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光のロザリオ

17竜野翔太 ◆sz6.BeWto2:2011/08/06(土) 12:41:58 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp

 黒崎は半ば強引(というか完全に強引)に奥村によって職員室の前へと来ていた。
 奥村はドアを軽くノックして『失礼します』と言って職員室へと入っていく。黒崎もそれを真似て同じように『失礼します』と言って入る。奥村は職員室内を見回して倉木を見つけると、真っ直ぐにそちらへと歩き出す。
「倉木先生」
 奥村の呼びかけに何かの作業をしていた倉木は手を止め、顔を上げる。
「あら、奥村さん。それに黒崎君まで。どうかしたの?」
 倉木がそう問いかけると奥村は言い淀むことなく、
「白銀から、欠席や遅刻の連絡は?」
 状況がまったく読めていない倉木は首をかしげて、
「…いや、まだ入ってないけど…。白銀さん、まだ来てないの?珍しいわね」
 自分の担任のクラスの生徒が大体来る時間は把握しているようだ。
 しかし、毎朝黒崎が来ても教室にはいないし、現に今も職員室にいるのだから、どうやって知っているのかは謎だが。
 そうですか、と奥村は再び考え込むと、再び黒崎の手を掴む。
「分かりました。連絡があったら教えてください。行くぞ、黒崎」
 黒崎の慌てるような声が聞こえるが奥村は気にしていない。
 そんな二人を眺めている倉木はほっとしたような表情で、
「…良かった。奥村さんにもお友達が出来て」
 ハタから見れば強引に連れ回されている光景だが、どうやら倉木には友達に見えたらしい。

 奥村が黒崎を連れて来たのは、玄関だ。
 『そこでちょっと待ってろ』と言ってどこかへ行った奥村は鞄を持って戻ってくる。
 黒崎は教室に入ってもいないので鞄を持っている。この状態で玄関にいて、奥村が何を言いだすか黒崎には大体予想できた。
「………オイ、奥村。お前まさか……」
「ああ。早退するぞ。白銀の家に行ってみようぜ」
 やっぱりか、と黒崎は息を吐く。
 奥村はロッカーから外靴、つまりローファーを出して行く気マンマンだが、黒崎はふと呟く。
「…つーか、お前白銀の家知ってんの?」
 ギクッと肩を大きく揺らす奥村。
 どうやら知らなかったらしい。
 結局こっそり早退することが出来ず、奥村は黒崎と共に職員室へ行って白銀の家が何処か聞きに行った。


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