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てんしさまのすむところ-刹那の大空-

51霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2012/08/18(土) 19:10:43 HOST:i121-115-63-50.s04.a001.ap.plala.or.jp
 時が流れるのは早いもので、気づけばカラオケの日から十日が過ぎて、今日は五月の十三日。俺の誕生日である。本日は日曜日なのだが、部活のせいで学校にいる。もっとも午前中だけの楽なものだけどさ。その後は葵の家で俺の誕生日パーティーとのこと。
 集まるメンバーからして祝う気はないだろうけど。こいつらとは小学のころからの付き合いだが、まともに祝ってもらったことはない気がするぞ? 去年はパイ投げの被害にあったし。……リアルでパイ投げする馬鹿っているんだな。俺は何よりもそのことに驚いたよ。
 やれやれ、今年はどんな歓迎を受けるのやら……。服が汚れる系は勘弁して欲しいな。

 「おーい、玲ー? 力抜いて走ってると鎌持って追いかけるぞ」
 「何だその気の抜けた脅しは。怖くねーよ」

 俺の肩を軽く叩いて笑うのは、明るい茶色に黒い瞳の男。名前は神崎 勇樹(カンザキ ユウキ)。俺や葵と同じ特殊選抜生で、俺の次の点数を取って入学した奴だ。ちなみに俺は一位。我ながら流石だと思う。ちなみに勇樹との出会いはまさかの試験会場。
 勇樹が言うには中学も同じだったらしいのだが、残念ながら覚えていない。別に周りに興味なんてなかったしな。
 見た目はチャラついて見えるのだが、これが案外いい奴で、男女共に人気がある。俺からは徹底的に弄られている。その腹いせにか、勇樹は葵のことを命一杯弄るのだ。……ちょっと嫌な連鎖の完成である。場合によって負の連鎖になってしまいそうである。
 ただ、葵が少しでも嫌な顔をすればすぐにそれを読み取って行動をとめるんだ。葵は正直言って表情の変化が薄い。俺も慣れるまでは大分困惑してたしな。それを勇樹は出会ってすぐに見分けて対応できるようになっているのだ。……もしかすると人に取り入るのが上手い人種なのかもしれない。

 「どわ!? 葵てめぇ……後ろからぶつかってくんじゃねぇ!! お前は猪か!!」
 「ちんたら走ってる方がわりぃんだよ。図体のでかい奴がコースを塞ぎやがって」

 ギャーギャーと喚きながら三人で走っていると顧問の怒号。三人仲良くランニング三周分追加されましたとさ。俺はその時点で全力疾走開始。これ以上のんびり走っていて、更に増やされたら冗談じゃないからな。笑えないよ。本当に。
 後ろからは裏切りものーだとかと喚く声。そんなこといっている暇があったらさっさと本気出せばいいのにな。
 一足先にランニングを終え、顧問の横に座る。顧問は何も言わずにドリンクを投げつけてきた。……おっさんにドリンクを貰っても嬉しくはないのだが、マネージャー陣が俺の誕生日パーティーの準備のために嘘をついてサボり中なためなんともいえない。というか言いたくない。
 準備をするのはいいが、サボるなよ。後々面倒くさくなるんだしさ。面と向かってそういったのだが、全員仲良くスルー。俺ももう干渉しないことにした。

 「あー……疲れた」
 「そりゃあんなにふざけながら走ってりゃ疲れるだろうな」

 何とか部活が終了し、今度は仲良く電車に揺られる。勇樹はバイトォ!! なんていう奇妙な雄たけびを上げながら走り去っていった。色々大変そうな奴である。いや、これから付かれきった状態で馬鹿グループに加わらなきゃいけない俺ほどじゃないだろうけど。
 途中、二人して寝てしまい危なく乗り過ごしそうになったり、葵がなにやら危ないお兄さん達の脚を踏んでしまったりしたりと、色々とハプニングが起きてしまったがどうにか無傷で葵の家の前に到着。お兄さんたちは案がいい人だった。見た目に騙されちゃいけないよな。
 葵の後に続いて家の中に入る。シンと静まり返った部屋。本当に人がいないのかもななんて思いつつ、俺は欠片を作動。数秒で奴ら全員が押入れに隠れているという情報を手に入れた。とりあえず何の躊躇いもなく押入れを開けておく。葵は少し戸惑ったような表情をしているが何も言わない。
 つまらないなどと喚く凛には蹴りを入れておく。コイツは男だから本気でやっても問題なし。後の連中はとりあえず拳骨を落としておく。
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こっから先はもう溜め書きがありますので、いつもより早く更新できると思います。
多分今日中に玲編は終わるかと


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