したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

Il record dell’incubo〜悪夢の記憶〜

1霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/03/06(日) 23:06:24 HOST:i114-180-240-196.s04.a001.ap.plala.or.jp
初めまして、霧月 蓮(ムヅキ レン)と申します。ここでは始めて小説を書かせていただきます。

更新は非常に亀で、誤字脱字も非常に多いですが、生暖かい目で見てくださると助かります。
出来るだけ遠まわしに表現するように致しますが、グロイ表現が多々あります。それでも大丈夫、と言う方はどうぞよろしくお願いいたしますね。

アドバイス、感想等があれば喜んで。

一応、学園、ファンタジー、歪み、と言った感じの者が中心となっています。特殊能力が出てきたり、魔法使い吸血鬼が出てきたりと、多分滅茶苦茶です
非常に駄文で、まとまりのない文章ではありますが……。

6霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/03/09(水) 21:24:40 HOST:i114-180-240-196.s04.a001.ap.plala.or.jp
第一章 光(ルーチェ)の人々

 小鳥の声が聞こえてくる。ゆっくりと瞳を開いた湊の視界に入ったのは優希の姿であった。湊の肩に手を乗せたまま静かに目を閉じている。何時間もそうしていたのだろう、頬には妙な汗が伝っている。服装は湊や襲われていた少年と全く同じ制服で胸には湊同様金の六芒星のバッチ。それにはやはり“光高等部生徒会副会長”と生徒会での彼の地位を現す文字が刻まれていた。窓でも開けているのだろうか、時々吹いてくる風が頬をなでるのが酷く心地よかった。

 「三宮、さん?」

 すっかり掠れた声で湊が言えば、キリッとしたつり目がゆっくりと開いて湊を見つめる。優希は静かに笑った後「会長、無断欠席三日、僕の残業分、たっぷり働いてもらいますから」と告げる。やれやれ、もう少し可愛らしい言葉は掛けられないものか、と文句を言ってやろうとも思ったが恐らく優希が寝ずに自分に治癒能力を向けてくれたのだろうと考え、苦笑いだけで返すことにする。ひそかにこの人は怒らせると後が怖いし、なんていう風に考えているのは間違っても優希に知られてはいけない。
 小さく息を吐き「三日ですか……随分長い間気を失っていたようですね」なんていう風に呟いて、ゆっくりと体を起す湊。身に纏っている制服には紅がすっかりこびりついて落ちそうにもない。これはまた制服を新調しなくてはならないか、とため息をつく。優希は無表情とも、心配そうとも取れるような表情で「窓から飛び降りるなんてことは止めていただきたい。僕が飛び出してなかったら死んでましたよ? アンタ」なんていう風に冷たい言葉を吐く。やはり毒舌だな、と湊は頬を掻き力の抜けきった自らの体に鞭を打ち立ち上がる。
 静かにドアが開き入ってきたのは湊が助けた、少年である。少年は肩より三センチメートルほど短い黒髪に、灰色の瞳、なんて言う平凡な容姿。雰囲気はいたって真面目そうであり、模範生、といったところであろうか? もっとも手に持っている黒魔術入門なんていう本を除いての話だが。

 「先日は有難う。僕、高等部一年C組、黒羽 翆(クロハ スイ)……。回復能力を所有しています」

 静かに少年、黒羽 翆が名を告げ、自らの能力を明かす。そんなことをしなくても湊と優希は生徒会の人間なので殆どの生徒の能力などは把握しているのだが。まぁ礼儀正しいということにしておくか、と湊はため息をついた。翆は続ける。静かな、それでもどこか、いや心底残念そうな声で「何故、僕を助けた? 僕は死にたかった。あの人の元に行きたかった……」と。
 思わず顔を見合わせる湊と優希。なんと言って良いか分からないというような表情をした湊を見て呆れたような表情をして、翆の頬を思いっきり引っ叩く優希。この行動には翆を初め、普段優希を見ている湊でさえ驚いた。

 「消失願望ということか……。なんて愚かな。生きたくても生きられなかったやつが山ほどいるんだ。少々贅沢ではないか? 少なくともお前のいうあの人が俺なら、お前がとっとと死んで自分のもとに来ても欠片も嬉しく無いが? まぁその人自身ではないからなんとも言えないし、自分の言ってることが正しいとも思わないがな」

 全くの無表情でそう告げた優希は心底不愉快そうに鼻で笑う。流石というかなんというか……なんていう感じで湊は苦笑いを浮かべ「人間なんて急がなくてもいずれ死ぬんです。不老不死でもない限り、ね」と言う。翆はすっかり俯いてしまって、あれこれと言葉を捜す。

