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☆二人きりの一週間☆ 私の好きな人は!?

1いちご:2011/08/09(火) 09:37:14 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
はじめまして、いちごです

小説を書くのは初めてなので優しい目で見てくださいっ><

107いちご:2012/03/02(金) 15:33:20 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp



「ちょ・・・離して」


お兄ちゃんがあまりにも強い力で抑え付けるもんだから、

肩に痛みが走って、私は声を上げれば響兄ちゃんはムスッとした顔になる。

そして、


「嫌だ」


と言うと、私の肩から腕へと手をずらした。

両手の自由を奪われる。

意味分かんないんですけどー!!


私が痛みを耐えながら、不思議そうに響兄ちゃんを見上げると、

響兄ちゃんは眉を寄せて、私を睨んだ。

だからさっきから何で睨むの?

108いちご:2012/03/02(金) 15:41:01 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


その半端ない目力に少しビクッと肩を震わせれば

響兄ちゃんは睨むのをやめて、口を開いた。


「お前さ・・・誰もいない時に男の部屋に
のこのこついていってんじゃねぇよ」


・・・・は?


「のこのこなんて・・・・・」


「ついていってんだろ!!!」


ちょっとキツくなった響兄ちゃんの口調に、

私の声は小さくなる。

109いちご:2012/03/02(金) 19:03:27 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


「だって裕ちゃんだもん。幼馴染だもん」


私が拗ねたような、怯えたような口調でそう言うと、

響兄ちゃんは私を握る手にギュッと力を込めた。


「幼馴染でも男なんだよ!!それぐらい分かれ馬鹿!」


頭ごなしに怒られて、私も少しムカッとする。


「裕ちゃんはそんなんじゃないもん!!
それに私が何処行こうと、私の勝手でしょ!?」


私がそう反論すると、響兄ちゃんの表情がまた一気に冷たくなった。


(ヤバ・・・言い過ぎた?)


そう思っても、もう遅い。

110いちご:2012/03/02(金) 20:55:01 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


「関係ない・・・・ね」


独り言のように呟いて、ククッと笑った響兄ちゃんの顔は、

今まで見たこともないくらい冷めていて怖かった。


「ご、ごめんなさい・・・」


そう言って謝っても、響兄ちゃんの怒りは収まることもなく・・・・

唯唯、冷たく笑うだけ。

こんな響兄ちゃんは初めてで、なんだか無性に

逃げなくてはいけない気がして、身体をよじらすと

響兄ちゃんは「逃さねぇよ」と言って、私の身体をベットに押し付けつけた。


「そうだよ。俺には関係ない」


そのあまりにも冷たい言葉に、胸がジンジンと痛む。


「でもさ・・・」


響兄ちゃんは私を見つめながらも言葉を続けた。


「お前、無防備すぎんだよ」


囁くようにそう言って、怪しい笑みを浮かべた響兄ちゃん。

それがこの世のものとは思えないくらいに綺麗な笑顔で、

ゾクッと背筋に電気が走った。

111いちご:2012/03/05(月) 17:49:57 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


「こんな簡単に押し倒されて、男なめんじゃねぇぞ」


そう言いながら妖しい笑顔のまま、

響兄ちゃんが私の服に手をかける。


「だ、駄目!!お兄ちゃ・・・ッ」


私が叫ぶのも無視して着ていた

ブレザーのボタンを全部外してしまった。

響兄ちゃんが私の首筋にキスを落とす。


「ッ!・・・やっ」


私は僅かにその快感に耐えた。







お兄ちゃん・・・










貴方は今―――、
















何を思っている?

112いちご:2012/03/05(月) 18:26:03 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp



響兄ちゃんは再び首筋に唇をつけ、また離すと

今度は唇を私の耳に近づけた。


「なぁ、知ってた?」


響兄ちゃんは唇が耳に触れそうな距離で、囁くように言った。


「な・・・に?」


私はやっとの事で、震えながらも声を出す。




だけど、次の瞬間



響兄ちゃんの一言で、



息をすることさえも忘れてしまった。

113:2012/03/06(火) 17:13:45 HOST:zaqd37c5e38.zaq.ne.jp
おお!!

何か物凄く妖艶的な匂いが…(-_-;)

気のせいか?

ま、頑張れ!!

応援してんぜ!!!

114いちご:2012/03/08(木) 17:55:17 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
ギリギリラインだせ!(←ギリギリなのか?)

