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†BUSIDOU†〜とある一つの武士道の最果て〜
1
:
武士さん
:2011/07/31(日) 18:23:25
かつての『拙者でGO』が成功した理由の一つとして
下手に新キャラを多く投入せずに
†BUSIDOU†のキャラ設定をそのまま生かすことができた
ということが挙げられるような気がします。
というわけで試しにもう一回IFストーリーを
この物語を通して書けたらいいなと思います。
もちろん「りれい」小説です。
本編と共に気軽に書き込んでください。
BUSIDOU製作部一同
2
:
武士さん
:2011/07/31(日) 18:29:00
第1話 武士?
PM2時…
ジリリリリリリ!!!
「………」
目覚ましが鳴り響くが一向に目覚めない武士
ジリリリリリリリリリ!!!!!!!!
「んぁ…」 ゴロン
たまたま打った寝返りで目覚まし時計が倒れ、止まる
電池が抜けたようだ
「…むにゃ」
そのことにまったく気付かず眠り続ける武士
それもそのはず。彼が眠りについたのは明け方6時過ぎであった
『ブルーストーン』というオンラインゲームが今の武士のマイブームだ
通称『青石』と呼ばれるそのゲームは別にそこまで面白くはないが
ハマる人はとことんハマる、そんな感じのものであった
PM5時…
まだ武士は目覚めない
齢25にもなって武士は引きこもりの生活をしているのだ
にもかかわらず生活が成り立っているのは
武士の両親による蓄えがあってこそである
よって武士が目覚めるのはまだまだ先の時間…のはずであった
『武士さ〜ん?おきてくださ〜い』
『お〜い、武士さ〜ん?』
「む…??」
いつもとは異なる時間に瞼を開けた武士
その視線の先に立っていたのは、見覚えのある女子高生だった
かつての戦いで、死んだはずの女子高生、速水沙霧であった
3
:
武士さん
:2011/07/31(日) 18:35:50
第2話 夢の続き
間違いない
確かにあの時の少女が武士の枕元に立っていた
正確にはしゃがんでいたわけだが
「え…お主は…えっ!?」
『こんな時間まで寝てたら夜寝れなくなっちゃいますよ?』
武士は自分の眼前にあるものを疑った
これは夢なのか?
確認のためにとりあえず自分を殴ってみる
ドカッ
「ぐはっ!!」
『ちょ、ちょっと!?』
突然自分を殴った武士を見て駆け寄る速水
武士の頬に触れる手には確かな温かみがあった
「ゆ、夢じゃない…!」
『ああ…そういうことですか、ふふっ』
『そういうところはあまり変わってないんですね』
速水は安心したように微笑む
一方武士は混乱が収まらないままであった
(ありえないでござる…あの時この娘は確かに…)
武士は思わず問いかけてみた
「沙霧殿…生きていたのか…?」
速水は困ったように答える
『えっと…ごめんなさい。たぶん死んじゃってます
4
:
武士さん
:2011/07/31(日) 18:41:41
第3話 今と昔
『私死んじゃってます』
速水は確かにそういった
しかし武士には納得がいかなかった
心霊の類をまったく信じていないわけでもないが
霊がこうもはっきりとした姿で現れるものだろうか
霊にこうもはっきりと温かみがあるものなのだろうか
『あ、あのぅ…』
速水の一言でハッとする
武士は頬に当てられた速水の手を握り続けていたのだ
あわててその手を離す武士
「あ、いやっ、すまぬ!」
速水の困った顔を直視できず視線をそらす武士
そんな武士を見て、再び微笑む
『本当に、何も変わってませんね』
「そんなことより…なぜお主がここに?」
視線をそらしたまま武士は問うた
何も変わっていない?
