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【経済】知的好奇心
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1
:2006/03/06(月) 11:18:57 ID:LtSJeOL.
生命保険会社の会社形態その12006/03/05 18:04
理学研究科数学専攻の最大の就職口は生命保険会社である。最近、生保の就活が本格化していて、生保志望の人と就活について話す機会が多い。そこで知ったこと、生保の独特な会社形態について簡単に述べたい。
相互会社とは:「相互会社」と言う会社形態はご存知だろうか?保険業法で保険会社にのみ設立が認められた会社形態であり、(配当を受ける)保険契約者を「社員」とする社団法人である。社員は株式会社における株主に相当する。国内の大手生保会社は大同生命を除いて相互会社である。
相互会社には、保険契約者である社員以外の出資者が存在しないので、社員以外の者に剰余金の分配をする必要性がなく、従って出来る限り安い費用で保険を提供できるという素晴らしいメリットがある。
逆にデメリットは、自己資本充実に関して制約があることである。 相互会社は株式会社と異なり新株発行によって資本調達することはできない。外部の資本を取り込むにしても、資金調達方法が一種の劣後債の発行等に制約されている。
更に、相互会社はコーポレートガバナンスが間接政治的で曖昧な為、経営のチェック機能が弱い。従って、トップマネージメントの独断で経営の方向性が決定付けられてしまうという危険性がある。
相互会社の保険契約:相互会社の(配当を受ける)保険契約者は、 保険契約当事者となると同時に原則として会社所有者となる。つまり、相互会社においては、 保険契約者は、
・保険契約者としての地位
・会社の所有者としての地位
の二つをあわせ持つのである。
時代の変容=自己資本充実の要請:相互会社のデメリットを強調する時代の変化が起こっている。
先ず、1997年に業務停止命令を受けた日産生命の例に喚起される、経営危機を回避する為に生保は自己資本を充実する必要があるのではないか?という疑問に対して答えよう。その為に、ソルベンシーマージン比率の定義を簡単に見てみよう。
・ソルベンシーマージン比率=(ソルベンシーマージン合計額/リスクの合計額×0.5)×100
・ソルベンシーマージン:基金(資本金)、価格変動準備金、危険準備金、貸倒引当金、有価証券含み益、劣後ローンなど。
・リスク:保険リスク、予定利率リスク、資産運用リスク、経営管理リスクなど通常予想できる範囲を超える諸リスクを数値化して算出されるもの。
以上によって定義されるソルベンシーマージン比率は、大災害や株の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「支払余力」を有しているかどうかを判断するための行政監督上の指標の一つである。
200%を超えていると十分な支払い余力を持っていると見なされるが、大手生保の数字は600%〜1000%程で推移しており、異常に高い。従って、大手生保が経営危機に陥る現実性は薄いと言える。そもそも、日産生命が潰れたのはハイリスク・ハイリターンな商品の予定利率を(バブル崩壊によって)達成出来なかった為であり、そのような商品設計をしない大手生保には同じようなリスクは存在しない。(只、日産生命がそのような経営の方向に走ったのは、相互会社であるが故にコーポレートガバナンスが効果的に働いていなかった所為であるかもしれない)
では、自己資本充実を要請する時代の変化とは何であろうか?それは「競争の激化」である。90 年代半ば以降、銀行による年金商品の販売、特定地域の銀行による生命保険商品の販売が容認されるなど伝統的な金融制度の垣根が崩れはじめ、最近では銀行・証券・保険の相互参入をどのようにするかが、金融制度改革の争点ともなっている。業態を超えた競争への対応が生保の緊急の経営課題となってきたわけである。この脅威に対し、少なからぬアメリカの保険株式会社が、顧客サービス力や企業競争力を強化する手段として、M&Aを積極的に活用してきている。
しかし、そのようなことは自己資本の充実があってこそ、可能になるのである。
まとめ:相互会社には株式会社に比して確たるメリットがある。しかし、時代の変化によって、そのデメリットが強調されてきた。さて、どうする?
---------------------------
取り敢えずここまで。次回、どのような方向性にもって行くのかは生保受ける人にとっては見え見えでしょうが、多分書きます。
2
:
1
:2006/03/06(月) 11:19:12 ID:LtSJeOL.
いや〜非常によくまとめてるね〜感心するわ〜
ちなみに「大手生保で相互会社は大同だけ」って書いてあるけど、一般的に大手生保と呼ばれている日系9社の中で株式会社なのは大同・太陽・三井の3社です。
まぁ太陽と三井が本当に大手なのかと言われると微妙だけどね・・・
次回の書き込みを楽しみにしてますぞ!
返信する
2. さく (66) - 2006/03/06 01:06
>まる
ご指摘サンクス。
一見、相互会社では保険契約により「会社の所有権と保険の権利」の2つを得るから株式会社の保険より高くなりそうだけど、「会社の所有権」にミソがあって、総代を介した間接的な所有権なので、金銭的価値が殆ど無いと見なされている。従って、一般的に相互会社の保険契約の方が安くなる?のかな。
相互会社は、株式会社において株主が全て少数の株式しか持っていない状態に似ている。ライブドアとか正にこういう状態で、コーポレートガバナンスが機能せず、ああいうトップマネージメントの暴走を許してしまった訳だけど、相互会社はどうなんでしょ?