うん、頑張る!

最後考えとかないと(;´Д`)

115:2012/03/08(木) 18:00:27 HOST:zaqd37c5e38.zaq.ne.jp
いちご>>ギリギリより少し下ぐらい??

こーゆうの甘々小説って言うんやね。

憶えとくわw

ノートに下書きしたら?

私の場合、夜中に毎日二時間ぐらいしてるw

ではノシ

116いちご:2012/03/13(火) 18:53:04 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
そっかな?

ギリギリラインの下か・・・

やっぱノートに書くか!

そして鉛筆を持って固まる・・・

ネタ切れだ!!っww

117いちご:2012/03/13(火) 19:00:25 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp



「俺達は兄妹なんかじゃない」




―――何で・・・




「血が繋がってないんだよ」




響兄ちゃんが・・・




――――そのことを知っているの?

118いちご:2012/03/13(火) 19:10:00 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp



びっくりして目を見開く私に響兄ちゃんは続ける。


「見たんだよ、母さんの日記」


「いつから・・・・」


「まだ小4だった時」


そんな昔から・・・


「俺が2歳の時にさ・・・赤ん坊のお前が
うちの家の前に捨てられてたんだって」


響兄ちゃんはそう言ってクスッと笑う。

119いちご:2012/03/13(火) 19:29:17 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


そして懐かしそうに目を細めながら話を続けた。



「正直、あんまり驚かなかったよ。

お前と俺ら全然似てねぇもん。

俺も父さんも母さんも、皆地毛茶なのに、お前だけ真っ黒だし・・・」



響兄ちゃんは私の髪にそっとキスを落とす。



「俺ら皆デカイのにお前だけチビだし・・・。とにかく同じ遺伝子が

流れているようには見えなかったもんな」



響兄ちゃんはニッコリと完璧なくらいの笑みを浮かべた。




「だから・・・・、だからさ。」




あぁ、神様・・・・




「お前のことを家族だなんて思ったこと、一度だってなかったよ」











貴方は残酷だ――――…‥

120いちご:2012/03/13(火) 20:54:29 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp



たとえ女として意識される事が無くとも、私は構わなかった。

ただ、無条件で側にいられる妹という位置につけただけで十分だった。

ただ、側にいることさえ出来ればそれでよかったのに・・・・


「俺らはさ、何一つ繋がっちゃいないんだよ」


神様・・・・貴方は、


それすら許してくれない―――…‥

121いちご:2012/03/17(土) 17:20:46 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


涙で視界が歪む。自然と身体が震える。

私は貴方の恋愛対象にも、家族になることも出来なかった―・・


「お兄ちゃッ「残念だけど」・・・ッ!」


お兄ちゃんは冷たく笑う。

真実を知らされる私に、意地悪だけど

優しいあの笑みが向けられることは二度とない。


「俺はお前の兄貴でも何でもないんだよ」



ねぇ、お兄ちゃん・・・・


また名前を読んでよ。


また頭を撫でてよ。


“妹”でもいいから・・・


意地悪してもいいから・・・


もう一度、


ギュッと抱きしめて欲しいよ。

122いちご:2012/03/17(土) 21:38:52 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


「じゃあな」


響兄ちゃんは最後にそう言うと、

私の上からスッと退いて、すぐに部屋を出ていった。


バタンという音が響くと共に、

どうしようもない虚しさが胸を締め上げる。


響兄ちゃんは部屋を出ていくとき、

一度も私の目を見ることはなかった。


「うっ・・・くっ・・・・」


所詮私は、

恋人でも、友達でも、妹でもなくて――、

赤の他人なんだ。

123いちご:2012/03/17(土) 21:50:19 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
【☆二人きりの一週間☆】 。゜+幼馴染の気持ち+゜。


「お前、最近おかしいぞ」


響兄ちゃんとの件があって早三日たったある日。

屋上でサボっていた私の前に現れた裕ちゃんが、

心配そうな表情を浮かべた。


響兄ちゃんはあの日以来も家に帰ってこない。

ここ1、2日は何とか笑って誤魔化してきたけど・・・

さすがにもう、限界かもしれない。

124いちご:2012/03/26(月) 16:55:55 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


「―――裕ちゃん・・・」



「な、なんだよ」



私があまりにも暗い声を出すもんだから、

裕ちゃんは驚いたらしい。



「―――恋って辛いね・・・」



私がそう言うと、裕ちゃんは何処か遠くを見つめた。



「・・・・・そう・・・だな」



裕ちゃんはいつもの雰囲気と違っていて

何だか声を掛けづらく、沈黙が続いた。


「お前ってさ!!」


「な、なに・・・?」


そんな沈黙を破ったのは裕ちゃんで、

真剣な顔で私を見つめるから、少し戸惑いながら返事をした。



「お前って、モテてんのに全然気づかねぇし!
頭いいくせにどっか抜けてるし!」



「・・・・は、はぁ!?それ褒めてんの?貶してんの!?」


(真顔で言われるとムカつくーー!!)

