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光のロザリオ

2竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/07/01(金) 22:08:33 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp
第1話「霊魔街都市」

『霊魔街都市(れいまがいとし)』。
東京に南部に位置する都市で、そこにいる住人の大半が学生である。そこの学生は特別な授業が組み込まれている。
それが『退魔師(たいまし)』になるための授業だ。
この都市では『霊魔(れいま)』と呼ばれる死した人の魂が病み、暴走する、悪霊がはびこっている。
時として人を襲い、人の魂を喰らう。それが『霊魔(れいま)』。
その『霊魔(れいま)』から人を守るのが、『退魔師(たいまし)』の役目、というわけだ。

少年、黒崎零鬼(くろさき れいき)は学生鞄を持ち、学校へと向かっていた。
今日は高校の始業式。彼はこの春、『霊魔街都市(れいまがいとし)』の第十地区に位置する私立黄金高校(しりつこがねこうこう)の生徒として入学したのだ。
彼は学校の門をくぐり、空を仰ぐ。
「………今日から俺も高校生か…」
ふとそんなことを呟いた。
この街は『霊魔(れいま)』みたいな非常識で恐ろしい存在がはびこっている。
それから人々を守るのが俺達の仕事。
そんなことは分かっている。分かっているが、こんなこと、こんな漫画みたいな生活。見ているほうは願望があるだろうが、実際に生きている自分達にとっては鬱にしかならないのだ。
だから、黒崎零鬼はこんな生活からは早くオサラバしたかったのだ。
彼はクラス表に目をやり、自分の名前を探す。
(……えーっと…、黒崎……黒崎……あ、あった。六組か)
彼はそう思い、一年の教室がある四階へと向かっていく。
『一年六組』と書かれている教室の前に立ち、ドアを開けて、教室の中を見る。
教室の中には既に数名程度の生徒が座っていた。
友達と話している生徒もいれば、携帯でメールを打っている生徒も、電話をしている生徒もいる。
黒崎の出身中学で、この高校に来たものはほとんどいない。
いるはいるが、大して仲良くもないし、声を聞いたこともない人かもしれない。だから、本格的に友達を作っていこうと思っている。
彼は黒板に貼られた席順に目をやる。最初は名前順なので、自分の名前はすぐに見つかった。
窓際一列の一番後ろの席。かなり良いポジションだ、と思って彼はそこの席へ視線を移す。
が、彼はそこで動きを止めてしまう。
自分の席を見て、ではない。

自分の席の隣に座っている女子。
腰くらいの銀髪に青い瞳を持った美少女に目を奪われてしまった。

彼女は席に座りながら、本を読んでいた。
何を考えているか、よく分からないような無表情で。
しかし、一目見ただけで、黒崎は思った。
(………可愛い娘だな)
と、当然のように思った。


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