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切なくて、恋の色。

2詩歌  ◆y3P0GKKz8k:2010/11/19(金) 16:37:37 HOST:p3016-ipbfp2304tokaisakaetozai.aichi.ocn.ne.jp

Piece001.今日も空は


 今日も空は、青くて透き通って美しくて切なくて…面白い程見てて悲しかった。
――色覚異常(しきかくいじょう)――
 それが、2週間前に病院で告げられた病名だ。最初から、あまり見えないと思っていた。いや、"見えない"のではなくて"『色が』見えない"を言った方が正しいのだろうか?
 別に、苦しくない。ただ、悲しいだけ。
「…佐山さん」
 そんな事を考えていると、長い黒髪の女の子がおどおどと話しかけてきた。私とは違って女の子っぽいなあ…なんて思っていたけど、私に用があったんだっけ?、と1時間目の始まる前の私の頭はぜんぜん活性化してないみたいだ。
「…佐山さん?」
 トリップしていた。女の子はうるうるしてる目で私を見る。
「ああ、何か用?」
「えっと………その………」
 返事をすると、すかさず言葉を言うがうじうじとして何も言わない彼女。なんの用なんだ。こんな様な感じが最近のピュアな子なのか?それともただうだうだと促しているだけの子なのか?…うむ、と悩んでみるがあまり流行について行けない私にはあまり分からないことだった。
  その間にも彼女は何かを考えていたらしくて、机に人差し指でくるくるとマルを書きそうな勢いだったが何かを決心したように私を見て口を開いた。
「あたし…佐山千晶さんのことが……」
 フルネームじゃなくてもいいのに。と思ったのだがあえてここはつっこまない方がいいのだろうか?




-「憧れてたんです!!…これからも、たくさん奇麗な絵を描いてください!!………以上です!」-




「え?あー…」
 私も口を開いて言おうとした瞬間に、彼女はくるりと後ろを向いて走り去ってしまった。これは世にいう言い逃げという物ではないのか?




「……今の子、名前を教えて貰ってない……」
 完全に意味が分からないまま、1時間目を告げるチャイムは鳴った。


-つづく-


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