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都立高戦記

1武土さん:2009/04/04(土) 20:08:44
この物語は都立高専に通う一人の武士が
己の存在を証明するために繰り広げる
ハートフルサスペンスコメディストーリー(仮)である。
またか、と溜息をついてはいけない。
今までの物語とは(たぶん)違うのだから。
油断してはいけない。
貴方も登場人物の一人なのだから。

なお、この小説は「りれい」小説なので
気軽に書き込んでください。

2武土さん:2009/04/04(土) 21:48:09
第一話 現代武士

AM2時――
体内時計がいつものように目覚めの時間を知らせてくれた。
カーテンの僅かな隙間から街灯の光が部屋に差し込む。
戯れるような小鳥達のさえずりが耳をくすぐらない。
深夜の肌寒い空気が部屋を包んでいる。
そんな朝とは言えない時間が拙者の起床時間。
頭にわずかな気だるさを感じる。
前日の酒がまだ残っているのだろうか。
休みたいと思う一方で日々の習慣が体を動かしてしまう。
手探りにジャージを探す。枕のすぐ近くにその存在を確認した。
寝巻きの甚平を脱ぎすててジャージに着替える。
ようやく目が暗闇になれてきた。
まだおぼつかない足取りで玄関へと向かう。
白いスニーカーを履き、汗をふくためのタオルを肩にかける。
傘立てに入った竹刀袋を右手に持ち準備は完了。
扉を開けると冷たい風が吹きつけてきた。
まるでまだ外に出るなと言わんばかりに。

「ちぃ・・・まだ外は寒いでござる」

そんな警告を無視して拙者は外へ出る。
頭の気だるさは、まだ抜けない。
いつもとは違う。
しかしいつも通りの朝から一つの物語が始まった。

3武士さん:2009/04/04(土) 23:05:53
第二話 登校武士
    
風が肌に当る。
もう立春を過ぎ春なのだが明け方は寒い。
定期を自動改札機に当て駅構内へと入る。
 
「おはようでござる」
 
これもまた日課。
駅長さんが窓口から帽子を振る。
ホームで電車を待つ。
吐く息は白い・・・とても。
何人か他にも白い息を吐いている人がいる。
この時間は人がまばらで混んでいない。
電車に乗ると先ほどの刺すような冷たさから一転、ほわっと暖かくなる。
拙者は近くのあいている座席に座り竹刀袋を両足の間から床に立てた。
車内には数人のサラリーマンと主婦それに拙者と席二つあいた所に女学生がいた。
そして・・・
 
「しゃーったhdけんsjhsjkjねあんfdlk」 
 
酔っ払いのおっさんだ!!!

4武士さん:2009/04/05(日) 10:48:03
第三話 電車で武士
  
酔っ払いのおやじは辺り構わず当たり散らしている。
朝帰りか…ご苦労なことでござる。
と思った。
拙者は目を瞑り酔っ払いをやり過ごす。
すると酔っ払いは隣に座っている女学生に目を付けた。
女学生は耳に掛けるタイプのイヤホンをし、英語のような本を呼んでいた。
  
「あぁん?嬢ちゃん、澄ましてんじゃねぇぞゴルァ!!」
※酔っ払い語翻訳機能付き
  
「きゃっ」
  
酔っ払いが女学生の頬を打ち、イヤホンの片方が外れ眼鏡が床に落ちた。
その時、体が反射的に動いたのは拙者だけではなかった。
  
「やめろよぉ…」

5武士さん:2009/04/05(日) 12:33:34
第四話 気絶武士
 
地味な男が酔っ払いと女学生の間に立っていた。
なかなか勇気があるでござるな。
その少年の介入により車内の空気が変わった。
電車が曲がり角に差し掛かりつり革が寄る。
 
「んだ、てめぇ!うあhj☆だtyrh!」
※酔っ払い語翻訳限界
 
拙者はそのときチラッと見えてしまった。
あれは・・・匕首?
酔っ払いは匕首を抜いた。
周りにいた人が悲鳴を上げる。
これは・・・まずいでござるな。
少年の方に駆け寄る。
 
「おとなげないでござっ・・・ひでぶ!!」
 
「あっ・・・」
 
女学生の右ストレートが拙者の顔面を貫き。
拙者の頭が少年の頭に激突。
少年の額が酔っ払いの顔面にクリーンヒット。
酔っ払いは車両の反対側までぶっ飛んでいった。

○=3  ○○←○
↑     ↑↑  ↑
酔     少武  女

そうして拙者は気を失った

6武士さん:2009/04/05(日) 16:48:34
第五話 目覚め武士
 
目を開けると…
白い天井が見えた。
起きようとしたら鼻に激痛が走る。
横には先ほどの少年が寝ていた。
普段は打たれ強い拙者なんだが…
なんというか…
効いた。
 
ここはどこでござろう。
見慣れない部屋。
むしろ見たことがない。
木製のデスクに小さなストーブ。
床には小汚い絨毯。
拙者や先ほどの少年はソファーに寝かされていた。
がちゃっ。
頭の上のほうから扉が開くような音がした。