裕ちゃんは私の言葉を無視して、

意味の分からない言葉を続けていく。



「お前恋愛に不器用すぎてイラつくし!
全ッ然俺の気持ちに気づかないほど
鈍感で鈍感すぎて泣けてくるけど!!




















そんな胡桃が――、












































誰よりも、何よりも大好きなんだーー!!」

125:2012/03/26(月) 17:28:12 HOST:zaq7a66c14f.zaq.ne.jp
いちご>>いちごぉぉぉぉ!!!!

コメしに来たノシ

ま・さ・か・の・三角関係だぁぁぁぁぁ!!!!

くるみっぺはどっち取るんやろなw

あんなドSな兄取ったら駄目だぞー!!!

草食系な幼馴染を取ってくれええええwww

126いちご:2012/03/26(月) 21:29:48 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
燐>

三角関係♡

いや〜、最近思いついたんよww

ってか、燐は草食系が好みなんか?

まぁ、そんな燐を裏切るか、裏切らぬか・・・( ̄ー ̄)ニヤリ

127:2012/03/27(火) 16:29:44 HOST:zaq7a66c14f.zaq.ne.jp
いちご>>そかそかw

ま、恋愛に三角関係はつき物やしよw

うんw

肉食系な男子は苦手やねw

ドSで困るww

128いちご:2012/03/28(水) 21:11:13 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
燐>

じゃあ燐が肉食系?ww

両方草食系だと進歩ないしなww

129いちご:2012/03/28(水) 21:23:34 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


好きって・・・裕ちゃんが


―――私を?


だって私と裕ちゃんは幼馴染でしょ?


何でも相談し合える仲の良い幼馴染。


私は裕ちゃんとずっとこういう関係でいたい。


――それなのに・・・


裕ちゃんは違うの?

130いちご:2012/03/29(木) 12:05:44 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


涙が頬を濡らしていく。


「・・・・泣くなって」


「ごめッ・・・ごめんッッ。全然気づかなかっ」


ボロボロと涙が溢れて、止まらない嗚咽に

上手く息ができない。


「・・・俺こそゴメン・・泣かせたかった訳じゃないんだ」


嗚咽が止まらない私はしゃっくりを上げながら

首を小さく横に振る。


「気づかな、くてッ・・・お兄ちゃんの話ばっかしてて・・
知らないうちに傷つけてたッ・・」


「・・・んーん。寧ろ相談されると頼られてる感じしたし・・嬉しかったよ。」

131:2012/03/29(木) 12:14:01 HOST:zaq7a66ffb2.zaq.ne.jp
いちご>>

私か!?

ないないw

つか、どうだろう…←

私は肉食系と言うより脱力系に近いと妹に言われたしなw

更新多めに頼みます

132いちご:2012/03/31(土) 12:36:14 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
>燐

な、なるほど・・・

肉食系でも草食系でもないわけね!ww

う〜ん、今までネタ切れだったけど

本格的にヤバいかもww

でも頑張るゼ(^O^)

133麻利:2012/03/31(土) 18:01:00 HOST:zaq7a66ffb2.zaq.ne.jp
いちごさんこんにちは!

麻利と言う者です!

この小説面白いです!続きが気になります!

私だったら、兄を採るぜ!

もし、血が繋がってたらシスコンだけど、血が繋がってないから・・・。

シスコンじゃねぇぇぇぇ!!

草食系男子も言いと思うケド、好みは、肉食系!(俺様系とか、惚れぼれっす♪)

てことで、頑張ってください!←どんなことやねん

134いちご:2012/04/01(日) 14:04:28 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
>麻利s

おお!意見がわかれましたww

小説はこれからあんまり書けないと思います(泣)

(お母様の監視&真面目に続きが思い浮かばない・・・)

燐の妹さんであっていますよね?

タメ口&呼びタメよろしいっすか?

