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光のロザリオ
13
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2011/07/30(土) 22:37:33 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp
白銀流奈はとぼとぼと街を歩いていた。
教室から出て行った黒崎が戻ってきたときどうすればいいのだろうと思い、迫真の演技で先生達を騙し早退したのだ。
何処へ行こう?
白銀の頭にそんな疑問が浮かぶ。黒崎の家にいては更に嫌われるだろうし、このまま家にいてたら何も解決しないような気がする。
(………黒崎君…)
白銀は空を仰いで心の中でそう呟く。
怒らせる気はなかった。鬱にさせる気も、もちろんなかった。
(私はただ、君に死んで欲しくなかった。中学の頃、誰も話しかけてくれなかった暗い印象の私に、普通に接してくれたのが嬉しかったから…。初めての友達だったから…。だから、死んでほしくなかった)
今更後悔しても遅いと思っても、過ぎてしまったものはどうにもならない。
(…だって、だって私は…君の事……)
「ちょっといいかな?」
考え事をしていた白銀にふと声がかけられた。
振り返ると、茶髪の顔が整った美男だった。ホストのような格好をしている相手を見て、白銀は警戒したような目つきで相手を睨む。
その顔に男は数歩後ろに下がって。
「怖いなぁ。こっちは君が暗い顔してるから励まそうとしたのに。どう?これからカフェでも……」
「結構です」
白銀はこういうことはキッパリと断るタイプだ。
無駄に騒ぎ立てずに、静かに解決した方がいいに決まっている。そう思っていたからだ。
「そんなこと言わずにさ。別に何もしやしないよ」
無駄に粘る相手に溜息をつく白銀。
自分としてもナンパされるのは初めてらしく慣れてないのだが、断るの自体は難しくない。
「何も……ね」
白銀は小さく呟き、腰に挿してある刀を鞘ごと引き抜くと後ろから近づいてくる男二人の顎を鞘で打ちつける。
話しかけた男は僅かに驚いた表情をし、すぐに笑みを浮かべなおす。
「こんなことする相手が『何もしない』わけないじゃないですか」
そこでレナは街の不自然さに気付く。
自分と相手以外誰もいなくなっていた。
これは、と白銀は注意を払っていると、腹に重い衝撃が走る。
ホスト風の男が白銀の腹に拳を叩き込んだ衝撃だ。
(……しまった…)
「大人しくしてればいいのに」
そう言うと男はポケットからハンカチを取り出し、白銀の顔へと押し当てる。
徐々に白銀の意識が薄れてゆく。
朦朧とする意識の中、白銀はぼんやりとした思考で、事態を整理していく。
(………まさか……、まずい、このまま、じゃ…………)
薄れてゆく意識の中、白銀の耳にかすかに男の声が聞こえてくる。
「さあって、お前にはアイツをおびき出す…………」
男の声を、最後まで聞き取ることが出来なかった。
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