7武士さん:2009/04/05(日) 19:24:37
第六話 学校武士
  
「起きたかのい?」
 
声の主を見る。
背は低めで少しふくよかな中年の男。
髪は白髪で柔らかそうな髭がはえている。
優しそうな男だ。
  
「ここはどこでござるか?」
  
「白川シーサイド駅の駅舎ですよ」
  
おじさんはインクの匂いのする机の近くにある椅子にこしかけた。
頭に酸素が回り。
いろいろと思い出してきた。
   
「ほっほっほ。あの女の子なら君達が起きたら渡してくれと電話番号を置いていきましたよ」
  
おじさんから電話番号の書いた紙を渡された。
携帯の時計を見る。
遅刻ですね。
わかるござる。
拙者は跳ね起き立て掛けてある竹刀袋を持ち部屋を出て行く。
  
「ご老体はどちら様でござるか?」
  
「ほっほっほ。私はこの駅の駅長ですよ」
  
「御意。後ほど改めて礼にくるでござる」
  
そうして拙者は駅舎を後にし。
学校へ走った。
   
「ほっほっほ。毎日始発に乗ってくるだけある。元気な子だ。」

8武士さん:2009/04/06(月) 10:17:36
第七話 授業武士
    
学校の自動ドアを通る。
ドアが開いた瞬間。背中から風が押すような感覚。
なんとも言えない感覚。
今日は桜の花びらのおまけ付きだ。
エレベーターを降り教室に駆け込む。
先生は…まだ来てないでござる。
   
「珍しいな。なんかあっ…どうしたんだその鼻?」
   
朝一で声をかけてきたのは梨澄だ。
 
梨澄 彰俊(ナシズミ アキトシ)
拙者の親友の一人である。
クールガイでござる。
熱い思いを心に秘めているようで冷静に見つめる瞳は女子に人気でござる。
 
「効いたでござる…」
 
それ以上は追求してこなかった。
しかし朝の彼女…
あの拳…
ただ者ではなかった…

9武士さん:2009/04/06(月) 17:00:59
第八話 事件武士
   
「あ・・・コイツ・・・血ぃ流して死んどるでー!!」
   
眠くなる昼下がりの授業中の沈黙を打ち破った。
拙者は教室を飛び出し悲鳴の方へと走った。
すでに現場にはたくさんの野次馬がいる。
野次馬をかき分けると一人の男子生徒が倒れていた。
そしてそこにもう一人。
   
「あやつは誰でござるか?」
  
「彼は我が校が誇る名探偵よ」
   
横にいた学生が誇らしげに言った。

10武士さん:2009/04/06(月) 20:55:31
第九話 解決武士
   
一人の学生がアゴ髭を撫でながら死体を見回す。
その学生こそ名探偵
   
角樹 虎平(ツノキ コヘイ)拙者の隣のクラスの学生でござる。
名探偵であり発明家である。
本人いわく『俺が行くところに事件が起きるんじゃない。事件が俺を呼ぶ』だそうだ。
  
角樹は周りの状況を察して推理を始めた。
   
「これは殺人ではない」
  
「これが自殺だとでも言うのか!?」

野次馬がもっともな発言をする。
   
「彼は、鼻血を出して寝ているだけだ(どーん!!)」
   
「ええええ!!」
   
「彼に何が起こったのかは、もうじきわかるだろう」
   
その後。
拙者のクラスに転入生が来た。

11武士さん:2009/04/07(火) 09:19:32
第十話 転入武士
    
噂が飛び交っていた。
普通転入生は朝来るものだ。
一部では美人が来たと言う。
一部ではブスが来たと言う。
そんな話をしていると先生が入ってきた。
   
「さっき、転入生が来た。おう、入れ。」
    
一人の少年が入ってきた。
ん?少年?
男でござる!!
   
「コンにち〜ワ。ブルーウッド 和馬で〜ス」
   
「和馬君は帰国子女だ」
   
隣のクラスには女子が来たらしい。
授業が終わり廊下に出て窓の外を見ていた。
風が木の形を作り。
鳥が風に乗り飛翔する。
   
「力は、ただ力でしかない」
   
振り向くと見知らぬ少女がいた。
   
「あなたの力は一体なんのためにあるの?」
   
拙者は一瞬その言葉の意味を考えた。
   
「拙者は・・・」
   
そこにはもう彼女はいなかった。

12武士さん:2009/04/07(火) 18:53:06
第十一話 帰宅武士
    
今日はいろいろな事があった。
白川シーサイドホームでボーっとしていた。
朝…朝?
拙者はポケットに手を突っ込んだ。
中からくしゃくしゃになった紙を取り出す。
携帯の電話番号。
今朝の彼女のだ。
電話…するでござるか…
勇気を出してがんばるでこざる拙者!
プルルルルル…ガチャ。
  
