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「お薦め −映画」

36渦森六郎:2008/11/29(土) 17:35:06
「みんな、はじめはコドモだった」、僕も観に行きたかったのです。先を越されるとは…。中間テストが終ってから行ってこようかな。

37FK:2008/12/10(水) 22:07:39

[男装の麗人]

 6日夜、放映された歴史ドラマ(?)。数奇な運命をたどった女性・川島芳子の生涯を描く。――とは月並みな言い方だが、歴史にあるいは中国と日本という国に翻弄された女性というかいち人間を描く。私自身はまだそれほど興味を持っていなかったので詳しくは知らない。これを機に、といったところ。
 それはさておき、なぜこのドラマに注目したかというと、ぶっちゃけた話、ということだが、その川島芳子の若い時を黒木メイサが演じているから! [風のガーデン]で初めて見て、その個性にひかれたからだ。結論から言ってこのドラマでの黒木の方が一段と魅力的であった。もちろんそれは露出時間が長いせいもあるのだが、彼女がこのような役柄を好んでいるからかも知れない。

38FK:2008/12/11(木) 23:15:54

2008年12月11日 (木曜) 「七瀬ふたたび」終了

 NHKのドラマ「七瀬ふたたび」が今晩で終わった。「時をかける少女」に続いて筒井康隆の原作を観ることになった。いずれも見終わって心に重いものが残ることとなった。もちろん、いろいろと考えさせられることに。
 「いつまでも(ずっと)友だちでいてくれる?」と七瀬がルリに言うセリフがやはり切ない。案の定、それは伏線で、彼女が瀕死状態になり、しかし助かって、ホッとするまもなく七瀬が実は相手の心の声が聞こえてくることを告白すると、「バケモノ」と罵られてしまうという悲劇。超能力者はどうしてバケモノにされてしまうのか。そんなことが気になった。あとまだ、いろいろあるが、まずは原作を読んでみようかと。
 最後に、やはりヒロインが魅力的だった。そして彼女を取り巻く脇役も。全10回、観てしまった。

39FK:2008/12/19(金) 09:01:11

2008年12月19日 金曜 「風のガーデン」終了

 とうとう「風のガーデン」が終わってしまいました。このドラマが放映される前に、すでに緒形拳は71歳で10月に亡くなってました。私自身は、彼に格別の思いをもってこのドラマを見ることになったわけではありません。気になる脚本家のホンだったからであり、そこに彼がいて、彼の最後の作品を見ることになったということです。
 しかし良かったですね、彼の最後の演技。訥々とゆったりと人生最後を飾るにふさわしいものであったと思います。
 18 :FK:2008/10/09(木) 08:59:24 にも書きましたが、彼の作品ですぐ思い出すのは『砂の器』・『鬼畜』そして『八甲田山』ですね。
 俳優の死が一時代を画すということがあるとしたら、彼の場合もそういえるかも知れないですね。

40FK:2008/12/28(日) 23:44:16

『ブレーブストーリー』(宮部みゆき 角川書店 2003年 \5400)

 ようやく読了。一年がかりで。なんせ1000ページのもの。
 和製ファンタジーというところ。しかしなかなか難しい。
 というのは要するに「魔界」やドラゴンが登場しないわけにはいかないからだ。純粋に(?)日本産のアイテムだけで構築するのは難しいということだろう。
 また別の面から見ると、ワタルの成長物語。人生はかく、あるのだ、と。
 アニメ版で観たほうが早いし分かりよいかも。そのあとこの大部の本に取りかかってもいいかもしれない。

 DVD(アニメ)、本ともに手元にありますので、お貸しできます。

41渦森六郎:2008/12/29(月) 00:53:23
「純粋に(?)日本産のアイテムだけで構築」

そんなファンタジー小説ができたら面白いと思います。僕もちょっと考えてみよう。

42FK:2008/12/29(月) 19:06:03

2008年12月28日 (日曜) [ラースと、その彼女]LARS AND THE REAL GIRL(2007)

 映画評を読んで、観たい映画を決めるのだが、これはその一本。本年最後の映画館での映画鑑賞ということに。
 しかし、「参った」のひと言。こんな映画を作れるアメリカ人というのは実に不可解な人たちだ。あの軍事力や経済力をはじめとして偉そうにしているアメリカが、このような人の優しさをいっぱいに描いた映画を作れるのだから。悔しいけど日本映画にはまず望むべくもない。なぜなら日本社会がそこまで成熟してないからだ。(民主主義ではないから、といってもいいかも。それは飛躍しすぎるとしても、)宗教の社会における役割といった面からも見ることができる。
 心に傷を負った人は、その傷を癒すためには同程度の、あるいはそれ以上の時間とまわりの力添えがなければならない。ラースを取り巻く人たちのあの無限の優しさは、言葉で表現できないほど素晴らしく、ただもう「参った」としか言いようがない。羨ましくもある。
 表面的にはあの実に精巧な「美人」に目を奪われ、あらぬ事を憶測してしまうかもしれないのだが。いやだからこそ、あのラース役のキャラクター、どこまでいってもひたすら真面目な誠実な人柄が、ものを言うのだ。
 またしても涙を禁じ得ない映画であった。DVDが発売されたら、みんなにも是非、観てもらいたい映画だ。


41 :渦森六郎:2008/12/29(月) 「純粋に(?)日本産のアイテムだけで構築」そんなファンタジー小説ができたら−−大いに期待します。『ハリーポッター』に負けないのを頑張って!

43FK:2008/12/30(火) 11:15:04

2008年12月28日 (日曜) [椿三十郎](2007)森田監督版

 夜、テレビ放映されていたものを観る。これは言うまでもなく黒澤明監督のそれのリメーク版。
 結論から言って、残念。黒澤へのオマージュでもあるのかもしれないが、あまりにも黒澤のをなぞりすぎの感。特に三船敏郎ならぬ織田裕二が演じる椿三十郎は、無理があった。三船の真似(というか、演出の問題だが)をせずに織田らしく料理し直してやればよかったと思う。人の真似・物真似はオリジナルにまず、敵わない。
 なお椿三十郎をそれぞれが演じた年齢を調べてみると三船42歳、織田40歳である。若干のずれはあるだろうが。それにしても現実の貫禄の差は如何ともしがたい。その理由はやはり織田が三船をなぞるからだろう。織田のオリジナリティが欲しかった。ただこれは森田芳光監督の指示だったかもしれないので、本人の責に帰するわけにはいかないが。それにしても私はやはりこの監督が合わないということだろう。

2008年12月30日 (火曜)
 本日、深夜10chで 2:19--5:17(実質31日)に放映される映画はお薦めです。私が若い頃一度観たきりの映画ですが。[愛と哀しみのボレロ]です。

44FK:2008/12/30(火) 20:58:59

2008年12月29日 (月曜) [日本沈没]

 こちらもリメーク版。小松左京の原作ははたして読んだのかどうかも忘れたくらい古いもの。ヒロインの柴咲コウがなかなか良かったので、彼女のファンにとってはひろいものだろう。それ以外ではやはりB級映画としか言いようがない。実はこのDVD、定価を大幅に下回って売られていたのだが、それもむべなるかな、であった。

 手元にありますので、お貸しできます。


2008年12月30日 (火曜) [父と暮せば](2004)

 広島の原爆を扱った作品だった(知らなかった)。原作は井上ひさしの戯曲。二人芝居か。宮沢りえが好演、父親役は原田芳雄。
 原爆で生き残ってしまった(!)人たちの苦悩を描いたものといえるか。生き残り、さらに自分だけが幸せになっていっていいのかという自問が、自らを苦しめる。まさにトラウマか。
 それを解消(?)させるのに、亡き父親が亡霊となって(?)登場し、四日間、二人で対話しながらそのトラウマを解消していく、という筋立てなのだろう。原爆を扱った佳品・佳作として推奨したい。

 VHSで手元にありますので、お貸しできます。

45FK:2009/01/01(木) 23:51:29

2009年 1月 1日 (木曜) [どら平太]

 今日のお昼にやってたのを録画。夜、早速観る。市川崑監督・役所広司主演。山本周五郎の短篇『町奉行日記』が原作。やはりカットがあるようで不自然なシークエンスがあり、残念。
 しかしあり得ないファンタジーが、やはり描かれている。そう、やはり山本周五郎なのだ。あと殺陣のシーンはやはり少々、無理っぽいおもむき。それと悪役の三人が義理と人情・義侠心からどら平太に屈服(?)していくというのは、なかなか難しいのでは。
 いまから原作を読んで、そのあたりを。

46FK:2009/01/02(金) 19:02:11

2009年 1月 2日 (金曜) [ウォーリー]

 久しぶりにディズニーのアニメを。予告で観て、なかなか良さそうと思い。ただ、一緒に行く分には振られて、ひとりで鑑賞!
 お正月とはいえ、客の入りはあまり良くない。映画の性質上、子ども連れが目立つ。(ちらっとこの東宝シネマズ西宮OS、つまりガーデンズ内の映画館全体の入りもあまり良くないと、聞こえてきた。真偽の程は分からないが。)そういえば映画のお終いの頃暖房が切られていてか、寒くなってきていた。
 要するにこの[ウォーリー]は是々非々、といったところ。つまり予告で期待したほどではなかったけど、お勉強としては結構、考えさせられる。授業で使えるかな、といったところ。ただ大音響ばかりが続くので、この点は疲れた。
 予告で見に行こうと思わせられたのは、表情のないロボットなのに、いかにも人間らしい表情を表現していたのからであった。あと細かく言えばきりがないが、29世紀のお話しで、地球はもうボロボロ。宇宙船でみんな宇宙空間に待避しているといった設定。いろいろ無理っぽいところもあるが、「現代社会」の勉強にはオーケーか。何より、惹きつけて見せてくれるので。

47FK:2009/01/03(土) 22:54:13

2009年 1月 3日 (土曜) [害虫](2002) HARMFUL INSECT

 テレビの録画。昨年の「篤姫」の宮崎あおい、というところから放映されたのだろう。彼女の15才の時の作品。彼女はすでに4才から子役としてスタートしていたそうだ。13才の中1を同い年の蒼井優とともに演じていた。二人とも今に比べればずっと子どもっぽい。
 正直言ってよく分からない映画であった。現段階では私にその読解力はない。もう一度観たら分かるのかも知れないが、芸術というのは感性の問題で、分からないものはずっと分からないものかもしれない。
 あえてひと言いえば、人間存在というものの不可解さ、か。もっと単純に言えば、思春期の女性の心の遍歴・惑い・不安・悲しみ...といったものの混在か。

48FK:2009/01/05(月) 10:46:03

2009年 1月 4日 (日曜) [K-20 怪人二十面相・伝]

 西宮北口ガーデンズの東宝シネマズで観てきました。「高校生友情プライス」の三人と(笑)
 実はこの映画、事前にいろいろ何を観に行こうかと調べてたときには、はなからオミットしていたのです。ところが、この映画を、ということで指定されたので(?)なかばあきらめ気味で観に行ったわけです。
 ところがところが、どうでしょう。オープニングでいきなり、参ってしまいました。これは凄いことになるな、という予感がしました。そして、そのとおりの展開でした。これは、なかなかの映画でした。スタントもきっちり面白く見せてくれ、松たか子演じるお嬢様も、ありえないけど面白く、一気に最後まで見せてくれました。
 ネタバレしないようにオープニングだけ紹介すれば「臨時ニュースを申し上げます。臨時ニュースを申し上げます。」と、例の1941年・昭和16年12月8日午前6時のラジオの臨時ニュースが流れるのだが、ただ内容は少し現実の歴史とは違っていて、そこからこの怪人二十面相が登場することになるのだ。
 ということで、細かな瑕疵はあるが、授業で使ってみたい気がする。

49FK:2009/01/05(月) 19:47:50

2009年 1月 5日 (月曜) [大菩薩峠](1960)

 昨年、録画しておいたもの。第一部。(第三部完結編まである。)ほぼ半世紀前の市川雷蔵主演の時代物。ニヒルな剣士・机竜之介のお話。原作の小説は、文庫で全20巻に及ぶ中里介山の作品。未完。未読。
 この映画は何より「市川雷蔵」という俳優を見る・知るだけでも価値のある作品か。30代でガンで早世したのが惜しまれる。人間の顔は人それぞれで千差万別。そんな中で魅力的に造形されたいい顔を持っている俳優だと思う。ただ素顔はきわめて平凡であった。

