伊達巻と栗きんとん。 - 1292840226

1：ソラ：2010/12/20(月) 19:17:06 HOST:fwho228028.c-able.ne.jp: コンビニの駐車場にあるダンボール箱の中に､オレはいた。

人間達はオレを見ると哀れむような目でちらりと見て､食い物を足元に置いて去っていく。

いつも人間達から貰っている食べ物は､
野生の頃には味わった事のない独特な味がして､なんだか病みつきになる。

でも今日はあまり貰っていないから空腹がピークに達していた。

…そんなときに､オレはアイツと出会った。

「あ､猫だ。」

声のしたほうを見上げると､
そこには､メガネをかけた人間の少女がいた。

餌をくれるのかと思い近づいてみるが､食べ物の臭いはしない。

――チッ､何にも持ってねぇのかよ。

心の中で軽く毒づく。
空腹の状態のときは少しの事でイライラしてしまう。

何となくもう一度少女の顔を覗きこんでみると､

少女がオレのことをずっと見つめていたことに気づいた。

餌をくれるわけでもなく､
撫でてくるのでもなく､
ただジッと､オレのことを見つめていた。

しばらくして､少女は言った。

「おせち料理をこれから作るから､
　あとで残った料理を持って来るね。だから､そんなに怒らないで。」

微笑みを浮かべて言った言葉の意味は

猫のオレにはよく分からなかったが､

『これから良い事がある』

と､いうことだけはちゃんと分かった。
2：ソラ：2010/12/20(月) 19:32:41 HOST:fwho228028.c-able.ne.jp: ■挨拶

こんにちは。
これからからココで小説(もどき)を書いていく「ソラ」と申します。

>>1で書いたプロローグでは分かりにくいかもしれませんが､主人公は『猫』です(∀)

内容的にここでは少し浮いてしまうかもしれませんが､
まぁ……その辺は見逃してやってくださいな(((汗)))←

ジャンルは詳しくは決まっていませんが､ちょっとファンタジックなところもあると思います。

更新速度は遅めだと思いますが､暖かく見守ってくだｓ((←

コメント､アドバイスなどもらえると嬉しいです(＊´∀｀＊)
3：ソラ：2010/12/27(月) 11:40:54 HOST:fwho228028.c-able.ne.jp: 歩く少女の後をトコトコとついて行く。

少女の手にはビニル袋があり､その中には『おせち料理』という物が入っている。
一歩進む度にゆれる袋を眺める。

その様子に気付いた少女は
立ち止まりオレに問いかけた。

「そんなにこのおせちが食べたいの？」

何となく意味を察したオレは猫ならではの甘ったるい鳴き声をあげてみせる。

「仕方ないなぁ。
　ほんとは空き地であげようと思ったんだけど､ここにもそんなに人居ないし､あげる！」

ガサガサと音を立てながら少女は袋から
２種類の黄色い食い物をオレの足元に置いた。

ニコニコしながらこちらを伺う少女。
訝しげな目で一方の食い物を見つめるオレ。

これ､栗か？

片方の少し形の崩れた物体の臭いをかぐ。
甘い香りが鼻をつく。

ぺロっと少し舐めてみる。

おお､これはっ……

――なんと不味いことだろう。
　　甘すぎだし妙なこのが混入してるし。この混ざってるのはもしかしてシーチキンか？
　　そうならばオレはシーチキンを単品で食べたかったな。

とても美味いとは思えないものを口にして
不愉快なオレの心情を察した少女は悲しそうな顔をして

「もう食べてくれないの？　折角作ったのに……。」
と迫ってくる。

「これ食べないと､もう猫さんには何にもあげないんだから！」

直感的に自身に身の危機を感じたため､渋々変な黄色い塊を綺麗にたいらげた。

これで彼女も不満はあるまいと安堵した矢先､
彼女は次にもう一方の形の整った黄色い塊を推してきた。

これは一体何だ。

黄色と茶色がグルグル渦を巻いている。
黄色の方が多いため､先ほどの黄色い塊にしか見えなかったが、

臭いは良さげだったので一口食べてみた。

美味い。これならいけるぞ､とガツガツ食べると､ものの数秒でそれはなくなった。

「まだまだあるから､好きなだけ食べてね。」

満足気な少女は､袋に入っていた黄と茶の食べ物だけを足元において行く。

こんな幸福感(最初の黄色い塊は除いて)を味わったのは久しぶりだ。
あっという間にすべて食べ終えると、
少女は「ばいばい」と手をどこかに歩いていった。

特に追いかける気もなかったので､
そのまま寝床のコンビニへと帰って､ダンボールの中に丸くなって今日はもう寝た。
4：ソラ：2010/12/27(月) 11:46:08 HOST:fwho228028.c-able.ne.jp: ■訂正

>>3にて

×甘すぎだし妙なこのが混入してるし。
○甘すぎだし妙なものが混入している。