 「世の中つらいことなんて山ほどあります。それでもそれと同じくらいに楽しいこともあるものですよ」

 静かにそう笑った後、ゆっくりと歩き出す湊。優希は翆を睨みつけた後、湊の後を追って歩き出す。静かに翆は口を動かす「それは貴方達が強いから言える言葉なんだ」と……。

7霧月蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/03/10(木) 21:53:24 HOST:i114-180-240-196.s04.a001.ap.plala.or.jp
 生徒会室に戻った湊を待っていたのは、生徒会役員からの説教の嵐である。心配させんな、だとか勝手な行動をとるなだとか、窓を割るんじゃねぇ、また部活が問題起したぞ、どうすんだこの野郎とか、なんだか関係ないことも数個混ざっていたがひとまず気にしないことにしよう、そうしないとやっていけないと湊はため息をつく。ちなみにこの学園の生徒会は、会長一人、副会長一人、書記一人、会計一人、会長推薦の情報処理が一人の五人で構成されている。まぁ能力がトップクラスの連中の集まりなので、ある意味人間兵器が手を結んでいる非常に危険な状態だと捉える生徒も多い。
 自分の席の前に高々と積み上げられた書類を見て呆れたような表情をして「誰ですか、こんな嫌がらせチックなことするのは」と呟く。そうすればその場にいた生徒会役員がいっせいに優希を指差した。それでもその中の一人、光高等部生徒会会計というバッジをつけたオレンジがかった茶髪に、透き通った青の瞳の少年、暁 風雅(アカツキ フウガ)は笑いながら「でも、全部目を当して分けてあるんだぜ。付箋で区切ってる。優ちゃんが倒れてる人に仕事を押し付けるのは可愛そうだ、って言って必死に片付けてたんだぜ?」なんていう風にさりげない報告。羽音もくすくすと笑って風雅の言葉に頷いていた。

 「おや、相変らずなようで」

 クスリというべきか、ニヤリというべきか……とにかく良く分からない笑みを浮かべて、優希に顔を向ける湊。優希は慌てたように顔を逸らし「ち、違う。お前に仕事を押し付けると倍返しにされそうで嫌なだけだ」と若干必死に言う。まぁそれはただただ怪しいだけで、羽音が静かに笑って「やっぱり素直じゃないです」と指摘してしまえば、何もいえなくなってしまうだけだった。ちなみに羽音は白のケープ調の上着に真っ黒なリボン、真っ黒なラインの入ったものに、薄い水色のワンピース、かかとの高い黒のブーツなんていう格好でやはり胸には生徒会の証であるバッチが輝いている。
 一名女顔がいるとはいえ男ばかりの中に女子、なんて言うのもなんと言うか悲しいものがあるが、羽音自信は別に気にしてもいなかった。と、いうか風雅に気にしないでやんないと潰れるぜ? いろんな意味でと言われたこと、さらに力で選ばれたのだから性別など関係ないなんて言う優希の言葉を聞いて、大分時間は掛かったものの、ごく自然に生徒会に溶け込み始めている。もっとも風雅と優希が時々始める大喧嘩にはいまだ慣れずにいるが。
 光だ、闇だなんて正直言って羽音には良く分からないものだったりもする。羽音は高等部からこの学園に入ったためあまりその辺の事情には詳しくないのだ。それに光も、闇もどちらも双方のグループが顔を合わせない限りは、普通の学生と何も変わらない。確かに闇のほうは不良のような連中が多いが、高がそんなことだ。闇だけのグループでいる限りは非常に温厚な生徒が多い。それが光と顔を合わせるだけで妙に攻撃的になる……それが羽音には理解できない。理解したくないというのが正しいかもしれないな、と考えて羽音は静かに笑みを浮かべる。

 「まぁ会長復帰ってことでひと安心だろ。天使の羽音ちゃん」

 語尾に星やらがついても可笑しくないぐらい明るい声で風雅が言う。羽音は苦笑いを浮べて頷いて「そうですね。会長はお強いですし、風雅さんの大暴走を止めてくださいますですから」小さく頷いてそういう羽音。天使なんて言う呼び名は彼女の能力ゆえであり、羽音自身もう否定するのも面倒になってきているので自然と定着してしまったものである。まぁ呼び名の原因となっている羽音の能力についてはまた後ほど話すことにしよう。
 羽音の言葉を聞いて、僅かにショックを受けながらも頬を掻き「仕事の効率も上がるしな」と風雅は笑う。そんな風雅に対し優希は「……アンタは無駄な仕事を増やすだけでしょう?」とつめたい言葉を吐く。どうやら風雅は生徒会の中では珍しいくらいのお調子ものであり、余計な仕事ばかり増やしているらしい。それでも会話に参加できるだけ認められてはいる、と考えたい。

8霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/03/12(土) 23:26:37 HOST:i114-180-240-196.s04.a001.ap.plala.or.jp
 「で、会長。部活動の問題の件はどうすんの? 結構苦情は言ってるから何らかの罰は必要だと思うけど?」

 何気なく、風雅が言った言葉で、その場の空気が変わる。普段はふざけていても結局のところは生徒会。根は真面目な人間ばかりが集まっている。静かに優希が息を吐き「病み上がりにこの話題はどうかと思うが……対応を先延ばしにするわけにもいかないしな」と呟いて自分の席に座る。それを合図にして、全員が自分に与えられている席に座っていく。ただ一つ開いているのは、会長推薦の情報処理の席だけ。空席なのか休んでいるだけなのか、それは良く分からないが生徒会役員全員が気に留めていないようである。
 重い表情でため息をついて「何でしたっけ? 野球部が他の学校の部活に危害を加えたんでしたっけ?」と湊が言う。小さく羽音が頷き「はいです。制服デザインは光のものです。一番酷い人で全治一ヶ月だそうですよ。もっとも名前が上がっているせいとはごく一部です」と言う。風雅は頬杖を突いてあれこれ思考をめぐらせているようで何も言いはしなかった。優希は静かにため息をついて、呆れたような表情を浮かべている。

 「困ったものですね。闇じゃあるまいし、こんな問題を起すなんて……」

 小さく呟いた言葉に風雅は「つっても闇も光を攻撃して殺したりするだけで外では普通だろ」なんて言う風に言う。あはは、と乾いた笑みを浮かべて少々困ったように視線を泳がせる湊。本来なら教師に任せたいところではあるが、生徒会からの案を審議して訂正を加えたりするだけだったりもするので、結局のところ生徒会である湊たちが決断を下さないといけないのだ。
 羽音が小さな声で「厳重注意、では甘すぎますですね……やはり部活停止ですか?」なんて言う風に呟いている。湊のほうは少々メモを見ながら悩み顔。風雅なんて思考をめぐらせるのを諦めたのか、机に突っ伏して文句をいい始めている。それを睨む監視役的存在もいたりはするのだが、気にはならないらしい。

_____________________
区切りますね。あまり思いつかない……((

9霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/03/16(水) 19:58:33 HOST:i114-180-240-196.s04.a001.ap.plala.or.jp
 「この際仕方ないでしょう。甘い処分を下して、調子に乗られるのも困りますし……部活動停止、と言ったところでどうでしょう? 廃部はやりすぎな気がしますし」

 ため息をついて静かな声で湊が告げる。優希なんかはいかにも不服そうに「この誇り高き聖鈴学園の恥さらし者になんて甘い……」と呟いている。それでも湊に問いかけられれば反対だ、とは言わないのは湊には逆らえないのか、反対する気もないのか……その辺は良く分からないがとりあえず賛成してくれるようである。羽音は小さく笑って頷き、風雅も親指を立てて大賛成。と、いうか風雅の場合は話し合いに飽きてきただけだったりするので、処分がどうなろうが賛成していただろう。
 疲れたように肩の力を抜き、羽音がテーブルの上に置いてくれたコーヒーを啜る。時間にして約三十分弱。もっとも殆どが黙り込んでいた時間なため、実際に言葉を発していたのは十分程度であろうか? そんな短い時間ではあったものの、三日間眠っていた湊からすれば酷く疲れると言うか、面倒なものだった。風雅が真面目にやらないのも原因かもな、と考えて湊は深くため息をつく。優希は優希ですぐに風雅に突っかかるし、そのたびに羽音はおろおろ、仲裁に入るのも結構疲れてしまう。

 「まぁ、あれだよな。楓(カエデ)のやつ怪我してから大分仕事効率が落ちたよなぁ」

 突然、何の前触れもなしに風雅が言う。優希は不愉快そうに顔を顰めて「お前が手を抜くからだろ? 少なくても会長は必死だ。ドジだが」と言う。ドジと言われて凄い勢いで顔を上げるのだが、事実なため文句が言えずにしょぼん、とするだけの湊。なんともだらしがないものである。羽音なんかは苦笑いを浮べて、一人一人に紅茶を淹れている。湊だけがコーヒーを飲んでいるが羽音にとってその辺は気にならないようである。むしろ湊がコーヒーにしてくれとか、自分が言ったものと別なものを頼むと嬉しそうに笑うから、結局のところ世話好きなだけかもしれない。