そんなことがあるわけがない
しかし目の前の少女は、確かに昔の姿のまま武士の前にいる
『え、えっとですね…それを知りたくて、私もここに来たんです』
5
:
武士さん
:2011/07/31(日) 18:46:50
第4話 想い人にだからこそ
『今の私、他の人には見えないみたいなんです』
速水は切なそうに笑いながら言った
『だからどうしようって慌てちゃって…それでもダメ元で』
『貴方に声をかけてみたんです』
「そうしたら拙者には声が届いた…ということでござるか」
『はい…そうなんです』
いまだに武士には現状を把握しきれてはいない
しかし目の前に確かに存在する少女
それを否定することだけは武士にはできなかった
しかし黙り込んでしまう武士
『そ、そういえば、今の私、空を飛べるんですよ。ほら、びょーん』
そういって武士の部屋を飛び回る少女
武士の混乱を少しでもやわらげようとする速水なりの気遣いであった
しかし武士は
「…来てもらって申し訳ないが、拙者はお主の力にはなれない」
過去と現在の自分の違いが、武士の決断を揺るがしていた
6
:
武士さん
:2011/07/31(日) 18:53:13
第5話 傷痕
数年前のこと
日本は大規模な戦争に巻き込まれそうになっていたのは確かだ
町田政府ナシ党と反乱分子の大規模な戦闘
いまやインターネットの書き込みやゴシップのみとなっているが
確かに戦いは起こり、そして終わった
一人の武士(ヒーロー)の働きによるものが大きいだろう
ただ犠牲は大きかった・・・
愛した少女を失った・・・
その日以来
友とも壁を作った
普段飲まない酒を飲んだ
大切にしていた刀を封印し
すべてを忘れようとした
刀を捨てゲームの世界へと逃げ込んだのも事実だった
7
:
武士さん
:2011/08/01(月) 21:31:09
第6話 カコトイマト
『え?』
少女は驚いた顔をしてこちらを見ていた
「あれから3年も過ぎたでござる…そなたと拙者の間にはもう…」
武士は決断した
昔の自分はあの時、彼女とともに死んだ
今の自分は彼女の知らない新しい自分なのだと
『そ、そうだよね…あんなことに巻き込んで悲しい思いをさせて…』
速水は少し考え込み
『私…ずるいよね。あなたを苦しめて自分だけ助かろうなんて…もう行くね』
その瞬間、女子高生の眼から頬に涙が伝ったのを見逃すわけなかった
「待つでござる。拙者が申したのは、今の拙者ではお主の力になれないだけでござる」
「これからの拙者なら・・・」
そうこれからなら・・・
今度こそ失わない・・・
必ず護ってみせる・・・
「コールとリザレクションを覚えるまで待つでござる」
速水は呆れながらも笑顔を取り戻した
8
:
武士さん
:2011/08/01(月) 21:31:48
第7話 習慣>決意
「しかしもう夕方。明日から本格的に動くでござるよ」
『はい、よろしくお願いしますね!』
武士は枕元にあるノートパソコンの電源を入れる
「すまぬが拙者これから一仕事ある故、集中させていただく」
そう言ってヘッドホンマイクを装着する
『お仕事ですか〜頑張ってくださいね!』
「ヴィスケス氏遅れてすまぬ^^今日はスマグから…」
もう武士に速水の声は届いていなかった
『さてと…私は何しようかなぁ』
改めて武士の部屋を見渡すと、ひどく散らかっていることに気付く
『…よぅし、決めた』
9
:
武士さん
:2011/08/03(水) 23:50:04
第8話 目覚めぬ朝
『お疲れ様』
武士は露店放置にしパソコンから目を放した。
するとそこには懐かしい光景が広がっていた。
かつての自分の部屋。
工業高校へ通っていた。
皆と祝杯を交わした。
沙霧とキスした。
・・・・
・・・
