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☆二人きりの一週間☆ 私の好きな人は!?
1
:
いちご
:2011/08/09(火) 09:37:14 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
はじめまして、いちごです
小説を書くのは初めてなので優しい目で見てくださいっ><
2
:
いちご
:2011/08/09(火) 09:46:31 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
゜。+プロローグ+。゜
あれはいつだっただろう・・・。
確か中学になったばかりの頃
夜中に両親が話してたのを聞いた。
―――私と兄に血の繋がりがないということを。
その日から私は自分の気持ちを、否定するのをやめた。
【☆二人きりの一週間☆ 私の好きな人は!?】
3
:
いちご
:2011/08/09(火) 10:02:50 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
゜。+突然のチャンス+。゜
―――それは突然だった。
「はぁ!?旅行に行く!?!?」
「言ってなかったかしら?少し前からお友達に誘われてね、
今日から一週間、お父さん達とハワイに行ってくるから。」
「ちょっ・・・」
バタン
無情にも閉まられたドア。
私はそれをしばらく眺めた後、頭を抱えた。
遠藤 胡桃(えんどう くるみ)
まだまだ現役高校二年生。
今日は待ちに待った日曜日ということで、
さっそく遅くまで寝ていたら、
いつの間にかこんなことになっていた。
4
:
いちご
:2011/08/09(火) 11:22:06 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
起きてみれば大きなキャリーバックを持った父と母。
何でも一週間ほどハワイまで旅行に行くらしい。
そして私に簡単な説明をし、たった今出発を果たしたのだった。
当然子供達は明日から学校のためお留守番。
まぁ、それまだいい。
いいんだけど・・・
何でそんな大事なこと今言うのかな?
一体どうなってんだよ、この親は・・行動が急過ぎる。
しかも、私が起きてこなかったら、どうするつもりだったんだろう。
きっと捜索願い出されてるし・・・。
まぁ、この人達の場合何も考えてなかったんだろうけど。
私はため息をついて、顔を洗いに洗面所へ向かった。
5
:
いちご
:2011/08/09(火) 18:54:54 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
洗面所の近くまで行くと、
バシャバシャと水渋きの音が聞こえる。
(先約か・・・)
そう思ってその人に見つからないように
クルリと後ろを向いて、さっき来た道を引き返そうとした・・
そのとき
「おい、どこ行くんだよ」
背後から聞こえたハスキーな低い声。
それはさっきまで顔を洗っていた人のモノだ。
私はゆっくりと首だけをその人の方に回して
苦笑いを零し、呟いた。
「きょ・・響兄ちゃん」
明らかに怪しいポーズになっている私を見ながら、
欠伸をしているこの人・・・。
遠藤 響哉(えんどう きょうや)大学一年生。
2つ年上の私の兄。血は、繋がっていないらしいけど。
私は響兄と二人きりになるのが苦手だ。
だって、変なことを口走ってしまいそうになるから・・。
6
:
いちご
:2011/08/11(木) 16:09:29 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
ほら、今だって。
こうやって顔を合わせただけでこんなに心臓がうるさい。
仮にも自分の兄に対してこんな風に
反応してしまう身体に嫌気が差す。
もう皆さんお分かりの通り
私、遠藤 胡桃は・・・
兄、遠藤 響哉のことが好き。
もちろん、一人の男として・・。
7
:
明優
:2011/08/11(木) 16:22:47 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
初めまして^^
小説、読ませていただきました☆
小説名だけで、ドキドキします♪
これからも頑張ってください!!
あと、もっと更新してほしいです!(わがままでごめんなさい!)
8
:
いちご
:2011/08/24(水) 16:58:40 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
なかなか書けなくてごめんなさい><
受験で忙しいのであまり書けませんでした。
コメありがとうございます!
>明優s
9
:
いちご
:2011/08/24(水) 17:17:36 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
茶色の癖ずいたふわふわの髪の毛も。
一重なのに重くない切れ長の綺麗な瞳も。
スッと通った高い鼻も。
少し日焼けしたスベスベの肌も。
男っぽい仕草とか。
全部・・全部好き。
嫌いなところなんて何一つない・・・
「無視すんじゃねーよ、ブス」
・・・・っていうのは嘘だけど。
10
:
いちご
:2011/08/24(水) 17:31:36 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
響兄ちゃんは何て言うか・・・
多分、今流行り(?)の俺様というやつだ。
゛世界は俺中心に回っている゛とでも思っているのだろう。
まぁ、実際そうなんだけども。
だって私の世界は、いつだって響兄ちゃん
中心に回っているんだから・・・。
って、どこの乙女だ私は。
「こらブス、何一人でブツブツ言ってんだ」
「ブスブスうっさいな!仮にもこのブスは、アンタの妹なんだけど!」
本当に、何でこんな横暴なやつを好きになったんだろう。
11
:
いちご
:2011/08/25(木) 19:10:09 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「ブスにブスっつって何が悪いんだよ」
「最低・・・」
分かってる。もう十分過ぎるほどに。
私がブスで響兄ちゃんに似合わないってことぐらい。
なんたって響兄ちゃんは超がつくほどの美形。
この世の中、イケメンと呼ばれる人は五万と居るけれど
響兄ちゃんまでのイケメンは、モデルとかにもそうは居ないと思う。
それは別に好きな人に対する贔屓(ひいき)目とかじゃなくて・・・。
世間一般に見ても、響兄ちゃんは完璧だ。
整いすぎて怖いくらいの顔。
それが私の兄でもあり(血は繋がっていないが)
思いの人でもあるその人、遠藤響哉だ。
12
:
いちご
:2011/08/26(金) 18:51:40 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「てか、母さん達どこ行ったんだよ。なんかお前叫んでたけど」
顔を拭いたであろうタオルを首にかけ、響兄ちゃんは私を見た。
というか、響兄ちゃんの身長が高すぎるせいで(大体185くらい?)
150㎝未満しかないチビな私は、見下ろされる形になる。
伏せ目がちのその瞳に胸が高鳴った。
「・・・今日から旅行だって」
「は・・?」
13
:
燐
:2011/08/26(金) 18:56:00 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
来ましたw
頑張ってください!!←短文すぎるww
14
:
いちご
:2011/08/29(月) 18:13:48 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
ありがとうございます!
あまり来れませんが、ちゃんと
最後まで書ききれるようにしたいです
15
:
いちご
:2011/08/29(月) 18:38:31 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
顔を逸らしてそう答えた私に対して、
響兄ちゃんは眉間にシワを寄せる。
「一週間ハワイでランデブー」
「まじかよ・・・」
それはこっちのセリフだよぉ><
響兄ちゃんにとっては妹と過ごす何てことない一週間。
私にとっては好きな人と過ごす掛け替えのない一週間。
重さが違うんだよ、重さが!!
「じゃあ一週間、俺ら二人っきりってこと?」
「まぁ、そうなりマスネ」
ヤバい、緊張してきた。
「ふーん・・・じゃあさ」
「なっななななに!?」
私の首に回った響兄ちゃんの腕。
後ろから抱きしめられたようなこの格好に、体温が上がる。
16
:
いちご
:2011/08/29(月) 19:02:07 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
響兄ちゃんは、それに追い討ちをかけるように
自分の顔を私の耳に近づけて、フゥと息を吹きかけた。
「きゃっ!?」
「イケナイコト、しちゃう?」
「あわわわわっ!?////」
トマトのように真っ赤な私を見て、響兄ちゃんは満足そうに笑うと
首に回っていた腕をサッと解く。
余りの恥ずかしさにドックンドックンと、
あり得ない速度でなる心音。
「ホント、胡桃は初々しいよな」
そう言ってニヤリと笑った響兄ちゃんの表情でさえも、
ときめいてしまう私は、相当イカれているのかもしれない。
「一週間、頑張れよ」
私をからかう気満々の響兄ちゃんは、
最高に楽しそうな顔で洗面所を後にした。
私は、その場にヘナヘナと座り込む。
17
:
明優
:2011/08/29(月) 19:02:39 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
いちごさん!!お久しぶりです!
以前、コメントさせてもらった明優です!
続きが気になりまくりです!(←日本語おかしい(笑
お忙しいと思いますが、暇があれば、いっぱい書き込んでください!!
18
:
いちご
:2011/08/29(月) 19:08:26 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
兄と私に訪れた、
二人だけの秘密の時間
危険な危険な
一週間が始まった―――。
19
:
いちご
:2011/08/29(月) 19:25:43 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
忙しいと言うより、まぁ忙しいのですが
パソコン禁止令を出されまして・・・
親の目を盗んでちょくちょくやってます(笑
明優さんの小説読んでますよ!
頑張ってください!応援してます><
20
:
明優
:2011/08/29(月) 19:35:38 HOST:i114-182-217-152.s41.a005.ap.plala.or.jp
小説、読んでいてくれて嬉しいです☆
ありがとうございます☆
これからも親の目を盗んで読んでやってください(笑
あと、親の目を盗んで更新してください(笑
最後まで応援してます♪
ではではww
21
:
いちご
:2011/09/05(月) 19:17:49 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
わかりました(*^^*) 続き↓
「はぁ!?同棲!!?」
「ちょ・・声大きい!」
休みが明けて月曜日。
ガヤガヤとうるさい教室の中、私は目の前に座る奴の口を押さえていた。
「てか、同棲じゃないってば。兄妹なんだから・・・」
「ホンット馬鹿だな。押して駄目なら押し倒せ!