 「そう言えば黒須(クロス)の馬鹿はどうなったんですか? あいつの方がはるかに風雅より使えたのに」

 そんな風に優希が問いかければ、湊の表情に僅かな影が宿る。それを見た優希はああ、聞いてはいけないことを聞いてしまったな、と後悔する。しばらくの沈黙の後、おずおずと口を開いて、湊は「黒須さんは……墜ちてしまいましたよ。風雅さんが生徒会に入る三週間ほど前でしょうか」と告げる。墜ちるとは光の生徒が闇へと移動することを指し、あまりよくは思われてはいない行為である。多くの場合は裏切り者として扱われるわ、闇のほうにも元光の生徒として信用されないわで、あまり心地よい思いをするようなものではない。
 どよん、としたとでも言うのだろうか? 思い雰囲気が四人を取り巻く。普段はふざけている風雅だって仲間意識は強く、同じ所属の生徒は当たり前、時には闇の生徒まで救ってしまう人間である。普段は喧嘩ばかりだが、何だかんだ言って優希がピンチになれば即座に駆けつけるであろう。そんな人間。羽音だって仲間のためならば力を使うことは躊躇わない。もっとも、光の生徒としては人殺しなんてやりたくないのは誰だって一緒である。普段は毒舌な優希だって、目の前で同じ所属の生徒が殺されたりすれば弱音を吐くのだ。
 湊は典型的な光、のタイプであり、相手が怪我をしていればそれがたとえ敵だろうがなんだろうが力を貸してしまうような人間。それ故に沢山の場面で裏切られもするし、そんな性格を利用されて深い傷を負ったりもする。肉体的にも精神的にも、である。それでも湊が正気でいられるのは意志の強さなのか、それとも何か裏があるのか……それは誰にも分からない。それでも支えようとする人間は沢山いるし、慕ってくれる人間も沢山いる。それ故に湊もそれらの人に心配を掛けまいと笑っていることが多かった。

 「すみません……ああ! もう見回りの時間ですね。俺は今日は……一階ですか。風雅は三階、会長と羽音は二階ですね」

 慌てて、話を逸らすように優希が言う。湊は薄く笑みを浮かべて小さく頷いている。羽音もどこか安心したように息を吐いて笑っていた。風雅なんかは沈黙の間に流した汗を苦笑いを浮べながら拭っているのだった。

10雪音レイ/秋月葉月/刹那/秋空湊/奏/レン/打ち止め ◆REN/KP3zUk:2011/04/02(土) 17:50:39 HOST:i121-116-177-173.s04.a001.ap.plala.or.jp
 各自が生徒会室を出て自分の持ち場へと走る。少々逃げるような感じもしたが湊は全く気に留めていないようだ。正直、闇墜ちの話が出るたびにこんな感じなので慣れてしまっている。横でビクビクと震える羽音に向かって薄い微笑を向けて「二階は初等部の教室がありますね。僕の弟と、腹違いの妹がいるんですよ」なんて言う風に湊は優しく声を掛ける。僅かに顔を挙げ湊を見つめ、羽音は首を傾げる。その身長差、約二十センチメートル。上目遣いで自分を見てくる羽音に正直ドキッとするが身長差のせいだ、落ち着け自分なんて言う風に自分に言い聞かせている湊。
 羽音は、いつの間にか闇墜ちの話をすっかり頭から追い出し、初等部生徒会のここが可愛い、だとかここが駄目だなんて言う風に熱弁を始める。湊も楽しげに話す羽音の話を聞いてクスクスと笑みを漏らしていた。羽音は小さい子が大好きなので初等部生徒会のメンバーや、その他初等部の大勢がお気に入りだったりする。湊も年下が好きだし(決して恋愛感情ではない)、以外かもしれないが優希もそうだ。そう考えると子供好きが集まったものだな、これはいい親になるかもしれない、なんて言ううふうにすっかり思考を話とは全く関係ないほうに脱線させている自分に、湊は苦笑いを浮べる。
 そんな二人が二階にたどり着けば、まだ校舎に残っている初等部の生徒達は、楽しそうに談笑を繰り広げたり、廊下で鬼ごっこをして楽しんでいるようだ。そんな元気な初等部生徒の中にも、きゃあきゃあ声を上げて談笑しているタイプと、今日のテストはどうだった、あれはもっとこうするべきだなんて言う風に冷静に話しているグループがあったりする。それを見た湊は小さく頷いて個性的でよろしい、と考えたりしていた。羽音は微笑ましい光景でも見るかのように終始ニコニコ。そんな二人が通りかかれば殆どの生徒が黙って頭を下げる。そこに浮かんでいるのは羨望と、畏怖の念だった。
 二人が高等部の生徒会メンバーだからか、それとも単純に先輩にあこがれているのか、それは良く分からないがまぁこの学校の風習のようになってしまっているので湊も困っていた。頭を下げなくてもいいと言っても聞いてくれない生徒が多いのだ。

