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てんしさまのすむところ-刹那の大空-
29
:
霧月 蓮_〆
◆REN/KP3zUk
:2012/04/07(土) 02:19:33 HOST:i121-116-249-115.s04.a001.ap.plala.or.jp
夜。特に何も無く帰宅してベッドでごろごろしていた俺は、ふと玲のことが気になってメールをしてみた。帰ってきたメールには“今美穂の家にいる。見張りつきで休んでるよ。大分回復してるし気にするな”とだけ書いてあった。玲の言うことは信用できないから美穂にも確認したらどうやら本当らしい。
安心して、美穂としばらく他愛のないやり取りをした後、冷蔵庫を覗いて落胆。どうやら買い置きのジュースが切れてしまってそのままらしい。しかもよりによって俺の好きなものだけが綺麗に。どうせ兄貴が勝手に飲んだのだろうとため息をついて部屋に戻る。
財布を片手に家を出た。向かう先は近くのコンビニ。近くの、と言っても俺の家に一番近いコンビには徒歩で三十分もかかる。少し不服だが仕方がない。何せ自販機では必ず売り切れている人気商品なのだから。コンビニにでさえあるかは怪しい。
ぼんやりと満天の星空の下を歩いていると、あまりにも可愛らしい音楽が流れ始める。出所は俺の携帯だ。結構前に悪戯で可愛らしい曲に変えられたまま面倒だからと、着信音を一切変えていない。ため息をついて携帯を確認すれば、ディスプレイには美穂の文字。
「……美穂? どうした?」
「玲が、玲がいなくなっちゃった!!」
電話に出れば今にも泣きそうな美穂の声が飛び込んできた。玲がいなくなった、と言う言葉に俺の思考は一時停止。どういえばいいのか分からなくて黙り込んでしまう。本当ならここで俺も慌てるべきなのだろうが、不思議と俺は冷静だった。
俺の悪い癖だ。友人が大変だと聞いてもどうしても……。心配していないわけじゃないのだが、そいつのために必死になったりするわけでもない。つくづく中途半端な奴だと思う。心の奥底で何とでもなると思っているんだろう。我ながら冷たい奴だと思う。
今にも泣きそうで、必死になっている美穂を宥めて状況を聞きだすことに専念する。どうせ遠くに行ってはいないはずだ。そう考えてタクシーを拾って美穂たちのマンションの前まで向かう。
「ちょっとトイレに行って戻ってきたらもう居なくて……帰ったのかなって思ったけど玲の部屋にも居ないんだ。どうしよう、玲まだ調子悪そうだったのに……」
「落ち着け。大丈夫だから。お前はマンションの中と周辺を探せ。見つからなかったら家に居ろ。俺が何とかするから」
タクシーの運転手が心配そうに見てくるが俺は気にしない。美穂に指示を出す。他の連中にも手伝わせたいが時間が時間だ。それはまず無理だろう。玲がマンション周辺に居ることを願って、俺は携帯をポケットに押し込む。
マンションの前に到着すると、今にも泣きそうな顔で美穂が辺りを見渡していた。マンションの中をあちこち見て回った後、外に出てきたのだろう。様子を見るに玲はまだ見つかっていない。俺を見た美穂は凄い速さで駆け寄ってくる。
「お前上着ぐらい着て出て来いよな。とりあえず俺はマンションから少し離れたところ、その上で体調が悪い玲でもいけそうなところを探すから」
乱暴に美穂に上着を押し付けて俺は走り出す。路地裏に飛び込んで広い道に出て辺りを見渡して……そんなことの繰り返し。繰り返しているうちに人影が全く見えないことがとても恐ろしいことのように感じる。
息を切らせて、辺りを見渡していると、閃光。突然のことに驚いて固まっていると見慣れた姿が飛び出してきた。街灯に照らされたのは色素の薄い黒髪の少年……玲だ。急いで駆け寄ろうとして、俺は思わず動きを止める。
玲の後ろにはステッラが飛んでいた。玲もその存在を知っているようで声をかけたり、何かを確認したりする。……何故玲にステッラが見えている? 何故ステッラと玲が一緒に行動している? そう考えているうちに浮遊感を感じる。
「ッ!? 葵!?」
俺のほうを見た玲が声を上げる。真っ青な顔で、苦しそうに呼吸をしながらまっすぐ俺を見ている。その手には分厚い本のようなものが握られている。
________________________
ギャグは何処に行った、ギャグは((
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