疑問は増えるばかり・・・。誰か教えて下さい。
返信する
3. パンダ (15) - 2006/03/06 02:56
続きがあるようだからまってたけど、なんか議論が進んでるので混ぜてもらいます。
相互会社と株式会社の保険料の違いについていいますと、株式会社のほうが保険料が安くなります。
所有権の金銭的価値については聞いた事はないけど、
株式会社は株主からの資本金の厚みがあるので、その分やや安全割増を減らす事ができて、結果保険料が安くなります。
一方、相互会社では資本金という概念が一般に無いので、保険料を安くしすぎて、足りなくなったら一大事です(逆ザヤに発展してしまう)。そこで、安全割増を株式会社よりも多くする事でそれを防ぐ訳です。
では株式会社の方が良いのか?というと、僕の理解では必ずしもそうでないです。
理由は、相互会社は保険料を高くした分、剰余金を配当に当ててるからです。相互会社の保険契約は基本的に有配当保険です。つまり、保険料の額に関わらず、実際の死亡率などの経過による剰余(死亡保険で言うと多く死んだら剰余は少ない、死亡が少なかったら剰余は多い)はすべて契約者に帰すということです。
株式会社で言うと、死亡が多く出た時は資本金から保険金への充当などが起こり、契約者はうれしいですが、そもそも安全割増があるのでまずないです。
一方死亡が少ない時は、余った剰余は一部株主配当に回されてしまいます。
さらに、(あまりないことを願いますが)経営成績を良く見せるために責任準備金を少なめに見積もって短期利益を多く計上することも可能かと思います(たぶん)。
誰のための生命保険か、ということを考えると僕はやっぱり相互会社のほうが好きですね。もっとも0金利が続くようでは『有配当』という言葉はむなしい限りですけど。
ちなみに相互会社の総代会は結構のんきという噂です。見たことないけど。
間違ってたらごめんなさい。
返信する
4. さく (66) - 2006/03/06 03:29
>パンダ
いや〜大変勉強になります。長文ありがとう。
とすると、所有権を無視すると、同じ内容の有配当保険契約を結んだ場合、
株式会社:安全割増が小、配当金が小
相互会社:安全割増が大、配当金が大
となり、配当金を無視すると、株式会社の方が保険料は安くなるが、配当金を考慮した「実質の」保険料は相互会社の方が安くなるということでしょう。(ニッセイのページに相互会社の方が保険料が安いという記述があって、それを肯定すべく解釈しました)
株式会社にして、その会社の株券とセットの生命保険を売れば面白い気もするけど・・・。
まあ、そういう話は次回に書きます。
3
:
1
:2006/03/09(木) 22:23:12 ID:LtSJeOL.
生命保険のセカンダリーマーケット2006/03/09 16:47
というものが米国で注目されているそうです
要はファンドなどの投資主体による生命保険の買取なんだが
もう必要がなくなった生命保険を買い取り
残り期間の掛け金を払ってあげる代わりに
生命保険の契約者が死んだ時に、保険金を受け取るという仕組み
生命保険が必要なくなることってあるの?と疑問に思うかもしれないが
ま〜、子供が自立して、ローンも返済完了、相方に死なれ(生きててもいいんだがw)
預金もまぁまぁあるというような状況なら
生きているうちにまとまった金額を受け取って
晩年を好きのように過ごすのも理にかなったことかなと思う
さらにアメリカでは貯蓄率がマイナスに転じている事情や
セカンドライフの充実を追い求める人の増加も追い風になって
このマーケットを活性化させているのではないかと勝手に考えてる
また、この活性化がさらにサイドビジネスの発展に繋がるわけで
保険契約者と投資家をつなげるブローカー(AIGなど)や
保険契約内容の精査をするコンサルタント(契約者の健康状態などからその余命を算出してくれるw)も増えているようで
このマーケットからはますます目が離せませんな
にしても、株、債権、天然資源、不動産にとどまらず
ほんとにあらゆるものが取引の対象となってきたなと
当時、オプションの存在を知ったときに俺はめちゃくちゃ驚いたものだが(契約を売買すんのかい みたいな)
そのときの気持ちを少し思い出させてくれる一件でした
余談だが、この生命保険を買い取った投資家は
毎日自分のお客さんがくたばることを祈りながら
病院が出す診断結果に一喜一憂していく姿を想像すると
なんとも滑稽であり、アメリカは相変わらずおもろい国だなと改めて感じる
ちなみにイギリスなどの国で
人間のの寿命を賭けの対象にすることなどもあるそうで
「死」への人間のマインドが知らぬうちに変化を遂げているなと感じたのだった
4
:
名無しの機械さん
:2006/04/29(土) 00:17:39 ID:LtSJeOL.
スーパーの食品等も少し高くなっているものもありました。
バーツ高なのにバブルパンチです。
タイ経済に何か変化が起きているのでしょうか?
2749: 名前:キャメル・トウ投稿日:2006/04/27(木) 19:50
主に原油高止まりの影響と思われますが、インフレぎみの傾向もあるようです。
ただそうするとバーツ高騰の理由がわかりにくいですが、、、、、
2750: 名前:渡辺 宅也投稿日:2006/04/27(木) 20:03
そりゃ、タクシンが携帯会社売って、巨額のバーツを入手。
THBじゃ確実に目減りするから、自らの政治力が行使できる間は、バーツ高にして、少しずつ
JPYやUS$に両替しようとしてるからよん。
ホントに少しずつしかできないから(たくさん替えたら、バーツ安くなるっしょ)、当分
バーツ高が続きます。秋から今年いっぱいと予想してます。
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