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ねこのあしあと

222ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/12/12(月) 20:51:44 HOST:w0109-49-133-129-28.uqwimax.jp

   (ねこのあしあと × れんside)

 四日目、自由行動最後の日

 りのと二人っきりでシーに行くことにした
 午前中適当にそこらへん回ってファストパスとかとって午後からが本番かな

 暫く二人楽しんだあと、時刻は午後8時

「ホテル、いつ戻ろうか?」

 僕はりのに尋ねると、りのは頬を赤らめて呟いた

「………まだいやっ、」

 可愛い、可愛すぎる
 ということで、シーで有名なあのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめたままりのが首を振った
 できれば立場をぬいぐるみと交換したい気分だ

「………僕さ、りののこと大好きだよ」
「……ん、りのも大好き」

 二人でぬいぐるみに触れて、少しずつ距離が深まって



 魔法の、キス


 これで時間が止まってしまえばいいのに
 なんて思ったりした

 でも無理なのはわかっているから、苦笑して離れる
 そして手を繋いだまま呟いた

「………そろそろ帰ろうか?」
「……うん、いこっか」

 お互いに、手を差し伸べ合って―――――


     ×


「りのっ、れんくん!おっそーい!」

 ホテルの部屋に戻ると芽衣部長が待ちくたびれていた
 ゆりと世瀬木でさえ戻ってる……

「あは、は……すみません」

 苦笑を浮かべて謝ると、疲れが溜まっていたのでベッドにダイブした

「……さあ!最後に一人ずつ、いろいろ部での感想言わなきゃ!」

 ぼふぼふしている僕も急にピタリと止まった
 最後、って?どういうことだろう?

「………わたしたちがこうやって笑い合えるの、最後かもしれないじゃない?
 これから忙しいし、受験は終わったけど………さ、もう一カ月もないんだよ!」

 芽衣部長に言われて初めて実感した、別れのこと
 辛くて寂しくてたまらなかったけど、まず海が言う

「今年の一年はたくさんのことがあったなあ……
 ゆりに振られたり、振られたり、振られたり………
 楽しかったよ、手放したくないくらい!」

 いつも能天気な海の瞳にも薄らと涙が溜まっていたのがわかった
 そして次はもう泣いているゆり

「………っわたし、黒たちと離れるって覚悟してたのにな……やっぱりさみしいよ!
 離れても、たまには遊びに来てよね……?黒はまたデートしようね?」

 次は、世瀬木

「………そーだな、ゆりとはまた会えるからいいけど……
 お前らみたいな愉快な奴と離れるのは惜しいよ、」

 にこりと微笑む世瀬木には正直ドキッとした
 これからも頑張ってほしいなと心の何処かで思っている自分が何か嫌だ
 次はりの

「………芽衣部長の特製ジュースとか、不味いけどもう飲めなくなるのはちょっと寂しいかも
 ……離れるの、さみしいね」

 涙を隠そうと必死に話すりの
 そして次はるいさん

「とても楽しいいろいろ部の活動だったわ
 大学に行っても貴方たちのこと、絶対に忘れない!」

 涙を浮かべながらも微笑むるいさん
 そして次は舞衣

「途中から短い間だったけど、ありがとう!
 楽しかったよ!」

 そして次、僕

「芽衣部長たちと離れるなんて正直実感わかないけど……今までありがとう
 これからも頑張ってください」

 最後は芽衣部長

「今まで、いろんなことがあったよね
 狂ったりして、嫌なこともあったりして、それでもそれを乗り越えてきたのはやっぱり皆がいたからだと思う
 わたし、皆のこと大好き!大学に行っても頑張るから、皆もそれぞれの道を歩ん、でっ………」

 もう少しで終わるそのときに、突然泣き出してしまった芽衣部長
 それに釣られて世瀬木以外の全員が泣き出す

「………っ離れたくない!離れたくないよおっ!…やだ、よっ……」

 そんなの皆同じ気持ち、だよ!
 やだやだ、でもいくら嫌だって言ったって駄目なんだよ!

「………っみんなで、がんばろう!
 みんなつながってる、からっ………!」

 涙ぐんだ口調で僕が言う
 お互い大好きだと抱きしめ合うと、涙で溢れていたこの部屋が一気に明るくなった


「あははっ、あは………れんくんもクサイこと言うよね!」
「なっ、芽衣部長だって!泣いてたくせに……」
「泣いてたのは皆同じですうー」

 笑い声が響く、幸せな空間

   (つづく)


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