135麻利:2012/04/01(日) 18:14:21 HOST:zaq7a66ffb2.zaq.ne.jp
いちごさん>>

はいオッケーっす!

そうですか・・・。ざんねんです。

でも頑張ってください応援しています!

そっちも呼び×タメいいですか?

136いちご:2012/04/02(月) 17:32:31 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
>麻利

全然OKだよ(^O^)/

続き頑張るゼ!!

ところで麻利は何年生?

137いちご:2012/04/02(月) 17:33:09 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
続きです↓なんか変になってきてしまった(;´Д`)


「うん・・ッ」


優しくそう言う裕ちゃんに頷くが、

それでも涙が止まらず、二人きりの静かな屋上には

私の嗚咽が響くばかりだった。


「っていうかさ・・・」


優しく、慰めるように話しだす裕ちゃんに、

私は涙が止まらないまま頷く。


「さっきの“告白みたいな”ヤツ・・友達としてだから」


「・・・え」


今度はさっきと全く違う口調で話す裕ちゃんに

びっくりして涙なんて引っ込んでしまった。


「それよりお前の顔、酷いぞ」


「え・・・?」


「早く保健室行ったほうがいいんじゃね?」


裕ちゃんはそう言うと、くるりと向きを変えた。

そしてポカンとしている私を置いて、屋上の扉へと向かう。

そして扉が閉まる音がすると、

私は「え!?え!?えーー!?!?」と雄叫びをあげた。


「ほ、本気で?・・・・」


私は未だに赤い顔を隠すように頬に手を当て、


「騙されたー!」


と、悔しそうに叫んだ。


扉の向こうで、


悲しそうに、苦しそうに頭を抱える


裕ちゃんの気持ちを知りもせずに――・・・。

138麻利:2012/04/03(火) 15:04:02 HOST:zaq7a66ffb2.zaq.ne.jp
いちご>>

私は小3っすよw

続き全然変になって無いっすよ!

むしろ凄いぜ!頑張ってネ!

139なっちゃん:2012/04/03(火) 21:58:46 HOST:i223-216-231-98.s41.a028.ap.plala.or.jp
私は、4月6日なったら小5になります。

140いちご:2012/04/09(月) 14:55:24 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
麻利>

マジでか!?Σ(´∀`;)

3年であんな小説書けるってスゲーww

141:2012/04/09(月) 15:10:21 HOST:zaqdb739ebd.zaq.ne.jp
いちご>>はろはろノシ

小説捗ってるか〜!!

142いちご:2012/04/10(火) 18:06:03 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
燐>

ハロハロ

全然捗ってないよ〜

考え中・・・(´ε`;)

143いちご:2012/04/14(土) 13:28:48 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
暇なので書いてみました
予告?・・・的なww
プロローグっぽくなってるww





ドSで俺様なお兄ちゃん

響兄ちゃんの言動一つ一つに

一喜一憂させられて。


優しくて王子様な幼なじみ

裕ちゃんの優しさに心が揺れて。


(私、裕ちゃんのことが好きなのかな・・・)


私が本当に好きなのは誰?


自分の気持ちに気づいたとき、


溢れたのは


たくさんの涙と――…





彼へ捧げる大きな愛だった。

144いちご:2012/04/29(日) 11:57:27 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


―――

――――


キーンコーンカーンコーン――・・・


2時間目のチャイムが終わったとき、

私は保健室に駆け込んだ。


でもこの時、保険医の先生は席を外している

最中だったのか、室内は物音一つしていなかった。


まぁ、私にとってそれが好都合なのだが。

保健室の鏡で自分の顔を確認してみる。

とても何事もなかったと言えるような顔ではない。

この顔を見られたらきっと、大騒ぎされてしまうだろう。


氷水で目の周りを冷やすと、少し治まったような気もするが、

このまま教室に戻っても、心配されてしまう。

かと言って、このまま授業をサボってしまっても

心配されてしまいそうだ。


そう思って冷やしながら、悩んでいると

泣き疲れたせいか、寝不足のせいか分からないが

急に睡魔が襲ってきて、ベッドに倒れこみ、

そのまま深い眠りについた。

145いちご:2012/04/30(月) 12:37:32 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


―――

――――・・・夢を見た。

どこか懐かしく、哀しい夢。




『マジで!?約束だからな!!』



私が発した言葉に対し

嬉しそうにパァッと笑う裕ちゃん。



『分かったよ、頑張ってね』



『おう!!』






あれ、約束ってなんだっけ―――?