 「ルチ兄めーっけ!! 光の子が襲われてるの。ボクと涼(リョウ)だけじゃ手に負えないから手伝って!!」

 突然現れて、一気にまくし立てるように言う夏夜 憐(ナツヨ レン)は太股のあたりまでの長さの濃紺の髪に右が赤、左が青のオッドアイの少女である。真っ白で黒いラインの入った上着に赤いリボンタイ、上着の下には真っ白なワンピースを着ている。おしゃれには気を使っているのか、頭には白いリボンのカチューシャ、首にはアクアマリンと、サファイアの埋め込まれた雪の結晶のネックレスをつけていた。ネックレスの方は校則違反にもなりそうだったが、能力制御用のものなのでぎりぎりセーフだったりもする。そんな彼女の胸にも初等部生徒会と刻まれた湊と同じデザインのバッチ。
 緩んでいた表情を一瞬にして厳しいものへと変え、憐の横にいた肩位までのプラチナブロンドに深い青の瞳の少年、秋月 涼(アキヅキ リョウ)に視線を移す湊。涼は憐と同じ上着に赤いネクタイ、その下にワイシャツを着て、ズボンはハーフパンツを穿いている。その胸には初等部生徒会副会長と刻まれたバッチ。憐とは違って視線をあちこちに泳がせ落ち着きがない。それを見た湊はやれやれ、とため息をついた後、憐を急かし走り始める。周りの何も知らない生徒はキョトンとして首をかしげていたが今は相手にする暇などない。

 ________________________________
ここで光の主要キャラが一名以外揃いました((

11霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/04/02(土) 18:15:00 HOST:i121-116-177-173.s04.a001.ap.plala.or.jp
 「涼君、状況の説明をお願いしますです」

 憐の横を少しだけ浮いて滑るように移動する涼に羽音が言う。涼はすっと体の向きを羽音と湊に向けて小さく頷いた後「襲われているのは初等部の生徒で、吸血鬼の一族の子と無能力者のグループですね。闇もグループですし、憐さんの言霊を通さないやつがいて……」涙目になりながら一気に説明する。言霊というのは言ったことを実際に起こす能力のことであり、「この人形は僕の思い通りに動く」といえば実際に人形を思い通りに動かすことが出来たりするものである。しかし直接言霊を使い人の命にかかわるようなことは出来ない。さらに憐のタイプは言霊を使用する場合「我が言葉は真実の言葉」と言うフレーズが一番前につけなくてはならず少々面倒だったりする。
 湊は黙って思考とめぐらせながら走る。言霊を通さない力といえば高度な魔法か、能力拒絶の系統の能力者だ。他には上位生物を召喚出来る者……そうなると少々厄介かもしれない、そう考えて深くため息をつく。下手をすれば自分や羽音でも太刀打ちできないかもしれないそう考えて少しだけ憂鬱になったりもする。そもそも言霊が通じないとなると湊の切り札さえ通じない可能性もあるのだから。少しだけ顔を上げて「涼、ここで能力を使って移動するのはやめなさいな。後々足手まといになられては困ります」冷たく、涼に向かって湊は言う。涼も小さくうなづいた後はむかいもせずに滑るような移動をやめた。

 「涼、今日の能力の残量は?」

 走るペースや呼吸を全く乱さずにそう問いかける湊。涼は少し考えるような動作をした後「今日はまだ一度しか使ってないのが九回は大丈夫です。優希さんみたく制限がなければいいのに」と小さくそう答える。九回かとため息をつき自分を含め四人の能力の弱点を上げていく。出た結論はどうにかフォローしあえる程度、場合によっては不利である。やれやれ、参ったなと小さく声を漏らす湊のことを羽音が不安そうに見上げた。
 階段に差し掛かれば湊は、ダンッと手すりを越えて飛び降りる。後ろの方で涼たちが叫んでいるがそこは無視。さっさと行って先制攻撃したほうがいいと判断しての行動だ。横を通り過ぎた闇の生徒が咄嗟に攻撃を仕掛けようとしてきたが、周りにいた光の生徒がその闇の生徒を取り囲んで湊を庇う。事情は良く分からないが高等部の会長が急いでいるのだから邪魔はさせない、とでも言うように闇の生徒を睨みつけている。初めは抵抗していた闇の生徒もとうとう身動きすら取れなくなってしまった。廊下で談笑していた生徒も殆どが道を開け、涼たちが通り過ぎるまで廊下を塞がないようにしている。
 こういうのは非常に助かるな、そう考えながらも湊は羽音達のペースなど微塵も考えずに突っ走る。少々息が上がってきたが戦いに支障が出るほどではないだろう、そう判断してどんどんペースを上げていく。羽音が後ろの方で「病み上がりなんだから、あまり無茶しないで下さい!!」と叫ぶが、病み上がりだとかそんなことは今関係ない、と一蹴。倒れたときは倒れたときだ、そんな風に考えるが何故か戦闘中に倒れてしまうことは考えていない。それが湊の甘さなのだろうか? 羽音は大きくため息をついて、死んでも知りませんからねと小さな声で呟いた。そんな憐の言葉を聞いて「ルチ兄は馬鹿だから気にしたら負け」なんて言うふうに言っている。涼は相変わらずおどおど。