50FK:2009/01/06(火) 22:47:27

2009年 1月 6日 (火曜) [愛と哀しみのボレロ]

 2008年12月31日に放映された映画[愛と哀しみのボレロ]をお薦めでも紹介したが、今夜、ようやく観ることができた。1981年の作品であり、日本封切り直前の試写会で観たのが最初だった。まず懐かしい。
 何と言っても圧巻はラスト10分ほどのジョルジュ・ドンが踊るラベルのボレロ。途中から女声、そして男声とオーケストラの音に声が重なり盛り上がっていく。このシーンを観るだけでもバレエファンには垂涎ものだろう。
 ストーリーは、実は悲しいもの。第二次世界大戦から始まって各地での人間模様・人生模様が描かれていく。戦いが終わって20年。そこまで描かれてきた人たちの子どもたちも含めて映画の主舞台でもあるパリのエッフェル塔が見える場所にユニセフのチャリティーで集まってきて、それぞれが演じ、その関係者たちがそれを見守る。――戦争の悲惨さをまた別の角度から描いたものでもある。戦争反対を声高に言わなくても、それは伝わってくるのだ。

 VHSで手元にありますので、お貸しできます。

51FK:2009/01/07(水) 22:07:49

[おもひでぽろぽろ]

 1991年のアニメであった。脚本・監督は高畑勲で、製作プロデューサーが宮崎駿、スタジオジブリの作品。タエ子の表情や夜のシーンなど、アニメ技術のすごさを見せつけられる。

 主人公のタエ子は27歳。小学校5年に記憶が帰り、そのシーンが現実の大人のタエ子と入れ替われ立ち替わり現れるように映画は展開していく。



 人というのは何かにこだわって生きているものなのだと思う。ひとそれぞれで中身は違うにしても。
 そしてその処理が上手くできないと、いつまでもそれにかかずらってしまって、今、目の前の人生をきちんと送れなくなってしまうのだろう。

 ラストは小学校5年のタエ子と大人のタエ子が列車の中に登場する。もちろん大人のタエ子には小学校5年のタエ子は見えていない。そしてもう見えなくなるのだろう。
 大人のタエ子はようやく脱却していくのだ。それがハッピーエンドなのかどうかは、誰にも分からないが。

52FK:2009/01/11(日) 22:00:06

2009年 1月11日 (日曜) [ぼくの神さま](2000年 米)

 録画したままで観てなかった映画。ナチスドイツを批判し指弾する作品は多いが、この映画も基本的にはそう。ただ宗教、キリスト教とユダヤ教とのからみがあり、ユダヤ人であるから苦しみながらもカトリックを装って子どもだけを生き延びさせようというところから話が始まる。
 ポーランド、1942年。11歳の男の子・ロメックはヴラデックとトロという男兄弟とその両親の家に預けられ、ここでの彼らとの何ヶ月間が描かれている。幼いトロはあたかも十字架に架かったキリストを彷彿とさせるような役割を演じていくのだが、この点が単なるナチス批判の映画と違うところか。
 宗教的な比喩・暗喩などはわからないので、十分にこの映画を理解したことにはならないかもしれないのだが。どんな位置づけになるのか、専門家の意見が欲しいところだ。
 それはともかく、反戦映画としてそれだけでも十分だろう。

53渦森六郎:2009/01/14(水) 23:47:24
『チェ 28歳の革命』

今年はキューバ革命50周年らしい。キューバ革命におけるカストロと並ぶリーダー、チェ・ゲバラを描いた二部作のうちの一つ目だ。
ついに観てきた。この映画の存在を知る少し前から、マイブームが「キューバ革命について調べること」であったので、丁度いいタイミングである。
なかなか良かった。。俳優陣が役にハマっていたし、キューバ革命戦争でゲリラ活動中のチェと、革命後のキューバの大使として国連の会議に出席するチェとをカラーとモノクロの映像で交互に描いてたのが面白かった。理想の革命戦士としてのチェと、政治家としてのチェを対比しているのかもしれない、などと考えてみる。しかしまあ、国連総会でのチェのアメリカ批判は壮快であった。うーん、やはりかっこいい人なのだなあ…などといったことばかり言っていたら、それはなんだかカストロの思うつぼのような気がしないでもない。いかんいかん、疑わねば。英雄ほど、えげつないことをしてるものなのだ。
さて、そんなことを思い、これからも「キューバ革命について調べること」をますます張り切って続けていこうと心に決めつつ、僕は映画館を出たのだった。

54FK:2009/01/17(土) 20:48:36

2009年 1月17日 (土曜) [ロレンツォのオイル/命の詩](1992)

 生徒のAさんからのお薦めで、借りたもの。この題名からして意味不明で、何やら取っつきにくい感じがしたのだが、なんせお薦めだったので。「命の詩」は邦題で付け加えられたもの。
 さて最初のシーンはアフリカで、いよいよもって何が始まるのかと思っていたら、舞台はアメリカは首都ワシントンに移っていよいよメインテーマが始まる。ALD(副腎白質ジストロフィー)と呼ばれる難病に罹った男の子ロレンツォとその両親のお話。実話だということ。
 ひとりでも病気の人がいると、家族のみんなはそれにかかり切りになり実に大変な状況になる。それはお年寄りや小さな子どもの場合もその程度の差はあるが、それぞれに大変だ。この映画の場合は主として両親であるが、その格闘・奮闘ぶりはとてもとても。
 しかし最終的に、親の愛情のなせるわざか、医者ではない素人の彼らが治療への道筋を見つけ出すというわけである。いろいろと考えさせられることはあるが、まずは感じることでいいだろう。そこから各自がどのように行動していくかを考えれば。なお、吹き替えもあったが、英語音声で観た。

55FK:2009/01/22(木) 13:38:30

2009年 1月22日 木曜 [長生き競争!]

 年末にテレビで放映されたものを忘れていて、今日、観た。原作の小説(黒野 伸一 著)の存在すら知らなかった。
 予想以上にジーンときた。何度も涙を誘われた。おそらく小説も脚本もいいのだろう。ベタといえばベタなのかもしれないが、分かっていても見事にのせられて感動させられる。内容が76歳の「お年寄り」たちということもあり、私にはよりなじみやすかった(?)ということかもしれない。
 二十歳の女の子(石原さとみ)が登場して、狂言回しをするわけだが、やはり若さはいいなとまず率直に思ってしまう。もちろん最後にどんでん返しがあるのだが。そして人と人との出会いの摩訶不思議さ・運命的なもの、そんな人生でのあり得べき様々なことが私の胸に迫ってくる。加齢によるものだけとは思わないが。
 そう、人間は生まれ変わり、生まれ変わりして縁のある人たちとの出会い(と別れ)を繰り返していくものなのだ。
 なお演ずる老俳優たちはさすが、というべきなのだろう。うまいものだ。佳い作品だったと思う。

56FK:2009/01/24(土) 19:59:05
2009年 1月24日 (土曜) [誰も守ってくれない] 今日から公開

 期待通りか、それ以上の出来の映画だった。オープニングからしてすごいと思わせられ、あまりのことにこちらの心もぐさぐさにされ、あまりのひどさに涙ぐんでしまうのだった。

 これまで忘れられていた視点なのだろう。加害者側の家族たちのこと。この映画の場合、容疑者は主人公(妹・志田未来)の兄で、あと父・母。この家族がこの少年による殺人事件によって崩壊し、さらに日本社会の陰湿な社会的制裁を受けていくのだ。

 その中にあって容疑者の妹を世間から守っていく、というのをメインに話が展開していく。ネット社会のすさまじさが印象的だ。人間というのは、どこまでも非人間的になれるものだ。もちろんその一方で、人間はやはり人間による優しさや絆(この場合、主として家族ということになる)によって生きていけるのだということを実感させられる。
 佐藤浩市と志田未来の演技が、私たちをぐいぐいとその世界に引っ張っていく。佳作といっていいだろう。

57FK:2009/01/26(月) 23:06:03

2009年 1月26日 (月曜) [そうか、もう君はいないのか]

 2009年1月12日月曜よる9:00放映。出演者は城山三郎に田村正和、奥さん・容子に富司純子というキャスティングで。
 この絶妙な題名にどうしても惹かれて録画、先ほど見終わった。それにしても先立たれるのは辛い。
 ドラマとしては、それほど上出来の部類にはならないかも知れないが、田村も富司も上手いと思う。

 「仕事と伴侶」が大事と息子に言わせているシーンがある。その通りだと思う。人生の必須アイテムだろう。仕事は実は他の何でも人それぞれでいいのだが、伴侶はそれしかないだろう。いずれ別れが来るのは分かっているが、そしてその死別のあとは心の中で生き続けさせていくしかすべはないのだが。

 葬儀というものは、真に悲しみたい人のためのものではないことが、このドラマでもうかがい知れる。逆にこう考えればいいか。つまり、あまりに悲しみを悲しむと人として死んでしまう、廃人と化してしまうおそれがあるので、その気を紛らわせ真に悲しむことを許さないための思いやりの儀式・形式なのだと。ともかく生き残った・残された人々の為のまさにセレモニーなのだろう。

 VHSで手元にありますので、お貸しできます。

58FK:2009/02/03(火) 21:21:05

2009年 2月 3日 (火曜) [ありふれた奇跡]

 毎木曜日夜10時からの連続テレビドラマ。山田太一脚本。
 この題名からして、すごいなーと思わせられる。初めて耳にしたときからずっと今も、考え続けている。この言葉の意味を。
 なんせ「奇跡」というのはそう簡単にあるものではなく、人生においてもそうそう出会えるものではない。その「奇跡」をつかまえて「ありふれた」とするのだから、これは一体何なのだ! といったところだ。
 私たちの日常は、すべて偶然のように見えることの連続であるとも言える。しかし、実はそれらはすべて必然なのだ。そう、必然なのだ。ただそこにほんの少し偶然が混じっているために必然だということを忘れてしまっているのだ。
 奇跡もそうだろう。毎日のことは実は奇跡的なすごいことの連続なのに、それと気付かずに当たり前のこと・あって当然のこととして看過しているのだ。つまり「ありふれた」こととして、その重大性や奇跡的であること気がつかないのだ。
 [ありふれた奇跡]は、日常生活の中の奇跡を私たちに示唆してくれるのだ。

 VHSで手元にありますので、お貸しできます。

59渦森六郎:2009/02/11(水) 21:40:13
『チェ 39歳別れの手紙』

何かを変える、ということは難しい。なかなか理解もされないもので。
さて、「28歳の革命」に続いて観てきた。チェという人は、おそろしく不器用な人なのだった。本気でラテンアメリカ全土の革命を目指して、自分でわざわざ過酷なボリビアのジャングルに出かけて、うまくいかなくなって、結局殺された。自他ともに認める夢想家なのだった。
映画としては、僕は前作より良かったと思う。終始、静かな悲壮感と迫力に満ちていた。

60FK:2009/02/12(木) 20:51:25

『チェ 28歳の革命』『チェ 39歳別れの手紙』 http://che.gyao.jp/

 観たい気がする。しかし、しんどそう。しかし、観ておかねばならないような。
 どうせなら、二本を同時に続けて観れたらいいのに、と。湊川公園のパル・シネマあたりだったらやるかもしれない。それまで待つか。

61FK:2009/02/19(木) 20:43:46

2009年 2月19日 (木曜) ブラック・ビューティー/黒馬物語(1994) BLACK BEAUTY

 日本では未公開の映画をDVDで、準備室で観る。観客三名。
 馬好きのAさんのお薦め。たしかに生き生きと走る躍動する馬の姿は美しい!
 ストーリーは19世紀末のイギリスでのお話し。イギリス社会というものを垣間見ることが出来る。
 内容は感動もの! 実に人間と馬とは相性の良い仲間同士なのだと思わせられる。そういえば犬もそうか。そして「犬馬の労」という言葉もあったな、と。

62FK:2009/02/23(月) 21:38:25

2009年 2月23日 (月曜) 新しく入手したDVD

 [百万円と苦虫女]、[レインマン]、[虹の女神」−− 手元にありますので、お貸しできます。

 まもなく入手−−[蟲師]、[ミヨリの森]