『約束つったじゃん』





そう言った裕ちゃんに

私は何を言ったのかは覚えていないけれど



『――――――』



私の言葉で裕ちゃんの顔が、酷く歪んだのが分かった。

146いちご:2012/04/30(月) 13:53:32 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


―――

―――――


「んッ・・・・頭いたい」


「寝過ぎだ馬鹿」



目を開けると、私の顔を覗き込んでいる

裕ちゃんがいた。


「ん〜・・・・今何時?」


「12時。蓮と香奈が待ってんぞ」


「え、嘘!?もうお昼?」


私は裕ちゃんが発した言葉に驚く。

147いちご:2012/05/02(水) 19:17:06 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


「先生が宿題2倍って怒ってた」


「ッえぇ!?」


「嘘」


裕ちゃんは、お兄ちゃんとキャラが破っているような気がする。

・・・・ドSなところが。


「皆めっちゃ心配してる」


それと、時々優しくなるところとか。


(もしかしたらあの告白も、私を励ますために言ってくれたのかな)


そう思って裕ちゃんの顔を見つめていると、

裕ちゃんは自分の顔をペタペタと触りはじめた。


「何?なんか口についてる?さっき早弁したからか?」


いや、やっぱり似てない。お兄ちゃんはこんなに馬鹿っぽくないし。

あ、でも、(こう見えて)裕ちゃんは学年2位の成績で

お兄ちゃんも頭いいから、似てるかも(?)。

148いちご:2012/05/02(水) 21:42:20 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


私がいろいろ悩んでいると、

急に裕ちゃんの整っている顔がドアップになった。


「わっ!!えッ、何?」


裕ちゃんのいきなりの行動にパニクる。

いくら幼なじみでも、こういう行動には赤面してしまう。


「あ、いや…。目の腫れひいたn『ゎ、わっ!?』」


ガタッドサッ

裕ちゃんの言葉を遮るように、ドアの方から物音がした。


「ちょ、何やってんだよ!」


「そんなデカイ図体支えられるわけ無いでしょ!!」


「お前が邪魔で見えなかったんだよ!!」


私はうつ伏せになったまま言い合いをしている

二人を茫然と見つめた。

149いちご:2012/05/03(木) 10:47:06 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


「か、…香奈?蓮君?」


「あー、続けて続けて!」


「お構いなく!」


私が二人の名前を呼ぶと、

謝りもせず、にへらっと締まりのない笑顔を見せる香奈と蓮君。


「お構いなく、じゃねーよ。何やってんだお前ら」


「いや〜、気になってなー」


「覗きなんて悪趣味だぞ」


香奈と蓮くんは高校で知り合った友達だ。

まぁ、地元から離れた高校だから中学の友達なんて

いないのだけれど(裕ちゃんを除いて)。


「でもよ。もっとこう強引に…」


「えッ!?」


蓮くんは香奈の肩をガシッと掴むと、

香奈に顔を思い切り近づけた。


「ギャー!?」


パンッ


「いっ、て」


香奈は蓮君に思い切りビンタ。


「もっと可愛い反応しろよ。胡桃ちゃんみたいにさぁ〜」


「変態!此処に変態がいますよッッ!!」


…なんだか二人が付き合って見えると思うが、

はっきり言って二人は付き合っていない。

蓮君は誰にでもこういうことをする。いわゆる遊び人。

香奈には3年生に彼氏がいるし…。


「なんだよ、裕哉にキスの仕方おs「変態!やっぱ変態!!」」


「だって胡桃ちゃん鈍感なんだよ。もっと強引に迫ったほうが」


「誤解だっつーの。べつにキスしようとしたわけじゃ…」


「……さっきから何の話してんの?」


私が3人に呼びかけると、香奈が振り向く。


「あ、いいんだよ!胡桃は分かんなくて♪もー可愛いなぁ」


なんだか仲間はずれにされているみたいだ。

150いちご:2012/07/31(火) 09:56:06 HOST:ntiwte023008.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


――――

――――――…


「それじゃあ、今から測るよ」


「うんお願い」


「せーのっ」



べしゃっ!!



