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ゆうぐれカフェ

5ねここ ◆WuiwlRRul.:2011/10/23(日) 14:22:07

   (ゆうぐれカフェ 〜羽花side*)

「……羽花さま、可愛らしいお名前ですね!」

 メイドさんが今までの態度はどうしたのか、無邪気な子供らしい笑みを浮かべ胸元で両手を合わせて言う。窓からふいた風にふんわりとなびく髪の毛とワンピースが可愛い。
 あれ?でも…メイドさんは身長も私より低いし、童顔だし……下手したら中学生なんじゃないかってくらい。無邪気なのも当たり前だよね。

「まず始めにカフェの説明を致します。ここはゆうぐれカフェで…主にお客様のご相談に乗ったり雑談したりする場所です。ちなみに私はゆうぐれといいます。よろしくお願いします!」

 無邪気な笑顔を浮かべたまま説明しだす。このとき私は思ったんだ。ゆうぐれカフェなら、本当の幸せを教えてくれるかもって……
 でも今はそんなことよりゆうぐれさんの話しに集中しなきゃ!

「それと、今羽花さまが座っているテーブルと椅子はもう羽花さまの物になりましたので、次カフェにご来店いただいた時はこちらの席に座っていてくださいますか?」
「は、はいっ……!」

 テーブルと椅子がすっごくピカピカで新品だと思ったら、これは今まで私以外誰も座ったことや使ったことがなかったからなんだ……
 私が納得したような、尊敬しているような顔でテーブルを見つめるとゆうぐれさんはくすっと笑い、話しを続けた。

「それでは羽花さま、こちらの紙の記入欄に書き込めることは書いていただけますか?お名前、お誕生日、年齢は必須ですので……」

 私のテーブルにそっと紙をのせると、軽く説明をしてくれた。
 そして紙に記入するためにテーブルに置かれたのは、

「は、羽……?!」

 きっとただの羽じゃなく羽ペンだと思う…なんて考えながらゆうぐれさんを困った瞳で見つめた。
 すると、あわてだしたゆうぐれさんは急いで説明をする。

「ご、ごめんなさい!ええと…このカフェは人間界と魔界の境目にできたカフェなんです。ほら、中から見たら人間界行きと魔界行きに分かれているでしょう?そして、この羽のペンは魔界で昔使われていた物なんです。カフェの雰囲気にあうかと思って取り寄せたのですが…本当にごめんなさい。」

 しゅーんと落ち込むゆうぐれさんがどうしても可愛く見える。
 それより話しは!人間界と魔界に分かれているという驚きの内容だった。

   (ゆうぐれカフェってゆうぐれさんの名前からとってるよね)


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