 あとの入手予定は[おくりびと]は3/20頃、[火垂るの墓]は3月末、[きみの友だち]は4月初め、[イキガミ]は4/25頃。

63FK:2009/03/03(火) 22:27:39

2009年 3月 3日 (火曜) [ミヨリの森]

 漫画原作のアニメ。主人公のミヨリの声を蒼井優がやってるというところから、この映画に着目。たまたまこのDVDが50%引きで販売されていたので、ラッキーとばかりに購入。蒼井優の声だけ、ってのもなかなか良かったですよ。
 内容は自然破壊(ダム開発)に対する子どもたちや森の精霊(?)たちの抵抗とでもいえるのかな、そんなお話しに現代的な話題、両親の不和・離婚や学校でのいじめ、恋愛の失敗による自殺などが。また授業で紹介できるかも。

 漫画(全3冊)もDVDもお貸しできます。

64FK:2009/03/04(水) 22:54:09

2009年 3月 4日 (水曜) [座頭市物語](1962年 大映)

 勝新太郎の代表作として有名なシリーズの第1作。モノクロ。96分。
 あらかじめおことわりの言葉があったが、現在では使用できない用語がいくつか出てくる。差別に関する言葉だが、実は主人公に差別されるもののつらさを吐露させるシーンがあり、これは授業で使えるというか、勉強になる教材になるなと思った。
 時代劇は白黒にかぎるなー、と思わせられる。丁寧に作られている。なおこのシリーズは第26作まであるとのこと。人気があった理由が少しわかったような気がする。公開時、私は小学校6年くらいだから、その時は観ることはなかったと思う。今にして、というわけだ。

2009年 3月 4日 (水曜) [亀は意外と速く泳ぐ](2005)

 蒼井優がお目当て。テレビで放映されていたのを録画したもの。主演は上野樹里。
 内容は、何と言っていいのか分かんないようなもの、私には。とりあえず授業には使えないけど、蒼井優が面白いので。以上。

 DVDにダビングしましたので、お貸しできます。

65FK:2009/03/11(水) 22:37:09

2009年 3月11日 (水曜) [続・座頭市物語]

 先週に続き、第二作。京都テレビ。感想は先週同様で、しっかりしたカメラワークで作られているな、と。また音楽もなかなか格好良い! 斎藤一郎という人。
 だんだんと面白くなってきて、次の作品を観たくなってきた。昔のは良かった!

66FK:2009/03/16(月) 20:53:05

2009年 3月16日 (月曜) [チェンジリング](2008) CHANGELING 142分

 クリント・イーストウッド監督の作品。映画評を読んで観に行くことに決めたもの。久しぶりの洋画。半信半疑であったが、これまた凄い作品であった。DVD買って、授業でも観てもらいたいくらい。やや長尺ではあるが。
 題名の「チェンジリング」はぼんやりと今はやりの「チェンジ」に関係することくらいだろうと思うだけで、調べもせずに映画を観た。観てあらためて疑問が湧いてきて帰ってから調べてみた。いろんな含意があるようだが、例えば「取り替え子」。接尾語の「ling」は人、たとえば愛しい人のことをダーリンdarlingというような。
 内容としてはありふれた題材なのかもしれないが(子どもの行方不明事件)、いろいろなことを考えさせてくれる結構ハードな映画であった。母親の愛情・父親の無責任、警察や政治家とその権力行使、精神病院と精神科医の果たす役割(治安維持的側面)、キリスト教会や市民の民主主義的な思考と逞しい行動力、死刑という刑罰の是非(絞首刑のシーンがある)等々。
 何からでも勉強になることがあるだろう。なお時代は1930年前後であり、当時の女性の服装と帽子に特色が見られて興味深い。主役を演じるアンジェリーナ・ジョリー(母親クリスティン・コリンズ役)とがっちりした脇役によって良い映画になっていると思う。観ておいていい映画だろう。

67mlk:2009/03/17(火) 10:12:03
>>66
久々の書き込みです!
チェンジリング私も見ました。
最初は「怖い話系かな〜」と軽い気持ちで友達と見に行ったら、予想外に重たい映画でしたね;(しかもハッピーエンドじゃない…)
これが実際に起きた事件だと知ってビックリし、見終わってから自分で色々調べてみましたが、実際の事件は映画よりも残酷だったみたいでなんだかショック受けました。。
でもいい映画だと思います!

68FK:2009/03/17(火) 13:36:47

2009年 3月17日 (火曜) [チーム・バチスタの栄光]

 先だってテレビから録画しておいたものを観た。早速、あれっと思ったのは女性主人公がいる! つまり田口公平が田口公子に変身、ならぬ設定替えをされていて驚いた。やはり映画的にはこれが面白いのだろう。
 心臓手術のシーンはあまり眺めていたくはないが、本物らしく描かれているのだろう。白鳥がキザっぽく描かれているのも仕方がないか。女・田口は小説の主人公である男・田口に似るようにとぼけた・抜けた感じに演出してあるようだ。
 ま、医療を話題にしたミステリーという娯楽作品として楽しめるか。

69FK:2009/03/17(火) 23:14:18

2009年 3月17日 (火曜) [おくりびと]

 今日、DVDが到着、早速、観た。なるほど。やはり人の死は厳粛であり、その前には私たちは口を閉ざすしかない。
 人の死、それはすなわち生きるとは、との問いでもある。人の死に関わる仕事が不浄とされる理不尽さ。はっきり言って差別の存在。母と子・母と息子、父と子・父と息子との葛藤・相克。夫婦の愛情。性同一障害の本人と家族の大変さ。といったテーマも含まれている。
 死んでしまえば終わり、だからさっさと・とっとと遺体を棺桶に入れ、火葬してしまえばいい。そんな考え方もあるだろう。しかし残された者からすれば、死に化粧を施された美しい姿で葬られていくことが幸せなのだ。物理的に処理すればいいというものではないわけだ。
 そのように考えていく、この仕事の大切さが分かろうというものだ。こんな仕事をする人たちがいることすら知らなかった。

 DVD、お貸しできます。

70FK:2009/03/19(木) 21:50:53

2009年 3月19日 (木曜) [蟲師]

 原作は全10巻の漫画。それを映画化したもの。不思議な世界・想像上の世界を具象化している。漫画の第1巻を読んだだけで、これは何かあると予感させるものがあった。切っ掛けは例によって蒼井優が出演しているところからなのだが(笑)
 精神世界のことを私たちに分かりやすくするためには、何らかの具象化が必要なわけだが、仏教なら仏像として具象化するように。それがここでは「蟲」(むし)であったりするわけだ。日本と日本人精神世界を探る試みと言ってもいいのかも知れない。
 ともかく、まず観てみることだろう。そして考えること。

 DVD、お貸しできます。


2009年 3月19日 (木曜) [白昼堂々](1968年)

 こちらは渥美清に惹かれて購入した中古ビデオ。監督は野村芳太郎。知ってる俳優としては、倍賞千恵子・藤岡琢也・有島一郎・田中邦衛・フランキー堺。
 ゲラゲラと楽天的に笑える作品ではなく、きわめて社会派的な作品と言えよう。戦後の日本の経済復興をになってきた石炭産業が斜陽化し、庶民の仕事が奪われ社会から排除されていく。そんな中でのやむを得ない生きるための生業がスリなのであった。
 結末もハッピーエンドになりようがないのだか、拘置所で看守からタバコをすってみんなで吸うシーンで終わっている。これが精一杯だったろう。

 VHSで手元にありますので、お貸しできます。

71FK:2009/03/20(金) 20:22:46

2009年 3月20日 (金曜) クロード・ルルーシュ[男と女]

 彼の代表作[男と女]はすでにVHSで持っていたが、先だってDVDでも見つけ購入。
 この作品は1966年のものだが、その37年後のインタビューというものを今日観た(DVDを買った理由)。いくつかなるほどと思うことがあった。将来、この方面を目指す人は知っておくといいだろう。
 まず、俳優に脚本は読ませない・見せない。いきなり最後までのストーリーを教えてしまうようなことはしてはいけないと言うのだ。次にカメラリハーサルもしないということ。俳優の演技は最初のものが新鮮でいいものだから、リハーサルをして繰り返しているとダメだというわけだ。一度で撮っていく。どうしても二度三度と撮るなら、撮る角度を変えるとのこと。
 もう一つ、カメラというか撮影は自らやるということ。臨機応変にその時のベストを撮るためには自分で撮るのが良いということだ。たしかに私もこれまでそんな疑問は感じていた。つまり監督というのは自ら撮らないことによりカメラマンに分からせるためにリハーサルを何度かしなければならないことにもなるし、また突発的な良い演技を落とさずに写し取ることも難しい。監督自らが撮るのがベスト、というわけだ。
 あと撮影シーンのメイキングを観ていると、照明にも気をつかっているのが分かる。最近のはというか、黒澤の映画を念頭に置いているのだが、他の映画ではどうも光の扱い方に無頓着なようで気になる。

 別に主役の女優アネーク・エーメのインタビューもあったが、彼女は監督に最初に出会ったときの第一印象が大事だ、と。それが良ければ映画の内容は問わず出演する、と。ファースト・インプレッションですべては決まる。これは私たちもふだん経験するところだ。授業での最初の出会いとか。

 VHS・DVD、ともにお貸しできます。

72FK:2009/03/21(土) 13:38:41

2009年 3月21日 (土曜) [男と女]/2

 今日は本編を観た。大昔に観たきりなので、こんなシーンがあったのか、との思いや懐かしさをいっぱい感じながら観たのだった。フランシス・レイの音楽とともに不朽の名作である。
 そうかハッピーエンドだったのか。ずいぶん前に観たわけで、すっかり忘れていた。カラーとモノクロが入り交じっているのだが、実は予算の関係からとのこと。基本的に室内はモノクロ、外がカラー。
 それにしても俳優というのは、眼の力が大きいとあらためて思わせられる。この女優アネーク・エーメの眼がすごい。そういえば柳楽優弥([誰も知らない])も黒木メイサもそうだ。しかし実は俳優に限らずひとってのは、やはり「目は口ほどにものを言う」というか、そのひとの魅力のほとんどは「眼」がになっているのだなと気がつかされた。

73FK:2009/03/24(火) 21:54:06

2009年 3月24日 (火曜) [フライ,ダディ,フライ]

 エーーっとしか言いようがない! ホント、何でーーっとか、どうしてーーっとかの声が出てしまう。――見終わった時の率直な感想。
 さらにHPでこの映画の作品情報を検索してさらに驚いた。なんと脚本は原作者(原作は小説)! あんなにも素晴らしい! 小説がどうしてこんな映画に堕してしまうのか、と嘆息していたのだが。そして脚本家は辛いよな、原作の小説が良すぎるんだ、と思っていたらなんと脚本が原作者によるものとは! 一体どうなってんだ。原作小説の良さはどこにいったんだ、と憤慨するばかり。
 最近観た映画で、ここまで期待して観た映画はないのに! あまりの落差にますます憤慨するばかり。(映画を先に観ておけば良かったのかも?!)
 いろいろあるけど、私が期待した授業に、というのは、主人公の在日朝鮮人のこと。このことがあまり触れられず、この小説の良さの一つが失われているということ。もちろん、おそらく映画化に際して、激しいメッセージは嫌われたからかもしれない可能性があるのだが。つまり商業ベースにそのようなことはマイナスになるから。
 ま、ともあれ、一度ご覧あれ。DVD、お貸ししますので。

74FK:2009/03/27(金) 21:35:12

2009年 3月27日 (金曜) [火垂るの墓]

 DVD [火垂るの墓]が到着しました。夏の映画が今ごろ発売というのは、季節感がずれててちょっときついかも。売れるのかな?

 DVD、お貸しできます。

75FK:2009/03/27(金) 22:07:32

2009年 3月27日 (金曜) [ジョーズ](1975年)

 スピルバーグの出世作[ジョーズ]を準備室で、来てくれた二人と一緒に観ました。先だって放映されていたものの録画。大昔に観たものでかなり忘れていた。思い出すシーンもあれば初めて観るようなシーンもあった次第。
 映像だけだときれいな海のシーンが、ジョン・ウィリアムズの音楽のおかげでドキドキする危険海域に変身するわけで、あらためて音楽の凄さを思う。
 今から見れば、鮫がやや作り物っぽいなとは思いましたが、今でも十分、新鮮さがあると思いました。一度は観ておくといい映画でしょうか。
 なおこの後、シリーズ第4作まであるのだが、私は観ていません。どうなのでしょう?

