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25
:
迷
◆1iaDQinYzU
:2011/04/28(木) 19:35:18 HOST:p3166-ipbf2705funabasi.chiba.ocn.ne.jp
―路地裏
ラートの案内で事件のあった路地に到着すると、ミランたちは調査を始めた。
「そういえばさ、ミランは今どこで何やってんの?」
「え・・・っ!?」
ミランたちの仕事―ハンターの事は禁句なのでミランは返事に困った。
「だってさ、この前事件が起きたばかりの物騒な所に案内してなんて・・・。もしかして、刑事とか!?」
「いや・・・違うけど・・」
ミランが言葉を濁らせてると無線に連絡が入った。
『緊急連絡、イーゴット町西地区でゾンビ出現の模様。直ちに排除にむかってください』
ミランはキールたちの方を見て、アイコンタクトをすると、ラートの方を見た。
キールたちは、アイコンタクトの後すぐ走り出して路地から姿を消した。
「あれ?コランどうしたの?」
ラートは訳が分からず、コランを呼ぶが当然止まるはずは無い。
「ごめん、ラート。急に仕事が入ってね、直ぐに行かなきゃいけないの。仕事片付いたら、施設寄るから。」
「あ・・・え?」
「あ、あと、ここら辺危ないから早く施設帰って戸締りちゃんとしてね。じゃ。」
ミランは用件を早口で伝えると、走って行った。
「えっ・・・」
―ミラン・・・?
ミランに言われた通り、真っ直ぐ施設に戻るラート。
―ミラン・・・何か変だった。
―コランと一緒になんか隠してるっぽいし・・。
―にしても、いきなりの仕事って何だろう・・・
―帰ってきたら聞いてみないと。
ラートは心の中で呟くと、ちょうど施設に着いた所だった。
「ただいま。」
「あら、ラート。お帰り。」
目の前の先生と少し話した後、ラートは「疲れたから」と部屋に戻った。
―あーあ・・・ミラン早く来ないかなぁ。
―イーゴット町西地区
ミランはラートをおいて、先に行ったキールたちを追った。
そして、ようやく追いつくと、何故か皆して立ち尽くしていた。
「キールさん、ゾンビいましたか?」
ミランはとりあえず近くにいたキールに聞いてみると、キールは首を横に振った。
「それが、見つからないのよ・・・。指示された場所、此処の筈なんだけど・・・。」
「じゃあ、本部に聞いてみたらどうですか?」
ミランの提案に対しキールは一回頷くと、本部に連絡をし始めた。
―なんだろ・・・嫌な予感する。
ミランは不安な気持ちで、キールからの指示を待つ。
「えっ・・・?」
キールが突然驚いたような声をあげた。
そして一言二言、本部と話すと無線をきった。
「キールさん、どうしたんですか?」
ミランは早速聞いてみた。
「ん・・、何か本部、無線なんか使ってないって・・・。」
「えっ・・・!?」
「何なんだろうね。」
キールは本気で悩みこむ。
―何か・・嫌な予感が一気に膨れ上がった・・・?
―何だろう・・・。
そこまで考えた所で、ミランはハッと気付く。
「あの、キールさん・・・。」
「ん、何?」
「確かゾンビって、小型ロボットのプログラムか何かで、若い人たちが集まる所を狙うんですよね・・・?」
「えぇ、確かそうだった様な気がするけど・・・。」
キールの話を聞いて、ミランは突然走り出した。
「ちょっと・・・ミランっ?!」
キールたちもミランの後を追う。
「ミラン、どうしたの?」
走りながらキールはミランに聞く。
「子供が集まる所は限られてます。でも、此処の村には、幼稚園や小学校、中学校も無いんです。で、あとこの町で子供が集まるのは、病院と施設なんです。病院と施設だったら、施設のほうが子供の数は多いです。そして、この町の施設は・・・―
ラートの居る施設ただひとつしかないんです・・・!」
26
:
迷
◆1iaDQinYzU
:2011/05/16(月) 18:41:09 HOST:p3166-ipbf2705funabasi.chiba.ocn.ne.jp
―師簾魔霧(シーズマム)施設
ベットでゴロゴロしていると、いつの間にか寝てしまったラート。
すると・・・―
ドォォォンッ
大きな音がして、ラートは飛び起きた。
先生や子供たちの叫び声も聞こえた。
ラートは急いで部屋から出て、一階に降りた。
そこには、槍を持った人が居た。
「お前ら幸せ者だなぁ。拿鞍様の革命の礎になれて。」
「・・・?」
ラートたちには、相手が何を言っているのか分からないが、只者では無いことは分かった。
「とりあえず、お前ら・・・―喰われろ。」
―イーゴット町中央区
ミランたちはイーゴット町内を全力で走っていた。
目指すのは、ラートの居る施設―師簾魔霧。
―何でなんだろう・・・。
―さっきから感じてた嫌な予感って、これだったんだ・・。
そこから、しばらく走り続けると、ようやく施設が見えてきた。
そして、ドアが壊れていて、只事ではないとすぐ分かった。
ミランたちはスピードを落とさず、施設に駆け込んだ。
施設に入った瞬間、真っ先にゾンビが目に映る。
―ラートっ!
