクトップにデニムサロペ、そして黒いキャップを被り、髪型は茶毛のポニーテールという格好だった。
「今は色々と人が集まっているみたいだけど……」
「こんな状況で入れ替われるわけ無いでしょ」
 少年はどうにかしない状況に立っているのは分かっていたが、誰かと入れ替われたら、そう思うしかなかった。
 そして、不良達の目が一斉に2人に向けられる。
 これが戦闘開始の合図なのか、少女も目を細めて相手を睨む。
「行くわよ!」
 少女はそういった途端、腰に巻き付けていたベルトから一つの黄色いボールを取り出した。
 その一握り程度の大きさのボールを強く握り、手のひらに乗せると、黄色いボールは白く輝きだしその形を変えていく。
 少年は、足が竦んだままジッと少女を見ていた。まるで、初めてテレビを見た子供のように。
 少女の手のひらに置かれた黄色のボールは短銃に変形し、少女の手で次々と不良共を打ち抜いていった。
 短銃から出ているのは、単なる銃弾ではなく黄色く輝く電流だった。
「な、何それ……?」
 驚く少年に、少女は目を鋭く光らせた。
「ん事言ってる場合じゃないって!Wボールくらい知ってるんでしょ!?」
 少年はキョトンとした顔をしている。
 少女は少年の頼りなさそうな顔を見てため息を吐く。
「いいから、私が渡したWボールを強く握って!」
 言われるがままに、少年は少女に渡された、黒色のボールを強く握った。
 そのボールは強く輝きだし、ほんの少し黒が掛かった剣が握られている。
「えー!!こ、こんなの使えないよ!」
「いいから使うの!使わないとキミがやられるわよ!」
 銃を片手に少女は少年に怒鳴りつけた。
 少年は、肩をすくめ「ヒッ!」と悲鳴を上げる。
 すると少年目掛けて、不良の一角が斧を振り下ろした。

 少年は目を瞑って怖さ故、腕に力を込めていた。
 ゆっくりと瞑った目を開くと、不良が振り下ろした斧が、少年の手にする剣によって受け止められていた。
「……え?」
 少年がまたもキョトンとしていると、電流の流れる音が響いた。
 すると、斧を持っていた不良は、唸り声を上げながら倒れていった。
「サンキュ!平和主義者!」
 気が付くと、2人の周りには不良がグッタリしている姿が目に入る。
「その剣はお詫びあげるよ、じゃね」
 そう言い残すと、少女は野次馬の束をかき分けて去っていった。

3明優:2011/09/18(日) 18:41:56 HOST:i114-185-33-87.s41.a005.ap.plala.or.jp
二作目ですか!!
頑張ってくださいね!!
必ず拝見させていただきます!!
そしてコメントさせてくださいね!!

4ライナー:2011/09/18(日) 18:45:22 HOST:222-151-086-019.jp.fiberbit.net
明優さん≫
コメントありがとうございます!!
こっちの方は更新が遅いと思いますが、その分じっくり読めると思うので、今後とも宜しくお願いします^^

5いちごみるく ◆yC4b452a8U:2011/09/18(日) 18:48:25 HOST:p227.net112139158.tokai.or.jp
二作目おめでとうございますb
楽しみにしてますねb

6ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/09/18(日) 18:50:18 HOST:221x248x191x126.ap221.ftth.ucom.ne.jp

どうも、ねここです^^
タイトルから気になって見てみたらライナーさまだったということで嬉しさと楽しみさのあまりコメントをw
こちらでもがんばってくださいね!
応援しています^^

7ライナー:2011/09/18(日) 18:51:43 HOST:222-151-086-019.jp.fiberbit.net
いちごみるくさん≫
コメントありがとうございます!!
お初ですよね?これから宜しくお願いします^^
もしかして、一作目も目を通していただけましたか?
一作目も終わってないのに、二作目に入ってしまったので、少し大変ですが、ご期待に添えて頑張りたいと思います!