76FK:2009/04/01(水) 22:09:21

2009年 4月 1日 (水曜) [きみの友だち]

 DVD [きみの友だち]が到着しました。去年観た映画が今ごろ発売というのは、感動が薄れてしまってて売れるのかなと心配になる?

 DVD、お貸しできます。

77FK:2009/04/03(金) 20:33:33

2009年 4月 3日 (金曜) [犬と私の10の約束](2008)

 テレビで放映されていたもの。さほど期待していたわけではないが、その「10の約束」が面白いなと、新聞広告で見たときに思った。
 細切れでビデオを観たのだが(もともとテレビ用にカットされているはずだが)、なかなかベタでも泣かせるな、案外いいな、と思った次第。やはり動物と子役!

 DVDに録画してありますので、お貸しできます。

78FK:2009/04/14(火) 21:59:37

2009/4/14(火)[キャッチ ア ウェーブ]

 どんなものかと録画しておいた映画。それを何回か細切れで観、今日見終えた。加藤ローサは何度か見ているのでおなじみ。若者がサーフィンにあこがれ、と同時に女の子に恋して、といった青春もの。ま、軽く楽しんだらいいのだろう。難しいことは言わずに。

79FK:2009/04/18(土) 18:27:04

2009年 4月18日 (土曜) [スラムドッグ$ミリオネア]

 言わずと知れた今年のアカデミー賞受賞作品。どんなもんだろう、と思いつつ横目でにらんでいたが、どの評を見ても「観るべし」といったところなので、ついに屈して(笑)観てきました。

 まあまあ、そのド迫力! その凄さ、いやスッゴサ!! もう度肝を抜かれました。これこそが映画なのだと思わせられました(錯覚としても)。もう、もう是非この映画は観に行くべきです、と絶叫調になってしまいます(笑) 授業ででも見せてあげたい、と。

 映画には淡々とじっくり良い映画だなと思わせられるものもあれば、そう最近では[ラースとその彼女]なんかですね、この[スラムドッグ$ミリオネア]のように圧倒的な映像(カメラアングルの新鮮さ・凄さ)、圧倒的な音楽、そしてあまりに苛酷なインドの現実が、私たちを二時間、めいっぱい惹きつけます。喉が渇いても飲み物を口にすることも忘れ、あくびをすることもなく(笑)、横にいる人のことも忘れ(笑)スクリーンをひたすら見続けました。

 映画というものはこんなにもすごい力を持っているのだと、あらためて思わせられました。そして日本の映画に比し、世界の映画というのはすごいところまでいっているのだな、と。そう、[おくりびと]も吹っ飛んでしまいますね。(もちろん、これにはこれの良さもありますが、B級かな、もしくはA’かな。)

80渦森六郎:2009/04/18(土) 19:49:16
『フィッシュストーリー』

FK氏大絶賛の「スラムドッグ…」は、まだ観ていないけれども、どうも今から紹介する映画は「スラムドッグ…」の前では吹き飛ばされそうな予感がしなくもないけれども、とりあえず書く。
原作は伊坂幸太郎の同名小説。
ストーリーは説明しづらいのだけれども、つまり、30年以上前に売れないバンドが発表していた幻の曲が巡り巡って、あげくの果てに世界を救う、という話。申しわけない、わかりづらくて。ただ、あんまり書いてしまうと観る時に楽しみがなくなってしまいそうなので。
地味だけど、荒唐無稽でもあり、でも計算されてて、ちゃんとオチがついてて、たのしかった。

81FK:2009/04/22(水) 22:46:07

2009年 4月22日 (水曜) [ジャンヌ・ダルク](1999) THE MESSENGER: THE STORY OF JOAN OF ARC

 ダスティン・ホフマンが出演している映画をこのところ続けて観ているが、その一本で、しかもいずれ世界史の授業でみんなに観てもらうかもしれないので、その準備としてもなのだが、観た。
 長い。157分。基本的に暗い。15世紀の人物というか、最終的に19歳で火刑に処されるジャンヌ・ダルクの短い生涯を描いたもの。キリスト教、英仏間の戦争、政治家や軍人・司祭などのキーワードで勉強することになるか。いろいろ考えさせられるが、一つだけ。やはりジャンヌ・ダルクがかわいそう、と。もちろん、もしかしたら本人は幸せな気持ちの中に死んでいったのかも知れないが。
 キリスト教のことが分からないと、この映画を本当に理解したことにはならないような気がする。それは永遠に不可能だろうが。

82FK:2009/04/27(月) 19:25:34

2009年 4月27日 (月曜)

[イキガミ]、本日入手。手元にありますので、お貸しできます。

83FK:2009/05/06(水) 15:00:04

2009年 5月 6日 (水曜) [名探偵コナン 漆黒の追跡者(チェイサー)]

 劇場版を初めて映画館で観た。やはり大画面と大音響は迫力があり、一年遅れ(?)で小さなテレビでちまちまと観ているのとは大違い。ただテレビ版ともマンガ版とも絵が少し違うのはよくあることか。また脚本的にそれってどうなの、というところもあるが、それを言うのは野暮というもの。コナンになりきって(笑)純粋に! 楽しむのが一番。
 ということで、楽しんできました。

84FK:2009/05/13(水) 20:07:24

2009年 5月13日 (水曜) [トロイ]

 [トロイ]はブラッド・ピット主演の2004年のアメリカ映画。163分。
 伝説上のトロイ戦争を扱ったもの。トロイの木馬でも有名。今から3200年ほど前の歴史の勉強に参考になればと思い。
 服装や武器・戦い方などの時代考証が為されていると信じて、授業で観てもらうために。
 それにしても戦いというのは実に残酷なものだ。正視に耐えないのだが、がんばって観てもらうしかない。これが人間の歴史なのだから。

 VHS・DVD、ともにお貸しできます。ただし、日本語吹き替え版。

85FK:2009/05/24(日) 22:25:30

2009年 5月24日 (日曜) [恋におちたシェイクスピア]SHAKESPEARE IN LOVE 1998年

 ビデオ。名前だけは知っていて観る機会のなかった映画。もう10年前のものとなっていた。コメディタッチのラブストーリーといったところか。
 恋はある意味相手を選ばないものだけど、本当にそこまでシェイクスピアがご立派な人で恋される人だったかどうかは、同じ男性として疑問を呈しておきたいところ(笑)
 でも女性、アカデミー賞主演女優賞をとっているわけですが、たしかに良い。魅力的だ。やはり私は女性が良い演技をしている映画の方がいいですね。
 あと16世紀のイギリスの劇場のことがわかって興味深い。日本の江戸時代のそれと似ているような気がする。まず場所としては狭くてまさしく言葉通りのかぶりつきもそれと理解できる。1階の舞台のすぐ前の観客席は土の床で(まさしくグランド・フロア)客は立ったまま、つまり立ち見席。だからイギリスでは1階のことをグランド・フロアと呼び、2階がファースト・フロアという言い方になるのかな、と思った。
 あと女性が出演できないというのも共通している。日本では野郎歌舞伎だが、あちらでも男が女役を、ということ。やはり風紀紊乱てなことの理由のようだ。権力からしたら劇というのは劇薬にもなりうるからなのか?!

86FK:2009/05/29(金) 22:37:48

2009年 5月29日 (金曜) [地上(ここ)より永遠に](1953) FROM HERE TO ETERNITY

 なんともすごい題名の映画。だから私でもこの映画の存在だけは知っていた。初めて今夜DVDで観た次第。モノクロ。アカデミー賞受賞作品でもあるが、ま、私からすればB級映画か。
 1941年のハワイが舞台。アメリカ陸軍の宣伝映画の趣きもある。ラスト10分くらいのところで、日本軍による真珠湾攻撃がある。
 観ていて気になるのは、やたらタバコを吸うこと。昔の映画ほどそのようで、もしかしたら煙草会社が映画制作にかんでいるのかとも思う。脚本的にいくつかそうかなと思うところも私的にはあるが、基本は娯楽、エンタテーメントだから、そうめくじらたてずに楽しめばいいのかもしれない。それなりに人生の勉強にもなることだし。
 なお何が永遠なのかは観る人によって違うだろう。愛なのか、軍隊なのか、国家なのか。そもそも永遠なんて可能なことだろうか、とか。やはり小うるさく考えてしまう。

87FK:2009/06/05(金) 17:51:39

2009年 6月 5日 (金曜) [ティファニーで朝食を] BREAKFAST AT TIFFANY'S (1961年)

 言うまでもなくオードリー・ヘプバーンの作品。監督はブレイク・エドワーズ、原作はトルーマン・カポーティ。音楽はヘンリー・マンシーニであり、挿入歌「ムーン・リバー」があまりにも有名。
 これまで有名な宝石店ティファニーのお店の前で彼女がパンを食べるシーンは観たことがあるにはあったのだが。実際はコーヒー(だろう)も飲んでいた。そして後半で実際にお店の中にお客として入っていくシーンも。その時の応対した男性店員は、もちろん俳優であろうが、そんなことからこのお店が日本ででも有名になったのだろう。
 内容はいろいろあるが、ネコが出てくるのと、月並みだが男女の愛情についてのやりとりではフムフムと思わせられる。単語としては 「belong to」何々と言っていたようだが、人間というのは相手やまわりの人との関係性の中で生きているのであるから、そのなかで帰属するというか、属する、あるいは服属する的なことも大なり小なりはあるものだ。それらをすべて否定していては生きていけない。彼らにあっては、それは愛しあっていけない、ともに生活していけない、ということになるか。
 B級映画であったとしても、私はオードリの魅力と、ネコの役者ぶりと、音楽と題名の素晴らしさで、後のことはもうすべて捨て去っても、それでいいなと思ってしまう。そんな映画であった。

88FK:2009/06/06(土) 23:00:03

2009年 6月 6日 (土曜) [長い長い殺人](2007年)

 宮部みゆきの原作。宮部は好きなので全部読んでいる。もっともSFっぽいものは、苦手なのだが。映画としてはまずまずのものか。
 さて、この[長い長い殺人]、趣向が面白いというか奇抜。つまり登場人物の持っている財布が「語る」のである。たしかに財布というのは、それを持つ人と常に行動をともにし、ある意味すべてをお見通しなわけだ。その口(?)からしゃべらせるというのは、なかなかのもの。もしかしたら世界のミステリーにはすでにそんな例があるのかも知れないが。
 俳優では、「キャットストリート」の谷村美月、「怪人二十面相伝」の仲村トオルが出ていて懐かしかった(?)
 原作はどうだったか、また読み返してみたい。

89渦森六郎:2009/06/13(土) 15:39:56
『グラン・トリノ』

前々から行きたいと思っていて、ついに観てきた。クリント・イーストウッド監督、主演の最新作だ。
主人公は、朝鮮戦争帰りの元兵士の老人。妻に先立たれ、息子夫婦からは煙たがられる、孤独で偏屈なじいさんである。そんな彼が、ある日、不良グループにからまれていた隣家の姉弟を助ける。この姉弟は、タイや中国あたりに住む、モン族という部族の出身。そして、老人と姉弟の交流がはじまるのだが…。

もう、とにかく観てくれ!としか言いようがない。イーストウッドさん、すごい。こういうことができてしまうのが、アメリカ映画の良い所なんだろうな、と思う。元兵士の老人や、モン族という部族が抱える血なまぐさい歴史的な背景なんかも、しっかりと織り込まれていて、でも過剰になっていない。この映画に登場する何もかもに意味があり、それらが絶妙なバランスで動いている。
まあ、書くのはこのくらいにしておこう。こんな紹介文読んでるより、何も言わずに観たほうが早い。こういう作品を自分の手で創って、世に送り出すことができるのなら、僕は悪魔とだって取引してもいいとさえ思ったのだった。

90FK:2009/06/13(土) 21:50:14

2009年 6月13日 (土曜) [グラン・トリノ]

 観に行こうと思っていたのですが、逃してしまった映画です。そこまで言われると、観に行かないわけにはいきませんね(笑)
 クリント・イーストウッド監督といえば、[チェンジリング]のDVDが7月に出るようです、購入予定。

91FK:2009/07/18(土) 16:01:33

2009/7/18(土)[シェルブールの雨傘]