ミランはその思いを胸に、次々とゾンビを切り倒していく。
―無事だよねっ?!
ミランたちが施設に飛び込んだとき、ラートを含めた子供数人と、先生2人は、地下の間の置きに身を潜めていた。
「先・・・生。怖いよ・・・」
「わたしたち、死んじゃうの?」
子供たちは、怖くて泣き出したり、震えたりしている。
ラートも怖くて、さっきから一言もしゃべっていない。
ドンっドンっドンっ
突然ドアを破ろうとする音が聞こえた。
「きゃああぁぁぁ!」
全員パニックに陥り、奥へ奥へと逃げていく。
ドンっドンっ・・バキっ!
ドアが破られ、光が差し込む。
そして、そこから一人二人と降りてくる。
「お前らぁ。往生際悪いよねぇ。」
「・・・っ!」
「大人しく、喰われろ。」
そして、ラートの前に居た先生や子供たちが1人、また1人と倒れていく。
残った子達は全員逃げようとするが、もう奥は行き止まりだった。
ついにラートの目の前にゾンビが現れ、襲い掛かった。
―もう・・駄目・・?
―最後に・・ミランに会えてよかった・・・。
―有難う・・・。
ラートはギュッと目を瞑った。
―・・・・。
―・・あれ?
しばらく経っても痛みも何も感じなかったので、ラートは恐る恐る目を開けた。
そして、目の前に立っている息を切らした少女を見て、ラートは驚いた。
「ミランっ・・・!」
27
:
迷
◆1iaDQinYzU
:2011/05/16(月) 18:41:26 HOST:p3166-ipbf2705funabasi.chiba.ocn.ne.jp
ミランの後に続いて、コランたちも降りてくる。
そして、子供たちとゾンビ軍の間に入り、武器を構えた。
「コランっ!」
突然ミランがコランを呼んだ。
「・・・?」
「此処は私たちに任せて、コランは皆を安全な所に逃がして。」
「安全な所って・・?」
「とりあえず、地下倉庫から出して、上に連れて行って。」
「分かった。」
ミランたちは話しながらも襲ってくるゾンビたちを次々と倒していく。
そして、コランだけがゾンビに背を向けて、子供たちのほうを向いた。
「これから上にあがるから僕についてきて。」
コランはそれだけ言うと、再びゾンビのほうを向いた。
子供たちは不安がりながらゆっくりと立ち上がる。
「いくよっ!」
コランの掛け声と共に、皆走り出した。
コランは自分たちの方に向かってくるゾンビたちを倒しながら、子供たちをドアの下に連れて行き、上に上らせる。
その間もコランはゾンビたちを倒していると、ミランたちが来た。
「コランも上がってっ!」
キールの言葉に頷くと、コランも上にあがった。
ゾンビたちも上がろうとするが、その前にミランたちが立ちふさがる。
「お前たちの相手は、私たちだよっ!」
28
:
迷
◆1iaDQinYzU
:2011/05/16(月) 18:42:21 HOST:p3166-ipbf2705funabasi.chiba.ocn.ne.jp
コランに言われるまま地下倉庫から出たラートだったが、頭の中は混乱していた。
―あの人ミランだよね・・・?
―でも・・・なんか持ってた。
―あれは・・・カマなの?
―よく見えなかったけど・・・。
―それにコランも凛々しくなってるし・・。
―ミランの今やってる仕事って・・・・?
そこまで考えた所でコランもあがって来た。
ラートはしばらく考えた後、思い切ってコランに聞いてみた。
「ねぇ・・・コラン」
「・・・な、何?」
コランは驚いて少しぎこちない感じで答えてしまった。
「なんで、木刀なんか持ってるの?」
「・・・。」
―どうしよう・・・。
―答えちゃいけないし、だからと言って嘘もつけないし・・・。
コランが悩んでる間にもラートは次々と質問を投げかける。
「ミランもカマ持ってたし、キールさんとか言う人たちも日本刀みたいなのとか、バットとか持ってたし・・・。それに、いきなり入ってきたあの人たちは誰?!コランだったらコーラネット村のことも知ってるの?」
「・・・・・。」
すると、ラートの隣に居た女の子が突然言い出した。
「ねぇ、この人ラートの知り合いなの?」
「あの入ってきた人たちは、人殺しなの?」
「お兄ちゃん達も・・・人殺しなの?」
女の子が言い出したと同時に他の子たちも口々に言い出した。
「人殺し・・・。」
ラートもそう呟くと悲しそうな顔をした。
すると、突然後ろのほうで悲鳴がした。
「うわあぁぁぁっ!!」
皆で何事かと後ろをむいた。
目の前に居たのは、ボスのような立場の男だった。
「おい・・・。結局逃げ出してんのかよ。ゾンビ共も使えねぇーよなぁー。」
「・・・っ!」
そして、その男の前には血を流して倒れている男の子もいた。
コランは一瞬で状況を判断し、子供達の前に庇うような形で立ち、武器を構えた。
「あー・・お前らハンターだったのか。」
男の雰囲気が一気に変わった。
コランはもう一度武器を構えなおした。
「んー・・とりあえずお前ら全員、死刑な。」
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