8ライナー:2011/09/18(日) 18:55:02 HOST:222-151-086-019.jp.fiberbit.net
ああ、すれ違い……^^;
コメントありがとうございます!!
はい、頑張りますので応援宜しくです^^

9竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/09/18(日) 18:59:48 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp
この作品へのコメントは初めてですね^^
にしてもポニテの少女ですか。僕的には結構好きな属性ですが(殴)
続きが気になります!
両作品とも頑張ってくださいね^^

10ライナー:2011/09/18(日) 22:36:12 HOST:222-151-086-020.jp.fiberbit.net
竜野翔太さん≫
コメントありがとうございます!!
自分もポニテの少女は大好きd((殴
はい、両作品とも頑張りますので応援宜しくお願いします!

11ライナー:2011/09/18(日) 23:28:06 HOST:222-151-086-020.jp.fiberbit.net
1stage 『ゲームスタート』

 少年は自分の家に帰宅し、自分の部屋のパソコンを開いていた。
「……『パネルゲーム』?」
 少年は少女から貰った黒色のボールを、机に滑らせるように片手で転がしている。
 マウスを動かし、少年は少女の言っていた『Wボール』について調べていたのだ。
 少年の見つめる画面は、『パネルゲーム』と大きく記されていた。
「何々?パネルゲームは、一人6つのWボール(ウェポンボール)を所持し、パネルというステージで戦闘を行う競技?スポーツか何かかな?」
 少年がじっくりと画面を覗いていると、部屋のドアからノックの音が聞こえた。
「新(しん)、そろそろ夕食よ。降りてきなさい」
 それは少年の母親の声だった。少年は慌ててパソコンを閉じ、部屋を出る。
 リビングに着き、料理の盛られたテーブルの椅子に座る。
「今日は、大変だったんだってな。新」
 同時に椅子に座ったのは、新となぞられた少年の父親。スーツを脱ぎワイシャツ姿なのが、いかにも仕事が終わったサラリーマンだ。
 新は曖昧に返事をすると、母親が椅子に座るのを待った。
「何があったのか、詳しく話してみなさい」
 話しかけられた新だが、口を開く様子はなかった。
 そう、あれは元々学校の出来事が原因だった。

「はい、じゃあ中学校2年目だけど、顔見知りでもしっかり自己紹介すること〜!」
 教室で、若い女教師の声が響く。
 次々と、自己紹介をしていく中、新は何を言おうか考えていた。
「んじゃ、次!森村君!」
「は、はい!」
 新はその瞬間心臓が飛び出しそうだった。あがり症なのだ。
 クラスの目線は今、自分に注がれている、そう思うと声が出なくなりそうになる。
 私服で良い中学校と、とても自由な環境なのに制服を着せられた堅苦しさが出てしまう。
「え、えーと。も、森村 新(もりむら しん)と言います!しゅ、趣味は……」
 自分の個性を出すための付きもの、趣味。それが一番新にとって邪魔だった。
「さ、散歩です……」
 急に声が小さくなる新に、クラスメートは「ジジクセェ」などと、暴言が飛び交かわせた。
「はい、皆さん静かに〜!」
 担任の声で声は止んだが、新は何か喉の奥に引っ掛かる物があった。
 そして放課後、新は通学路をトボトボと一人で歩いていた。一緒に帰る友人がいないのだ。
 その気の弱さ故、いじめられもしないというクラスでの定位置にいた新は、心のどこかで、いつも友人が欲しい。そう願っていた。
「……そう言えば、こっちの通学路で帰る同級生なんていなかったな〜。僕ってホントに運悪いかも」
 見るからに黒いオーラを背負って歩く新は、玄関前の野良猫と遊ぶくらいが楽しみのような物だった。
 それを思い出し、今度は元気良く走っていこうとすると、誰かとぶつかってしまった。
「す、済みません!」
「ってて……あ、森村君だっけ?」
 新が下げた頭を上に上げると、真っ先に茶髪のポニーテ−ルが目に入った。
「えっと……」
 新は自分のショックが大きかったからか、後の自己紹介は聞いていなかった。
「もう忘れたの?ま、私も半分も覚えてないけど。私は東城 凜(とうじょう りん)趣味はサイクリング、森村君の散歩とほとんど変わらないから安心して」
 新は黙って頷くと、凜が顔を近づけていった。
「あ、ちょっとお願いがあるんだけど……」
「な、何?」
「不良を一緒に説得してくれない?」