 調べてみると1973年に観ている。もちろん映画館で。今回はその懐かしいのをDVDで。
 やはり、こんなのだったのか、との思いをする箇所が幾つもある。というかほとんど覚えてなかったという方が正確だろう。
 くどくどしたシーンは少なく、さっさと場面を切り替えていく。テンポが良いということか。結ばれなかった恋人との再会のラストシーンぐらいもっと情緒纒綿とやってくれてもよさそうなものなのに、と思うくらいあっさりしている。あの有名なメロディラインがやや大きめに流されていたのが救いか。

 全編、音楽に乗せてセリフが語られるという形式は、新鮮であり面白かったことを、今でも思い出す。主演のドヌーブが思っていたほどには、この映画では美人ではなかったことにも気付かされた。少々、落胆した次第(?) 最初は16歳の少女役でスタートし、ラストの再会の場面でも22歳くらいの人妻の役なのだが、当時彼女の実年齢は18歳くらい。そんなこともあるかもしれない。
 いずれにせよ、青春時代に感動して観た映画。それを三十数年後に観るのだ。最初の感動がそのまま残っている方が不思議なのだ。
 遠い昔、ラストシーンは、おそらく涙いっぱいに観たことだろう。23歳だった。

 DVD、お貸しできます。

92FK:2009/08/10(月) 23:21:44

2009年 8月10日 (月曜) [最後の赤紙配達人]

 今夜、9時からのドラマ[最後の赤紙配達人]をいま見終わった。どんなものか一応チェックしておこうという程度で観だしたのだが、良くできた作品であった。
 主人公の25歳から40歳までを吉岡秀隆が演じており、いい感じであった。ドラマの合間に実写フィルムや、村人のそれぞれの今や、亡き人の残された家族たちが登場して効果的であった。そしてなんと、最後の最後に、この主人公西邑(にしむら)氏104歳が登場するのだ!
 ドラマでは召集に関する資料を燃やせと言われてやや悩むシーンが描かれているが、最後の本人へのインタビューでは確信的に残さねば、という姿勢であったことがうかがえた。大したものだ。大した人がいたものだ。内容は悲惨でしんどいのだが、見終わってさわやかでもあった。ぜひ授業で使いたいが、録画できていない、残念(別の番組とバッティングしていたので)。

93FK:2009/08/29(土) 21:10:54

2009/8/29(土)[明日への遺言」

 大岡昇平の『ながい旅』を原作とする映画。蒼井優もチョイ役で。
 原作は未読なので、映画だけの感想になる。内容的には良くて、戦争に反対する映画の一つとして位置づけられる佳作であろう。
 市ヶ谷でのA級戦犯の裁判に比べ、ややかげに隠れた感のある横浜でのBC級戦犯裁判であった。米軍による無差別爆弾攻撃とそれを実行した兵の扱い。すなわち捕虜になるのか、戦犯になるのか。そんなやりとりが展開されていくさまは、丁々発止の裁判ものをみる思いであった。ただあくまでも「政治的」ではあるが。

 軍人・中将である岡田資(たすく)のセリフは必ずしも分かりよいものではなく、若い人たちに、あるいは戦争についての知識をあまり持たない場合、その専門用語になんら解説はない訳なので、分かりよいとはいいにくい。
 多くの司令官など軍人の中での高官たちが、その責任を回避すべく自己弁護と部下への責任転嫁をしていく中で、そのあまりにまともな責任を取る、という行動をとった彼がぎゃくに脚光を浴びるのだ。もしそうだとしたら、何とも悲しい話しではある。

 主人公には藤田まことがキャスティングされている。熱演なのだろうが、不満もある。まず年齢だ。この裁判時、中将・岡田は58歳、そして絞首刑は59歳である。つまり俳優・藤田は歳がいきすぎているのだ(撮影時、74歳)。若々しい岡田の写真(何歳時のものかは不明だが)を見るにつけ、ややギャップを感じる。つまり裁判時、本当はもっと精悍な姿であったのではないかと推測され、藤田の場合はやや枯れた悟りきった感じに演出されているわけだ。それは小泉監督の狙いなのだろうが。

 あと発声・抑揚が私にはすこし違和感を感じさせた。岡田は鳥取生まれで、陸軍大学を出ているのと、軍人であることからその特有の話し方があったかもしれない。藤田は東京生まれではあるが、京都育ち。脚本のせいもあるが、不自然を感じるところがあった。たたメイキングを観ていると、藤田のは長台詞で大変であったようで、その点考慮すべきなのかもしれない。概して、証人としての台詞なので長くなるようで、蒼井優も田中好子もそうで、蒼井はNGシーンも紹介されていた。
 あと途中で気がついて驚いたのは、どうも似ていると思っていたら、やはりそうだったということ。つまり検事役の俳優が実はあのマックィーンの息子だったのだ。実によく似ている。あと、弁護士役も格好いい。つまり裁判長を含めたこの三人のキャスティングはなかなか見事だった。最後に忘れてならないのは岡田の妻を演じた富司純子である。上手いものだ。前作[フラガール]でもそうであった。

 DVD、お貸しできます。

94FK:2009/09/10(木) 19:36:59

2009年 9月10日 (木曜) [ジュノ JUNO ](2007年 アメリカ)

 生徒さんから借りた映画DVD。16歳の女子高生ジュノが妊娠・出産。その間、中絶・養子縁組などの可能性もあったりして、ある意味ドタバタ。たしかに映画の紹介HPには「ジャンル コメディ/ドラマ/青春 」とあった。
 男性(男子)には身につまされる思いも? ただ女の子は強い。やはり妊娠・出産という難事業をこなす女性は! ま、そんな言い方をすると叱られるかも知れないが。

95FK:2009/09/15(火) 20:31:21

2009年 9月14日 (月曜) [始皇帝暗殺]

 世界史の教材の一つとして、この映画を観た。授業に使えるところはないか、という観点からばかり観ているものだから、結局、この映画は何を言わんとしていたのかがつかめなかったという情けない次第。もちろん、時間の制約で(準備室で観たので)細切れで観たせいもある。
 それでも何とか、秦の始皇帝がその夢(?)を語り、隣国・韓を攻めるシーンにいたる7分間ぐらいが授業で使えそうなのが分かった。全部で146分もあったのだが。
 しかし、人の命の軽いこと! どんどん人が殺されていく。こういうのは、たとえ映画であっても、見るに堪えないものだ。現実はもっと凄まじかっただろうし。やはり歴史の勉強は大変だ。

96FK:2009/09/18(金) 20:06:31

2009年 9月17日 (木曜) [ボンベイ](1995年 141分)

 インド映画。1992年から翌年にかけてのヒンドゥー教とイスラーム教の宗教対立からくる暴動事件を、若い二人の恋愛・結婚とからめて描く。
 やはりインドの映画というのは、歌と踊りがつきものなのだと思わせられる。主人公たちも歌い踊る。魅力的だ。
 それにしても惨いものだ。宗教の違いからくる結婚の禁止から始まり、殺しあいまで。主人公がみんな同じインド人ではないか、と叫び事態を収拾していくのだが。また真の敵は別におり(政治家)であり、宗教がそれにからみ憎悪が増幅されていく、と説得するのだが。
 最終的には「同じインド人」というナショナリズムに頼って解決するしかないのだろう。宗教上の対立は深刻だ。

 VHS・DVD、ともにお貸しできます。

97FK:2009/09/20(日) 20:49:39

2009年 9月20日 (日曜) [千と千尋の神隠し]

 厳密に言うとラストまできちんと観たのは今回、レンタルDVDで初めて。というのも前回テレビ放映されたときはラストの15分をテープ切れで観られなかったから。
 ということで、「顔なし」(No Face)のこともお終いにはきちんとしてあったのでホッとした。「顔なし」のキャラは、現社や倫理の授業でも使いたいような良い内容を含んでいる。なぜ彼(おそらく?)が金(きん)をばらまいたり、食い散らかしたりするのか。そんなところが、比喩的にある意味分かりやすく描いてある。人は人によってのみ満たされるのだ、との思いをあらたにする。
 あと千尋がどこまでも優しい、というのもなかなかのもの。人間てそんなに他人に対してずっと優しくあれるものではないのだから。それは自分に失うものがないからできるのだろうか。何かを得ようとは思わないからできるのだろうか。
 ファンタジーとしての他の作品と比較すると、その入り口はこの作品の場合はトンネルであったこと。『ナルニア国ものがたり』だと衣装ダンスというわけだ。あと名前に関しては『ゲド戦記』を思い出させる。白い竜は『ネバーエンディングストーリー』等々。

98FK:2009/09/29(火) 20:00:04

[蟲師]アニメ版 Vol.1

 実写版はすでに観ているが、アニメ版は高くて手が出ず、このほどようやくレンタルショップで見つけて。アニメは高いとは聞いていたが、DVD 一枚にたったの2話。50分。これはひどい。too expensive である。
 幸い中身は良くて、全部観たいと思った次第なのだが。

99FK:2009/10/26(月) 20:59:39

2009年10月26日 (月曜) [ザ・メッセージ]

 授業用の映画[ザ・メッセージ]をようやく見終わりました。3時間の大作で、ほとんど唯一のマホメットを描いた映画。偶像崇拝は禁じられているので、映画の中にも彼の姿は一切出てこない。俳優たちの視線の先に彼がいるということで、話が進行している。最後のメッカに入場していくシーンでは、らくだに乗っているかのようなカメラアングルがとられていた。
 さて3時間にわたって観て、授業で使えそうなところを選択したのだが、結局一コマ目の授業では、オープニングとエンディングのそれぞれ15分あまりずつを採用。次の時間には、迫害されるシーンと戦闘シーンなどを。
 イスラームについてかなり詳しく丁寧に説明がなされていると思う。ただ、それでもやはり宗教というのは難しい。所詮、学んで分かる、というものではないのかもしれない。つまり信仰してみないと分からないのかも。
 それでも歴史の学習なので、どうしてイスラーム国家がその版図を広げることができたのか、その理由を授業でみんなと考えたいと思ってる。
 VHS・DVD、ともにお貸しできます。

100FK:2009/10/27(火) 22:38:34

2009年10月27日 (火曜) 「楽屋―流れさるものはやがてなつかしき―」(1977年)

 戯曲「楽屋」をDVDでまた観た。蒼井優が出ている。現代の戯曲、それも清水邦夫のそれはなかなかに難解で、一度観ただけでは結局何も分からなかった。誤解していた。今回二度目で、彼女たちがどうやら幽霊(?)で、実在の役者は一人っきりだったような、そんなことが分かってきた。最後、大団円はチェーホフの「三人姉妹」そのままの台詞で終わっているのではないかと思う。未確認だが。
 チェーホフの「三人姉妹」「桜の園」は二十代の頃、劇場に足を運んで観たものだ。懐かしい。

 DVD、お貸しできます。

101FK:2009/10/28(水) 20:23:32

2009年10月28日 (水曜) [クルセイダーズ]

 十字軍を扱った映画。教科書の、あるいは歴史書の字面で、その所業の負の側面を知ってはいても、それはとても実感の湧いてくるものではない。その点、絵空事ではあってもそれなりに時代考証がなされて作られた映像、つまり映画はそれなりに役立つものだ。私たちの想像力を助けてくれるものだ。
 ヨーロッパの歴史はキリスト教なしには語れず、必ずそのあたりの勉強をせざるを得ないわけだが、それはなかなかに辛いものだ。戦闘シーンや庶民への暴行略奪シーンは、正視できるものではない。しかし、歴史の現実を知り、そして思い知るためにも、この手の学習は欠かせないのだ。
 全編2時間ほどの中から、授業では4,5カ所、トータル20分ほどを観てもらうことにする。

 DVD・VHS、お貸しできます。

102FK:2009/10/30(金) 20:50:26

2009年10月30日 (金曜) [アイ・ロボット]

 ロボットを異人種や異質な人びと・異端者・反政府の立場の人などと置き換えて考えてみるといい。ロボットいや彼らの存在は、実に不気味であり、到底フレンドリーな隣人と考えることはできないだろう。不信と恐怖の念が横溢し、冷静な判断ができず、社会は大混乱に陥るかも知れない。――そんな怖さを感じさせる映画であった。観ておいていい映画だろう。
 DVD、お貸しできます。

103FK:2009/11/18(水) 20:00:43

2009年11月18日 (水曜) [小公女セイラ]

