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空色の箱と零の花
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:
紫闇 梨桜
◆ptZpvaYoVY
:2011/07/19(火) 22:52:32 HOST:i118-16-154-61.s10.a021.ap.plala.or.jp
「やっぱりお兄ちゃんより時雨の方が分かって……くれる、よ」
にっこりと可愛らしく微笑んだ“つもり”だった。だけど、きっと笑えてなかっただろう。そう、輪廻は思った。
何故かは分からないけど涙がポロポロと流れ出している輪廻。時雨は驚いたように目を見開き「……久し振りに、リンの泣いてるトコ見たかも。レアだな」とニヤリと笑った。輪廻は服の袖で何度も涙を拭いながら「五月蠅い……っ」と時雨にぶっきらぼうに言い、そのあとは時雨も輪廻も黙り込んでしまった。
「あー……と、あ、の。し……ぐれ、かえ、ろ?」
「あ……あ、うん」
二人とも、ぎこちなく会話をし「あ、時雨。ちょっとお兄ちゃんの個室に忘れ物取りに行ってくる!ちょっと待ってて!」と輪廻はそれだけ言い残し車椅子で急いで行こうとした。しかしパシッと言う小さな音がしたあと、時雨が小さな声で「俺も行く。………リン一人だけじゃ……遅いだろ」と恥ずかしそうに言って車椅子を勢い良く押すと輪廻は絶叫、時雨は面白そうに爆笑、という様々な音が混じり合った放課後の校内となった。
「つかさー、最近お隣の一ノ瀬君と仲良いよな」
家でくつろいでテレビを見ているとCM中に、ふと優がそんな事を言った。輪廻が首を傾げて優を見ると「まぁ……そりゃあ幼馴染だし……。私の事理解してくれてるし」と困ったように回答する。
「俺と一ノ瀬君、どっちが輪廻のことを良く理解してる?」
「え……? あ…、んと……お兄ちゃん、かな?」
珍しく優が真面目に問いかけをしてきたのでビクッとしながら少しゆっくりと応えてみた。こうやって輪廻のストレスが溜まっていき、対人ストレスに弱くなる。
「あ、私……友達に電話しなきゃ。私、留守のとき電話掛かってきたから」
ささっと逃げるようにその場を立ち去る。ガチャン、と言う音を立てドアを閉めると安堵したようなため息を付き「良かった……」と呟いていていた。
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