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Il record dell’incubo〜悪夢の記憶〜

1霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/03/06(日) 23:06:24 HOST:i114-180-240-196.s04.a001.ap.plala.or.jp
初めまして、霧月 蓮(ムヅキ レン)と申します。ここでは始めて小説を書かせていただきます。

更新は非常に亀で、誤字脱字も非常に多いですが、生暖かい目で見てくださると助かります。
出来るだけ遠まわしに表現するように致しますが、グロイ表現が多々あります。それでも大丈夫、と言う方はどうぞよろしくお願いいたしますね。

アドバイス、感想等があれば喜んで。

一応、学園、ファンタジー、歪み、と言った感じの者が中心となっています。特殊能力が出てきたり、魔法使い吸血鬼が出てきたりと、多分滅茶苦茶です
非常に駄文で、まとまりのない文章ではありますが……。

30霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/06/18(土) 13:02:46 HOST:i121-113-56-162.s04.a001.ap.plala.or.jp
第三章 聖鈴学園

 ひらりと桜が舞い落ちるのを見ていた。月に照らされた桜が妙に懐かしく思えて食いつくように窓から桜を見つめ続けている。仕事が残っているといって生徒会室に一人残ったところまではよかった。しかし外が気になってしまい仕事が全く手につかない。小さくため息をついて湊は自分を嗤う。結局何も変わっていないんじゃないか、そう考えてただただ自分のことを嗤った。不思議なことで生徒会のメンバーと離れ一人になれば過去のことが頭を巡った。忘れたと思っていた忌々しい記憶たちが……。
 小さくドアが開く音がした。男子陣がドアを開けたにしては静かだったし、羽音が忘れ物でも取りにきたのだろうか? そう考えて顔さえも向けずに窓の外を眺めていた。どうせ仕事中の休憩だと判断して勝手に去っていくだろう。そう考えた。そういう点から見れば湊は生徒会のメンバーにでさえ距離を作ってしまっているようだ。

 「光会長。光側の魔法使いさんが帰ってきましたの。これで特殊情報統括組織正式活動開始なの」

 思っていたより高い声だった。顔を声のするほうに向けてみれば、そこにはジト目気味で明るい桃色の目に、膝まである透き通るような水色の髪を少女が立っていた。髪には桃色のヘアピンを二本つけていた。服装は湊や紅零たちとは全く違う物で、白と桃色を貴重としたセーラー服だった。少女の名前はアズラエル。特殊情報統括組織のリーダーである。
 特殊情報統括組織というのは魔道書を初めとした魔法使いが扱う様々な情報類を外に漏らさないようにする物であり、光、闇のどちらにも属していないものであった。現在管理している魔道書の数は百冊程度、最前期はもっと冊数が有ったのだが湊や蓮がいう“あの日”に多くの魔道書が焼けてしまったのである。どうにかパートナーである一人の少年と運び出せたのが百冊だった。

 「魔法使い……楓のことですね。あの方は呪術師に近いと思いますが……とりあえずアズさん、報告感謝です。ところで利樹(リキ)さんは?」

 フウッと息を吐いた後にそういう湊。アズラエルは首を傾げた後「利樹は部屋で本の整理中なの」と言って笑った。サボりか、そう呟いた後頬を膨らませたアズラエルをみて湊は小さく手を合わせた。利樹という少年とアズラエルは幼いときより共にいるので仲が非常によかった。アズラエルの方は利樹のことを心から信頼しているようで、彼の悪口を言われてたりすると非常に怒る。まぁ彼女は超がつくほど天然なので、悪口に気づかないことも有るのだが。

31霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/06/18(土) 13:16:18 HOST:i121-113-56-162.s04.a001.ap.plala.or.jp
アズラエル、利樹君は月峰 夜凪様よりお借りしています。私が使うとなんだか可愛げがなくなってしまうような……。

それと>>30の貴重=基調です。申し訳ありません。

意味が分からないところ、解説がほしいところが有りましたら教えてください。物語に差し支えない程度で補足させていただきます。
まだ未熟ではありますが、どうぞ温かい目で見ていただけるよう、お願いいたします。

32霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/06/20(月) 20:15:36 HOST:i121-113-56-162.s04.a001.ap.plala.or.jp
 「さて、コレで今正式に活動しているのは、特殊情報統括組織と理事長直属の中枢部、各生徒会……か」

 アズラエルがさった後、小さく呟いて湊は窓に額を当てる。ひんやりとした感覚は気持ちよくもなんともなくて、ただガラスの存在を主張する程度の物にしか感じられない。静かに目を閉じて深く息を吸う。あまりにも自分が知っているこの学園が最悪だったことに似すぎていた。もしかすると厄介なことになるかもしれないなそう考えて深く息を吐いた。そんなこと考えたって憂鬱になるだけじゃないか、そう考えて首を振る。その程度で考えを払拭することはできないのではあるが。