それでも駄目なら襲いかかるくらいの勢いでいかねぇと」
「いや、無理だから」
この変態めいた発言をするのは
尾形裕也(おがた ゆうや)あだ名は、裕ちゃん
同じクラスでお隣さんに住む幼なじみ。
私の良き理解者であり、私が兄を好きだと知っている。
あと、響兄ちゃんと私に血の繋がりがないことも知っている頼れる相談相手。
22
:
雛菊
◆h28m2qQSeY
:2011/09/05(月) 19:28:38 HOST:PPPbm6194.kanagawa-ip.dti.ne.jp
読みましたー!
まだ少しですがすごく面白いです♪
お父さんとお母さん…受けますね(笑)←
23
:
燐
:2011/09/05(月) 19:45:11 HOST:zaq7a66c196.zaq.ne.jp
返信遅れてしまって・・すみません><
ってか・・響が俺様系か・・・。
イキってるなw
24
:
いちご
:2011/09/07(水) 19:25:40 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
コメありがとうございます(^^)
頑張って書きますw続き↓
「おこちゃまだなー、胡桃は」
「裕ちゃんがエロ親父なだけでしょ!!」
変態な所がたまに傷だけど、幼い頃から何かと私を助けてくれるいい奴。
「せっかくの短い同棲生活なんだから、そこを生かせよなー」
「だから同棲じゃないって。その前に兄妹だって言ってるじゃん」
「でも、血は繋がっていないんだろ?」
「・・・でも響兄ちゃんはその事知らないもん」
――――そう、響兄ちゃんはきっと知らない
だから私は響兄ちゃんの『妹』ではなくてはいけないんだ。
特別になりたいわけじゃない。困らせたいわけでもない。
響兄ちゃんが望むなら、妹としてでもいいから側に居させて欲しい。
25
:
いちご
:2011/09/08(木) 18:05:27 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「勿体ねぇなー・・1週間も一つ屋根の下で二人っきりで誘惑し放題なのに」
「別にそんなつもりはないよ。今の関係にも納得してるし。
第一、こんなブスが誘惑しても誰も欲情しないよ」
「・・・・・・」
私が拗ねたように言うと、裕ちゃんはシラーっとした目で私を見てきた。
「・・・何?」
そう言って睨めば、裕ちゃんは深い溜息を漏れる。
「この無自覚・・・」
「は?・・・」
悩むように頭を下げた裕ちゃんを見ながら、私は一人首を傾げた。
26
:
いちご
:2011/09/11(日) 21:27:25 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
× × × × ×
「裕ちゃん帰ろー」
「おぅ」
放課後、家が隣同士の裕ちゃんと一緒に帰るのが私の日課。
男と女だけど幼なじみだし、これこそ本当の兄妹みたいで安心できる存在。
きっと響兄ちゃんとよりも、裕ちゃんとの方が何倍も家族っぽいと思う。
その分裕ちゃんも、私にとっては大事な存在。
「でさ―・・・」
「馬鹿じゃねぇか」
「だよね?」
いつものように、たわいのない話をしながら帰り道を歩いていれば
いつの間にか、家の前に着いていた。
玄関の前に止まっている黒色の普通車、それは紛れもなく響兄ちゃんの物である。
「お!!響哉さんもう帰ってんじゃん!!」
それに気づいた裕ちゃんは、満開の笑みを浮かべた。
「えっ、裕ちゃん・・久しぶりにうち寄って行かない?」
兄と二人きりという状況を防止しようと、裕ちゃんの服を引っ張りながら誘ってみるけど
「俺は邪魔者になるつもりはありませーん!!」
あっさり拒否・・・。
「じゃあ明日な」
そう言いながら爽やかに自分の家に入っていく裕ちゃんを見ながら、
私はガクッと肩を落とした。
27
:
いちご
:2011/09/15(木) 16:01:29 HOST:ntiwte055170.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「た・・ただいまぁ〜」
靴を脱いで家に上がる。
響兄ちゃんと鉢合わせにならないように細心の注意を自分の部屋まで行く。
ドアの前に立ち少し気を緩めた瞬間――・・
「おかえり」
そんな声と共に・・
ドアノブを握り締める私の手に、男を思わせる骨張った長い指が触れた。
恐る恐るその手の主の方に目線を移せば、にこやかな笑顔の響兄ちゃんが立っていた。
その恐ろしいほど完璧な笑みに、思わず顔が引きつる。
28
:
いちご
:2011/09/19(月) 15:35:53 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「たた、ただいま・・・」
突然の響兄ちゃんの登場に、噛みまくる私。
しかし・・・
「今一緒に帰ってきたのって、裕也だよな?」
「・・・へ?」
そんな不気味な形の口から発せられた言葉はそんなモノ。
思いも寄らぬ質問に、間抜けな声を出した私。
そんな私に響兄ちゃんは、答えろと瞳で訴えかけてくる。
そんな悪魔様の命令に逆らえるはずもない私は、首を立てに振った。
29
:
いちご
:2011/09/19(月) 16:01:20 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「ふーん・・・結構久し振りに見たけど、かっこ良くなったな」
私の答えを聞いて呟くようにそう言った響兄ちゃん。
確かに裕ちゃんは、かっこいい。
響兄ちゃん程ではないけど、かなりの美形と言っても過言じゃないと思う。
黒髪の短髪に優しい黒目が特徴で、爽やかな好青年って感じの和風系統の顔立ち
響兄ちゃとは真反対のかっこよさを持っている。
だからと言って裕ちゃんに対して、恋愛感情が生まれる事はないのだけど・・・
っていうか何で私の周りに、日本中探しても中々居ないような美形が
二人も揃っているのだろう・・・まったくもって不思議だ。
そんなことを思いながら響兄ちゃんの方を見ると、
さっきまでの意地悪そうな表情はそこにはなく・・・
無表情のままただ私をジッと見つめていた。
30
:
いちご
:2011/09/26(月) 17:34:04 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
(ええぇ!?何か怒ってる??)
あまりの変わりっぷりに困惑する私を余所に、
響兄ちゃんは部屋の扉を開けて私を中に押し込んだ。
それに続いて自分も中に入ってくる。
「おっ・・・お兄ちゃん!?」
まだ上手く状況を掴めていない私を無理やり壁に押さえつけ
響兄ちゃんはグンッと私との距離を縮めた。
もろに息がかかりそうなくらいの距離に、高鳴る鼓動。
「否定しないんだ?」
ワザとなのか無意識なのか・・・その真意は掴めないけど。
響兄ちゃんは驚いて固まる私の頬を
優しくなでながら、無表情のまま私に問いかける。
31
:
いちご
:2011/09/27(火) 19:48:24 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
(ひ・・・否定?)
あぁ、裕ちゃんがかっこ良くなったとかどうとか言う話か・・・
なんてポーッとする頭で一生懸命考えていた時
「いだだだだだだ!!!」
響兄ちゃんが答えをせがむように私の頬をギュムッと摘んだ。
手加減なしにホッペを左右に引っ張るもんだから
響兄ちゃんの甘い感覚にすっかり酔い痴れていた私の脳も
あまりの痛みにハッと正常に戻る。
「ひょっほ、いひゃいっへ(ちょっと、痛いって)!!!」
背中にある壁をバシバシ叩きながら私がそう訴えれば
響兄ちゃんは手を離して『ごめんごめん』と棒読みで謝った。」
32
:
いちご
:2011/10/03(月) 19:38:39 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
一体何なんだ・・・
私がため息を付いていると、響兄ちゃんは真剣な顔をして
『じゃあ、質問変える』と言って、更に私に顔を近づけた。
「俺と裕也、どっちが格好いいと思う?」
「・・・・え?」
何かの冗談かと思い、響兄ちゃんの
美しいお顔を見ても、その表情は至って真面目。
・・・っていうかこれ、そんな真顔でするような質問じゃないよね?
33
:
燐
:2011/10/03(月) 19:49:06 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
更新されとるw
今から読むぞぉぉぉぉぉぉ!!!!
ひゃっはー!!!!
34
:
いちご
:2011/10/13(木) 15:52:07 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
どうぞっ☆
1週間に一回程度ですみません(汗;
なんか2人をどうすればいいのか分かんなくなってきた(早っ
つーか、終わりどうしよう、先考えてなくてサーセン
35
:
燐
:2011/10/13(木) 15:56:02 HOST:zaq3dc00753.zaq.ne.jp
いちご>>エエよw
そんな事気にしとったらアカンよw
うんw←
36
:
いちご
:2011/10/13(木) 16:23:00 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「おい、聞いてんのか」
何も言わない私に響兄ちゃんの顔は
どんどん不機嫌な顔に・・・
だけど私、なんて答えればいいのだろう。
いくら裕ちゃんが格好よくても、好きな人に叶う訳がない。
だから勿論、本音は響兄ちゃん・・・
でも、
妹が自分の兄に向かって、格好いいって言うなんて
世間一般じゃおかしいよね?
じゃあ、裕ちゃん?・・いやいや
嘘でも幼なじみを格好いいと言うのも気がひける。
37
:
いちご
:2011/10/25(火) 18:49:51 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
ありがと・・( ;∀;)
話は変わりますが、新しいスレ作りました(おい・・)
☆男装少女 6人目のメンバー☆です!