 いま放映されているテレビドラマでは、[ドクター・ハウス]、[相棒]、そしてこの[小公女セイラ]を欠かさず観ている。
 一度、このドラマについて考えておきたいと思いながら、今日まで来てしまったのだが、ついいましがた今週分(第五話 11月14日 土曜)を見終わったばかり。そこで少々、感想などを。



 脚本家の岡田惠和(おかだよしかず)氏のセリフの面白さは、特に院長(樋口可南子)とその妹(斉藤由貴)とのやりとりに顕著で、とっちめられた妹が部屋に戻ってアルコールとともにくだをまくシーンは毎回の定番のようで楽しめる。それは結局、深刻な内容とのバランスをとる役割を果たしているわけだが、あらためてこのドラマ[小公女セイラ]が喜劇であることを思い出させてくれるようだ。

 これを喜劇と言うには異論があるだろう。たとえば11月13日(金)付、朝日新聞夕刊・「記者座談会 ホンネdeドラマ」では、まず見出しに「純真さにイラッ」。4人の記者が話しているのだが、トップを切った女性記者がこの「イラッ」とくる、と。

 喜劇を観てイラッとくる人は珍しいので、この記者には、この[小公女セイラ]を喜劇として観ることは不可能なのだろう。つづけて言う。「(記者自身が)きっと大人になって、「誰にでも親切で寛容」というのは、自己評価の高さ、すべての者を足元に見下す傲慢さの裏返しに他ならないことにきづいてしまったからでしょう」、と。
 私など、わーっ、すごい読み方・見方があるものだと驚かされる。人間に対する見方がシビアすぎて・否定的すぎて、ついていけない。



 続いて二人目の女性記者は、「脚本の岡田惠和は意図的に「正義感や純真さのいやらしさ」を浮かび上がらせようとしていると思う。でも、それがどこに行こうとしているのかが、よくわからない」。

 私は、これまた妙な読み取り方だな、と違和感を感じてしまう。そもそも脚本家は、その意図をペラペラしゃべったりはしないものだから、観る方がドラマを観て、自分で考えるしかないものだ。当然、良くも悪くも誤読の余地があるわけだ。

 そもそも「正義感や純真さ」そのものが「いやらし」い、のではない。認識の相違か。さらに「それがどこに行こうとしているのか」など、妙な話で、脚本家はアジテーターでも宗教家でもないのだ。原作を読み取り、それをドラマとして実現させていくのが使命なのであって、それ以上でも以下でもない、ということだ。思想色の強い宣伝映画が、いかに芸術からかけ離れたものになるかは周知のことだ。



 次に再び最初の女性記者が、「セイラをいじめればいじめるほど自分が見下されている気がして」「むしろ傷つけられているのは学院長らの方にも見える。現代に、「小公女」を具現化するには、こんな無自覚的確信犯の“悪魔”にするしかなかったのかもしれない」とまで、言いつのる。

 いじめる側の方が、その社会的地位は別としても、精神的・人間的に劣位にあるのは自明のことであり、その裏返しとしての攻撃性がいじめとして表出してくるわけだ。にもかかわらず「むしろ傷つけられているのは」という記者の考えには、賛成できるものではない。

 原作を私が読んだのは11才の折り、48年前のことなので、今は詳細は知らない。ただ原作は原作であり、ドラマは今、現代のドラマなのだから、もっと素直に・率直にこのドラマを観る方がいいのではないかと思う。どうしてセイラが悪魔となって周囲の人たちに処していかねばならないのか。動機がないように思うが。



 ついでようやく男性記者が発言する。「ほぼ同意だけど、そんな見方をするのは、自分の根性がひねくれているからかも......と思わないでもない。」とやや引いた見方を述べる。私もその通り、ひねくれているよ、と言いたいところだ。その後「「どんな境遇でもがんばる」セイラの理想論を否定するようなドラマにはできないわけだから」と。

 いまは戦時中でもなければ、「おしん」の時代でもないのに、時代に鋭敏な感覚を持つ脚本家がそんな陳腐なお題目を唱えるものだろうか。かりに「どんな境遇でもがんばる」ことを訴えたいドラマだったとしても、それはそもそも「理想論」なのかどうか。
 そんな難しい話ではない。現実の世界では、みんなどんな境遇ででもがんばっているのだ。セイラだけを理想化するほどの、甘い現実ではないのだ。



 楽しんで観てきていたのに、こんな記事を読んで水を差された次第。それなら、いよいよ授業(現社か倫理など)で取り上げて、生徒たちと議論してみようか、という気になった。

104FK:2009/12/05(土) 21:55:51

2009年12月 5日 (土曜) [蒼き狼 チンギス・ハーン]

 1998年の中国映画で、日本では未公開のもの。授業用に中古のVHS、日本語吹替版を購入(110分)。
 知ってるようで知らなかった(私だけかもしれないが)テムジンの半生を描いたもの。その不思議な・奇跡的な出生から(その前に母親となる人が父・エスゲイによって略奪され、それが後の伏線ともなっている)、人質にやられ、裏切りによる父の暗殺、結果として一族からの追放の後、成長したテムジンが復讐して軍旗を奪い返し、しかし、より強大な勢力(メルキト族)に妻を奪われ、母親を人質にして兵を義兄弟から借り、一年余の後、メルキト族を攻撃しこれを滅ぼし、妻も奪い返すが.....まもなく、その兵を借りた義兄弟が以前から交流のあったタタール族とともにテムジンを攻めてくる。これに勝利したテムジンは1206年モンゴルを統一し、チンギス・ハーンと呼ばれるようになった、とここまでの映画である。
 何もかもが珍しかった。風景・服装・髪型・パオ・ものの考え方等々。戦闘シーンは刀や槍・弓などが見られた。基本的には肉弾戦のようだった。もっともあとでウィキペディアを見ると、まずは弓からのようだ。
 それにしても自然も何もかもが苛酷なようだ。そんな中から生まれたモンゴル帝国、まだまだ分からないことだらけだ。

 VHSで手元にありますので、お貸しできます。

105FK:2009/12/14(月) 23:27:57

2009年12月14日 (月曜) [アルセーヌ・ルパン]

 ルパンの生い立ちからその死(?)までを。
 小学生の折にルパンものを読んだ以来なので、こんな内容だったのかな、というのが正直な感想。
 そんな簡単に宝石が盗めるのかな、とか、なぜそんなにまで宝石に魅了されるのかな、などと思った。
 ルパンとは何か? あらためて小説を読んでいきたいと思った次第。

 DVD、お貸しできます。

106FK:2009/12/17(木) 21:50:38

2009年12月17日 (木曜) [アンドリューNDR114](1999年)

 アイザック・アシモフ原作、ロビン・ウィリアムズ主演のアメリカ映画。原題は BICENTENNIAL MAN。200歳の人間(男)、といったところか。今夜、サンテレビで放映。以前にもやってたような気がするが、今回初めて観る。
 ロボットを描くことによって、人間とは何か、人間が人間たり得る根拠は何か。愛とは何か、人を愛するということはどんなことなのか。長生きあるいはその延長上にある不老不死は、果たしてしあわせなのかどうか。そして結局はその死までの限られた時間を精一杯生きるところに、人間としての生がある、等々。
 授業の倫理とか現社で取り上げたいようなテーマの数々で、考える素材を提供してくれる良い映画であった。

107FK:2009/12/22(火) 20:55:04

2009年12月22日 (火曜) [エリザベス]

 1998年のイギリス映画、124分。エリザベスには「宗教上のささいな違い」と言わせているが、カトリックとプロテスタントとの違いはどうなのだろう。分からない、知りたいと思う。ともかく、表面的にはその宗教上の理由での殺し合いということにもなるのだ。[王妃マルゴ]ではそれが大虐殺のシーンとして描かれているが、このエリザベスではメアリー女王がプロテスタントの信者を火刑に処しているシーンが冒頭に出てくる。彼女はずいぶん火刑にしているようだ。ところが悪性腫瘍によってまもなく死亡、ただその時にエリザベスはロンドン塔に幽閉されていたというわけで、なかなか危うい環境にあったわけだ。そして何よりのポイントは彼女エリザベスはプロテスタントであったということ。
 彼女の有名な言葉「私は英国と結婚した」はこの映画のラストに置かれている。

 VHSで手元にありますので、お貸しできます。

108FK:2009/12/26(土) 20:07:55

2009年12月26日 (土曜) [クロムウェル]

 民主主義の歴史はイギリスから、とは知ってはいたが、その経緯については無知だった。この映画はそのプロセスを教えてくれる。
 議会が国王の専権を押さえる、というだけでも凄いことなのに、さらに国政を担当していくことになるのだが、まずは国王にそれを認めさせるまでの歴史がまさに内戦として闘われるのだ。結果として国家に対する反逆罪で国王を斬首するにいたるわけだ。国王といえども国家のためには屈せざるを得ないわけだ。
 国王に対する裁判では、国王であるチャールズが王権神授説を述べるくだりが出てくる。なるほど、やはりそういうことかと思った。しかし、議会の要請による法廷は死刑判決を下すわけだ。違反すれば国王といえども、というところだ。凄まじい歴史である。
 ただ、その国王処刑の後、民意を代表しない議会は腐敗していき、ついに再びクロムウェルが立ち上がり議会を解散する。つまり、当時の議会は民による選挙ではなかったわけで、あらためて民衆から選ばれた代表からなる議会の重要性が認識される。
 彼、クロムウェル自身はもはや国王を必要としない共和制的な考え方をしていたようであるが、一般はやはり「国王」という利用価値のある存在を求めるようである。クロムウェルの死後三年にして、国王が「復活」する。140分。

 DVD、お貸しできます。

109FK:2009/12/30(水) 00:03:01

2009年12月29日 (火曜) [ガリレオ]

 昨日、今日とテレビで再放送されていた[ガリレオ]を観る。東野圭吾の小説として『容疑者Xの献身』を読んだのが[ガリレオ]との出会いので初めで、当然これまで放映されたときには観ていなかった。生徒さんから貸してもらい、いくつか観たのだが、この二日で10時間くらい観たか。
 なかなか魅力的な主人公で、頭脳の明晰さと世間離れしているところとが、相まって面白く観ることができるのだろう。普段、なかなか論理的に考えるということに慣れてない私たちにとって、良い刺激ともなるのだろう。
 それが物理なのか何なのか分からなくても、ミステリーの謎解きの主要素が科学的に説明できること、というわけだ。理論的な説明には、煙に巻かれるだけだけど、単純に楽しむことができる。

110FK:2009/12/30(水) 22:50:36

2009年12月30日 (水曜) [サンセット大通り](Sunset Boulevard )

 1950年のアメリカ映画。ビリー・ワイルダー監督の作品。110分。主演はグロリア・スワンソン。往年の大女優、という知識だけでこれまで観たことはなかった。こんな人だったのか、といったところ。相手役の売れない脚本家は若かりし頃のウィリアム・ホールデン。
 ストーリーはよくある話、ということになるか。かつてのスタートしての名声にその後の生涯も引きずられていく大スターの哀感と悲惨を描く。映画の結末・ラストシーンから最初に戻ってその脚本家がナレーションしながら、映画を進行させていくという趣向。
 それにしても、映画の中身とスワンソンを取り巻くそれまでの現実をシンクロさせていて微妙な趣がある。
 なおこのDVDは著作権切れのため500円。惜しむらくは映画字幕がないことだ。

111FK:2009/12/31(木) 14:09:30

2009年12月31日 (木曜) [グラン・トリノ](GRAN TORINO 2008年)

 117分、アメリカ映画。監督・主演クリント・イーストウッド。
 グラン・トリノとは、車の名前だった。たしかになかなか格好いい。これを見て、かつての日産のセレステという車を思い出した。私のなかでスタイリングの良い車は少ない。日本車では他にいすず・ピアッツァ、外国車ではシトロエン・BX、そしてメルセデス・ベンツ190。この映画のDVDの特典に過去のアメリカ車が紹介されていたので、私も思いついたことを。
 さて中身はなかなかシリアスであった。日常茶飯のトラブルだといえば、その通りなのだが。小さなトラブルでもその解決は難しい。まして暴力が介在してくるので。
 人を殺すこと、この苦悩を朝鮮戦争以来もったまま生きてきた主人公。それと対比されるような若者たちは、ラオスあたりの民族である「モン族」。彼らがもう一方の主人公である(彼らの親たちはベトナム戦争に参加しているだろう)。
 オープニングは妻の葬儀のシーンで、老いた主人公は一匹の老犬との一人暮らしになる。二人の息子とその家族との間の溝は大きい。さらに近所づきあいも、隣家がこのモン族の家族であり、仲がいいわけではない。こんな状況から隣家の人たちとのトラブルやら交流が始まっていく。
 そういうエンディングがあるのか。あるいは、そういうエンディングしかなかったのか、と思わせられる。[チェンジリング]とはまた違った趣のある映画であった。