・・
ふよふよとお膳に朝食の準備をしていた速水が気が付いた。
「武士さん朝ごはんできましたよーおいしいですよー」
「何をしたでござる!」
武士は声を荒げお膳をひっくり返した。
自分の過去を否定するかのように棚を倒し、掛け軸を千切り畳をはがした。
その衝撃で蛍光灯が割れ電気がちらちらしている。
「あの・・・わたし・・」
「もう何も言うな、行くでござる」
武士はぐちゃぐちゃな部屋を後にした。
10
:
武士さん
:2011/08/06(土) 21:49:53
第9話 戦友
武士は頼りになる者のところへ出かけた
そこは大居街。
「らっしゃいらっしゃい」
「やすいよやすいよー」
威勢のいい掛け声。
そこは八百屋。
小竹と鮎沼が営む八百屋。
「お、奥さん、ヘッドレタスにリーフレタス、カッティングレタスにステムレタス。よりどりみどりだだらっしゃい」
あの戦いの中、告白したのは鮎沼だった。
式こそ挙げていないが二人の仲は誰もが認めるものとなった。
そう、拙者と沙霧のように・・・
11
:
武士さん
:2011/08/07(日) 23:12:55
第10話 目指すもの
「なるほどね」
武士は一部始終を話した。
「町田にいってみるしかねぇな、らっしゃい」
即決したのは小竹だった。
町田。
そこは現在でも封鎖されている。
いまだに残党がテロ活動を起こしているため非常に危険な場所である。
「しかし、お主ら・・・」
「今回は俺達はいかないぜ、らっしゃい」
「お店もこの子のこともあるからね」
鮎沼は軽くおなかをさすった。
武士には伝わらなかったが、速水は目に涙をためて喜んでいた。
「ただ、あすこに行くには案内人がいるわね」
「奴を連れてくには手間がかかるぜ?らっしゃい」
そう、市民殿なら。
戦争終結後、市民は多くの命を奪ったことを悔い、実刑を受けることを望んだ。
現在は蝦夷にある極寒の刑務所に収監中である。
「仮釈放も保釈も無理。実刑は58年ときた。脱獄させるしかないわね」
「しかしどうやって?」
「角鬼大佐と沖田さんなら大丈夫じゃない?」
角鬼大佐、前大戦では優秀な指揮官であった。
現在は民間軍事会社の指揮官をやっている。
バックには十日月財閥が付いており。
会社経営は沖田が行っていた。
「わくわくしちゃうわね」
12
:
武士さん
:2011/08/09(火) 22:56:55
第11話 暗闇の中で
『梨澄 秋俊、禁固58年』
日本政府が出した結論はそれだった。
誰かしら明確な犯人を決め、自らが正義だと誇示したかったのかもしれない。
極寒の地の牢獄の中。
一人の男が正座していた。
あの事件の首謀者の一人。
双頭銃騎こと市民殿だ。
面会も保釈も断り、ただただ罪を考える日々が続く。
償える日が来ることは無い。
ならどうしたら良いのか。
自分を許さないことだ。
そう考え、今もココに正座し続ける。
町田復興はまだまだ先の話である。
13
:
武士さん
:2011/08/28(日) 21:28:38
第12話 決死の救出作戦
「計画通りにいくぞ」
サー・イエッサー
角鬼の号令に部下達が答える。
この作戦の要は武士だ。
だがその武士は今や・・・
「もう怖いの嫌でござる」
すっかり腑抜けていた。
「これがあの武士か?」
角鬼が蔑む様に見た。
「あぁ、そうさ。彼女を失って以来こんな感じさ」
『私はココにいるんですけどねー』
「だが、小竹。さっきの話は本当か?」
「あぁ、彼女の声だけは聞こえるからな」
「奴が協力するかはわからんぞ?」
「それも賭けだな」
小さく震えている武士の胸倉を角鬼が掴みトラックの荷台に投げ入れた。
「島野の奴がいないのが惜しいな」
「まったくもって同感だな」