 そう、あれが凜という少女との最悪な出会いだった。
 新は改めて、凜に「友達になって下さい」などと言わなくて良かったと思う。

12ライナー:2011/09/19(月) 09:58:45 HOST:222-151-086-002.jp.fiberbit.net
 新はため息を吐きながら部屋に戻る。
「パネルゲームか……」
 新は凜に貰った黒いWボールをポケットから取り出し、握ってみた。
 しかし今度は輝きが無く、剣に変化することも無かった。
「?」
 新が疑問符を浮かべていると、部屋の窓から物音がする。
 咄嗟に新は窓の方を見上げると、窓の縁(ふち)には、凜が腰掛けていた。
「あのー。また何か御用ですか?」
「……ゴメンゴメンっ!キミの家だとは」
 新は疑いの目で凜を見つめる。
「態とじゃ無いってっ!」
「じゃあ、何の用ですか……?」
 凜は汗を額に浮かべながら無理矢理に笑顔を作った。
「……またちょっと不良に」
「で、どうしろと?」
「助けて」
「嫌です」
 二人の間で、暫く沈黙が続いた。
「もう一個Wボールあげるからさ〜」
「僕は物には釣られません。大体さっき使おうとしたら出ませんでしたし」
 新はさらに冷たい目で凜を見つめる。
「そ、それはパネルフィールドが展開されてないからよ」
 新はまたも疑問符をあげる。
「じゃ、最初っから説明してあげるよ」
 パネルゲームとは、Wボールという携帯武器を6個ずつ持って戦う競技。ここまでは新も知っている範囲にだった。
「それで?」
「落ち着いて聞きなさい」
 Wボールは本来、パネルフィールドという場所でしか使用することが出来ない。
 そして、パネルフィールド内で戦闘することがルールとなる。
 Wボールには幾つか種類がある。
 1つ目はAW(アタックウェポン)剣や銃などの武器類。
 2つ目はDW(ディフェンスウェポン)盾や壁などの防具類。
 3つ目はTW(トラップウエポン)一定の場所に仕掛け、相手の行動を妨害する罠類。
 4つ目はMW(マジックウェポン)特殊的な効果をもたらす、魔道具類。
 それぞれコストと言う物があり、武器コスト20以内が規定となる。
 AW+DW+TW+MW=20 になるようにすると言うことだ。
 例;AW(8)+DW(2)+TW(6)+MW(4)=20
 コストは最高15の武器もあるが、それを選ぶと、他の武器のコストは1の物を選ばなければいけない。武器のチョイスにも頭を使うゲームなのだ。
「へー、そうなんですか。でも何であの時はWボールを使えたんですか?」
「それは、不良共が違法なパネルを街に勝手に展開したからよ。もうそろそろこっち側にもパネルが展開されるかも」
「……お引き取り願います」
 凜は強引にも土足で、新の部屋に入った。
「ああっ!何してるんですか!」
「とりあえず手伝ってよ!」
 お互いかみ合わない口論をしていると、窓の縁(ふち)にまた、何者かが立っている。
「よお、東城さんヨォ。ウチの者可愛がってくれたみてェだから、礼をしに来たぜェ」
「黒馬(ブラックホース)の馬場……!」
 場の空気について行けない新は、先程から疑問符をあげている。
「えっと、僕の家の玄関はここだったっけ?」

