[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
メール
| |
エクスクラメーションマーク
7
:
初婁
:2010/12/27(月) 13:00:04 HOST:baid201b4d0.bai.ne.jp
父親の研究は表ざたにはまだ知られていないが、それは所謂「人体実験」という非人道的な代物だった。
父親と数名の研究者達が人や様々な物のデータを集め、融合し、研究する。
兄妹は―母親を救う為だけに、自分達の手で「異形」を作り上げ、そしてその異形で父親をこらしめようとしていたのだ。
丁度その頃、母親と父親は別居状態にあったが―母親も科学者である為、そのための資料は有り余るほどあった。
父親は子供が自分の研究を盗んでいるとはいざ知らず、ただ研究を進めている。
そして今現在、母親を助けるべく―
自分達が目の当たりにした「異形」を用いて、その実験を繰り返していた。
*
「沙夜さんだ、間違いない!」
「え、ちょ、しょ……」
雪那が言葉を完全に発する前に、翔は自分の家とは間逆の方向へと走り出していった。
―間違いない。あの髪は―あの肌は―沙夜さんの物だ。
彼女がなぜ逃げているのかと言う事を考えるのも忘れて、ただひたすらに翔は走り続ける。
しかし―
高層ビルの角に来た所で、翔は沙夜に似た人物の後姿を見失った。
膝に手を置き、息を必死に整えながら―翔は考える。
―沙夜さんは、本当に―殺人鬼なのだろうか。
先日まで自分が憧れていた、あの美人な同学年の少女が。
―いや、そんな筈は無い。
翔はぶるぶると首を横に振り、その考えを振り払った。
そして―翔は思いつく。
それは、ある意味危険な思いつきだった。
―逃げているならば、俺が捕まえて沙夜さんが殺人鬼じゃないことを―証明してやる。
一人の少年も巻き込んで―
エクスクラメーションマークの物語は、密かに動き出す。
*
昨夜 公園
都内の昨夜―
そこは本来殺人鬼のダンスの舞台―となる筈だった場所だ。
殺人鬼は、いつも通りに公園で「百一人目の犠牲者」を出すべく、静かに待ち構えていた。
いつも通り、全てがいつも通りの筈だった。
そして―その男は姿を現す。
身長は大柄で、服は黒で統一されており、顔にはサンマ傷―一般人の少女が立ち向かっても、歯も立たないような大柄な男。
しかし―殺人鬼の場合は違った。
「―さようなら」
小さいが、よく通る澄んだ声。
しかし、彼女は気付かなかった。
その男は一般人ではないことを。
科学をやっているだけではなく、少しの武術も兼ね備えている事も―
「……怖いな、殺人鬼ってやつは」
ただ、一言。
―……なんだろう、このひ……
そこで彼女の意識は朦朧としてきた。
そして彼女は気付く。
―ああ、私―
この男に、負けたんだ。
「安心しろ、殺しはしてない」
彼女は視界の端に、銀色の輝きを見つける。
殺人鬼に襲われることを、男はしっかりとわかりきっていたのだ。つまりは囮―自分の身を囮に使い、自分を始末しに来た。
しかし、どうやら峰打ちだったらしく、死んではいない。
それもそのはず、男の目的は「始末」ではなく「利用」なのだから。
彼女は走馬灯とも感じ取れる過去の映像を思い出しながら―
静かにその意識を閉じた。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板