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我、人であるが故人を嫌う。

8神音 桜紗 ◆ptZpvaYoVY:2011/05/18(水) 22:02:57 HOST:i118-17-46-116.s10.a021.ap.plala.or.jp
†三上真輝視点†

結城くんは月菜の事が好きなのだと、私は思う。けれども月菜は結城くんの事は“ただの友達”に過ぎないのだろう。

「やっぱ、風音がフリースロー入るようになったのは俺のお蔭だろ?」

 結城くんが胸を逸らしながら笑って見せる。しかし月菜はスーッと視線を逸らして「いや……別に、そんな事無いと思うけど」と私の方へ向いてくるので深くため息をつくと「そう言えばさ、近くに新しいケーキや出来たって。寄ってくー?」と若干話を逸らしていくと結城くんは不服そうな視線で、月菜は嬉しそうにキラキラした視線で私を見てくる。私の苦労も考えて欲しいなぁ。月菜は「それじゃあ、部活終わってから、ね」と微笑むと再びフリースローを開始した。
 結城くんは、ツンツンチ私の方を叩いて着て、「風音って、ツンデレか?」と異常なまでの笑顔で問いかけて来る。―――正直気持ち悪い。取り合えず「さぁ……?違うと思う、けど………?」とかなり適当に答えて、その場はやり過ごした。




 あ……れ?しまった、教室に教科書忘れてきた、かも……。
 それに気付いたのは部活が終わって数十分後の事だ。きっと月菜も結城くんもクラスメイトも、もう帰っていて居ないなぁ。

 私は体育館から程遠い三階の自分の教室にたどり着くとアハハハハっと言う笑い声と少女三人、少年二人の声が聞こえる。聞いた事のある声、だ。

「もう、暁くんも栗花落くんも、琥珀ちゃんも面白過ぎっ。ね、つっきー!」

 金髪の少女―――、如月さんは面白そうに笑う。月菜鮮やかな明るいクリーム色をした髪とピンク色のリボン揺らしながら笑う五十嵐さんも居た。女子は月菜と五十嵐さん、如月さんで男子は男バスで結城くんに並ぶ長身の暁鏡花くん、それと冷たそうな栗花落月音くんがいる。
月菜も、私や結城君と居る時と同じように笑顔を浮かべ「ホントね。案外月音くんと鏡ちゃん、良いコンビね」と笑って出た涙を手で拭うと再び笑ったりする。




――――私には入り込め無い空間があった。月菜は、楽しそうだ。


 私は逃げ出した。事実から逃れるために。


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