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小さな街の中で。

19とある人:2011/05/08(日) 18:26:20 HOST:KD111098194105.ppp-bb.dion.ne.jp

 013


 呼び鈴が鳴る。雄哉は頭を押さえてベッドから立ち上がる。
 階段を下りる。呼び鈴はさっきからずっとしつこく鳴っている。きっと博也達だろう。彼らは何かあるたびに、家を訪れてくれる。これに何度か救われたこともある。
 雄哉は扉を開ける。
「ハーイ、雄哉。やあ、雄哉。」
小さく開いた扉から、美野里が覗き込む。
「ついでに中国語とドイツ語とポルトガル語とロシア語とアラビア語で言ってみろ。」
「ニーハオ、雄哉。グーテンターク、雄哉。ボーアダールデ、雄哉。ロシア語?アラビア語ぉ!?んなもん知るかぁ!」
美野里は甲高い声でわめく。雄哉は不敵に笑い、
「ふっ、残念だったな。ロシア語はズドラーストヴィチェ、アラビア語はアッサラームアライクムだ。」
と、同じく甲高い声で言った。
「ちなみに、フランス語はボンジュール、韓国語はアンニョンハシムニカ、ヒンディー語はナマステ、スペイン語はブエナスタルデスだぞ。」
美野里の背後から、博也がぬっと顔を出す。
「ねぇ、お前ら何で分かるのぉ?」
美野里がぼやく。
「これだよ、これ。」
雄哉が英語の教科書を出し、美野里の前でひらひらと振る。
「やっぱり?」
博也も持っていた。教科書の表紙の裏には、世界各地のあいさつが載っている。
「お前らセコイよぉ!卑怯だよぉ!!」
「会則第二条!ゲームに勝つためにはあらゆる努力をしなければならない!」
「どこの部活だよ!」
博也がツッコミを入れる。
「ま、その様子だと元気そうだな。」
「まあな。おかげさまで。」
「よかったぁ。また不安定になると、迷惑するのはこっちなんだからね!」
彼らはしばらくたわいもない雑談をする。


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