_________________________
>>10は名前ミスです。別のところの名前になってましたね。申し訳ありません。

12霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/04/02(土) 19:48:43 HOST:i121-116-177-173.s04.a001.ap.plala.or.jp
 しばらく走ったところで湊は足を止める。聞こえてくるのは金切り声。少しだけ警戒してゆっくりと近づく。目に入ったのは……紅。あたりはすっかり紅く染まり白かった壁や色鮮やかな花瓶、透明な窓ガラスまでもを一色に染め上げていた。さすがの湊も声を失う。鋭く睨む視線の先には、血が滴るレイピアを握った少年、霧月 蓮(ムヅキ レン)がいた。真っ黒なロングコートを着て深くフードを被り顔を隠している。フードの中から覘くのは赤と青の瞳、真っ白な膚……濃紺の髪。首にはサファイアとアメジスト、ゴールデンベリルの埋め込まれた蝶のネックレスをつけている。腕にも全く同じデザインのブレスレットをつけていた。身長は湊より五センチメートル程度低い。
 ギリッと歯軋りとした後、紅く染まった生徒の一人が、無傷の生徒を抱きしめて「助けて……」なんてか細い声を上げたのを聞いて、湊は制服の下に隠し持っていた拳銃を取り出した。蓮はケタケタと笑い「なるほど、誰よりも闇に近かったアンタが光にいると……これは滑稽だな」と冷たく言い放つ。口の中で五月蝿い、と呟きながらも銃の安全装置を外す湊。銃如きじゃ相手に敵いはしない、そう分かっていても能力を使うのを躊躇ってしまった。相手の能力を理解しているから、下手に能力を使えば危ないことも分かるのだ。
 スイッと湊に刀を向ける蓮。どうやら湊が能力を使うまでは、自分も能力を使わないつもりのようだ。湊の後ろの方から聞こえてくる四つの足音に僅かに顔を顰めながらも、視線だけはずっと湊のことを捉えていた……。

 「こういう風に戦うのは初めて、でしたね。貴方は随分戦闘慣れしていそうだ」

 小さくため息をついてそういう湊。皮肉のつもりではあったが蓮はクスリと笑って「まぁな。伊達に場数は踏んでいないさ」なんて言う風にあっさりと肯定されてしまった。苦笑いを浮べて引き金を引く。やけに軽い音が響くと同時に蓮が走り出す。膝下まであるロングコートを羽織っているにも変わらずに軽やかに銃弾を交わしてゆく蓮。口には出さないが、湊はこう思う。……化け物め、と。蓮とは初等部からの付き合いではあるがそのときから得体の知れないオーラを漂わせていたな、そんな風に考えて苦笑いを浮べる。こんな無駄な思考めぐらせる余裕まで有るのか自分は、と。
 ヒュンッと風斬り音が聞こえた。目の前を横切るレイピアを見て、僅かに体が震えた。怖い、素直にそう思う。立場柄、闇との戦闘は何度も経験したことがある。しかし、多くの場合相手は低級から中級程度の能力者や無能力者で、蓮のように本気で下手に能力を使えない相手とは滅多に戦ったことがないのだ。紅零の力も確かに恐ろしいが、あちらは所詮劣化コピー。元の能力ほど協力じゃないし、自分の力をコピーされたところで弱点は知っているわけだからそこまで脅威になるわけでもない。刹の方は確かに能力でいろんな武器作り、それを扱って戦うし、相手の動きを何らかの能力で縛ってしまう。だが所詮はその程度。動きを縛られたところで能力は使えるし、様々な武器を使われたところで能力で防いでしまえば致命傷を負うことはない。
 月乃とは戦ったことはないが、あれは蓮と同じぐらい不気味だな、と考える。羽音達の足音が近くなってきた。さて、そろそろ一撃食らわせないと本当に不利になってしまうな、そう考え、半ば強引に体の向きを変え蓮に蹴りを入れる。レイピアで防がれるか? なんて言う風に心配したりもしたがそんなことはなく、あっさりと蹴り飛ばされる。壁に叩きつけられる蓮を見て、銃使う必要なかったじゃないかとため息をつきすばやく銃を制服の下に戻す。そう言えば涼からはグループだと聞いていたが他のメンバーが見当たらない、まさか味方まで殺したのだろうか? なんて言う風に蹴りが決まったことで完全に余裕が出てきている湊。