小竹と角鬼は互いの顔を見て微笑んだ。
14
:
武士さん
:2011/08/28(日) 22:29:31
第13話 研ぎ澄まされた牙
目を疑った。
角鬼の計画に従って、刑務所の敷地内に侵入した。
しかし侵入した矢先、最初に武士達の眼前に現れた人物が
梨澄本人に他ならなかったからだ。
「知ってる気配だったから出て来てみりゃ…」
目の前の人物は相変わらずの威圧を放ってくる。
静かな殺気――
「お前らこんなとこで何やってんだ?」
友好的なのは言葉だけであった。
予期せぬ出来事に不意を突かれたことは間違いない。
だがそれらのマイナスファクターを無視してもなお有り余る絶望。
角鬼を含む全ての侵入者達が、たった1人の男の威圧感の前に
土偶のように、男の言葉を待つだけの存在と化した。
「まあいいさ。ここは俺が静かに思考出来る唯一の場所なんだ」
そういって梨澄は足で線を引く。
「帰れ」
15
:
武士さん
:2011/08/29(月) 19:46:35
第14話 死線
梨澄は武士達に背を向けた。
「俺にはまだ考えなきゃいけないことが腐るほどあんだよ。悪いな」
「その線を越えたらお前らを攻撃する…だから大人しく帰れ」
(越えるなっつーか…)
(口先一つ動かせねえ…バカげた殺気放ちやがってッ!)
かつての戦いで命のやり取りを多く経験してきたはずの角鬼や小竹。
この2人でさえ威圧のみで動きを封じられてしまう。
それほどまでに梨澄は圧倒的であった。
「し…」
静寂に包まれた空間に響く一つの声に。
「市民殿…!!」
武士の声に、梨澄は歩を止めた。
16
:
武士さん
:2011/08/31(水) 21:24:06
第15話 インネン
「武士・・・てめぇどの面下げて俺の前に来やがった?」
梨澄は食って掛かる。
無理も無い。
梨澄にとっても沙霧は大切な人間だったのだから。
武士は彼女を守ると約束した。
男の約束だったが、沙霧は二人の目の前で死んだ。
それ以来二人の道は違ってしまった。
武士は刀を捨て市民は銃を捨てた。
「ひっ・・・」
市民は目を見張った。
「お前・・・どうした?説明しろ小竹!」
やっと動けるようになった小竹が前に出た。
「梨澄、辛いのはお前だけじゃない。苦しんでるんだ。こいつだって。」
小竹は武士の両腕を捲った。
武士の腕には痣があった。
「その痣・・・。何かの呪いを受けたな。町田に古くから伝わる・・・」
武士の腕に触れた瞬間に梨澄の目に飛び込んできた。
『秋俊君。』
「まさか・・・沙霧?」
17
:
武士さん
:2011/09/03(土) 20:21:25
第16話 旅の始まり
「なぁ?どう思う?」
ガタゴトとジープに揺られ道なき道を進む一同。
ココはかつての戦場。
たくさんの人々が戦い、傷つき、死んでいった。
「まぁ、行ってみれば分かるんじゃね?」
ジープを運転してるのは小竹。
助手席に鮎沼。
後席に武士と笹塚。
「ってササ!いつの間に!?」
「あぁ、沖田に頼まれたんだよ。戦闘力が足りないってな。」
笹塚 賢一。工業高校のクラスメイトだ。
普段は遅刻したりボーっとしてたり本を読んでいたりするが、凄まじい戦闘力を持つ。
ワンマンアーミーと恐れられた人物が過去にいたが、彼のことだと知っているのは沖田のみ。
「ったくめんどくせーな。島野と弓坂はどうした?」
「あの二人は旅に言っちゃったのよ。どうせ温泉旅行でしょ?」
「じゃあ柿本は?」
「麻雀やってる」
一同は獣道を抜け旅の始まりへと近づいた。
「ココからは徒歩だぜ?」
そう。そこには厳つい鉄のゲート。
[ようこそ町田へ]
と書かれていた。
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