皆さんぜひ見てください!こっちもちゃんと書きます。
と、言っても受験なのであまり書けません(T_T)
38
:
いちご
:2011/10/25(火) 21:04:39 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
私がうーんと唸りそうな勢いで悩んでいる間にも
俺様響哉様のご機嫌は段々悪化していくばかり。
基本、待つこと嫌いだもんね。
仕方がないなと思いながら
「二人とも格好いいよ」
と言うと、響兄ちゃんは納得いかないというように顔をしかめた。
しかし、しばらくするとクッと喉の奥をならしながら笑い、私の頭を撫でる。
意味分からん・・・
そう思い首を傾げると響兄ちゃんは更に、不敵な笑みを浮かべて
私の耳元に顔を近づけ、こう言った。
39
:
いちご
:2011/10/29(土) 09:09:46 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「俺が胡桃に同じ質問されたら、
胡桃が一番可愛いって言ってあげるのに」
あまりにも甘くて色っぽいその声に、
まだジンジンと痛む頬をさっきとは違う意味で真っ赤にして、
ゴクッと唾を飲み込む私。
それを見た響兄ちゃんは、私の耳にチュッと軽いキスを残して
そのまま私の部屋を後にした。
「〜〜〜〜っ!!/////」
私は耐え切れなくなって、制服のままベットにダイブする。
心臓がうるさい。
体がほてる。
響兄ちゃんがあんなコトするからだ・・・。
40
:
いちご
:2011/11/02(水) 19:03:32 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
私はまたさっきのキスの感触を思い出して、
バッと手で耳を押さえる。
響兄ちゃんは・・・ズルイ・・。
普段は平気でブスとか言うくせに、時々すっごく甘くなる。
私のおやつを勝手に食べたり、
昔、私のおもちゃを勝手に取られたり。
さっきだって、私のことをからかっていただけだけど・・・。
でも、私はそんな響兄ちゃんに夢中で
響兄ちゃんの言動一つ一つに一喜一憂させられて
駄目だって分かっているのに、やめられなくなる。
無理だって思っているのに、どんどん好きになっていく・・。
止まることを知らない鼓動と、
冷めることのない体中の熱を誤魔化すように、
私は側にあった枕を力一杯抱きしめた。
そして、そのまま
「響兄ちゃん・・・」
愛しい人のことを思いながら、
意識を手放していった――。
41
:
燐
:2011/11/03(木) 08:36:38 HOST:zaq7a66fee5.zaq.ne.jp
何か兄妹愛があってエエよな・・・。
うん←殴
こーゆう話凄く切なくて好きだよ。
とっても・・・。
42
:
いちご
:2011/11/03(木) 10:31:25 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
そーですよね・・・いいですよね兄妹愛(*´∀`)
私も兄がいるんですが、実際にあったらキモいっす、
こういう兄妹愛は(血は繋がっていないけど)
小説の中だけがいいよね。
私は恋愛系が好きなんですが、激甘・甘々より、
甘々&シリアスが好きです(*^^*)
43
:
燐
:2011/11/03(木) 15:28:55 HOST:zaq7a66fee5.zaq.ne.jp
いちごs>>やねw
てか呼びタメおkかな?
こっちはおkだぜぃww
兄貴居ってエエなw
慕われてる証拠やんw←殴
甘々系?何やそれww
44
:
いちご
:2011/11/06(日) 17:08:04 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
>燐
全然OKだよ(^.^)/
ちなみに、兄、私、妹、妹、弟で5人兄妹。
一昨年ぐらいかな・・うるさすぎて、警察呼ばれたことあるし
夜もうるさくて寝れねーし、いいこと1つもないっすよ
燐は兄妹いるの?
45
:
燐
:2011/11/06(日) 17:14:18 HOST:zaqdb739e91.zaq.ne.jp
いちご>>良かった良かったw
5人もか!?��
多いな・・;;
えっと・・3人兄妹さw
私が長女で、あと・・弟、妹さw
46
:
いちご
:2011/11/06(日) 17:40:22 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
>燐
3人かぁー・・・。
私も産むんだったら3人がいいなぁ(*´∀`*)
てか、その前に結婚できねーww
燐って中学生ぐらいだよね?
あ、ゴメン。お母さん帰ってきた><
今日はこれで落ちるね!!
47
:
燐
:2011/11/06(日) 18:25:44 HOST:zaqdb739e91.zaq.ne.jp
いちご>>wwww
うんwそだよww
48
:
咲
:2011/11/07(月) 23:48:10 HOST:58-3-145-198.ppp.bbiq.jp
この、小説ちょおーーーいい!!
続きが楽しみです( ´ ▽ ` )ノw
49
:
いちご
:2011/11/12(土) 20:51:18 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
>燐
そなんだww
部活とかやってるの?
私は来年で中学だけど、多分帰宅部かなw
>咲s
ありがとうございます(^^)
長くなるかなーとか思ってたんですけど
100〜130ぐらいで終わりそーです(汗っ
50
:
燐
:2011/11/12(土) 20:55:30 HOST:zaqdb739e91.zaq.ne.jp
いちご>>of course!!!
書道部でございますw
51
:
いちご
:2011/11/13(日) 15:23:27 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
>燐
書道苦手!
男子より下手くそだもん(´Д⊂グスン
52
:
燐
:2011/11/13(日) 15:24:49 HOST:zaqdb739e91.zaq.ne.jp
いちご>>皆、書道苦手やねんなw←
後、めっちゃゲーマーって言う・・・。
53
:
いちご
:2011/11/17(木) 15:50:55 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
>燐
ゲーマーww
出来ればずっとパソコンとゲームしていたい
(↑引きこもり)
早く受験生じゃなくなりたい><
最近書いてなかったから続き↓
゜。+兄に恋、記憶の扉+。゜
『ここ・・・どこ?』
暗い夜道の中。
赤いランドセルを背負った一人の女の子が、か細い声で呟いた。
遠藤胡桃(小学1年生)。初めて通った小学校。
本当は兄と帰るはずだったけれど、
私は兄と帰るのが嫌で、勝手に学校から
出て来てしまった。
私はお兄ちゃんが大っキライ。
すぐに意地悪するし、命令ばっかだし
私のおやつもおもちゃも、全部お兄ちゃんに取られてしまう。
そんな横暴の兄に、暴力は振られていないものの、
言葉の暴力とやらを存分に受けていた私は、
兄のことが苦手になっていたのだった。
54
:
いちご
:2011/11/19(土) 16:31:18 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
『帰りたいよぉ・・・』
自分でまいた種とはいえ、真っ黒に染まった寒空の下に
一人ぼっちでいるのは、怖くて、寂しくて、心細くて――・・。
零れそうになる涙をこらえている時、
『胡桃ーー!!』
大嫌いなあの声が聞こえてきた。
55
:
いちご
:2011/12/01(木) 20:26:28 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
その声に反応して振り向くと
『お兄ちゃん・・・』
息を切らせながら走ってくる兄の姿があった。
響兄ちゃんがすぐ目の前に来た時、
怒鳴られるのを覚悟してぎゅっと目をつぶる、
56
:
いちご
:2011/12/04(日) 08:26:24 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
しかし、予想していた罵声は飛んでくることなく
代わりに優しい温もりに包まれた。
『っえ?』
驚いて目を開ければ、真ん中に映ったのは
お兄ちゃんの胸板で・・・更に目線を上げてみると、
そこには安心したように微笑む響兄ちゃんがいた。
『心配させんなよ』
いつもの意地悪さと強引さは微塵もなく、
優しく壊れ物を扱うように、私の体を抱き寄せる。
その行動に驚きを隠せないものの、
いつもと違う優しい響兄ちゃんに
『ごめんなさい・・・』
と、小さく呟いて、キュっと抱きつけば、
『もう居なくなるなよ』
響兄ちゃんは、クスっと笑って私の頭を撫でた。
57
:
燐
:2011/12/04(日) 13:25:29 HOST:zaq7a66c1fa.zaq.ne.jp
おお!!!!
何かシスコン展開??
58
:
いちご
:2011/12/12(月) 20:22:26 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
>燐
シスコン展開ww
うん、これはヤバイ展開になりそ―(汗
59
:
燐
:2011/12/14(水) 16:20:20 HOST:zaq7a66c1fa.zaq.ne.jp
いちご>>私も別の掲示板で小説を書いてるけど・・・
やたらブラコン展開だなw
姉弟愛にしてたのに・・・
いつの間にかブラコン展開になりがちw
60
:
いちご
:2012/01/14(土) 18:33:07 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
はい!受験終わりましたーー!!
クリスマスとお正月、日曜日以外ずっと塾、
実は学校5日後なのに宿題半分しか終わってないΣ(´∀`;)
・・・・関係ない話を・・・サーセン!
これからちゃんと更新してくつもりなんで!(多分・・・)
まず、宿題優先っすね!
>燐
蝶が舞う時、3期おめでとう!
ちゃんと小説読んでんのに、コメ書かないとは
私ってば、とんだ礼儀知らず・・
ってヤバい!塾だ!
ほんと礼儀がなってない小娘ですみません!!
61
:
燐
:2012/01/14(土) 18:35:21 HOST:zaqd37c5e53.zaq.ne.jp
いちご>>おお!!!
コメは暇な時でエエよw
うんw
62
:
いちご
:2012/01/15(日) 12:34:58 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
>燐
・・・・(´;ω;`)
ありがとう!
