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《蠱者 マジモン》

121キャプテン:2022/12/17(土) 21:26:27
『パイプ街』…『教会』…『ラーメン』…ゴゲットの腕の文字が分裂し、そんな文字が現れる。
「サッキ…ここ、どこだ?何食べたっけ俺?」
「お兄…さん?」
「近づくなサッキ?!この文字は記憶…を…」
ゴゲットの体が増殖する文字に覆われていく。ゴゲットが文字を払ったり、『集蟲力』で攻撃しようとする。だが動く文字は無傷で壁や床、体を平面に蠢くばかりだ。

「…マジモン…本体…を…探さ…。」
ゴゲットが突然、中空を見つめたままボーッとし、瞼を閉じて膝から崩れ落ちた。
「お兄さん!!」
突如、ゴゲットが瞼を開く。
「アンタ…誰だ?」
そしてゴゲットは意識を失った。

122ノートン:2022/12/25(日) 13:29:34
「ちょっと、お兄さん!?」
気を失ったゴゲットを、サッキは揺さぶった。
「毎度毎度!お決まりみたいに!戦いの度に気を失わないで下さいよっ!取り残される私の身にもなりなさいよ!!」
サッキは何度もゴゲットの顔面を叩くが、ゴゲットの意識は戻ってくる事は無かった。

「私1人でやるしか無い!でもどこにいる!?」
サッキはダンゴムシを出現させる。辺りを見渡しても、怪しい人影は見つからなかった。

その間にも、文字はゆっくりと、だが確実にサッキに近づいていた。

123キャプテン:2022/12/29(木) 09:51:03
サッキが虫達磨の球を両手のひら同士で高速に跳ねさせ、撃ち出す。壁の『文字』に当たるが、ヒビ割れた壁を平たく蠢くばかりだ。
「やはり物理はダメですか…とりあえず。」
サッキが地面に虫達磨を何度も跳ねさせ、それを足場に高さを足していき、教会の屋根へと登る。そして虫達磨を投げ、高速であちこちの壁や天井、床へと跳ねまわらせる。
「(マジモンはどこ?…この高さから見渡しても人一人いません。…虫に探索させても人の感触には当たりません。いったい…パイプ街のどこに?)」

ザザザ…

教会をつたい、『文字』が屋根までくる。
「だいたい、なぜ教会で気絶していた人々は、襲われなかったのですか?目を覚ました男性やお兄さんは襲われて…『目を』…?!」

サッキの足元まで大量の『文字』が迫る。

124ノートン:2023/01/04(水) 19:53:49
「私の考えが正しければ…」
サッキは目を閉じる。

5秒、10秒…時間が経過しても、サッキの体に変化は無かった。
「やはりそうですか。敵の文字は目で見ると攻撃してくる!」

弱点の一端を突いたサッキ。しかし、ピンチである状況に変わりは無かった。
「結局敵本体を叩かなければ状況は変わりません…どうにか突き止めなければ…」

125キャプテン:2023/01/16(月) 08:53:21
アンタ…誰だ?…気絶するゴゲットの姿。

サッキが頭を振る。
「(目を閉ざしたせいで、嫌なことを思い出してしまいます。大丈夫です。お兄さんの記憶は元に戻ります…きっと!!)」…

…「(アトお姉ちゃん大丈夫、モドリできるよ。)」パイプが大量に集合し、繋がった空っぽのタンク内。パイプを通り複数の文字が、中央にいる少女、モドリの持つ『本』へと集まる。
「(教会に避難してた…残りの街人達の記憶も奪い終わったかな。後は仲間の虫を寄生させて、マジモンにすればいい。)」

ズガンッ!!…突如、一つのパイプ通路から球状の物体の残像が飛び出し、モドリの持つ本に当たり、落とさせた。

…外では目を瞑ったサッキがパイプの入口を睨む。
「見つけました。大変でしたが、虫達磨にパイプ内を全て探らせましたよ。」


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