したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

光のロザリオ

19竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/08/11(木) 20:46:41 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 黒崎は一人でチャラ男さんに指定された場所まで来ていた。
 着いたのは一つの廃工場のような場所。目を疑うような場所だが、ここで間違いないはずだ。
 最後まで反対していた奥村だが、渋々了承して先に帰ってもらった。あとで奥村にも謝らないとな、と黒崎は心の中で呟き廃工場の扉を開く。
「やあ、待ってたよ」
 中には奥の方でシートが引かれており、その上にテーブルや飲食物が置かれている。随分と雑な状態だが辛うじて生活は出来ているらしい。
 シートの上には紫色の髪の眼鏡をかけた青年が座っていた。
 彼は黒崎にロザリオを渡してくれたチャラ男さんを探していた人だ。
「……あら、貴方は…」
 黒崎は横合いから飛んできた呟くような声の方向に首を向ける。
 そこにいたのは着物を着た美人な女の人と、その女の人の妹のように傍らにくっついている、この前ぶつかった少女だ。
「…あんた達、この前の…」
 黒崎も彼女達のことを忘れていなかった。
 小さい女の子の方はともかく、着物を着た長い黒髪の人なんてそうそう忘れられないだろう。
 眼鏡をかけた青年が携帯電話を取り出して、黒崎に話しかける。
「話は聞いてるよ。例の誘拐犯のことだよね?情報を掴んだのは僕じゃないから、情報主に連絡するけど……一つだけ訊いてもいいかい?」
 眼鏡をかけた青年は黒崎の目を真っ直ぐに見つめてそう問いかけた。
「その誘拐犯に攫われたらしき少女は、君にとって救う価値は何かな?」
 黒崎は白銀のことを思い出す。
 第一印象は成績優秀で可愛い子。でも実際は口数が少なく、無断で人の家に上がり込んだり、修行と称していきなり剣を振り回したり、弁当を作ってきてくれたりと、見た目とは逆な奇抜な行動が残っている。
 でも、黒崎が彼女をどういう理由で救うか、どういう価値があって助けるか。そんなものは彼女がこの先何をしようが変わらない。
 黒崎は眼鏡をかけた青年を真っ直ぐに見詰め返して、
「友達だからだ」
 ただそう告げる。
「オッケー。今からネットカフェにいる仲間に連絡を取るよ」
 数回コール音が鳴ると、電話をかけた相手は抑揚の無い声で『はい』と返す。
「バルかい?君がこの前話していた誘拐犯のことだけどさぁ…場所、確定出来るかい?」
『舐めてんの?そんなモン、情報知ってから二十八秒後に見つけたさ』
 電話の相手はずっと平淡な声で、
『場所は第十七地区の潰れた娯楽施設の中にある一つのビル。ビルは一個しかないからすぐ分かるはず。分からなかったらクズ以下』
「誘拐された人の名前も特定できてる?」
 だからなめんなって、という言葉の後に返答が帰ってくる。
『最近誘拐された人は黄金高校の一年所属の白銀流奈。白い髪が特徴の可愛い子だよ』
「ありがとう。じゃあまたね」
 眼鏡をかけた男は電話を切って、折りたたみポケットにしまう。
「君だけじゃ心配だから僕も行くよ」
「んじゃ、俺も……」
「貴方はダメよ。女の子に何するか分かったもんじゃない」
 チャラ男さんの勇み足を鋭い言葉で着物美人が止める。
 着物美人は傍らにいた女の子の肩をポンと叩いて、
「代わりに行きなさい」
「おっす!」
 着物美人の声に女の子は元気よく返事をした。
「じゃあちょっと準備とかあるから、一時間後駅で会おう」
「はい!」
 黒崎が返事をして、廃工場を出ると入り口の壁に奥村が腕を組み、壁にもたれた状態で黒崎が出てくるのを待っていたかのように立っていた。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板