 DVD、お貸しできます。

112FK:2010/01/01(金) 22:49:26

2010年 1月 1日 (金曜) [ベンジャミン・バトン 数奇な人生](THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON 2008年)

 167分! 長い。もう少しくらいカットできなかったのか、とまずそんな感想を持った。それはともかく、このF・スコット・フィッツジェラルドの原作は1920年代のものというから驚かされる。私は山田太一の『飛ぶ夢をしばらく見ない』の映画化されたものを観て知っていたので、このアイデアはけっして突飛なものではなかった。いちいち、アラを言えばきりがないが、赤ちゃんから始まり、赤ちゃんに終わるというところは、なかなか徹底している。
 さてそんな奇抜な(?)ことよりも、映画そのものはひとりの人生を描いたものであり、この点ではそう突飛でも奇抜でもないだろう。
 こんなあり得ない設定を創作することにより、ふつうなら見えてこないものが見えてくる。気付かないこと・見過ごされることが、気付かれ見過ごされない。そんないい点がある。

 DVD、お貸しできます。

113FK:2010/01/02(土) 23:39:24

2010年 1月 2日 (土曜) [深夜の告白]( DOUBLE INDEMNITY )

 1950年の[サンセット大通り]同様、ビリー・ワイルダー監督のアメリカ映画、こちらが先で1944年の作品。106分。やはりモノクロ。原題は「倍額保険」ということで、保険金詐欺を扱ったもの。一連のフィルム・ノワールの代表的な作品の一つ。音楽はミクロス・ローザ。
 確かにここには「ファム・ファタール」(運命の女、危険な女)が登場する。そして映画の進行は先の作品同様、最初に最後へのシーンをもってきて、その主人公にストーリーを語らせるというもの。観客は犯人や殺人の手口などをすべて先に見せられているので、ある意味、共感してヒヤヒヤしながら結末まで付き合うことになる。
 なかなかフワッとしたところのない映画なので、疲れるといえば疲れる。このような映画を観るというのは、「映画の歴史」を見る感じがする。

114FK:2010/01/04(月) 23:24:42

2010年 1月 4日 (月曜) [戦争と平和](WAR AND PEACE 1956年)

 えー! まさか、まさか、こんな代物だったとは!
 あまりのひどさに呆れかえってしまった。戦争シーンもお粗末。せめてこれくらいは授業でも使えるかと思っていたのだが。こんな映画、B級以下!
 監督もやる気がおきなかったのかもしれない手抜き映画だ。208分、そう実に3時間28分もかけて!
 オードリ・ヘップバーンのための映画であることは間違いないが、その彼女を引き出すために大根役者のメル・ファラー(当時オードリ・ヘップバーンの夫)を本来、格好いいはずのアンドレイに!?
 昔、セルゲイ・ボンダルチュク監督のソ連版[戦争と平和]を映画館で観ているので、よけいその落差のひどさがこたえる。
 とまれ、オードリ・ヘップバーンのファンには垂涎ものの映画の一つだろう。本当に魅力的だ。ただ、そのためにしょうむないところを延々と観なければならないのはつらい(笑)

 お薦めはしませんが、DVD、お貸しできます。

115FK:2010/01/06(水) 17:20:37

2010年 1月 6日 (水曜) [無敵艦隊](FIRE OVER ENGLAND 1937年)

 87分。エリザベス1世の治下、強国スペインとの対立そして対決。今からすればそのイメージは、英国の方がスペインよりも強国であるかのように思えるのだが、当時は逆。原題通りである。
 イギリス映画であるし、制作されたその時代からみて、愛国的な映画にならざるを得ないわけだ。端的にまとめればエリザベス女王万歳の映画か。ただ彼女の人間的な側面として、その老い・老醜を描くのではあるが。
 このDVDを入手する前に調べて分かってはいたのだが、その海戦シーンはあまり感心できたものではなかった。セリフで気になるのは、女王に対する忠誠・服従といった英国のためにという愛国心を宣揚するような言葉である。あるいは「敵を人間として扱うと」自分たちの不利益になるといったセリフである。宣伝・洗脳の映画である側面もないとはいえないだろう。
 俳優ではローレンス・オリヴィエとヴィヴィアン・リーであるが、彼は当時30前で役柄としてキャンキャン喚く若者役であり、彼女の方は1939年の[風と共に去りぬ]とはまた違ったきれいさがみられた。やや蓮葉な感じの役柄、当時23歳くらいか。

 DVD、お貸しできます。

116FK:2010/01/07(木) 21:58:23

2010年 1月 7日 (木曜) [ドクトル・ジバゴ](DOCTOR ZHIVAGO 1965年)

 ララのテーマとしてあまりにも音楽が有名で(作曲はモーリス・ジャール)、そのせいでか映画の内容のしんどさを忘れさせてしまうほど。
 時は、第一次世界大戦からロシア革命を中心にその前後の歴史を背景に、ドクトル・ジバゴを取り巻くふたりの女性との愛情物語、ということになるのか。
 ともかく寒くて暗くて陰惨で憂鬱で等々、およそ明るい話題のないシーンの連続である。だからよけいララのテーマがきいてくるのだろう。そして私のみる限り、この映画でいちばん光っているのは「ラーラ」(ララ)だ。皮肉的な見方をすれば「女は弱し、されど母は強し」的な描き方ではあるが。
 この原作であるパステルナークの小説は1957年当時のソ連では発禁とされており、時代もアメリカとの冷戦のさなかである。ロケ地も主にスペインだとのことだが、当然のことだ。ロシアの地で撮影できるはずはなかった。また、アメリカ・イタリアの合作映画ではあるが、政治的な背景がなかったとはいえないだろう。宣伝映画っぽいところを私は感じた。

 DVD、お貸しできます。

117FK:2010/01/19(火) 20:34:11

2010年 1月19日 (火曜)[プラダを着た悪魔] (THE DEVIL WEARS PRADA 2006年 アメリカ)

 テレビで放映されていたものをビデオで録画しておいた。うかつなことにまったくどんな映画か知らなかったのだが、コメディ・ラブロマンスといったところか。面白く観ることができた。
 ただ、お終いでアンディが(私の思うところだが)簡単にその職を辞めてしまうところは解せなかった。ミランダたちには彼らなりの大変さや悩みがあるわけで、その果てに出てきた片言隻語をとらえて、辞めてしまうというのは、ちょっといただけない感じ。ま、若者だから仕方がないか。
 それにしても化粧やファッションで変わるものだ、と。

118FK:2010/02/06(土) 22:10:34

2010年 2月 6日 (土曜) [君たちに明日はない](NHK 全6回)

 今夜は第4回目。上手い作り方をしていて、楽しみなドラマに仕上がっている。もちろん、中味的にはつらいものがあり、そうそう笑っていられるものではないのだが。
 主人公の村上真介役の俳優は、はまり役だろう。脇役の女性・芹沢氏もいい。会社を経験してないから、真実は分からないが、そうだろうな、ぐらいは感じ取れる。しかし、こんなことやってたらダメだろうなと思う。やはり会社主義しゃかいなのだ。
 原作の小説は読んでいるのだが、新しくその第三作目が出ているようだ。

119FK:2010/02/15(月) 21:38:03

2010年 2月15日 (月曜) [ミルク](MILK 2008年 アメリカ 128分)

 昨年公開された映画[ミルク]を観る。「牛乳」などという変な題名の映画だなと思ってた程度の認識であった。伝記映画であり、ゲイの公民権を守るために活動した人物(ハーヴィー・ミルク)であったとは知らなかった。1930年生まれで1978年に48歳で暗殺されるその最後の8年間を描いたもの。
 なぜゲイがそこまで差別されるのか。キリスト教から来るものなのか。その思想的背景を考えたいと思った。人間の愛には、異性に対するものと同性に対するものとがあっても、なんら不思議はない。にもかかわらずその絶対数が少ないゆえにか、迫害されるのだ。
 1978年といえば、私は28歳。その頃、アメリカでゲイの人たちの運動が報じられていたような気もするが、ミルクについては覚えがない。死亡欄にベタ記事が載っていたかも知れないのだが。
 それにしても、死後30年にしてその伝記映画が作られるということに、様々なことを考えさせられる。歴史は少なくともその事件から30年以上は経たないと評価すべきではないとの考え方があるが。

120FK:2010/02/16(火) 22:56:09

2010年 2月16日 (火曜) [墨攻](2006年 133分 中国・日本・香港・韓国合作)

 まず音楽がいい。迫力満点である。そして10万人の兵対一人の戦い、というのも。一気に観てしまえる。
 墨家の思想が結局どういうものであったのか。その国の支配権を簒奪してでも平和をもたらそうというものであったのか。単に戦いに勝つための戦術を教授するためだけのものだったのか。そんなことを考えさせられる。そして、なんとそれが、なんと紀元前370年頃の話なのだ。
 攻城のシーンを見ていると洋の東西を問わず、の感あり。人間は同じようなことを考えるものだと思う。それにしても最後は、人心の掌握というか、人々の心をひきつけていくということは至難のことである、と。だからたいていは安直に暴力に頼るのだろう。民主的なやり方というのは本当に難しいものだ。

 DVD、お貸しできます。

121FK:2010/02/18(木) 22:54:44

2010年 2月18日 (木曜) [愛を読むひと](THE READER 2008年 124分 アメリカ・ドイツ)

 後半は授業に使えるか、と思いつつ観た。ナチに協力した女性看守たちが法廷で裁かれていく様からは、戦争や戦争犯罪について考えさせられる。
 20年あまりの服役の後、いよいよ釈放となったときに、なぜ自殺してしまったのか。なぜ彼女が文盲でその書類を書けるはずがなかったことを、裁判で明らかにしなかったのか。そんな疑問を持ちつつ見終わった。
 それにしても、いつまで経ってもナチについのて糾弾の映画は、後を絶たないようだ。難しい。

122FK:2010/02/23(火) 14:23:23

2010年 2月23日 (火曜) 『テレビ作家たちの50年』(日本放送作家協会 編 NHK出版 2009年 \2000)

 ざっと流し読み。それにしても、私はテレビを余り観てきたとはいえないな、とあらためて思う。
 初めてテレビが家に入ってきて印象深く残っているのは大相撲中継。その後、観ただろうと思われるものは、『チロリン村とくるみの木』・『ひょっこりひょうたん島』・『番頭はんと丁稚どん』・『てなもんや三度笠』・『ズバリ!当てましょう』・『鉄腕アトム』・『月光仮面』・『ボナンザ』・『怪傑ハリマオ』・『ローハイド』・『バットマスターソン』・『ペリーメイスン』・『ララミー牧場』・『コンバット』、ここまでが小学生から中学生の頃だろう。
 大人(?)になってからは、とんと観なくなった。ただ『8時だヨ!全員集合』は子どもたちと一緒に観たおぼえがある。
 あと『題名のない音楽会』・『11PM』・『ザ・ベストテン』・『ふぞろいの林檎たち』・『國語元年』、さらに飛んで『北の国から』・『丘の上の向日葵』、最近では『おせん』・『相棒』・『正義の味方』・『小公女セイラ』・『君たちに明日はない』。『不毛地帯』は、いまとりためているので、いずれまとめて観たい。
 私にとってテレビとは? といったところだ。職業生活に入ってからは授業用の教材と娯楽、ということで観てきたのだろう。それにしても、あまり観てこなかったように思う。テレビを観ていたら、本が読めないからだ。それに若い頃は、家に帰っても教材研究という授業の予習に時間を取られていたから。もっとも今から考えたら、それらの準備はややムダだったかも知れない。

123FK:2010/02/25(木) 20:52:58

2010年 2月23日 (火曜) 『世界の映画ベストセレクション』(渡辺祥子 近代映画社 1999年 \3700)