―その瞬間

指定の位置でジッと待機していた香奈が

突然その場から勢いよく屈みこんでジャンプしたかと思うと

なぜか顔面ごと砂場の中へ突っ込んだ。


むくっと起き上がるなり、

「イヤぁーッ!」と大きな悲鳴をあげて叫ぶ香奈に

今までの一部始終を見ていた体育の先生が、

上からハァっと溜め息をはいた。

151いちご:2012/07/31(火) 10:00:51 HOST:ntiwte023008.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


「どーやったら今そこで尻もちどころか、

前に突っ込んでコケる事ができんだろうね…」


「(ムカッ) だって!立ち幅跳びって、

見てるよりずっと着地がムズかしいんだよ?

ってゆーか、そこまで言うんなら先生があたしにお手本見せてよね!

意外とむずかしいんだからね!これ!」


「はいはい」


そう言って、その言葉通り

先生は軽々と、砂の上を通り越して跳び、すんなりと着地してみせた。

香奈は口をあんぐりさせてる。


しかも今の跳びが


何気に先生の「自己最高新記録」って言うから、さらにスゴい…

…さ、さすが、元陸部。

高校時代、部長をやっていただけあって、その実力も本物だ…。


「ど?少しはイイ手本になった?」


「ぎぃー!ぐやしぃー!」


ぜったいぜったい、負けないんだから!

今ので相当カチンと来たらしく、

あさみちゃんはますます意気込んで練習してる。

152いちご:2012/07/31(火) 10:05:17 HOST:ntiwte023008.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


そのまま闘志に燃える香奈の姿を、

横でアタフタとフォローしていたそのとき


「ねぇ、見てよあれ……」


男子たちがいるグラウンド側をしきりに見つめて

何やらヒソヒソと話す女の子たちの声がした。


「裕哉くんサッカー上手い!」


「うんうん、てかもうあれプロだよプロ!」


「やばい。超かっこいい!」


その会話にビックリして顔をあげると

目の前では、向こうにいる誰かをウワサして、

何やら騒いでいる様子の女の子たち。

例の人を、みんなと一緒になって後ろから見ていて。

それに反応するように、わたしも思わずここから立ち上がり

その人たちが見ている方向へ目を向ける。

153いちご:2012/07/31(火) 10:14:52 HOST:ntiwte023008.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
修正です(ーー;)
>151の下らへんに
「あさみちゃん」という人が登場しています
「誰ですかあさみちゃんって」・・・
私の友達です(;´∀`)
考え事してたからかなぁ・・・
香奈に直しといてください

154いちご:2012/07/31(火) 10:15:30 HOST:ntiwte023008.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


「一本入れるぞ!」


「パスパス!」


「今すぐディフェンスに戻れ!」


すると中央のコートでは

ここからでも聞こえるくらい

互いを強く指示する声や、サポートする声が一度にいくつも飛び交い

大きな盛りあがりを見せていて

赤や青のユニフォームを着た男子たちがまさに今

サッカーの試合をしている真っ最中だった。


「うわっ、何かあそこ囲まれちゃってる」


「青の男じゃま!」


「あ、でも抜けた!」


「いけいけー」


そして女の子たちの応援の的になっていたのは

次々と襲いかかってくる敵チームの攻めにも一切動じることなく

しかもその攻撃陣の間をすばやいドリブルで交わし、

あっさり抜けていったかと思うと、相手側のゴールエリアよりも

だいぶ離れた位置から

大胆にもミドルシュートを飛ばしてみせた裕ちゃんの姿だった。

155いちご:2012/07/31(火) 10:20:27 HOST:ntiwte023008.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp


「ナイッシュー!」


その直後、裕ちゃんがいきなり繰り出した力強いミドルシュートは

相手キーパーの手を見事すり抜け

奥のゴールネットを激しく突き上げて揺らした。


その瞬間、ピィーッ!と鳴り響いたホイッスルの音に

赤のユニフォームを着た男子たちが、

いっせいに裕ちゃんの元へと駆け寄って飛び乗り

嬉しそうに裕ちゃんの頭をワシャワシャとかく。


「おい!やったな裕哉!」


「おまえマジすげぇ!!」


「俺、まさかあそこで裕哉がミドル飛ばして決めると思わなかったわ」


裕ちゃんのミドルにすっかり興奮した様子の、

同じチームの男子たちが

次々とその場に集まってきて声をかける。

156あんみつ ◆TJ9qoWuqvA:2012/08/03(金) 11:55:43 HOST:p141213.doubleroute.jp
こんにちは
私もいれて下さい。
ルーナのファンタジー小説と楽しい仲間たち
っていうブログ来てね


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