その優しさに感動ww
63
:
いちご
:2012/01/15(日) 12:37:04 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
――
―――
――――
「・・・ん。・・・・夢?」
突然なった携帯のバイブ音に目を覚ます。
懐かしい夢を見たなぁ・・・なんて思いながら、
携帯を開くと、もう夜の7時を回っていた。
―確かあの後、響兄ちゃんと一緒に家に帰って・・・
私が悪いのに響兄ちゃんが罪を被ってくれたんだっけ。
それから私は響兄ちゃんを意識するようになったんだよね。
私は幼い頃のそんな思い出に、ふふっと笑って
きていたメールを開いた。
Fromr 響兄ちゃん
―――――――――――――
晩飯作っとく、
先に風呂でも入ってろ
―――――――――――――
64
:
いちご
:2012/01/15(日) 12:42:01 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
↑Fromr(×) From(○)?
わかんないや( ´Д`)=3
65
:
いちご
:2012/01/15(日) 13:17:07 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
同じ家にいるんだから、口で言えばいいのに・・・
なんて思いながらも正直に綻ぶ私の顔。
響兄ちゃんは、強引で意地悪だけど、
何だかんだ言って、妹思いの優しい兄なんだ。
私はメールで『わかった』と返信すると、
鼻歌を歌いながらお風呂場に向かっていった。
゜。+夜は少し刺激的に+。゜
ポチャンと水が滴る音がする。
さっきまで寝ていた私は、お風呂で少しボーっとしていた。
66
:
いちご
:2012/01/17(火) 15:49:00 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
―――中学生になったばかりの頃、
喉が渇いてしまい、台所に行こうとした私は
偶然、母と父の話を聞いてしまった。
『そろそろ二人の部屋、別々にした方がいいんじゃないか?』
『そうね、たとえ血が繋がっていなくても
兄妹は兄妹だもの・・・変な感情が生まれたら困るわ。』
――血ガ繋ガッテイない。
私はその日から自分の気持を、否定するのをやめた。
67
:
燐
:2012/01/17(火) 16:07:48 HOST:zaqdadc2a18.zaq.ne.jp
fromはこうだ←
ちなみにdearはこうだ←
68
:
いちご
:2012/01/21(土) 11:51:50 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
そうなんかwあんがと!
他の小説見て書いてたから
わかんなかったw
69
:
いちご
:2012/01/21(土) 11:53:53 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
でも、自分の気持ちは伝えなかった。
だって、『好き』なんて伝えても何もいいことなんてないから
『好き』そう伝えたら、この関係が壊れてしまうから
兄妹という関係が崩れていくのが怖かったから・・・・。
だから、女として見てもらえなくたって構わない。
ただ無条件で側にいられる妹という位置に付けただけでよかった。
響兄ちゃんにとって私は妹。
だから私は、一生響兄ちゃんの妹として側にいる・・・。
そう決めた――――
70
:
いちご
:2012/01/24(火) 17:35:39 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
――――
―――――
――――――
「――ぃ・・・おーい!胡桃ー!!そろそろあがれよー!」
遠くから聞こえる響兄ちゃんの声。
てか危なっ!!半分寝てたよ・・・。
「・・・暑い〜」
私はそう言いながらお風呂から出て、バスタオルで体を拭いた。
下着を着けてジャージのズボンを履いていく。
そして近くにあったTシャツを取ろうとした・・・
その時、事件は起きた。
71
:
いちご
:2012/01/24(火) 17:45:03 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
隣から『カサカサ』という何かが動くような音が聞こえて来たのだ。
私は嫌な予感がして動きを止めた。
そしてゆっくりと足元の方に視線を移した。
・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・ ・・・・
「ギャぁあああぁあーー!!!?」
次の瞬間、私は女と思えないほどの叫び声をあげた。
72
:
いちご
:2012/01/28(土) 21:52:15 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「どうした・・・っうぉ!?」
私の悲鳴を聞いて駆けつけて来た響兄ちゃんに、
私は勢いよく抱きついた。
響兄ちゃんは一瞬よろけそうになったものの、
そのまましがみつく私を受け止めてくれる。
「ど・・・どした?」
心配そうに私の顔を覗き込もうとする響兄ちゃんに、私は黙って下を指さす。
「は?・・・何?」
73
:
いちご
:2012/01/28(土) 21:57:21 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
しかし、全く意味が分からないというように、
眉間に皺を寄せた響兄ちゃんを見て、
私も再び視線を下に移した。
「あ・・あれ?」
そこにあったのは何の変哲もない、いつもの床。
さっきまであった物体は跡形もなく消えていた。
私ほホッと溜め息をつく。
それも束の間・・・・
響兄ちゃんの一言で、私はまたパニックになった。
74
:
いちご
:2012/02/01(水) 18:01:36 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「俺だって男なんだけど」
「え?」
私はその言葉の意味が分からず、響兄ちゃんを見上げた。
そんな私をチラリと横目で見ると、響兄ちゃんは続けた。
「誘ってんの?」
いや、意味分かんないから!!
「私、出かけようなんて言ってないよ?」
私がそう言って首を傾げれば、響兄ちゃんは深いため息をついた。
「天然・・・」
「え?」
「別に。それより、服着た方がいいんじゃねーの?風邪引くぞz。」
そう言われて、自分の格好を改めて確認した。
そこには、上半身下着姿の私が・・・
「きゃぁぁぁぁああ!!!!」
私は本日二回目となる悲鳴をあげた。
75
:
燐
:2012/02/01(水) 18:31:51 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
天然娘キター!!!!
天然♪天然♪ウフフフ・・w←キモw
76
:
いちご
:2012/02/04(土) 18:31:48 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
YES!!!
>>25
らへんで
胡桃が可愛いことを自覚していないというww
天然&鈍感娘ww
77
:
いちご
:2012/02/04(土) 18:54:14 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
―――
――――
「ご・・・、ごめんなさい」
数十分後。
リビングの床に正座して頭を下げる私と(←いわゆる土下座)
ソファの上に腕を組みながらブスッとした顔で座っている響兄ちゃん。
その頬には赤い手のひらの跡がくっきりとついている。
「いきなり殴んなよ・・・」
78
:
いちご
:2012/02/04(土) 21:51:01 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
フゥと小さく息をはいて響兄ちゃんは私の顔を睨んだ。
そう・・・
あの後、悲鳴を上げた私は、パニックの余り
響兄ちゃんの頬を思いっきりビンタしてしまったのだ。
痛々しいその跡に、私は眉を下げてシュンと顔を伏かせた。
「はぁ・・・、もういいから。何で叫んだのか教えろ。」
79
:
いちご
:2012/02/06(月) 17:53:23 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
急にしおらしくなった私の態度に、響兄ちゃんはまた小さく
溜め息をつくと、そう言って組んでいた手を膝に乗せた。
それにコクンと頷いて、私もお風呂場で起きたことを話し出す。
「・・・・・出たの」
「は?・・・」
「アレが」
「あぁ・・・アレか?」
「うん、アレが・・・・」
そうだよ!!おぞましいアレが出現したんだよっ!!!!
「たくっお前、本当に苦手だよなー、ゴキb「言わないでぇ!!」
「・・・・・・(怒」
皆さんお分かりだと思いますが、私、遠藤胡桃は・・・・
G(ゴキブリ)が大の苦手なのです!(←大袈裟)
私は昔からGを見つけると大声で叫び、皆にもの凄く迷惑をかけまくっていた。
80
:
いちご
:2012/02/06(月) 18:16:21 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「だってあんなに大きい癖に、あんなに早く動くんだよ!?
しかも、何で無駄にツルツルなのか分かんないじゃん!?
とにかくゴキブリ以上に気持ち悪いものはこの世に存在しないよっ!!」
「だからって一々叫ぶな。近所迷惑だろうが」
あの気持ち悪さを思い出してブルブルと身震いする私に
響兄ちゃんは叱るような口調でそう言った。
「ごめんなさい・・・」
「・・・・・怖かったな」
「――っ!!?」
もう一度シュンとして謝った私に、優しい口調でそう言い、
優しく頭を撫でてくれた。
(今日の響兄ちゃん優しい・・・//)
81
:
燐
:2012/02/06(月) 18:45:39 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
たしかにGは嫌・・・。
夏場に私の部屋に出るしなw
82
:
いちご
:2012/02/06(月) 19:09:50 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
え・・Σ(;´Д`)
嫌だ!!自分の部屋にGが潜んでるなんて・・・
一回も見たこと無いけど、想像すると鳥肌が!
83
:
燐
:2012/02/06(月) 19:11:08 HOST:zaq7a66fd0c.zaq.ne.jp
いちご>>去年は2回やられたなw
一昨年は1回やw
84
:
いちご
:2012/02/06(月) 20:55:54 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
( ゚∀゚)・∵. グハッ!!
怖くて部屋いけないわぁ〜!
じゃ、今日はもう落ちる($・・)/~~~
85
:
いちご
:2012/02/07(火) 17:45:11 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
その柔らかい空気に和んでいると・・・
「あ、」
「・・・?」
「ゴキブリ」
響兄ちゃんは私の後ろを指差してそう言った。
「ヒィ!!!」
その言葉を聞いた途端、響兄ちゃんに飛びつく私。
響兄ちゃんの首にギュッと手を回して、
泣きそうになりながら『早く逃がして』と連呼する私に
響兄ちゃんはニヤリと広角を上げた。
「う・そ♪」
「へ?」
「ゴキブリなんか居ねぇよ」
「えぇ!?」
途端に恥ずかしくなって、顔を赤くしながら離れた私に、
響兄ちゃんは爆笑する。
「もぉー!」
響兄ちゃんはやっぱり、
意地悪だ―――・・・。
86
:
いちご
:2012/02/09(木) 18:12:21 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
゜。+俺様王子のお迎え+。゜
一難去ってまた一難。
あのゴキブリ事件(?)から一夜開け、いつも通りの日々が訪れた。
・・・と思ったのに・・・
「「キャー!!カッコいい!!!」
一体これは何だろう?
