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空と雲と虹と
1
:
D氏
:2011/05/29(日) 18:11:17
プロローグ
「さぁ、第五回世界大会も7戦目に差し掛かりました。このオーシャンで今最も白熱し最も危険なスポーツ、トライフォーミュラー。」
ビルの大パネルに映し出されるニュースに耳を傾けながら青年は歩き出した。
猛暑厳しい夏が過ぎ、残暑も残るが秋がやってきた。
暑かった頃と比べ町を歩く人の数は増え、あちこちで祭囃子の音を聞くようになった。
僕達が住む星"オーシャン"は、太陽系の三番目の惑星で地表の七割が水に覆われた美しい星である。
かつては僕達人間は地上で生活をしていたが、数百年前に開発された重力制御ユニットにより、陸海空と住む場所を増やしていった。
今ではT.V.(Triangle Viaduct)と呼ばれる陸の町、空の町、海の町を繋ぐ鉄道が行きかっている。
太陽の光に手をかざしそっと空を見上げる。
ときたま見える飛行機械の合間を縫うようにT.V.が走っているのが見えた。
地上に生まれたからか飛行機械や潜水機械にはあまり興味はわかなかった。
「僕は電車が好きだ。だからこの世界を繋ぐ絆とも言うべき鉄道の駅員になりたい」
小学生の頃に書いた作文はこんなだったかな。
おっとっと。
空から視線を戻したら信号が赤だった。
信号待ちをしながらミニコムで今日のニュースを調べる。
「おっ、一条アキナのNewアルバムが出るのか、予約しなきゃ。」
信号をパスし一軒の喫茶店に入った。
店名「アカンサス」。
僕がバイトしている店だ。
2
:
D氏
:2011/05/29(日) 18:49:40
プロローグ
裏口から入り、交代のバイトに挨拶し、着替えてカウンターに入った。
そういえば自己紹介がまだだったね。
僕の名前はボンゴレ・グレイヴ。
この近くの学校、ゼノス学園に通う高校二年生だ。
普段はソフトボール部の部長として部活に行かなければならないが今日は生憎の雨。
だからバイトに入ったというわけだ。
「アカンサス」は花言葉で「離れない結び目」というらしい。
どことなくT.V.を思わせて僕は好きだ。
喫茶店といっても花屋と混ざったフラワーカフェだ。
それも名前の由来なのだろう。
店長は花屋と喫茶を行き来している。
僕はバイトの中でも一番の古株なので喫茶を任されることが多い。
店はこじんまりとして落ち着いた感じで感じで10人ほど座れるぐらいであった。
普段は結構混むのだが、今日は雨。
珈琲メーカーを覗きながら雨音に耳を傾ける。
すこしウトウトしてたらいつ入ったのか、お客さんがいた。
窓際の机で本を読んでいる女の子だ。
あわててメニューを聞きに行った。
「遅くなってすみません。ご注文を伺いに来ました。」
すると女の子は本を閉じ
「雨の音を聞いていたから。珈琲をお願いできるかしら?」
たったこれだけのやりとり。
僕は忘れていた。
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