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小竹「球技大会出ようぜ!」梨澄「は?」

1武士さん:2011/10/12(水) 22:20:40
新作が初っ端からシリアスで続きそうもないので
パラレル第二弾ってことで軽い感じの短編書こうず!
一応リレーなんで好きにしてください。

2武士さん:2011/10/12(水) 22:41:42
第1話 昨晩の談話

先日、鮎と電話をしていた。

『そういえば最近バスケやってんの??』
「あ〜まあ体育の授業でやってるくらいだな」
中学の頃は他に何も考えられないくらいバスケに一途だった俺が
今はたまにやれればいいや程度にしか考えていない。

『…なるほどねぇ』
「な、なんだよ?」
『いい?今のタケ君に足りてないのは情熱だよ』
なんかよくわからないが、説教的なものが始まったようだ。

「いや、実際部活入ってるよか友達と騒いでる方が楽しいんだって」
『それはまあ、重々わかってはいるんですがねぇ』
「何が言いたいんだ?」
『この前体育大会があるって言ってたじゃん?アレに出てみれば?」
きっと球技大会のことを言ってるんだろう。
確かにバスケもあったような気がする。
適当に話題を変えてその日は終わったが
たぶんあれがきっかけだったんだと後々思った。

3武士さん:2011/10/12(水) 22:51:22
第2話 "一色"即発

で、今日学校に来てみると教室内がやけに騒がしい。

「この音が俺を蘇らせる・・・何度でもなッ!!」
「やっぱ三井が一番かっけーなぁ」
スラムダンクの話題で盛り上がっている。
誰かが全巻持ってきて、それをクラス皆で読んでいるらしい。

「…十文字槍に対してどう戦うか…むう…」
武士だけはバガボンドを読んでいるようだ。
毎度のことながら漫画には困らない教室だ。
おかげで授業中も退屈せずに済むわけだけど。

「俺らも球技大会でバスケやんね!?」
クラスメイトの一人がそう言った。
非常に都合よくリアルタイムな出来事だと冷静に感心してしまった。
んでまあ、バスケは5人でやるわけで。
だけどクラスメイトは40人近くいるわけで。
そのうち半数以上がやる気になってるとなると
必然的にチームが出来ちゃうわけですよ、4つくらい。

4武士さん:2011/10/12(水) 23:04:48
第3話 非常に小さな灯火

うちのクラスにはバスケ経験者が何人かいる。
やる気になってる人間の多くがそれに属する者だ。
けど全学年通しての大会、しかもバスケ部だけで固めてるチームもあるはずだ。
そこで優勝しようなんてとても無理な話だ。

「お前出ないの?バスケ得意じゃん」
声をかけてきたのは島野だ。
島野は中学時代サッカーをやってたらしく運動神経がいい。
だがこいつも球技大会にはあまり興味のない人間なのだ。
…と思っていたのだが

「優勝賞品聞いたんだけどさ〜どうやら女子高の学園祭チケットらしいぜw」
「よし、速攻メンバー集めるぞ!!」
島野も俺も等しく高専の学生なわけで
女がかかってると分かれば、脊髄反射で動いてしまう人間なのだ。
そんなこんなでメンバーを集めることになるわけだ。

5武士さん:2011/10/25(火) 23:53:45
第4話 一人ずつではただの火だが二人合わされば炎となる

チームメイト集めは予想以上に難航した。
チケットの話は既に広がり、あちらこちらでチームが生まれつつあった。

「出遅れたか・・・」
「くそ・・・」
俺は舌打ちをしつつ教室を出ようとした。
すると巨躯の男が前方から教室へ入ってきた。
軽く肩が当る。

ドンッ。
たちまちバランスを崩し尻餅をついた。
「あ、わりぃ」
(な、なんだこいつぁ)

約1か月後 高専は有和泉 直毅を知る。

6武士さん:2012/04/23(月) 19:58:06
第5話 見えた可能性

(俺が当たり負けるなんて…こいつ…!)
目の前にそびえ立つ有和泉を見て、戦慄した。
俺は体格こそ比較的小柄だが力には自信があった。
事実、体育の授業で俺に吹き飛ばされた者も少なくない。

「お前、隣のクラスの有和泉だよな?」
島野が有和泉に声をかけた。
そういえば隣のクラスにいたような気もする。
たまに実験でも組んだことあったっけな。
「ああ。笹塚に呼びだされてな」
「ふーん…あのさ」

満面の笑みを浮かべる島野。
「俺らと球技大会でないか??」

7武士さん:2012/04/23(月) 20:01:23
第6話 巨人と伏兵、時々武士

「あぁ、いいよ」
答えたのは有和泉ではなく笹塚だった。
いつからか俺達のやり取りを聞いていたようだ。
「いや・・・俺出たくねぇんだけど」
「いいじゃん。たまには運動しないと体重増えるぞ」
笹塚の言葉に翻弄されていく有和泉。
確か笹塚も島野と同じくサッカー経験者だったはずだ。
運動部経験者2人とこの巨体の持ち主が仲間なら――

「いい感じのが揃ってきたんじゃない?」
島野が2人の掛け合いを見ながら満足げに微笑む。
「そうだな、あとは・・・」
俺と島野は目を合わせてから笑い
箒を持って漫画を読んでいる武士に斬りかかっていった。