 「湊。そんなに不安がらなくても貴方は予知方面は鮮やかなくらいにサッパリなのですから、気にしなくても問題ないかと」

 ふとドアが開く音と車椅子が動いているような、そんな音が聞こえた。聞きなれた声に驚いて顔を向ければそこには、腰の辺りまでの銀の髪にの少年がいた。車椅子に座って足には真っ白な布をかけている。しかしその両目は包帯でぐるぐる巻きにされ隠されてしまっている。その胸元に輝くのは湊のものと同じ形をしたバッチ。そのバッチには生徒会長推薦情報処理と刻まれていた。
 そんな少年の名前は小鳥遊 楓(タカナシ カエデ)。湊の幼い頃からの友人でもはや腐れ縁と化しているような人物であった。故にさらっと湊の考えを当ててしまったりと、色々湊にとって不都合なことが多いようである。ある事件をきっかけにしばらく、というか二年以上学園を離れていたのだが、それが今日戻ってきたというわけである。

 「と、言うか先ほど優希君にも会ってきましたが、貴方を初めあの頃のメンバーは大きく変化しているのですね。いい意味にも、悪い意味にも」

 クスリと楓が口元に手を当てて笑う。その後にキュッと口を結んで俯いてしまった。どうしたのだろうかそう考えて湊は楓に近づく。ゆっくりと急に大きな音を立てたりしないように気を払いながら楓の目の前へと移動すれば、黙ってしゃがみこみ楓の顔を覗き込んだ。震えていた。ただただ楓は震えて、無理矢理のぐちゃぐちゃの笑顔を浮かべていた。

 「学園の内部事情も大きく変わってしまっている……私ただ一人があの頃に取り残されて……」

 目を見開いた後、そっと楓の頭をなでた。正直に言えば恥ずかしくて仕方がない。湊は楓が学園から離れていることを羨ましいと思ったことがあった。毎日続く殺戮と、争いそれに疲れ果てて楓はいいな、こんなところにいなくてすむのだから、と。それが酷く悲しく思えた。勿論この学園に残るのも辛いかもしれない。しかし今の楓はどうだろう? ちっとも気楽そうにしてはいないじゃないか……。

33霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/06/25(土) 13:07:13 HOST:i121-113-56-162.s04.a001.ap.plala.or.jp
 小さく、楓の肩が揺れた。泣いたのだろうか? そう考えて湊の焦りは頂点に達した。楓は何故だか一度泣いた後のテンションが凄まじく不安定になるのだ。ハイテンションになったかと思えば、急に沈みだすし、そうなってしまうと湊もついていけなくなってしまう。クスリと抑えていた笑い声が漏れるのが聞こえた。はっとしたように港が顔を上げれば楓が腹を抱えて大笑いしていた。口元は押さえているが笑い声で完全に漏れている。コイツは……と思わず拳を握るが相手は一応病みあがり。深くため息をついて振り上げそうになった拳を押さえる。
 先ほどまでのしおらしさは何処へやら、もはや笑い声を抑えることさえやめて、声を上げて笑う楓。明るい声で「いやー、相変らず騙しやすいですね。何とかしないと足元すくわれますよ?」と言った。湊はふいっと顔を逸らして「う、五月蝿いです。相変らず悪趣味ですね」と言い放った。少し首を傾げた後、サッサと自分の席に座ってしまった湊の横に楓は移動する。どこか不機嫌そうな湊の顔を見て、僅かに沈んだ表情を見せた。もっとも見ているのは口元だけなので湊からすれば胡散臭いだけなのだが。

 「……すみません、久しぶりだったから……」

 俯いて謝罪の言葉を口にする楓を横目で見た後何も言わずに、ノートパソコンのキーボードを 叩き始める湊。どうしよう、本気で怒っているかもしれない、そうな風に考えて楓は恐る恐る顔を上げた。楓の予想に反して湊は笑みを浮かべていた。楓には見えないのだから、意味はないのだが、安心したような穏やかな笑みを浮べていた。

 「あの時のこと話しますよ。知らないままじゃ嫌でしょう?」

 そっと湊が口を開いた。首をかしげて楓が口をパクパクと動かす。穏やかな笑みを浮かべた湊はやけに平坦な調子で話し始めた。むごたらしくて、血に染まった忌まわしい記憶を……。楓が今の湊の表情を見たらどんな顔をするのだろうか? 驚いたような表情をするのだろうか? 君が悪いとでも言うような表情をするのだろうか? それほどまでに湊の浮べている笑みは異質で、気味の悪い物だった。

