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《蠱者 マジモン》

1キャプテン:2020/11/11(水) 21:51:27
夜景に灯る工場群の光たち。煙突の煙が空へと帰る。その鉄の建造物たちに囲まれて二人はポツンといた。男性が座り込み女の子を抱えて顔を覗き込む。女の子が瞼を開け、あたりを見渡す。

お兄さん、何で泣いてるの?

女の子の伸ばす手が男性の頬を撫ぜる。男性の涙が頬を伝い女の子の手に触れる。男性のその瞳はいつもの見慣れたものとは違っていた。白目のない単色の、まるで『虫の目』のような…

朝、サッキが目覚めて体をベッドから起こす。
「(アレは確か、昨日の帰り道で…ダメです思い出せません。)」
長い黒髪をゴムで後ろに結び、黒縁の眼鏡をかけて工場の連なる窓の外を眺める。窓にはいつも通りの自分の姿が映る。
「…はあ、よいお出かけ日和ですね。」
残念ながら、窓は雨に濡れていた。

122ノートン:2022/12/25(日) 13:29:34
「ちょっと、お兄さん!?」
気を失ったゴゲットを、サッキは揺さぶった。
「毎度毎度!お決まりみたいに!戦いの度に気を失わないで下さいよっ!取り残される私の身にもなりなさいよ!!」
サッキは何度もゴゲットの顔面を叩くが、ゴゲットの意識は戻ってくる事は無かった。

「私1人でやるしか無い!でもどこにいる!?」
サッキはダンゴムシを出現させる。辺りを見渡しても、怪しい人影は見つからなかった。

その間にも、文字はゆっくりと、だが確実にサッキに近づいていた。

123キャプテン:2022/12/29(木) 09:51:03
サッキが虫達磨の球を両手のひら同士で高速に跳ねさせ、撃ち出す。壁の『文字』に当たるが、ヒビ割れた壁を平たく蠢くばかりだ。
「やはり物理はダメですか…とりあえず。」
サッキが地面に虫達磨を何度も跳ねさせ、それを足場に高さを足していき、教会の屋根へと登る。そして虫達磨を投げ、高速であちこちの壁や天井、床へと跳ねまわらせる。
「(マジモンはどこ?…この高さから見渡しても人一人いません。…虫に探索させても人の感触には当たりません。いったい…パイプ街のどこに?)」

ザザザ…

教会をつたい、『文字』が屋根までくる。
「だいたい、なぜ教会で気絶していた人々は、襲われなかったのですか?目を覚ました男性やお兄さんは襲われて…『目を』…?!」

サッキの足元まで大量の『文字』が迫る。

124ノートン:2023/01/04(水) 19:53:49
「私の考えが正しければ…」
サッキは目を閉じる。

5秒、10秒…時間が経過しても、サッキの体に変化は無かった。
「やはりそうですか。敵の文字は目で見ると攻撃してくる!」

弱点の一端を突いたサッキ。しかし、ピンチである状況に変わりは無かった。
「結局敵本体を叩かなければ状況は変わりません…どうにか突き止めなければ…」

125キャプテン:2023/01/16(月) 08:53:21
アンタ…誰だ?…気絶するゴゲットの姿。

サッキが頭を振る。
「(目を閉ざしたせいで、嫌なことを思い出してしまいます。大丈夫です。お兄さんの記憶は元に戻ります…きっと!!)」…

…「(アトお姉ちゃん大丈夫、モドリできるよ。)」パイプが大量に集合し、繋がった空っぽのタンク内。パイプを通り複数の文字が、中央にいる少女、モドリの持つ『本』へと集まる。
「(教会に避難してた…残りの街人達の記憶も奪い終わったかな。後は仲間の虫を寄生させて、マジモンにすればいい。)」

ズガンッ!!…突如、一つのパイプ通路から球状の物体の残像が飛び出し、モドリの持つ本に当たり、落とさせた。

…外では目を瞑ったサッキがパイプの入口を睨む。
「見つけました。大変でしたが、虫達磨にパイプ内を全て探らせましたよ。」


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