8武士さん:2012/04/23(月) 20:03:21
第7話 メール派

『ええっ!?球技大会出ることにしたの!?』
「お前が出ろって言ったんだろ?」

またしても鮎と電話をしている。
そもそも電話を好まない俺の携帯の履歴は
知らぬ間にこいつの名前で埋まっていた。

『や、言ったけどさ。ホントに出るとは思わなかった』
「俺も出るつもりはなかったんだけどな」

俺は今日の出来事を鮎に話す。
島野、有和泉、笹塚…あと、まあ武士。
バスケ部で固められたチーム相手じゃなければ
けっこういい線まで行けそうな気がする。
不思議と話す言葉も熱を帯びてくる。

「…ってなわけで、なかなか面白いチームになりそうなんだ!」

9武士さん:2012/04/23(月) 20:04:09
第8話 男なら誰だって

『なんかタケ君楽しそうだね〜!』
「やっぱわかっちゃう?すげぇ楽しみなんだよな」

実際にあいつらがどのくらい動けるのかみてみたい。
明日昼休みにでも軽くバスケしてみるか・・・
とか色々考えてるとどんどんテンションが上がってくる。
『んで、なんで出ることにしたの??』
「ああ、優勝賞品が女子高の学園祭チケットなんだってよ!」
『・・・ふ〜ん』
「で、皆やる気になっててな。うちのクラスだけで・・・」
『女の子目当てでやる気だしてるわけだね』

・・・なんかとたんに空気が重くなったのを感じる。
「そ、そういやお前よく電話かけてくるよな!友達少ないんj・・・」
ブツッ
電話を切られた。
よくわからないが明日が楽しみなので気にせず寝ることにした。

10武士さん:2012/04/23(月) 20:04:49
第9話 力試し

「おっし、飯も食ったしやるか!」

早速皆を呼び出して体育館で練習をすることにした。
練習といっても本格的なものではなく遊び程度にやるだけだ。
おそらく俺がポイントガードをやるだろうから
皆の力を把握しておく必要があるためである。

「人数足りないって聞いたから遊びに来たぜー」

武士が梨澄を連れて来てくれたので3on3をやることになった。
チームは俺、武士、梨澄 対 島野、笹塚、有和泉に決まった。

「先攻は拙者達!参る!」
武士が勢いよくボールを持ったまま走っていく。
うーん…ルールから教えんのか―…
出発は不安だらけであった。

11武士さん:2012/04/23(月) 20:05:43
第10話 天狗の鼻はへし折られ

というわけで武士に"トラベリング"というルールを教えてから再開。
攻めは変わって島野チームだ。
長身の島野がポイントガードをしている。
マッチアップするのは俺。

「さーて、どう攻めよっかなー」
思ったよりもドリブルが手慣れている。器用な奴だ。
と喋っていたのもつかの間、左にボールを持ちかえドライブを仕掛けてきた。
さすが元サッカー部、スピードもあるし――
島野は左から右へあざやかにドリブルを切り替え逆方向へ切り込む。
「ち、フェイントばれてたかw」
「さすがに攻め方わかってるなぁ、島野!」

俺は止めたつもりだった、が島野は再度右へドライブに来る。
そんなんで抜けるわけねぇだろ!とか舐めていたら
いつの間にか俺の背後に有和泉がいた。
島野を追う俺の体は有和泉によって止められる。
スクリーンプレイというバスケの戦術だ。

12武士さん:2012/04/23(月) 20:06:30
第11話 嬉しい誤算

「どうした?元バスケ部っ!?」
こんな慣れたプレイをしかけてくるとは思わず
あっさりと抜かれてしまう俺。
島野はそのままゴールへ向かってレイアップシュートにいく――

「させるかよ!」
そこに梨澄がブロックに飛ぶ。てか瞬発力半端ない。
「やべっ…」
島野はシュートにいけずそのまま落下…するかと思いきや
空中で体勢を切り替え逆サイドへパスを出す。
そこにいたのは笹塚だった。完全にフリーで待ち受けている。
パスが笹塚の手に渡った。
笹塚はキャッチとほぼ同時に素早くシュートを放つ。

「はあああああああああ!!!居合斬り!!!!!!!!!」
たしかに誰もいなかったその場所に武士が走りこんできて
居合のモーションで笹塚のシュートを弾き飛ばした。
ボールはものすごいスピードでラインの外へと飛んでいった。

…待て待て、なんでこいつらこんなにバスケうまいんだ?

13武士さん:2012/04/23(月) 20:29:53
第12話 漫画ってすごい

島野のドリブルとボディバランス…
有和泉のパワーとポジション取りのうまさ…
梨澄の瞬発力と判断力…
笹塚のボールキャッチの柔らかさと味方との合わせ方…

「そして武士の反射神経とジャンプ力…」
こいつらすげぇ…!すげぇんだけど…

「いやーおしかったなー笹塚!」
「何言ってんだ。今のは俺にパスだろ島野〜」
「俺が1回フェイク入れて有和泉にパスするべきだったわ」
「そうなってたら今度は俺がまたブロックに飛べたぜ?」
皆が各々に意見を交わし合っている。
武士はボールを拾いにいっている。
俺は聞いてみることにした。

「あのさ、お前らなんであんな高度なプレイできてんの?」
俺の問いかけに一同は顔を見合わせてから答えた。

「スラムダンクに描いてあったじゃん」
一瞬納得しかけたけど
いやいやいやいや、おかしいだろ…


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