13ライナー:2011/09/19(月) 12:02:12 HOST:222-151-086-002.jp.fiberbit.net
「んな事言ってる場合じゃないでしょ!」
 凜の言葉を余所に新は部屋の奥からビニール袋を持ってきた。
「土足はいけないんで、二人とも靴入れて下さい」
 セカセカと運動靴を入れる凜を見ている馬場は、顔が硬直していた。
「ったくもぉ〜!!」
「だって土足はいけないですよ?後で掃除しなきゃ。あ、馬場さんも入れて下さい」
 馬場は顔を硬直させたままビニール袋に自分の靴を入れた。
 凜は新のことを、こんな黒い革ジャン来て、厳(いか)つい顔している奴によく堂々としていられるなと思った。しかし、それよりも気になったのが馬場が靴を素直に入れたことだろう。完全に敵を見る目では無くなっている。
「じゃあ、良いですよ。スリッパは……大丈夫ですよね」
「……っと、と、東城!!今度こそ貴様に焼き入れてやるぜ!」
 馬場の族語は、ハッキリ言って何の迫力もない。
 「パネル展開!」と、馬場が言うと辺りが一瞬ブロックで囲まれたような光が部屋を覆った。
「森村君も手伝いなさい。バーチャルだから家は壊れない、そう言っておけば安心する?」
「うん……でも、戦える自信がありません」
 そんな遣り取りの中でも、馬場は黒いWボールを展開させる。
 馬場の展開させた武器は光を帯び馬場の脚に取り付いて行った。
「『壊滅蹴(かいめつしゅう)』ね……」
 凜は真剣な表情で唾を呑んだ。
「あのー、土足は遠慮して下さい」
 新はこの期に及んで、靴のことを気にしている。
「だからバーチャルだって!コスト10のAWで、バーチャルだけど痛みは感じる……」
「そう言うリアルはいりません……」
 新達の会話を余所に、馬場の蹴りが凜に襲う。
 凜は途端に目を細めて、新から目をそらすと、馬場の蹴りに手を置いた。
 そして馬場の足を、鉄棒と思わせるような回転を決め、そのまま馬場の顔面を凜の足が直撃する。
 馬場は微かなうなり声を上げて、壁に背を勢いよくぶつけた。
 蹴りを決め華麗に着地する凜は、ベルトに付けたWボールを展開させる。あの時と同じ銃を。
「さ、『電砲銃(でんぽうじゅう)』の威力を味わいなさい!」
 余裕の表情で凜は銃を馬場に向ける。
 しかし、倒れていた馬場は脚を伸ばし、銃を蹴り上げた。
「……!!」
 銃は部屋の天井付近に宙を舞い、凜はそれを見て呆気(あっけ)に取られていた。
 すると、馬場は急速に体制を立て直し、凜の腹部に弾丸のような速さで蹴りを打ち込む。
「グッ……!」
 今度は凜の方が壁に背をぶつけ、腹部を抱えながら倒れ込んだ。
「と、東城さん!!」
 馬場は倒れ込む凜を見てから、落ちてくる電砲銃を捕まえた。
「後は、そこのガキンチョだな!」
 新は思わぬ状況で無意識に自分のWボールを展開する。
「……!!ほう、枯身剣(こしんけん)か。コストは8だが中々の威力だと聞く」
 剣を片手に、新は心に決めていた。頼れる凜もやられてしまった今、自分が何とかしなければいけないと言うことだ。
 そう思っている間にも、馬場の『壊滅蹴(かいめつしゅう)』による蹴りが飛んでくる。
 何とか刀身で防ぐ新だが、相手は当然のことで脚が2本ある。防いだ後に、もう一発の蹴りが新を襲った。
「うわっ!」
 胸部に当たった蹴りの勢いは、新をスライディングさせるように状態を倒した。
「へっ!ダサ坊はサッサとくたばりやがれ!!」
 馬場は凜の持っていた銃の銃口を新に向け、激しい音を鳴らした。

14 ◆uXwG1DBdXY:2011/09/19(月) 13:55:10 HOST:KD027082037068.ppp-bb.dion.ne.jp

どうも、槙です
新作と聞いてコメントさせていただきました。

ボールが武器に変形したりする設定もとても面白そうですし、新君や凜ちゃんなどのキャラクター達も個性的で、更新が楽しみです。
二作掛け持ちで大変でしょうが応援しています、頑張って下さい!