87
:
いちご
:2012/02/09(木) 18:45:24 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
学校も終わり、帰る生徒がチラつく校舎内。
いつものように裕ちゃんと廊下を歩いていると、
校門の前がやけに騒がしいのが分かった。
不思議の思い校門まで急げば、大量の女子の群れと、
何かと思って、駆け付けてきた少数の男子達が
ある人物を中心に集まっている。
「チッ」
その人は黒塗りの普通車の前に立ち、周りの様子もなく、
ただ腕を組んで、イラつき気味に誰かを待っていた。
「あれ響哉さんじゃん」
隣からそんな裕ちゃんの呟きが聞こえて来た、かと思えば・・・
ドンっ
「キャッ!?」
いきなり背中を誰かに押されて、女子の大群の中を抜けてしまった。
その私を押したであろう張本人を振り返って見れば、
案の定、裕ちゃんが含み笑いをしながら、
口パクで『頑張れ』と、私にエールを送る。
88
:
いちご
:2012/02/11(土) 21:57:36 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
それを見て、裕ちゃんを睨んでいると
聞き慣れたハスキーな声が耳に届いた。
「遅い」
もちろんそれは響兄ちゃんのもので・・・
「何で!?」
私がそう叫べば、別に、と言いながら顔を逸らす響兄ちゃん。
実に気まぐれな奴だ。
私が諦めて、深く息を付きながら、肩を落としていると・・・
「その格好良い人誰?もしかして胡桃ちゃんの彼氏!?」
なんて声が何処からか聞こえて来た。
彼氏という単語に思わず顔を赤らめる。
89
:
いちご
:2012/02/12(日) 11:55:18 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
そんな私を見た響兄ちゃんは、
新しいオモチャを見つけた子供のように、目を輝かせた。
嫌な予感がする・・・。
まぁ、人間というものはこういう時の勘が鋭く働くもので・・・
その嫌な予感は、的のド真ん中に的中してしまった。
「そうだよ。だから胡桃には手を出さないでね?」
そう言って、響兄ちゃんは私の頬にチュッと音を立ててキスを落とした。
周りから『キャー』やら『ヒュー』などの冷やかしの声がする。
響兄ちゃんは、それに(営業用)スマイルを見せると、
そそくさと唖然とする私を持って車の中に入った。
私は追いつかない思考を一生懸命働かせながら、
窓の外に映る生徒達を眺める。
皆が響兄ちゃんが残した王子様のような笑顔に
うっとりとする中、事情を知っている
裕ちゃんただ一人だけが、ニッといやらしい笑みを浮かべていた――・・。
90
:
いちご
:2012/02/12(日) 17:27:04 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「もう!信じらんない!!」
それが私の、家に入ってからの第一声。
「傑作だったな。マジお前の顔・・・あー!腹いてぇ」
そう言いながら、二ヒと嫌な笑みを浮かべて私を見る響兄ちゃん。
私はカチンときて『最低!』と叫ぶと、
すぐさま自分の部屋に入った。
バタンッ
勢い良く扉を閉める。
「馬鹿兄貴・・・」
そしてポツリと呟いた。
91
:
いちご
:2012/02/12(日) 17:50:17 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
響兄ちゃんは分かっていない。
自分の気まぐれな行動で、どんだけ私の心を乱すのかを。
さっきのキスだって別に嫌なわけじゃない。
むしろ嬉しい・・・。
好きな人にキスされて、喜ばない人なんかいるわけない。
ただ、気持ちの問題。
響兄ちゃんは、私をからかって遊んで楽しいかもしれない。
だけど私はいっぱいいっぱいで、
沢山振り回されたあげく突き落とされる。
そんな思いはしたくないのに・・・
なのに・・・
「期待させんな・・・馬鹿」
一番馬鹿なのは、どうしても期待してしまう、
哀れな自分なのかもしれない。
92
:
燐
:2012/02/13(月) 18:21:47 HOST:zaqdadc2a4d.zaq.ne.jp
これは・・過去編ちゃうよな??
↑
一応、確認w
93
:
いちご
:2012/02/14(火) 17:35:58 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
うん、ちゃうよw
過去編分かりにくかったっぽいから
今度から分かりやすいように書くね!
94
:
いちご
:2012/02/23(木) 16:37:28 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
そのうち学校にもバレるだろう。
響兄ちゃんと私が兄妹ということが。
それほど響兄ちゃんの人気は凄いのだ。
そのせいで私は昔から女子に、紹介しろとせがまれ、
大変なめにあってきた。
だから今の地元から離れた高校を入学したのに、
計画が台無しだ。
「あぁー・・・・、彼女が出来たらどうしよう」
ボソッと呟く。
きっと、今日の出来事でうちの学校にも
ファンが出来たに違いない。
もし私が妹だとバレたら大変な事になるんだろうな・・・。
「はぁ――・・・」
行く先が思いやられる。
95
:
燐
:2012/02/23(木) 16:42:21 HOST:zaq77195e19.zaq.ne.jp
久しぶりにコメしますノシ
最近、蝶ryの方が不調続きの為に週①だけ更新する事にしました。
でも、一応完結させるので最後まで宜しくです。
で、蝶ryを完結させたらこの掲示板を去りたいと思ってます。
半年間…ぐらい此処に居ましたが、この度辞める事を決意しました。
今まで支えてくれた皆様、ありがとうございました!!
いちごもありがとうね!!←タメに切り替えw
小説にコメしてくれて。
いちごの事応援してるよ!!
完結出来る事を祈ってます^^
96
:
いちご
:2012/02/23(木) 17:08:42 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
なぬ!辞めるんか・・・
小説、続きも頑張ってね!
私も応援してるよ!(^_^)/
97
:
燐
:2012/02/23(木) 17:14:21 HOST:zaq77195e19.zaq.ne.jp
いちご>>うん…。
色々あってね…。
それに4月から此処に来られなくなる可能性大だし・・・。
なら一層辞めよう。みたいな感じで辞める事にした。
ま、3月一杯で此処辞めるし…。
それまで蝶ryが完結するかどうかやしなぁ…。
98
:
いちご
:2012/02/23(木) 20:56:56 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
そっか〜><
無理しないでね!
99
:
いちご
:2012/02/27(月) 16:38:19 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
私がそうやって悩んでいると、コンコンッと、窓の方からノックが聞こえて来た。
誰?と聞かなくても分かってる。犯人はもちろん・・・・
「何ー?裕ちゃん」
私は窓を開けて、1メートル程先にいる裕ちゃんを見る。
裕ちゃんと私の部屋の位置は、
お互いに行き来できるくらいの距離にあるのだ。
「これ、借りたんだけど」
そう言って裕ちゃんが差し出したのは、
私が前から見たいと思っていた映画のDVD。
「マジで!?見たい見たい!!!」
「だろ?今から俺ん家でDVD観賞しようぜ?ポップコーンもあるから!」
「するーー!!」
私は映画とポップコーンに釣られて、
窓を渡って裕ちゃんの部屋に入った。
これが後々、あんなことになるとは知らずに――・・・。
100
:
いちご
:2012/02/27(月) 16:38:47 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
やっと100行きました!!
8月から始めたのに、何という遅さ・・・
受験前とかくペースが同じような気がします・・・・。
多分200も行かないと思いますが、これからも頑張ります!
101
:
いちご
:2012/02/29(水) 18:10:36 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
。゜+二人の関係、血の繋がり+゜。
「――ぃ、・・・おいゴラ胡桃!!!」
ビシッ(`Д´)ノ☆)#+o+)/グへッ・・・
「!!っ・・・何で起こしてくれなかったのー!」
テレビでは映画のエンディングが流れているのを見て
私は裕ちゃんに怒鳴った。
「うるせー!!耳元で言うなー!!起こしただろーが!」
その怒鳴り声を聞いた裕ちゃんは、煩そうに耳を押さえ、怒鳴り返した。
「うぅ・・・いいトコだったのに見逃した・・・」
「明日見にくりゃいいだろ?」
午後8時過ぎ。
私はまだ裕ちゃんの部屋にいた。
「ヤバッ!お兄ちゃんから着信来てるっ!」
「はぁ?お前何も連絡してなかったのかよ」
呆れたような表情を浮かべた裕ちゃんに黙って背を向ける。
「じゃあ明日ね」
私はそう言って、窓から裕ちゃんの部屋を出た。
102
:
いちご
:2012/02/29(水) 18:26:13 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「わっ・・・とと」
部屋に入ると、ベッドの上に怪しい人影が・・・って、
「・・・お兄ちゃん!?」
電気をつければ、そこにはスーツを着た響兄ちゃんの姿。
いつもと違う響兄ちゃんの真面目な格好に胸がキュンッと締め付けられる。
「ただいま・・・・?」
連絡してなかったから怒ってるのかな・・・
響兄ちゃんの表情は冷たく、
いつもの自信満々の強気な笑みは微塵も感じない。
「こんな時間まで裕哉んとこ居たのかよ」
響兄ちゃんは不機嫌そうな声でそう言って、
きちんと絞まっていたネクタイをシュルッと緩めた。
103
:
いちご
:2012/03/01(木) 20:38:32 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
(・・・・かっこいい)
それに私が見惚れていると、
響兄ちゃんは更に不機嫌そうに声を低くして言う。
「お前って、裕哉と付き合ってんの?」
「・・・・・え?」
誰と誰が付き合ってるって?
