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光のロザリオ
12
:
竜野翔太
◆sz6.BeWto2
:2011/07/29(金) 13:44:36 HOST:p3161-ipbfp3105osakakita.osaka.ocn.ne.jp
奥村は景色を眺めながら、ペットボトルのお茶を少し口に含み、蓋を閉めながら、
「まあお前が何も言わないなら深くは言及しねぇが……悪いと思ってるんなら早目に謝っといた方がいいぜ。取り返しがつかなくなるのヤだろ」
ああ、と黒崎は小さく頷く。
話す話題がなくなってしまったため、黒崎と奥村は二人黙ってしまうが、やがて黒崎は口を開く。
「お前、朝何で呼び出されてたんだ?」
奥村は黒崎の方へと視線を向ける。
溜息をついて、背中をフェンスに預けるようにもたれると、
「ちょっとな。友達のことだよ」
「………友達?」
黒崎は奥村の友達がこの学校にいるということは知っている。その友達が問題を起こしたのか、それともその友達が何かされたのか。どちらにしろ、奥村が呼び出される理由にはつながりそうにない。
奥村は目を閉じ、僅かに笑みを浮かべながら続ける。
「俺らのクラス、栗村って奴が来てないだろ?そいつのことでな」
「……、じゃあお前の友達って…」
黒崎はその後の言葉を紡ぎ出せなかった。
紡ぎだそうとしても、何をどう言えばいいか、それすらも分からなかった。下手に言ってしまえば奥村を傷つけてしまうかもしれない。自分にはこういうときどの言い方が正解なのか分からなかった。
奥村はそんな黒崎を気遣うように、
「そーんな暗い顔すんなって。何を言えばいいか分からないなら黙ってりゃいい。俺とお前が別の立場なら俺もそうしただろうしな」
奥村は困り顔の黒崎の顔の近くにお茶のペットボトルを近づけて、
「飲めよ。喉渇いてるだろ?」
黒崎はペットボトルを受け取って、蓋を開けようとして躊躇う。
何故か。ちょっと減ってる。つまり、これは奥村が口をつけた証拠で、このまま口をつけてしまうとそのつまり、
「どーした」
特に気にも留めないような口調で問いかけるが、黒崎は引きつった顔で、
「奥村さん。……これはその……あなたが口をつけたんですよねそうですよねだってさっき飲んでたもの」
奥村は首をかしげて、
「それがどーした。別に間接キスぐらいどうってことねーだろ」
ぶはぁっ!?と奥村のベリーソフトな言葉に面食らい、噴き出してしまう。
奥村はフフッと女の子らしく笑って、
「面白いリアクションだな。俺としてもそーやってリアクションとってくれる方が良かったよ」
は?ともれなく目を点にする黒崎。
「お前は、そーゆー……か、間接キス、とかは……恥ずかしくねーのかよ…」
何故か言葉がぎこちなくなっている黒崎に奥村は、笑みを浮かべていて、
「流石に何の躊躇いも無くぐびぐび飲む奴よりはマシだな。後、変な趣味持ってる奴とか」
奥村は一拍置いて、
「俺、結構子どもっぽい奴が好きなんだよ。お前みたいに間接キス程度であわあわするようなな」
その言葉で黒崎は顔を赤くする。
黒崎は口をぱくぱくさせて、
「そ、そそそれって……つ、つまり……」
「別にお前が好きってわけじゃないけどな」
ああそう、とバッサリ斬り捨てられた黒崎はずーんとうな垂れてしまう。
奥村は溜息をつき、屋上から出て行こうとし、背中を向けたまま、黒崎に話しかける。
「喧嘩の仲直り方法ー。相手からの言葉を待つんじゃなく、まず自分から謝ってみな。嫌われたくねー相手なら尚更だ。喧嘩両成敗。どっちか片方が悪い、なんてことはねーんだからさ」
奥村はその言葉を残し、屋上から出て行く。
黒崎はその言葉を胸に残し、ふと、手元にあるペットボトルに視線を落とす。
「……で、どうしろってんだよこれ」
とりあえず、飲まないのでは悪いので、頬を赤く染めながらぐいっと一口お茶を飲んだ。
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