したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

夕暮れの坂道

2りほ:2010/11/17(水) 18:14:03 HOST:cm017.ucat7.catvnet.ne.jp
♯1  『悪目立ち』

「桜井!」
 先生が呼び止める。
 私は黙って振り向いた。
「あのさ…桜井。
 お前、虐めれたりしてないよな?
 いやあ、よく一人でいるから…と思って。」
 「安心してください。
 自分から一人になってるだけですから。」
 先生はギョッとする。
「そうなのか……?
 でも、本当にそんなことが起きたら先生に言ってくれ。
 なんでも相談に乗るからな!」
 そう言うと、先生はうわべだけの笑顔を私に向ける。
 私もうわべだけの笑顔を先生に向ける。
 熱血の先生なんてもう古いって、あの先生に教えてやりたい。
 それに、私は知ってるんですよ。
 本当に虐められたら、必死に表向きにばれないように
取り繕うということを。
 先生やクラスメイトだってそんなもんだ。
 結局、自分以外はどうでもいいに決まってる。

 私の名前は桜井 奏嘉。(さくらい かなか)
 中1のAB型。
 一応、生物学的には女ってことらしい。
 前まではフツーのそこらへんにいる、その他大勢だった。
 けど、今は悪い意味で目立ってる。
 自分でも悪い意味で目立ってることは知ってるし、
むしろ自分からこの道を選んだ。不満なんてものはない。

 キーンコーンカーンコーン。
 チャイムが鳴る。
 給食の時間。
 ここの学校は中高一貫で、中学生でも時々弁当の日がある。
 その日は、どこで食べようが誰と食べようが関係ない。
ってか、むしろ自由ですよ。みたいな感じだ。
 ここの学校の校訓は『強く、明るく、元気に』
らしいが、私から言わすと『自由、自由、自由!』
みたいな感じなのだ。


続きは明日くらいに書きます。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板