「『はいっ』」
   
!?
心臓が高鳴る。
今…横で…
横を振り向くと今朝の少女がいた。

13武士さん:2009/04/07(火) 21:32:42
第十二話 町田武士
    
「「あのっ・・・」」
    
それはほぼ同時であった。
少女は顔を俯き。
拙者も気恥ずかしくなったでござる。
優しい風が頬を掠め髪を揺らす。
    
「今朝は・・・その・・・ごめんなさい」
   
「いや・・・拙者は大丈夫でござる」
   
鼻に当ててあるガーゼをはずして見せた。
特に骨にも異常はなかった。
ただ・・・
この少女。
今朝は感じなかったが・・・
かなりの使い手だ。    
「あれ?今帰りかい?」
   
エスカレーターより梨澄が降りてきた。   
「あ、黒江じゃん」
   
「梨澄?双銃・・・ムグッ」
   
「いや〜久しぶりだな」
    
梨澄が少女の口を塞ぎ会話を打ち切った。
知り合いだったでござるか。
KYでござるよ。

14武士さん:2009/04/07(火) 23:30:43
第十四話 夢武士
   
「せっしゃのゆめはでんしゃのうんてんしゅさんでござる」
    
電車を見るとふと思い出す。
あの頃はよかった。
いや。
あの頃もよかったでござるな。
梨澄と少女。
確か黒江殿とか申したか。
二人は言い争っている。
ふと彼らの後ろのポスターに目をやる。
    
「拙者、用事を思い出したでござる」
    
「お…おう」
    
梨澄達を置いてエスカレーターを駆け上がる。
駅員室につくなり。
    
「頼もう!」
    
そう。
拙者は今日から電車王になるでござる。
     
アルバイト募集
時給850円
詳しくは白川シーサイド駅員室までよろ

15武士さん:2009/04/08(水) 11:40:09
第十四話 拙者で武士
      
小さい頃から電車の運転手に憧れていた。
そして今も変わらないでござる。
駅長室から一人の白髪のおじさんが出てきた。
     
「ほっほっほ。また会いましたね」
     
「ここで働かせて欲しいでござる」
     
「研修は厳しいが君なら大丈夫そうだ。ほっほっほ。」
     
「感謝感激雨霰でござる」
     
「ほっほっほ。ではあなたの名前を教えてください」
     
こうして電車の運転手へと一歩近づいたのであった。

16武士さん:2009/04/09(木) 23:49:56
第十五話 バイトで武士
     
「ちゅーっす」
     
一人の男が駅員室に入ってきた。
拙者よりも背が高く。
強そうでござる。
ちょっぴり色黒でござるな。
    
「ほーっほっほ。彼は三年の小竹君です」
    
小竹殿だ!!
     
小竹 秋人(コタケ アキト)
普段読者をしていてあまりしゃべらないでござるが。
バスケになると人が変わるでござる。
妹がいるらしいが会ったことはないでござる。
    
「駅員は基礎が大事だ」

17武士さん:2009/04/13(月) 14:49:20
第十六話 広告武士
     
とある噂を耳にした。
それはただの広告だった。
もしかしたらバイトをやってなければこの広告に乗せられていたかもしれない。
      
『時給1500円!!あなたも一緒にテロしませんか?自爆料金上乗せ35万』
     
拙者は思った。
死んだら貰えないでござると…

18武士さん:2009/04/17(金) 00:53:12
第十七話 畏怖武士

その夜、夢を見た。

燃え上がる劫火。
崩壊した街。
逃げ惑う人々。
混沌と混乱と狂熱が街中に充満している。
様々な方向から聞こえる叫び声。そして静寂。
まさに地獄絵図という言葉が似合う。

「・・・なんでこんなことになっちまったんだろうな」

誰かがそう言った。
聞き覚えのあるようでないような声。
語りかけているのは誰だろう。
語りかけられているのは誰だろう。

「・・・どこで、間違えちまったんだろうな」

声は確かにこちらに向かって発せられている。
つまり語りかけられているのは拙者。
そのはずだが、しかし―――違和感。
声の方へ振り返ろうとするが体が言うことを聞かない。
音が次第に遠のく。
視界が白く染まっていく。

「・・・次・・・った・・・選・・・は・・・な」

そして拙者は目を覚ました。

19あなたを、犯人です:あなたを、犯人です
あなたを、犯人です

20あなたを、犯人です:あなたを、犯人です
あなたを、犯人です

21あなたを、犯人です:あなたを、犯人です
あなたを、犯人です


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