 「あー……。……力使うわ」

 能力を使わない戦闘に無理を感じたのだろう、首につけているネックレスに触れてそう宣言する蓮。能力に依存しているタイプか、なんて湊は蓮に呆れの含まれた視線を向ける。それでも蓮に能力を使われてしまえば大体均等である立場が一気に崩れこちらが不利になってしまう。失敗した……小さくそう呟いて、湊は後悔する。

 「あはは……それはヤバイ」

13霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/04/04(月) 15:22:50 HOST:i121-116-177-173.s04.a001.ap.plala.or.jp
あ、ミス発見。「協力=強力」ですね
変換ミスがあるようで……

14霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/04/04(月) 16:52:50 HOST:i121-116-177-173.s04.a001.ap.plala.or.jp
 「振り回されながら戦うのも嫌いではありませんが……男である以上は振り回す方がいいですよね!!」

 半ば叫ぶようにそう言った後、意味もなく振るった手には金色の弓が握られていた。言葉とは裏腹にその表情は戦いたくない、と主張を続けていた。蓮がフッとネックレスから手を離す。蓮のつけているネックレスは淡い光を発し始めていて、これから何かが起こる、ということを示していた。羽音だけでもいいから早く着てくれ、心からそう願うが足音を聞く限り後二分はかかるだろう。さて、後二分、どうやって能力を使わせないようにするか……そう考えていると軽く頭痛を覚える。明らかに無理なのだ。雑談をして時間を稼ぐにも二分は流石に長すぎる。能力使用の予兆を見せている相手に武器で攻撃なんて仕掛けてしまったら即座に能力で反撃されてしまうだろう。蹴りが決まったときの余裕は何処へ行ったのか、すっかり追い詰められてしまっていた。
 蓮はニヤリ、と笑う。今からお前をバラバラにしてやる……口には出さないものの目がそう言っていた。冷や汗が湊の頬を伝う。自分の馬鹿なんて叫びたくもなるがそれは後ろから来るであろう羽音達には不安要素となってしまうだろう、そう考えて必死に堪えた。口元だけが嫌にはっきり見える蓮は妙に不気味であった。口元だけを見せるだけでここまでも不気味になるものか……単純に蓮という存在が異質なだけなのか……、気になりはするが結論を知りたいとは思わなった。それこそ知ってしまったら自分も目の前にいる蓮のようになってしまうのだろう、そう考えて少しだけため息をつく。何でこんなピンチになりながら戦いとは関係ない方に思考を持っていけるんだよ、自分なんて言う風に少々自嘲を浮べる。

 「偉大なる四大精霊、水のウィンディーネ、同じく風のシルフィードよ……我が名のもとに姿を現せ!!」

 何処からか強い風が吹いた。思わず風の吹いてきた方を確認するが何もいない。湊は眉を顰め蓮の方に視線を戻す。蓮の横には美しい女性。流れるような青の髪に寂しげな水色の瞳……全身を包む水のような綺麗な色をしたドレス……。寒色ばかりだからであろうが、見ているだけで寂しくなってくる。感ではあるもののこっちがウィンディーネかと判断して湊はため息をつく。シルフィードは何処だと思い目を凝らすがそれらしきものは全く見えない。そんな湊を見て蓮はケタケタと笑う。そして平坦な声で「残念、シルフィードは空気に溶け込んでしまって俺でも気配を判じるのでやっとなんだ」と言った。湊はため息をつき、オイオイ、それでよく戦闘の場に出そうと思ったな、そう考えながら自分のホワイトダイアモンドの埋め込まれた星型のネックレスに触れる。
 四大精霊クラスの相手となると勝てる気もしないが、抵抗しないよりはましだろう、そう考えた。自らのネックレスが淡い光を発したのを確認した後、一度目を瞑る。能力を使うには一度落ち着いた方がいい、攻撃を食らってしまえばそこまでではあるが、大丈夫。視覚掌握を使って自分の周りの情報をゆがめる。この程度のことなら精霊であるシルフィードやウィンディーネは気付いてしまうであろうが、あくまで精霊などを召喚できるだけの人間である蓮には分からないはずだ。気配でさぐっても視覚情報がゆがめられている以上迂闊には攻撃できないだろう、そんな風に甘い魂胆だった。結論を言ってしまえばあっさりと攻撃されてしまったのだ。甘かったな自分、そんな風に考えてため息をついた。

 「バーカ。精霊から情報を拾えば問題ねーんだよ」

 吐き捨てるように蓮がそう言った。湊はグッと金の弓矢を握る力を強くして「甘かったですね……なるほど情報の共有まで出来るのですか」と呟く。これは思っていた以上にきついな。それとも湊の想像が甘いだけか……まぁここでは明らかに湊の想定が甘すぎる、それだけだといえるかもしれない。幼い頃m蓮の召喚の実力の低さを見てしまっているからどうせこの辺までしか出来ないだろう、と決め付けてしまうのだ。

15霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/04/05(火) 11:46:25 HOST:i121-116-177-173.s04.a001.ap.plala.or.jp
 後頭部でも殴られたのだろうか? 酷く頭が痛む、そう考えながら湊は顔を顰め、矢を放つ。矢は空中で止まってフワフワと浮いている。シルフィードか、そう考えて湊はニヤリと笑みを浮かべた。その刹那に矢から無数の枝が伸びて隙間もなくシルフィードを包み込んでしまった。指示を出したのは湊であり、湊がシルフィードの全体像を把握するのは無理なので首から上が出たなんとも間抜な状態なのだが。蓮はあわててシルフィードに抜け出すように指示を出す。それでもシルフィードは抜け出そうとしない……否、出来なかった。
 蓮の顔が歪むのを見て湊は心底嬉しそうに笑って「こんなことも出来るんですね。植物にシルフィードを捕らえろと指示を出してみたのですが」と弾んだ声で言う。よりいっそう蓮の顔が歪むのを見て湊は満足げに頷いて、手に持っていた種をポイッと投げた。それからは枝が出るわけでもなく、ただただ湊の手のひらに落ちて転がった。人の顔が歪むのを見て喜ぶ人間ではないはずなのだが、戦いのときになると相手の歪んだ顔は自分が有利だという証拠のような気がして、心地がよいものだった。こんなことで心地いいと思う自分は少し異常かもしれない、そう考えて湊は小さく肩を揺らす。

 「まぁ、所詮はランクの違いってことです。僕はSの上……ですけど?」

 静かに湊が言う。ランクというのはこの学園の中で能力の強さを分けたもので、下から順にD、C、B、A、Sがある。さらにその中で、上中下と分けられていた。その中でも生徒会に入るチャンスが得られるのはAの上ランク以上のもの、と非常に狭いのだ。ちなみにBの中以上のランクのものは能力制御のネックレスをつけている。これは過去に安全とされていたBの中ランクのものが暴走してしまい、多くの生徒がその能力の犠牲になってしまってから決定したものだった。能力暴走の原因は分からないが、制御する装置がなかったからだ、と強引に上が決めたのである。
 悔しそうに、それでも目だけは鋭く湊を睨みつけながら「下がれシルフィード。 ……俺はSの下だがな……」と言った。スゥッとシルフィードが消えて絡まっていた木の枝が音を立てて床に落ちる。湊はまったく、蓮もそうではあるが戦う気があるのだろうか自分なんて言う風に考えて、小さく首を振る。馬鹿馬鹿しい、とにかく羽音達が来たらあのはじで脅えている子達を連れて逃げてもらって、涼だけを残しておいてもらおう、そう考えて弓矢を空中に投げる。弓矢は不自然な音を立てて剣へと姿を変えていく。

 「あー!! 会長勝手に戦いを始めないでくださいです!!」

 蓮が右手を前に突き出して、ウィンディーネに指令を出そうとしているところで、少々気の抜ける声が聞こえてきた。剣を構えながらも湊が後ろを向けば、羽音と涼が不満ありげな表情で、憐は明らかに呆れたような表情をして立っていた。蓮は僅かにため息をついて時計を確認する。その後に静かな声で「ウィンディーネ、下がれ。タイムアップだ」と言った。きょとんとして首を傾げる湊たちをよそにフワリとコートを翻して歩いていってしまった。しばらくポカンとした後に慌てて傷ついた生徒達に駆け寄る。
 どうやら怪我負っているのは一人だけで、しかも回復の早い吸血鬼、致命傷になるようなものは少ないということでどうにか言霊と羽音の力のコンボで回復させることに成功した。湊はその間中、涼に説教をされていた。本来は湊が兄であるのだから、こんなことがあるなんてことは全くないのだがどうやらこの兄弟は違うらしい。仕舞いには湊が話を聞かないものだから涼に頬を思いっきり引っ張られている始末。回復が終わった憐は小さな声で「何をやっているのだねこの兄弟は」と呟いた。羽音も同感だというように小さく頷いている。

 「馬鹿兄!! 相手は高度の召喚能力者ですよ!? 下手をすればここにいる全員が全滅の可能性もあったんですからね!!」

 あーはいはい、と湊に受け流されて頬を膨らませる涼。憐にお前の兄に何を言っても無駄だ諦めろ、といわれて疲れたように頷く。そんな涼の頭を静かに撫でる羽音。助かった生徒達なんかはなんか自分たちの持っている生徒会のイメージと違う、なんて言う風にショックを受けているようだった。そんなことよそに、湊は無言で蓮の走っていった方を眺めいるのだった。

 NEXT Story〜第二章 闇(ブイオ)の人々〜


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板