「だから!、お前と裕哉が・・・」
「ないないない!あり得ないって!!!」
104
:
いちご
:2012/03/02(金) 14:38:32 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
私が胸の前で思いっきり手を振りながら全否定すると、
お兄ちゃんは『ふぅん』と、どうでも良さ気に相槌をうった。
何かその反応・・・・・
(傷付くなぁ)
私が軽く凹んでいると、
「じゃあ、こんな時間まで部屋行ってんなよ」
「えー・・・だって裕ちゃんがDVD借りて来たんだもん」
「だからって、夜遅くまでいたら迷惑だろ?」
「裕ちゃんが、今日は叔母さん達夜勤だから大丈夫だって・・・」
私がそう言った瞬間、お兄ちゃんが
凄い勢いでこっちを振り向いた。
105
:
いちご
:2012/03/02(金) 14:44:57 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
注!時々めっちゃちょっとエロ入るかもしれません。
めっちゃちょっとなんで!!
そんでも苦手な方はご遠慮くださいm(_ _)m
106
:
いちご
:2012/03/02(金) 15:12:57 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「じゃあ、お前今まで二人きりで裕哉ん家いたわけ?」
「?、うん」
私が平然と答えると、響兄ちゃんはギロッと私を睨む。
「え・・・・なっ何?」
それに驚いて一歩退くと、響兄ちゃんは私に詰め寄った。
「胡桃・・・お前、危機感っつーもんを知らねぇのか」
「え?何が・・・ひゃ!!?」
意味が分からず首を傾げた瞬間、後ろのベットに
自分の身体が仰向けに倒れた。
目の前にはその上に覆いかぶさるお兄ちゃん。
どうやら私は押し倒されたらしい・・・。
ってか何でこんな事になってんの!?
そう思って起き上がろうとしたら、両肩をグッと押されて
身体が再びベットに沈み込んだ。
107
:
いちご
:2012/03/02(金) 15:33:20 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「ちょ・・・離して」
お兄ちゃんがあまりにも強い力で抑え付けるもんだから、
肩に痛みが走って、私は声を上げれば響兄ちゃんはムスッとした顔になる。
そして、
「嫌だ」
と言うと、私の肩から腕へと手をずらした。
両手の自由を奪われる。
意味分かんないんですけどー!!
私が痛みを耐えながら、不思議そうに響兄ちゃんを見上げると、
響兄ちゃんは眉を寄せて、私を睨んだ。
だからさっきから何で睨むの?
108
:
いちご
:2012/03/02(金) 15:41:01 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
その半端ない目力に少しビクッと肩を震わせれば
響兄ちゃんは睨むのをやめて、口を開いた。
「お前さ・・・誰もいない時に男の部屋に
のこのこついていってんじゃねぇよ」
・・・・は?
「のこのこなんて・・・・・」
「ついていってんだろ!!!」
ちょっとキツくなった響兄ちゃんの口調に、
私の声は小さくなる。
109
:
いちご
:2012/03/02(金) 19:03:27 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「だって裕ちゃんだもん。幼馴染だもん」
私が拗ねたような、怯えたような口調でそう言うと、
響兄ちゃんは私を握る手にギュッと力を込めた。
「幼馴染でも男なんだよ!!それぐらい分かれ馬鹿!」
頭ごなしに怒られて、私も少しムカッとする。
「裕ちゃんはそんなんじゃないもん!!
それに私が何処行こうと、私の勝手でしょ!?」
私がそう反論すると、響兄ちゃんの表情がまた一気に冷たくなった。
(ヤバ・・・言い過ぎた?)
そう思っても、もう遅い。
110
:
いちご
:2012/03/02(金) 20:55:01 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「関係ない・・・・ね」
独り言のように呟いて、ククッと笑った響兄ちゃんの顔は、
今まで見たこともないくらい冷めていて怖かった。
「ご、ごめんなさい・・・」
そう言って謝っても、響兄ちゃんの怒りは収まることもなく・・・・
唯唯、冷たく笑うだけ。
こんな響兄ちゃんは初めてで、なんだか無性に
逃げなくてはいけない気がして、身体をよじらすと
響兄ちゃんは「逃さねぇよ」と言って、私の身体をベットに押し付けつけた。
「そうだよ。俺には関係ない」
そのあまりにも冷たい言葉に、胸がジンジンと痛む。
「でもさ・・・」
響兄ちゃんは私を見つめながらも言葉を続けた。
「お前、無防備すぎんだよ」
囁くようにそう言って、怪しい笑みを浮かべた響兄ちゃん。
それがこの世のものとは思えないくらいに綺麗な笑顔で、
ゾクッと背筋に電気が走った。
111
:
いちご
:2012/03/05(月) 17:49:57 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「こんな簡単に押し倒されて、男なめんじゃねぇぞ」
そう言いながら妖しい笑顔のまま、
響兄ちゃんが私の服に手をかける。
「だ、駄目!!お兄ちゃ・・・ッ」
私が叫ぶのも無視して着ていた
ブレザーのボタンを全部外してしまった。
響兄ちゃんが私の首筋にキスを落とす。
「ッ!・・・やっ」
私は僅かにその快感に耐えた。
お兄ちゃん・・・
貴方は今―――、
何を思っている?
112
:
いちご
:2012/03/05(月) 18:26:03 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
響兄ちゃんは再び首筋に唇をつけ、また離すと
今度は唇を私の耳に近づけた。
「なぁ、知ってた?」
響兄ちゃんは唇が耳に触れそうな距離で、囁くように言った。
「な・・・に?」
私はやっとの事で、震えながらも声を出す。
だけど、次の瞬間
響兄ちゃんの一言で、
息をすることさえも忘れてしまった。
113
:
燐
:2012/03/06(火) 17:13:45 HOST:zaqd37c5e38.zaq.ne.jp
おお!!
何か物凄く妖艶的な匂いが…(-_-;)
気のせいか?
ま、頑張れ!!
応援してんぜ!!!
114
:
いちご
:2012/03/08(木) 17:55:17 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
ギリギリラインだせ!(←ギリギリなのか?)
うん、頑張る!
最後考えとかないと(;´Д`)
115
:
燐
:2012/03/08(木) 18:00:27 HOST:zaqd37c5e38.zaq.ne.jp
いちご>>ギリギリより少し下ぐらい??
こーゆうの甘々小説って言うんやね。
憶えとくわw
ノートに下書きしたら?
私の場合、夜中に毎日二時間ぐらいしてるw
ではノシ
116
:
いちご
:2012/03/13(火) 18:53:04 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
そっかな?
ギリギリラインの下か・・・
やっぱノートに書くか!
そして鉛筆を持って固まる・・・
ネタ切れだ!!っww
117
:
いちご
:2012/03/13(火) 19:00:25 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「俺達は兄妹なんかじゃない」
―――何で・・・
「血が繋がってないんだよ」
響兄ちゃんが・・・
――――そのことを知っているの?
118
:
いちご
:2012/03/13(火) 19:10:00 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
びっくりして目を見開く私に響兄ちゃんは続ける。
「見たんだよ、母さんの日記」
「いつから・・・・」
「まだ小4だった時」
そんな昔から・・・
「俺が2歳の時にさ・・・赤ん坊のお前が
うちの家の前に捨てられてたんだって」
響兄ちゃんはそう言ってクスッと笑う。
119
:
いちご
:2012/03/13(火) 19:29:17 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
そして懐かしそうに目を細めながら話を続けた。
「正直、あんまり驚かなかったよ。
お前と俺ら全然似てねぇもん。
俺も父さんも母さんも、皆地毛茶なのに、お前だけ真っ黒だし・・・」
響兄ちゃんは私の髪にそっとキスを落とす。
「俺ら皆デカイのにお前だけチビだし・・・。とにかく同じ遺伝子が
流れているようには見えなかったもんな」
響兄ちゃんはニッコリと完璧なくらいの笑みを浮かべた。
「だから・・・・、だからさ。」
あぁ、神様・・・・
「お前のことを家族だなんて思ったこと、一度だってなかったよ」
貴方は残酷だ――――…‥
120
:
いちご
:2012/03/13(火) 20:54:29 HOST:ntiwte053067.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
たとえ女として意識される事が無くとも、私は構わなかった。
ただ、無条件で側にいられる妹という位置につけただけで十分だった。
ただ、側にいることさえ出来ればそれでよかったのに・・・・
「俺らはさ、何一つ繋がっちゃいないんだよ」
神様・・・・貴方は、
それすら許してくれない―――…‥
121
:
いちご
:2012/03/17(土) 17:20:46 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
涙で視界が歪む。自然と身体が震える。
私は貴方の恋愛対象にも、家族になることも出来なかった―・・
「お兄ちゃッ「残念だけど」・・・ッ!」
お兄ちゃんは冷たく笑う。
真実を知らされる私に、意地悪だけど
優しいあの笑みが向けられることは二度とない。
「俺はお前の兄貴でも何でもないんだよ」
ねぇ、お兄ちゃん・・・・
また名前を読んでよ。
また頭を撫でてよ。
“妹”でもいいから・・・
意地悪してもいいから・・・
もう一度、
ギュッと抱きしめて欲しいよ。
122
:
いちご
:2012/03/17(土) 21:38:52 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「じゃあな」
響兄ちゃんは最後にそう言うと、
私の上からスッと退いて、すぐに部屋を出ていった。
バタンという音が響くと共に、
どうしようもない虚しさが胸を締め上げる。
響兄ちゃんは部屋を出ていくとき、
一度も私の目を見ることはなかった。
「うっ・・・くっ・・・・」
所詮私は、
恋人でも、友達でも、妹でもなくて――、
赤の他人なんだ。
123
:
いちご
:2012/03/17(土) 21:50:19 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
【☆二人きりの一週間☆】 。゜+幼馴染の気持ち+゜。
「お前、最近おかしいぞ」
響兄ちゃんとの件があって早三日たったある日。
屋上でサボっていた私の前に現れた裕ちゃんが、
心配そうな表情を浮かべた。
響兄ちゃんはあの日以来も家に帰ってこない。
ここ1、2日は何とか笑って誤魔化してきたけど・・・
さすがにもう、限界かもしれない。
124
:
いちご
:2012/03/26(月) 16:55:55 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「―――裕ちゃん・・・」
「な、なんだよ」
私があまりにも暗い声を出すもんだから、
裕ちゃんは驚いたらしい。
「―――恋って辛いね・・・」
私がそう言うと、裕ちゃんは何処か遠くを見つめた。
「・・・・・そう・・・だな」
裕ちゃんはいつもの雰囲気と違っていて
何だか声を掛けづらく、沈黙が続いた。
「お前ってさ!!」
「な、なに・・・?」
そんな沈黙を破ったのは裕ちゃんで、
真剣な顔で私を見つめるから、少し戸惑いながら返事をした。
「お前って、モテてんのに全然気づかねぇし!
