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小さな街の中で。
2
:
とある人
:2011/02/07(月) 21:18:44 HOST:KD111098194105.ppp-bb.dion.ne.jp
000
ある少女が一定のリズムで揺れる電車、いや、ディーゼル車の中で座っていた。
車内アナウンスが流れる。ディーゼルエンジンの音が弱まり、やかましいブレーキの音が響く。列車が停止し、アナウンスと共にドアが開く。両親と姉に連れられ、その少女は列車を降りた。川のそばの、小さなホームだ。警告音と共にドアが閉まり、列車が発進する。たくましいディーゼルエンジンの音が響く。
その少女は川辺を見た。何かが動いている。よくみると、一人の少年が川沿いの道を自転車に乗って走っていた。かなりの速度だ。少女はその少年を目で追う。少年は交差点で止まり、大きく伸びをした。少年が少女のほうを向く。目が合った・・・ような気がした。
これは、この少年と少女の物語である。
001
2015年4月1日。
一人の少年が真新しい制服に身を包んで歩いていた。
彼の名は五十嵐雄哉。12歳独身・・・には見えない。制服を着ていなければ、小学四年生に見える。
雄哉は同じく真新しい制服に身を包んだ一人の少年に声をかけた。
「よお、博也。」
長身で、イケメンな少年は雄哉に歩み寄る。
「相変わらず遅いな。入学式早々遅刻するぞ。」
「うるせえ。」
彼は大垣博也。長身でイケメンだが、彼女はいない。雄哉の唯一無二の親友である。
「あれ?美野里は?」
雄哉は声変わり前の甲高い声で博也に尋ねる。
「ああ、寝坊だってさ。」
「夜2時までパソコンいじってりゃそうなるだろうなあ。」
その時、誰かが走って来る音が聞こえた。
飛び蹴りが彼らに向かって放たれる。雄哉は小さな身長を生かしてひらりとよける。が、飛び蹴りが博也の腹にに直撃する。
「がはあっ!」
スカートを翻し、飛び蹴りを放った少女が着地する。
「おそいな、美野里。」
彼女は大橋美野里。雄哉と同じく、制服を着ていなければ、小学四年生に見える。
「悪かったね。夜2時までパソコンいじってたから。」
「それやめたほうがいいぞ。」
下のほうから声が聞こえる。博也のうめき声だ。
「あ、ごめんね、博也。よけれるかとおもった。」
美野里が笑顔で謝る。
「ふざけんな!鳩尾に直撃したよ!!」
博也は立ち上がり、美野里を怒鳴りつける。
「謝りやがれ、この野郎!」
「さっき謝ったじゃん。」
美野里は屈託のない笑顔で逃げようとする。が、
「本気で謝れ!」
効果なし。
「おい、お前ら。」
雄哉が間に入り、博也を睨みあげる。
「早くしないと遅刻すっぞ。」
「やっべえ!」
三人は学校に向けて走り出した。
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