 1955年から1998年までの読者ベストテンと批評家のそれとを特集したムック。この本は○Bのスタンプを押されて\1200で購入。
 ほとんど私の映画人生(?)と重なるので、丁度良い本であった。年代によってベストテンのうち8本くらい観てるときもある。そしてぎゃくに一、二本か、まったくない年も近年に近づくほどある。ぐーっと観る時期もあれば、まったく観ない時期もあるということ。映画との相性もあるだろうが。
 このところDVDが安価に手にはいるようになったせいもあるが、無性に昔観た映画を再び観たくなってきている。もうそろそろ人生を振り返る時期に入ったからなのかも知れない。

124FK:2010/02/27(土) 22:16:32

2010年 2月27日 (土曜) [君たちに明日はない](NHK 全6回 今日、最終回)

 楽しみに観ていたドラマがまた一つ終わった。会社経験者のパートナーに言わせたら、そんな甘いものではないということだが。
 最終回では、単にリストラだけではなく、そのリストラの際に収集した情報から、その人に適した再就職先を斡旋する部門も同じ会社内に作って、という話。第一回目から狂言回しのようになっていた平山氏も、ここでうまく決着をつけさせている。
(これで思い出したのは『烏金』(西條奈加 光文社 2007年 \1400)のこと。これは単なる金貸しではなく、借金が返せなくなった人にその金を返せる算段まで相談に乗るということをやるのだった。)
 最終回なので、これまで出てきていた未解決(?)のことの決着も計られている。それでも謎のままに終わったこともあるが。
 それにしても私も含め人生経験の少ない・知らない者にとって、これはいいお勉強の教材になるかも知れない。とりあえず取りためてあるので、いずれ。(参照、118. 2010年 2月 6日 (土曜) [君たちに明日はない])

125FK:2010/03/04(木) 22:23:01

2010年 3月 4日 (木曜) [モハメド・アリ かけがえのない日々](WHEN WE WERE KINGS 1996年 88分)

 ドキュメンタリー。彼がボクサーであり、アメリカでの徴兵拒否により、収監されたことは知っていた。今回この映画で彼の考え方の片鱗がうかがえた。
 それは特段、変わった思想というわけではなく、素直に純粋に考えたらそういう結果になった、ということかもしれない。
 この映画は1974年の世界ヘビー級タイトルマッチ・フォアマンとのザイールでの試合を中心としている。この試合にあたっては、アリもやはり恐怖心というものを持っていることに気付かされる。その自分の心と如何に戦い克服していくか。逆説的にいうと、やはり恐れを知らない人間ではダメだということか。そして作戦・戦術を十二分に考えて試合にのぞむということ。当たり前だが、やはり大切なことだ。
 あとアフリカ黒人の踊りや歌も挿入されていて、何ともいえない力強さを感じさせられる。
 アリ流に言えば、アメリカ黒人も頭の中は白人。そのでんでいくと日本人も頭の中は欧米人、というところかもしれない。

126FK:2010/03/10(水) 19:39:53

2010年 3月10日 (水曜) [ラストラブ](2007年 日本 110分)

 田村正和が主演、ジャズの演奏家(テナーサックスか)。そして題名の通りのラストラバーに伊東美咲。テレビ放映されていたものを録画して。
 私には伊東美咲は[椿山課長の七日間]のイメージであり、田村正和は[古畑任三郎]のイメージなので、やや困惑を感じながら観た。
 所詮は、という言い方は失礼だが、余命何ヶ月の癌に冒されている老いたジャズメンと27歳の若さいっぱいの美女との....、といったところか。あまりにもありふれたストーリーの作品なので、映画的にどうのこうのというのではなく、秋のニューヨークの情景であるとか、田村正和や伊東美咲の演技を楽しんで、涙を流せばいいのだろう。

127FK:2010/03/15(月) 22:21:03

2010年 3月15日 (月曜) [華氏911](FAHRENHEIT 9/11 2004年 112分 アメリカ)

 名前は聞いていたが、ようやく観ることに。マイケル・ムーア監督の作品。レンタル。
 良くできていると思う。見方によれば愛国・反戦映画でもあり、歴史・政治宣伝映画でもあるか。
 いくつかなるほどと思わせられる台詞があった。たとえば、戦争の目的は勝利ではなく、その継続にある、とか。無知と貧困が上流階級を守る。貧しい人々がその命を愛国心の名の下に提供して、豊かな人々とその人たちのためにある「自由な社会」を守るために戦争へ行く、といったこと。一度しか観てないし、メモをその時取らなかったので、大体のことだが。
 最後で議員たちにその子息をイラクへ、とパンフを渡すシーンは見事なものだった。子細は忘れたが、誰かが次のような法律を作ることを提案していた。すなわち戦争を開始するにあたっては、真っ先に為政者の家族を参戦させねばならないといった内容であった。

128FK:2010/03/16(火) 20:07:30

2010年 3月16日 (火曜) [母べえ](2007年 日本 132分)

 山田洋次監督作品は意外と観ていない。[下町の太陽][幸福の黄色いハンカチ][遥かなる山の呼び声 ]ぐらいか。今作は吉永小百合主演もさることながら、私のお気に入りの志田未来が出ていたことに気がついて録画し、今日、見終わった。
 このところ見終わって涙するような映画を観てなかったせいか、母べえこと吉永小百合が老齢で亡くなるシーンでは涙が出てきた。またそのときのセリフがいい。普通なら死んで先に逝ってしまった人たちと天国で会えるね、というわけだ。ところが母べえには「生きている間に会いたかった」と言わせているのだ。それが真実だろう。戦争で理不尽にも命を奪われた人たちとのことである。
 十分に反戦映画であった。(一つ、1941年12月8日の朝の臨時ニュースは本物の録音ではなく、映画用に新たに作ったもののような気がする。その理由は、「米英軍」と言わずに「アメリカ・イギリス軍」と言っていたから。そういうバージョンも1941年12月8日のニュースにあったのかもしれないが)

 DVDに録画してありますので、お貸しできます。

129FK:2010/03/23(火) 22:01:12

2010年 3月23日 (火曜) [華氏911](映像特典 91分 アメリカ)

 去る15日にレンタルで観た[華氏911](FAHRENHEIT 9/11 2004年 112分 アメリカ)、これは授業でも使えると思い、中古のそれも映像特典付き二枚組のそれを購入。
 まず日本の私たちには目に触れることのない映像がいくつもあった。「イラク・サマラの目撃者」というスウェーデン人記者による映像は戦争と兵隊と人々の悲惨さを十二分に描いている。目をふさぎたくなるようなシーンがある。
 また、ブッシュの記者会見の模様やライスの公聴会での発言などが収録されており、新鮮であった。
 インタビューの方では「アラブ系コメディアン」のそれが面白かった。「9.11」をネタにしているのだが、日本でもアメリカでも笑いの取り方には共通点があるようだ。どれくらい世界レベルで普遍的なのかは分からないのだが。
 ということでこのDVDも、お貸しできることになりましたので。

130FK:2010/03/29(月) 18:16:23

2010年 3月29日 (月曜) [ラビリンス/魔王の迷宮](LABYRINTH 1986年 102分 アメリカ)

 子ども向けファンタジー作品か。主人公である姉とまだ赤ちゃんの義理の弟・継母との関係からファンタジーが始まる。登場人物は魔王役のデヴィッド・ボウイと主役の女の子、当時14歳だったそうだが、ジェニファー・コネリー。あとはマペットと呼ばれる操り人形。
 小さな子どもたちに、友達は大事にしなければならないよ、きょうだいは仲良くしなければならないよ、といった教育的なところがあるが、これなしではダメなのだろう。ともかく女の子の冒険譚を楽しめばいいか。

131FK:2010/04/09(金) 22:24:42

2010年 4月 9日 (金曜) [薔薇の名前](THE NAME OF THE ROSE 132分 フランス/イタリア/西ドイツ 1986年)

 授業で修道院の風景を見てもらうために使ったことがある。今日、観るのは二回目。最初はどうしてもストーリーを追ったり、授業で使えるところはないか、といった見方をしてしまったのだが、今日はミステリーとしても楽しめた。
 もっとも、基本的には暗い映画ではある。キリスト教にまつわるおどろおどろしいこと、魔女であるとか異端であるとかが出てくるので。そして火刑シーンも。
 「笑い」を忌み嫌い拒否する感覚は、私たちには理解しづらいところだが、その宗教者たちからしたら立派な理屈があるわけだ。宗教というものは難しいものだ。信じるものからしたら当然のことが、無信仰のものからしたら集団ヒステリーのように見えるから(特に異端審問など)。

 VHSで手元にありますので、お貸しできます。

132FK:2010/04/20(火) 21:59:42

2010年 4月20日 (火曜) [ワルキューレ](VALKYRIE 2008年 120分 アメリカ/ドイツ)

 トム・クルーズ主演。ヒトラー暗殺計画の最後のそれを映画化したとのこと。昨春、公開時に生徒たちが観てきた、といっていたもの。今にしてレンタルで。
 なぜ祖国ドイツのためにヒトラーを暗殺しなければならないのか。そのあたりの必然性はあまりこの映画からは伝わってこなかった。前提としてヒトラー=悪、という図式があるのかも知れない。しかし、暗殺という手段のせいか、私はいまひとつ共感できなかった。他に方法があったかと、問われると困るが、それにしても暴力には暴力、というところが、気になって主人公たちに味方できなかった。
 ただそれでも、ほとんどなすすべもなかった日本に比べると大したものだとは思う。その原動力は何なのだろう。やはり神の存在があるのだろうか。
 音楽はなかなか迫力があった。

133渦森六郎:2010/04/21(水) 01:54:09
「ただそれでも、ほとんどなすすべもなかった日本に比べると大したものだとは思う。その原動力は何なのだろう。」
僕もよく分かりませんが、原動力云々というよりも、そもそもヒトラーのように暗殺目標になる人物が日本にはいなかったようにも思います。ドイツには、とりあえずヒトラーという象徴的な人間がいた、というのが大きいのだと思います。「こいつさえ倒せば」という目的が、はっきりしていたとでも言いましょうか。日本では、「誰か首謀者がいて、みんなを引っぱっていった」というよりも、誰からともなく、いつのまにか集団で歩き出していたようなイメージがあります。みんなが、「なんだかよく分からないままに」取り返しのつかない状況に入り込んでいってしまっている。戦争が終わったあとで、「誰がやりだしたのか、原因は何だったのか」ということを、「そういえば誰も知らなかった」という状況だったのではないでしょうか。日本は、そういう極めて特殊な性質をもった国だったのかもしれないとか思ったりしました。だからいまだに、あの戦争に対する共通の合意みたいなものが、曖昧なのではないかと。
すみません、頭がこんがらがってきました。そろそろやめにします。

134FK:2010/04/22(木) 22:09:57

2010年 4月22日 (木曜) [キングダム・オブ・ヘブン](KINGDOM OF HEAVEN 2005年 145分 アメリカ)

 [グラディエーター]のリドリー・スコット監督の作品。
 はじめの一時間ほどが、いまひとつよく分からなくて、とうとう諦めて、あとは戦闘シーンを中心にざっと流して、観た。
 十字軍の面々に対し司教が異教徒を殺すことを正当化しているわけで、このあたりもなかなかついて行けないところだ。
 エルサレムでの攻防シーンではこれまで観てきた城攻めと同じようなやり方が見られた。それにしてもサラディンが20万人の軍隊を率いて、とは途轍もないことだ。
 宗教の問題は、どこまでいっても理解できないものが残る。あとエルサレム王がハンセン病で亡くなっていくシーンがあった。

135FK:2010/04/28(水) 19:23:59

2010年 4月26日 (月曜) [トリック 劇場版](2002年 119分 日本)

 この日曜日に放映されていたものを録画で今夜、観た(CMをカットすると正味98分くらいになっていた)。神さまや宗教のことを考えるヒントになるかな、と思いながら、つまり授業に使えそうだなと思いながら面白く観た。主人公役の仲間由紀恵がいい。
 神様かどうかをチェックするのに、透視やトランプの手品のようなものを使うところは傑作だが、ある意味宗教の奇跡というのはそういったものかもしれない。そもそも奇跡を起こすことと、宗教の正しさの証明との間に相関関係があるとは思えないが。その程度の理解しかないということか、宗教に関して。
 それはともかく、エンタテーメントとして楽しめるものだった。
 調べてみると2000年からテレビで放映されていたようで、まもなく10周年記念の映画が封切られるとのこと。


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