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幸せ―…

76雷都 ◆U5wL/uVL5k:2010/08/26(木) 18:15:02 HOST:p7150-ipbfp405niho.hiroshima.ocn.ne.jp
第二章「普通ってどうですか?」


一、「この世界」

その世界は何もかもが普通だった。
可笑しく狂った人間も居なければ、荒れ果ててもいない。
そう、普通なのだ。
何故自分達がそんな場所に居るのか、そんな事よりも幸せになれるかもしれないその世界に胸を躍らせていた。
ただ1名を覗いて。
真貴は分からなかった。
前の世界での記憶はほとんど消えているから。
自分が誰か、周りに居る3人が誰かぐらいなら覚えている。
でも他の事は分からない。
そんな状況で不安に包まれていた。
知らない世界、分からない記憶。
怖い、そう感じた。

 「真貴?」

俯き暗い表情をしている真貴に声をかけたのは真神。
それからフッとイタズラ的な笑みを浮かべれば、

 「お前、馬鹿だな〜」

その言葉は真貴が最も嫌っている言葉。
しかも馬鹿である兄に言われると、もっと腹立たしくなる。

 「兄さんに言われたくありません」

フイッと目を逸らして怒る真貴。
その怒り方は冷静で、感情を出しやすい真神とは正反対だった。

 「それは俺が馬鹿と言いたいのか?」

怒りの表情を見せる真神。

 「違うんですか?」

フッと鼻で笑う真貴。

自然と真貴の心から恐怖は消えて、兄との喧嘩に燃え上がっていた。
きっとそれは兄なりの励まし方だったのだろう。

 「あははッ!」

魅玖瑠が可笑しそうに笑う。
その笑顔を見てほっとした表情を浮かべる夕凪。

それから”4人”は歩き出した。


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