 「……それで、僕が能力を暴走させてしまいましてねぇ。殺してしまった……何人も、何人も。見方も、敵も。結局悪いのは闇じゃない……僕、なんですよ」

 もういい、そういうかのように楓が首を振る。今の湊はどこかおかしい、そう考えてため息をつく。断片的な欠片を手に入れながらもその先を聞くことを躊躇った。大体予想は出来る。湊が殺してしまったという人物の中に紅零たちが湊に敵意を見せる原因となった人がいるのだろうと。楓はため息をついて「この学園……聖鈴学園はどうなっているのでしょうか」と呟いた。また湊に話を聞くのもいいかもしれないそう思いながらも、現在の湊から漂う不穏な雰囲気にはそれをさせない何か、があるように感じた。優希辺りに聞いてみるかそう考えて、軽く額を押さえた。

 「嫌な予感がしますね……当たらなければよいのですが」

 ふと呟いた楓の言葉を合図だというかのように、生徒会室のドアが乱暴に開かれた……。

34霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/06/25(土) 13:09:54 HOST:i121-113-56-162.s04.a001.ap.plala.or.jp
またミスに気付いていながら直すのを忘れていた……。

×どこか不機嫌そうな湊の顔を見て、僅かに沈んだ表情を見せた。

○どこか不機嫌そうな湊の雰囲気を察して、僅かに沈んだ表情を見せた。

です。申し訳ありません>< 盲目キャラはあまり書かないので凡ミスが多いかと思われます。

35霧月 蓮_〆 ◆REN/KP3zUk:2011/06/26(日) 20:01:42 HOST:i121-113-56-162.s04.a001.ap.plala.or.jp
 そこに立っていたのは刹だった。全くの無表情でスタスタと楓に近づく。普段は隠しているさっきも今日は隠しきれないようだった。普段一緒にいる紅零もいないことから考えれば、指令を受けての単独行動か、独自の判断で勝手な行動をしているかのどちらかだなそう考えて湊はため息をつく。不思議な事に先ほどまでの妙な雰囲気は払拭されていた。どうやら気が別の方向に向けばあっさりと切り替えが出来てしまう人間らしい。ここまであっさり切り替えられてしまうと、ビクビクするのも馬鹿らしくなってくるような気もする。
 ドアの開く音に驚いて身体を震わせた後、少しだけ首を傾げた楓に刹は容赦なく日本刀を突きつける。刺しはしなかったがその鋭く光る切っ先をただただ楓に向けた。ヤバイと動き出した湊は能力で作り上げたナイフで囲んで動きを止める。楓は刹の実の兄だというのに、刀を向ける事に躊躇いなどは一切ないようだった。その瞳に宿っているのは深い闇。紅零やその他闇のメンバーとは比べ物にならないほど暗くて冷たい闇。紅零といるときは決して見せる事がない絶対なる闇。その闇を真正面から見た湊は思わず顔を逸らしてしまった。

 「刹、ですか?」

 震える声で楓が問いかけた。刹は醜く、歪んだ笑みを浮かべて一度刀を下ろして楓の耳元に口を寄せる。そして静かな、平坦な声で「えぇ……僕は刹ですよ? 貴方を殺しに来た。貴方が光である以上、僕が咎められる事はなぁい」と言った。しばらくの沈黙の後、刹はゆっくりと楓から距離をとる。まるで踊るかのように……。心底楽しそうに笑いながら、ある程度離れたところでスイッと刀を構えた。まるで抵抗されるとそう考えているかのように、慎重に間合いを計いる。その目には獲物を確実に狙う鷹のような鋭さがあった。
 グッと湊が自分を取り囲むナイフに手を伸ばしたところで楓が小さく首を振った。そうしてやけにはっきりとした声で「湊、手は出さないでいいですよ。この子は少し厄介ですからねぇ」と言った。まるで見えているかのように湊のいる方から刹のほうへと体の向きを変更させた。それを見た刹は、右手を上げて湊の周りにあったナイフを消す。しかし開放というよりは新しく作り上げた檻に閉じ込めただけだ。

 「ちょ、楓さん!? 貴方戦えるんですか!?」

 叫ぶかのように湊が声を上げた。フッと音もなく楓が車椅子から立ち上がって両目を隠すように巻いてあった包帯を取った。その下から現れたのは僅かに濁った水色の瞳。見えているのかは怪しいのだが、それを見た刹が僅かに怯んだ。楓は伝統の光に視線を移して眩しいと言うかのように目を細めた後に小さくため息をつく。

 「じゃあ始めましょう? この聖鈴学園ではコレが普通なのでしょう?」


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