頭いいくせにどっか抜けてるし!」
「・・・・は、はぁ!?それ褒めてんの?貶してんの!?」
(真顔で言われるとムカつくーー!!)
裕ちゃんは私の言葉を無視して、
意味の分からない言葉を続けていく。
「お前恋愛に不器用すぎてイラつくし!
全ッ然俺の気持ちに気づかないほど
鈍感で鈍感すぎて泣けてくるけど!!
そんな胡桃が――、
誰よりも、何よりも大好きなんだーー!!」
125
:
燐
:2012/03/26(月) 17:28:12 HOST:zaq7a66c14f.zaq.ne.jp
いちご>>いちごぉぉぉぉ!!!!
コメしに来たノシ
ま・さ・か・の・三角関係だぁぁぁぁぁ!!!!
くるみっぺはどっち取るんやろなw
あんなドSな兄取ったら駄目だぞー!!!
草食系な幼馴染を取ってくれええええwww
126
:
いちご
:2012/03/26(月) 21:29:48 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
燐>
三角関係♡
いや〜、最近思いついたんよww
ってか、燐は草食系が好みなんか?
まぁ、そんな燐を裏切るか、裏切らぬか・・・( ̄ー ̄)ニヤリ
127
:
燐
:2012/03/27(火) 16:29:44 HOST:zaq7a66c14f.zaq.ne.jp
いちご>>そかそかw
ま、恋愛に三角関係はつき物やしよw
うんw
肉食系な男子は苦手やねw
ドSで困るww
128
:
いちご
:2012/03/28(水) 21:11:13 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
燐>
じゃあ燐が肉食系?ww
両方草食系だと進歩ないしなww
129
:
いちご
:2012/03/28(水) 21:23:34 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
好きって・・・裕ちゃんが
―――私を?
だって私と裕ちゃんは幼馴染でしょ?
何でも相談し合える仲の良い幼馴染。
私は裕ちゃんとずっとこういう関係でいたい。
――それなのに・・・
裕ちゃんは違うの?
130
:
いちご
:2012/03/29(木) 12:05:44 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
涙が頬を濡らしていく。
「・・・・泣くなって」
「ごめッ・・・ごめんッッ。全然気づかなかっ」
ボロボロと涙が溢れて、止まらない嗚咽に
上手く息ができない。
「・・・俺こそゴメン・・泣かせたかった訳じゃないんだ」
嗚咽が止まらない私はしゃっくりを上げながら
首を小さく横に振る。
「気づかな、くてッ・・・お兄ちゃんの話ばっかしてて・・
知らないうちに傷つけてたッ・・」
「・・・んーん。寧ろ相談されると頼られてる感じしたし・・嬉しかったよ。」
131
:
燐
:2012/03/29(木) 12:14:01 HOST:zaq7a66ffb2.zaq.ne.jp
いちご>>
私か!?
ないないw
つか、どうだろう…←
私は肉食系と言うより脱力系に近いと妹に言われたしなw
更新多めに頼みます
132
:
いちご
:2012/03/31(土) 12:36:14 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
>燐
な、なるほど・・・
肉食系でも草食系でもないわけね!ww
う〜ん、今までネタ切れだったけど
本格的にヤバいかもww
でも頑張るゼ(^O^)
133
:
麻利
:2012/03/31(土) 18:01:00 HOST:zaq7a66ffb2.zaq.ne.jp
いちごさんこんにちは!
麻利と言う者です!
この小説面白いです!続きが気になります!
私だったら、兄を採るぜ!
もし、血が繋がってたらシスコンだけど、血が繋がってないから・・・。
シスコンじゃねぇぇぇぇ!!
草食系男子も言いと思うケド、好みは、肉食系!(俺様系とか、惚れぼれっす♪)
てことで、頑張ってください!←どんなことやねん
134
:
いちご
:2012/04/01(日) 14:04:28 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
>麻利s
おお!意見がわかれましたww
小説はこれからあんまり書けないと思います(泣)
(お母様の監視&真面目に続きが思い浮かばない・・・)
燐の妹さんであっていますよね?
タメ口&呼びタメよろしいっすか?
135
:
麻利
:2012/04/01(日) 18:14:21 HOST:zaq7a66ffb2.zaq.ne.jp
いちごさん>>
はいオッケーっす!
そうですか・・・。ざんねんです。
でも頑張ってください応援しています!
そっちも呼び×タメいいですか?
136
:
いちご
:2012/04/02(月) 17:32:31 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
>麻利
全然OKだよ(^O^)/
続き頑張るゼ!!
ところで麻利は何年生?
137
:
いちご
:2012/04/02(月) 17:33:09 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
続きです↓なんか変になってきてしまった(;´Д`)
「うん・・ッ」
優しくそう言う裕ちゃんに頷くが、
それでも涙が止まらず、二人きりの静かな屋上には
私の嗚咽が響くばかりだった。
「っていうかさ・・・」
優しく、慰めるように話しだす裕ちゃんに、
私は涙が止まらないまま頷く。
「さっきの“告白みたいな”ヤツ・・友達としてだから」
「・・・え」
今度はさっきと全く違う口調で話す裕ちゃんに
びっくりして涙なんて引っ込んでしまった。
「それよりお前の顔、酷いぞ」
「え・・・?」
「早く保健室行ったほうがいいんじゃね?」
裕ちゃんはそう言うと、くるりと向きを変えた。
そしてポカンとしている私を置いて、屋上の扉へと向かう。
そして扉が閉まる音がすると、
私は「え!?え!?えーー!?!?」と雄叫びをあげた。
「ほ、本気で?・・・・」
私は未だに赤い顔を隠すように頬に手を当て、
「騙されたー!」
と、悔しそうに叫んだ。
扉の向こうで、
悲しそうに、苦しそうに頭を抱える
裕ちゃんの気持ちを知りもせずに――・・・。
138
:
麻利
:2012/04/03(火) 15:04:02 HOST:zaq7a66ffb2.zaq.ne.jp
いちご>>
私は小3っすよw
続き全然変になって無いっすよ!
むしろ凄いぜ!頑張ってネ!
139
:
なっちゃん
:2012/04/03(火) 21:58:46 HOST:i223-216-231-98.s41.a028.ap.plala.or.jp
私は、4月6日なったら小5になります。
140
:
いちご
:2012/04/09(月) 14:55:24 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
麻利>
マジでか!?Σ(´∀`;)
3年であんな小説書けるってスゲーww
141
:
燐
:2012/04/09(月) 15:10:21 HOST:zaqdb739ebd.zaq.ne.jp
いちご>>はろはろノシ
小説捗ってるか〜!!
142
:
いちご
:2012/04/10(火) 18:06:03 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
燐>
ハロハロ
全然捗ってないよ〜
考え中・・・(´ε`;)
143
:
いちご
:2012/04/14(土) 13:28:48 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
暇なので書いてみました
予告?・・・的なww
プロローグっぽくなってるww
ドSで俺様なお兄ちゃん
響兄ちゃんの言動一つ一つに
一喜一憂させられて。
優しくて王子様な幼なじみ
裕ちゃんの優しさに心が揺れて。
(私、裕ちゃんのことが好きなのかな・・・)
私が本当に好きなのは誰?
自分の気持ちに気づいたとき、
溢れたのは
たくさんの涙と――…
彼へ捧げる大きな愛だった。
144
:
いちご
:2012/04/29(日) 11:57:27 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
―――
――――
キーンコーンカーンコーン――・・・
2時間目のチャイムが終わったとき、
私は保健室に駆け込んだ。
でもこの時、保険医の先生は席を外している
最中だったのか、室内は物音一つしていなかった。
まぁ、私にとってそれが好都合なのだが。
保健室の鏡で自分の顔を確認してみる。
とても何事もなかったと言えるような顔ではない。
この顔を見られたらきっと、大騒ぎされてしまうだろう。
氷水で目の周りを冷やすと、少し治まったような気もするが、
このまま教室に戻っても、心配されてしまう。
かと言って、このまま授業をサボってしまっても
心配されてしまいそうだ。
そう思って冷やしながら、悩んでいると
泣き疲れたせいか、寝不足のせいか分からないが
急に睡魔が襲ってきて、ベッドに倒れこみ、
そのまま深い眠りについた。
145
:
いちご
:2012/04/30(月) 12:37:32 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
―――
――――・・・夢を見た。
どこか懐かしく、哀しい夢。
『マジで!?約束だからな!!』
私が発した言葉に対し
嬉しそうにパァッと笑う裕ちゃん。
『分かったよ、頑張ってね』
『おう!!』
あれ、約束ってなんだっけ―――?
