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【カザプロ限定】本編小説【マチカドシブキ無し】

36夜桜 ニコ丸:2014/01/02(木) 17:52:11 ID:ybUpl2WE
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つなげるぜ

待て待て待て待て、冷静になれ風間秀弥。
コレが夢じゃない?じゃあ目の前のオリンピック最有力候補の腕力を持つ少年は
確かに現実に存在している?
まあコイツの危ない思考回路はオリンピックと言うよりテロリスト向けだが。じゃなくて!!

さて、真面目に考えよう。
どうしたものかなぁ。はっきり言って常識で考えてコイツの頭はかなり危ない。
コイツについていった数日後には刑務所、なんて事だってあるかもしれない。
しかし、断る。帰る。そういったところで「秘密を知られた」などとなったら?
きっと殺される。たった今コイツのパワーは確認した。こいつならきっと数秒で僕を殺せる。
次にいるのは蔵の中じゃなくて大きなお花畑のど真ん中かもしれない。
「はぁぁ・・・」
「いつまでウジウジ考えてんだ。さっさと決めろ。」
決める?
刑務所か、死か?
どうすりゃいいんだよ・・・

ここまで考えて(考えというよりただの愚痴)、僕はふと思い立った。いや、思い出した、というべきか。
こんな言葉は記憶に無い。しかし、この感覚は、よくテスト中に味わう、記憶の底から引っ張り出す感じだ。

この世界はなにか
とてつもなく大きなものの流れによってまわっている
そして、彼らはその流れに決して逆らえない
その流れに逆らうことは「死」を意味するからだ

聞いた記憶なんて無い。でも、確かに今僕はこの言葉を「思い出した」。
そして、必死に逃れようとしていた考えが少しづつ変わってきた。
目の前にいるのはオリンピックレベルの頭が危険な少年。何もかもそんなに得意じゃない僕が勝てる相手じゃない。
ならば、もうこいつに従うほか無いんじゃないか?

大きな向かい風に逆らうことは無意味だ。ちっとも前には進めず、体力は消耗されるばかり。
最後には力尽きて飛ばされてしまう。
だったら不本意でも踵を返して追い風にするしかない。
そして、このとてつもなく大きな流れに身を投じてみる。すると、自分のするべきことは自然に見えてくる。
いつの間にか、僕の頭は「コイツについていく」という結論を出していた。
「慌てず騒がず、逆らわず。でも諦めず、か・・・」
「ん?なんか言ったか?」
すっかり待ちくたびれた、というように大地が話しかけてくる。
「いや」といって僕は立ち上がる。
「お前についていくよ。というか、それしかないだろ。」
そういうと、大地は整った口の口角をほんの少し上げて、「ああ」と言った。


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