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真昼の月
24
:
りほ
:2010/11/06(土) 10:38:15 HOST:cm017.ucat7.catvnet.ne.jp
〜3月〜
『卒業生代表、大槻恋。』
「はい。」
あたしは一つ深呼吸する。
トントントントン。
静かに階段を上がる。
あたしたちは今年の春、卒業するみたいだ。
実感がわかない。
どうでもいいことで毎日キャーキャー騒いでいたあの声も、
バスケのボールのドリブルの音が、リズム良く体育館に響き渡ってたことも、
耳の中で静かにこだましてる。
あたしは静かに喋り始めた。
「私達、160名はこの春卒業します。
今まで、育ててくれたお母さん、お父さん。
3年間おせわになった、先生方。
今までありがとうございました。」
皆でお母さん、お父さん、先生方に一礼する。
あたしは、さらに続けた。
「さて私はこの数ヶ月で沢山のことを学びました。
進路のことで、自分の将来のことで、
沢山悩み、そして様々なかたにお世話になりました。
そして、第一志望の吉川高等学校に合格することが出来ました。」
あたしは、ふと卒業生の座ってるところを見る。
百合ちゃんはあたしを見てにっこり。
あやちゃんは号泣。縁は…寝てやがる。
卯月はそんな馬鹿を必死におこしてる。
あたしは今すごく卯月を尊敬した。
「では、私から1年、2年の皆さんに一つ。
人間、一生に一度くらい、涙が枯れるくらい
泣くときが来るかもしれません。
その時は、周りの皆を頼ってください。
自分では思ってないほど人間は弱い生き物だから。
だから頼ってください。
私の話は以上です。」
あたしは一礼する。
皆からワーーと拍手があがる。
あたしは百合ちゃん達ににっこり笑った。
「せんぱーーーーーいっ。」
後輩のさほちゃんが泣いてる。
「そつ…ひっく…そつぎょーしないでくださーい。」
「あははは、無理だって。」
あたしは笑い声をあげた。
皆から聞いたところによると、
百合ちゃんは東女子高。卯月は吉川高。
あやちゃんは専門学校。
あれ? 縁はどこにいくんだろう。
「恋。」
「あーっ! 縁。」
ふと学ランを見る。
「あっ! 第二ボタン無い。
なに〜? カノジョでもできたの?」
「なわけねーだろ!
女に追いかけられるのがめんどくさいから、
最初から引きちぎったんだよ。」
ほらと言いながら縁は手を差し出した。
「ホントだ。」
「だからさ。俺が好きな人が出来るまで、お前が預かっとけよ。」
「えっ!? なにそれ、凄く重大じゃん。
無理無理、あたしすごに物無くすし。」
「いいから。」
縁は、ボタンを押し付ける。
なんか必死だ。
「百合ちゃんなら絶対無くさないから、百合ちゃんに渡せば?」
「お前に持っててほしーんだよ!」
「は? 意味わかんない。」
「なにやってんのー?」
百合ちゃんがこっちに向かってくる。
「あっ! 縁。吉川合格おめでとー♪」
「えっ!? あんたもなの?」
「楽しくなりそーじゃん。」
卯月がにこやかに笑う。
「………。」
あたしが見た先には郁がいた。
なんともいえない顔で笑ってる。
郁はたしか、旭川に合格したらしい。
あれから、あたしは全く郁と話してない。
だけど……
「郁、ばいばーいっ!」
あたしは思いっきり手をブンブン振る。
あたしは後悔してない。
確かにあの時は悲しかったけど、
今は幸せな思い出となった。
桜が舞う。
あたし達は卒業した。
終わり。
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