15ライナー:2011/09/19(月) 14:32:08 HOST:222-151-086-002.jp.fiberbit.net
 電流は新の体を貫き、新の全身を硬直させた。
「これで終わりだァ!!」
 馬場は硬直して動くことの出来ない新に蹴りを嚼(か)ます。
 しかしその蹴りは新の鼻先で止まった。
 何故なら、凜が馬場の脚を掴んでいたからだ。
「終わらせない……!」
 新はその時、凜のアイコンタクトを受け取った。「馬場を倒せ」というアイコンタクトを。
 不意を突かれ驚いている馬場に、新は剣を突き出した。
 その刀身は馬場の体を突き抜けた、と言うより、透き通ったと言った方がよいのだろうか、血などは一切出ていない。
「グゥッ……!!」
 馬場が苦痛の声を上げると、新の部屋からブロックのような光が消えていった。
「チッ……ライフゲージが0になりやがったか……」
 腹部を抱えながら、馬場は再び窓の縁(ふち)に立ち、元に戻った凜のWボールを部屋の中に投げ捨てる。
「そいつは返してやる!だが、今度来たときはぶちのめしてやる。いいな……!!」
 そう言い残して、馬場は新の部屋の窓から姿を消した。
 新は剣から形を変えたWボールを震える手で握っている。
 一方、凜はゆっくりと立ち上がり、自分のWボールを握った。
「あ、あれ何なの……?」
 新は体を硬直させたまま凜に言う。
「『黒生物(ブラッククリーチャー)』の奴らよ。時々出てくる荒くれ者で、ちょっと肩ぶつかったくらいでここまで発展するとはね……」
 すると凜はポケットから緑色のWボールを新の手に握らせた。
「約束の物。まあ、森村君は使わないだろうけど、売ればお小遣いに成るから……じゃ、靴返して」
 新は凜に靴を渡すと、凜も馬場と同じように窓から去っていった。
「あ、馬場さんの靴……ま、いっか」

 翌日の朝、通学路のこと。
「はあ〜……昨日は大変だったな〜……」
 ため息を吐きながら、新はいつもの通学路を歩いていた。
「オハヨ!平和主義者な森村君!」
 声のする方に新は振り向くと、そこには凜が立っている。
「何ですか……」
 ふて腐れたように、新は凜に言う。
「何か、嫌な人のイメージ付いてない?」
「当たり前ですよ……でも、正直良かったです」
 新の顔は何だか嬉しそうな笑顔を見せていた。
「え?」
「いえ、そんな風に思える人がいなかったもので……」
 新の笑顔をあからさまに覗き込む凜は、新に言った。
「今日の放課後スケジュール空いてる?」
「ええ、空いてますが」
「っじゃ、パネルゲームやってみない?」

 そして放課後……
 新は凜に連れられ、ある場所へと向かっていた。
「ホラ、こっちこっち!」
「ちょ、待って下さいよォ〜!!」
 新は運動神経の悪さに、凜の5メートル後方を脚を縺(もつ)らせながら走る。
 それから森村新のパネルゲームが始まった。

16ライナー:2011/09/19(月) 14:33:58 HOST:222-151-086-002.jp.fiberbit.net
遅れました、済みません^^;
コメントありがとうございます!!
はい、もっと面白い設定を作っていきたいと思うので応援宜しくお願いします。

17:2011/10/15(土) 18:31:09 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
こんなんあったんですか!!?

少し拝見させていただきます。

18ライナー:2011/10/15(土) 19:07:16 HOST:222-151-086-004.jp.fiberbit.net
燐さん≫
済みません、これちょっと動かしづらくなって削除依頼に出しました^^;
申し訳ありませんm(_ _)m

19:2011/10/15(土) 21:31:41 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
ライナーs>>そうなんですか・・。

少し残念です。


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