『約束つったじゃん』
そう言った裕ちゃんに
私は何を言ったのかは覚えていないけれど
『――――――』
私の言葉で裕ちゃんの顔が、酷く歪んだのが分かった。
146
:
いちご
:2012/04/30(月) 13:53:32 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
―――
―――――
「んッ・・・・頭いたい」
「寝過ぎだ馬鹿」
目を開けると、私の顔を覗き込んでいる
裕ちゃんがいた。
「ん〜・・・・今何時?」
「12時。蓮と香奈が待ってんぞ」
「え、嘘!?もうお昼?」
私は裕ちゃんが発した言葉に驚く。
147
:
いちご
:2012/05/02(水) 19:17:06 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「先生が宿題2倍って怒ってた」
「ッえぇ!?」
「嘘」
裕ちゃんは、お兄ちゃんとキャラが破っているような気がする。
・・・・ドSなところが。
「皆めっちゃ心配してる」
それと、時々優しくなるところとか。
(もしかしたらあの告白も、私を励ますために言ってくれたのかな)
そう思って裕ちゃんの顔を見つめていると、
裕ちゃんは自分の顔をペタペタと触りはじめた。
「何?なんか口についてる?さっき早弁したからか?」
いや、やっぱり似てない。お兄ちゃんはこんなに馬鹿っぽくないし。
あ、でも、(こう見えて)裕ちゃんは学年2位の成績で
お兄ちゃんも頭いいから、似てるかも(?)。
148
:
いちご
:2012/05/02(水) 21:42:20 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
私がいろいろ悩んでいると、
急に裕ちゃんの整っている顔がドアップになった。
「わっ!!えッ、何?」
裕ちゃんのいきなりの行動にパニクる。
いくら幼なじみでも、こういう行動には赤面してしまう。
「あ、いや…。目の腫れひいたn『ゎ、わっ!?』」
ガタッドサッ
裕ちゃんの言葉を遮るように、ドアの方から物音がした。
「ちょ、何やってんだよ!」
「そんなデカイ図体支えられるわけ無いでしょ!!」
「お前が邪魔で見えなかったんだよ!!」
私はうつ伏せになったまま言い合いをしている
二人を茫然と見つめた。
149
:
いちご
:2012/05/03(木) 10:47:06 HOST:ntiwte061076.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「か、…香奈?蓮君?」
「あー、続けて続けて!」
「お構いなく!」
私が二人の名前を呼ぶと、
謝りもせず、にへらっと締まりのない笑顔を見せる香奈と蓮君。
「お構いなく、じゃねーよ。何やってんだお前ら」
「いや〜、気になってなー」
「覗きなんて悪趣味だぞ」
香奈と蓮くんは高校で知り合った友達だ。
まぁ、地元から離れた高校だから中学の友達なんて
いないのだけれど(裕ちゃんを除いて)。
「でもよ。もっとこう強引に…」
「えッ!?」
蓮くんは香奈の肩をガシッと掴むと、
香奈に顔を思い切り近づけた。
「ギャー!?」
パンッ
「いっ、て」
香奈は蓮君に思い切りビンタ。
「もっと可愛い反応しろよ。胡桃ちゃんみたいにさぁ〜」
「変態!此処に変態がいますよッッ!!」
…なんだか二人が付き合って見えると思うが、
はっきり言って二人は付き合っていない。
蓮君は誰にでもこういうことをする。いわゆる遊び人。
香奈には3年生に彼氏がいるし…。
「なんだよ、裕哉にキスの仕方おs「変態!やっぱ変態!!」」
「だって胡桃ちゃん鈍感なんだよ。もっと強引に迫ったほうが」
「誤解だっつーの。べつにキスしようとしたわけじゃ…」
「……さっきから何の話してんの?」
私が3人に呼びかけると、香奈が振り向く。
「あ、いいんだよ!胡桃は分かんなくて♪もー可愛いなぁ」
なんだか仲間はずれにされているみたいだ。
150
:
いちご
:2012/07/31(火) 09:56:06 HOST:ntiwte023008.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
――――
――――――…
「それじゃあ、今から測るよ」
「うんお願い」
「せーのっ」
べしゃっ!!
―その瞬間
指定の位置でジッと待機していた香奈が
突然その場から勢いよく屈みこんでジャンプしたかと思うと
なぜか顔面ごと砂場の中へ突っ込んだ。
むくっと起き上がるなり、
「イヤぁーッ!」と大きな悲鳴をあげて叫ぶ香奈に
今までの一部始終を見ていた体育の先生が、
上からハァっと溜め息をはいた。
151
:
いちご
:2012/07/31(火) 10:00:51 HOST:ntiwte023008.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「どーやったら今そこで尻もちどころか、
前に突っ込んでコケる事ができんだろうね…」
「(ムカッ) だって!立ち幅跳びって、
見てるよりずっと着地がムズかしいんだよ?
ってゆーか、そこまで言うんなら先生があたしにお手本見せてよね!
意外とむずかしいんだからね!これ!」
「はいはい」
そう言って、その言葉通り
先生は軽々と、砂の上を通り越して跳び、すんなりと着地してみせた。
香奈は口をあんぐりさせてる。
しかも今の跳びが
何気に先生の「自己最高新記録」って言うから、さらにスゴい…
…さ、さすが、元陸部。
高校時代、部長をやっていただけあって、その実力も本物だ…。
「ど?少しはイイ手本になった?」
「ぎぃー!ぐやしぃー!」
ぜったいぜったい、負けないんだから!
今ので相当カチンと来たらしく、
あさみちゃんはますます意気込んで練習してる。
152
:
いちご
:2012/07/31(火) 10:05:17 HOST:ntiwte023008.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
そのまま闘志に燃える香奈の姿を、
横でアタフタとフォローしていたそのとき
「ねぇ、見てよあれ……」
男子たちがいるグラウンド側をしきりに見つめて
何やらヒソヒソと話す女の子たちの声がした。
「裕哉くんサッカー上手い!」
「うんうん、てかもうあれプロだよプロ!」
「やばい。超かっこいい!」
その会話にビックリして顔をあげると
目の前では、向こうにいる誰かをウワサして、
何やら騒いでいる様子の女の子たち。
例の人を、みんなと一緒になって後ろから見ていて。
それに反応するように、わたしも思わずここから立ち上がり
その人たちが見ている方向へ目を向ける。
153
:
いちご
:2012/07/31(火) 10:14:52 HOST:ntiwte023008.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
修正です(ーー;)
>151の下らへんに
「あさみちゃん」という人が登場しています
「誰ですかあさみちゃんって」・・・
私の友達です(;´∀`)
考え事してたからかなぁ・・・
香奈に直しといてください
154
:
いちご
:2012/07/31(火) 10:15:30 HOST:ntiwte023008.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「一本入れるぞ!」
「パスパス!」
「今すぐディフェンスに戻れ!」
すると中央のコートでは
ここからでも聞こえるくらい
互いを強く指示する声や、サポートする声が一度にいくつも飛び交い
大きな盛りあがりを見せていて
赤や青のユニフォームを着た男子たちがまさに今
サッカーの試合をしている真っ最中だった。
「うわっ、何かあそこ囲まれちゃってる」
「青の男じゃま!」
「あ、でも抜けた!」
「いけいけー」
そして女の子たちの応援の的になっていたのは
次々と襲いかかってくる敵チームの攻めにも一切動じることなく
しかもその攻撃陣の間をすばやいドリブルで交わし、
あっさり抜けていったかと思うと、相手側のゴールエリアよりも
だいぶ離れた位置から
大胆にもミドルシュートを飛ばしてみせた裕ちゃんの姿だった。
155
:
いちご
:2012/07/31(火) 10:20:27 HOST:ntiwte023008.iwte.nt.ftth.ppp.infoweb.ne.jp
「ナイッシュー!」
その直後、裕ちゃんがいきなり繰り出した力強いミドルシュートは
相手キーパーの手を見事すり抜け
奥のゴールネットを激しく突き上げて揺らした。
その瞬間、ピィーッ!と鳴り響いたホイッスルの音に
赤のユニフォームを着た男子たちが、
いっせいに裕ちゃんの元へと駆け寄って飛び乗り
嬉しそうに裕ちゃんの頭をワシャワシャとかく。
「おい!やったな裕哉!」
「おまえマジすげぇ!!」
「俺、まさかあそこで裕哉がミドル飛ばして決めると思わなかったわ」
裕ちゃんのミドルにすっかり興奮した様子の、
同じチームの男子たちが
次々とその場に集まってきて声をかける。
156
:
あんみつ
◆TJ9qoWuqvA
:2012/08/03(金) 11:55:43 HOST:p141213.doubleroute.jp
こんにちは
私もいれて下さい。
ルーナのファンタジー小説と楽しい仲間たち
っていうブログ来てね
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