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異能力者学園・森園!
3
:
桜華
:2011/04/02(土) 15:37:02 HOST:softbank221032132171.bbtec.net
*第1話*
「ふぁ〜。眠ーい」
月曜日の朝、前日が日曜日なだけに、殆どの人々が欠伸を漏らしている。
「さ〜て。学校行こっと!」
彼女は、学校に向かって走り出した。
学校はこの世界――すなわち現実世界にある訳ではない。魔界と現実世界の境目にあるのだ。
学校への入口、〈森園公園〉の森を走り抜けた。
森を抜けると、そこには広い庭園、水が澄みきった池、そしてレンガ造りの歴史ある女子専用の学園が建っていた。
「おはよー!」
爽やかな朝。ここでは誰一人欠伸はおろか、月曜の朝を全く感じさせない。
「おーはーよー!!」
彼女に一人の少女が飛んできた。
ガン!
まさにそんな音が聞こえて来そうだった。彼女は少女を軽く避け、当然少女は壁と正面衝突した。
「いった〜!親友に何すんの、さき!」
「ちょっとは黙ったらどう?みずき!」
「ふ〜、おはよ…って!何やってんだ!そこの二人!!」
「「だってコイツが…!!」」
声がハモり、今にも殴り合いのケンカを始めそうな2人を慌てて止めに入る、もう一人の少女。
「ったくもー!停学になりたいんか!!」
雷が落ちそうな位の衝撃で、ケンカ中の2人はビクっと肩を振るわせた。
「「すいませんでした、みく」」
「分かれば良し!」
みくはとても満足そうな顔で言い放った。
「危ねー。遅刻遅刻ー!…って、何やってんの?」
「「「のえちゃん!」」」
のえと呼ばれたその少女は、呆れた様に言った。
「ま、何やってたかはあえて聞かないけどさ、」
はぁ、と溜め息を吐いてのえはこう続けた。
「…遅刻するよ?」
「「「え?」」」
その時だった。
ボーン、ボーン…
「「「あっ」」」
チャイムの代わりに、柱時計の様な重い音が響き渡った。
チャイムが鳴り始まる頃、風紀委員会の面々が顔を揃えた。
「はい、そこの3人遅刻ね〜」
「「「3人!?」」」
そんなハズは無い。4人のハズだ。と講義しようとした瞬間――
「あー!居たー!」
のえが一目散に校舎に入っていく様子が見えた。
「はははっ!ぼーっとしてんのが悪いの!!」
「「「こーのーやーろー!!」」」
さき、みずき、みく。3人が怒りを露にした瞬間、
「「「裏切り者には制裁を!!」」」
「ぎゃ―――!!」
――のえは一瞬にして星になった。
「なってないからっっっ!!」
ではなく、のえは3人の能力の餌食になっていたのだった。
「それでもまだ、やな言い方だな…」
気にすんな!ドンマイ!
「気にするからぁ―――!!」
「はぁー、はぁー!もー!なんてことすんだよ!」
「それはこっちの台詞です、4人とも?」
「「「「え?」」」」
あ、1人増えた♪と、呑気なことを考えていたのは、みずきである。
「校則その1!学園内での能力の使用は、授業と緊急時を除き禁止である!!」
「あたし、能力(チカラ)使ってないんだけど!?」
「問答無用じゃ、ハゲゴラァ、ボケゴラァ!!反省文100枚書かせてやるかんなぁ!!?」
「「「「ひぃぃぃぃ!!」」」」
その後、彼女達4人が教室に入れたのは3時間目(翌日)だったという―――。
「もぉーやだ―――!!!」
「おい、そこ!手が止まってるぞ!!」
「すみません!!」
*つづく*
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