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係争の異能力者(アビリター)
282
:
ライナー
:2012/01/29(日) 14:48:43 HOST:222-151-086-012.jp.fiberbit.net
「いやー、白闇様と黒明様の技は凄いね」
声が聞こえると同時に、啓助はカーブミラーの死角に寄り、耳を澄ませる。
「そうだなー。この周囲の人間を全て異空間に収納とか……俺らには意味不明だよ」
やはり〈キルブラック〉の者の話らしい。それに、白闇と黒明がまだ動ける状態であったのが、啓助には酷く驚きを呼び起こした。
「ボスが異空間から人々を助け出すような演技をやって、今の時代に必要なアビリターをここに示す。そう言ったことで、会社を引き立てトップクラスの営業会社を作り出す。凄すぎて俺らには判断が付かないな」
黒装束の話を頭の中で整理しながら、啓助はあの言葉を思い出す。
「「タダの会社だし」」
白闇と黒明、あの双子が言った言葉だ。どうやら偽りではなかったらしい。
しかし、会社と言うからには今までも敵も雇われた人間が多数を占めるだろう。すると、〈キルブラック〉のボス堂本はたった一つの会社を引き立てるためだけに、多くの人間を巻き込んでいる。そうだとしたら、一刻も早く堂本を止めなくてはならない。
「〈キルブラック〉の下っ端にしては随分オシャレ脱線した格好してるじゃない」
突然、後ろから声が掛かる。
「……!」
唾を呑み、啓助はゆっくりと首を背後へ回した。すると、その目に入ってきたのは――――
「れ、麗華……!!」
啓助はそう声を漏らし、硬直する。
そこにいた麗華も同様に衝撃的だったらしく、『白鳥夢掻(しらとりむそう)』を握ったまま立ち尽くしている。
突如な再開。しかし、これは双方にとって重大なことだった。
啓助は逃亡者、麗華はユニオン隊員。この身分は、関係図で表すと「敵」という矢印で結ばれているのだ。つまり、今互いが出会うことは戦闘に発展してしまうという事だ。
思わず、啓助は背にある剣の柄に手を伸ばす。
「辻……アンタ、まさか〈キルブラック〉の一員なわけないわよね?」
そんなこと一目見れば分かるのだが、今はお互いを信用することは難しい。啓助は〈キルブラック〉の作戦現場にいて、麗華は恐らくそれを止めるために派遣されたのだろうから。
『白鳥夢掻(しらとりむそう)』を握る麗華の手が、ほんの僅かに力が込められる。
「ああ」
言葉と同時に『氷柱牙斬(つららげざん)』を鞘から抜き出した。
「(今はお互いやるべき事を優先するしか他ない。こうなったら――――
――――戦うしかない。
そう、選択肢は一つだけ。戦うことしか許されないのだ。
麗華は今ここでユニオンを裏切り、啓助を助けるようなことをすれば同罪になる。しかし、啓助はそんな迷惑掛けられるはずもなかった。
たとえ任務を任されても、指名手配犯などと遭遇した場合はそれを優先する。そうして、自分の出来る範囲内のことを実行する。それがユニオンのオキテだった。一見仲間を裏切るような行為に見えるが、それは仲間を信じて任務を任せるという事にも繋がる。そして、多くの仕事をこなさなければいけないプレッシャーでもある。
そして戦う。
――――仲間の元へ帰るため。第三番隊B班のチームルームに再び戻るために。
そのためには、麗華を戦闘不能に追い込まなければいけない。
以前の試合による負けがあり、緊張感がさらに増す。
「………」
啓助は剣を構える。仲間だった者に。
麗華はナイフを握る。任務を遂行するために。
戦うことは互いのため、これが神の作り出した越え辛い運命(さだめ)。
二人は同時に足を踏み出した。
互いの武器は激しくぶつかり合う。まるで、金属が奏でる交響曲が如く。
「(クソッ……!)」
そして、啓助は願った。
――――交響曲の中断を。
283
:
燐
:2012/02/19(日) 16:33:28 HOST:zaqdb739e54.zaq.ne.jp
コメしますねノシ
全体の4分の一を読み終わりました!!
いや〜ライナーさんの小説はハンパないですよね(*^_^*)
私の小説とは桁違いな上手さです!!
最終回まで読みますから、辞めないでくださいよ!!
こっちはこっちでとても楽しみなんですから!!←
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