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海商法

189名無しの関学生:2008/01/18(金) 04:48:50
(1) 請求権競合説
 一つの行為が複数の請求権発生根拠規範の要件を満たす以上、請求権は複数発生し、しかもそれらは相互に独立しており相互に影響を及ぼさないという立場である。もちろん両者を共に請求し実現することはできないが、請求権者は任意にどちらかを選択できる。この説の根拠は、不法行為責任と契約責任はそれぞれ別個に要件と効果が定められた異なる制度であること、たとえ契約関係に立つ当事者であってもその者に一般に人が享受しうる不法行為上の保護は否定されるべきではないこと、両者の選択を認める方が被害者救済に厚いことなどである。判例は一貫してこの立場であり、したがって、借家が失火によって焼失した場合、契約責任と不法行為責任の両者が成立し、失火責任法により軽過失の借家人が不法行為責任を免れる場合であっても、そのことは契約責任に影響を及ぼさない(大連判明45・3・23民録18・315)。また、運送品の滅失・毀損等に対する契約責任上の損害賠償についての特則がある場合であっても、それとは関係なく不法行為責任が成立しうる(大判大15・2・23民集5・104、他)。
 このような処理の場合、当事者がどの請求権を選択して行使するかによって、要件と効果が大きく異なりアンバランスが生ずることになる。そこで、学説の中には、特に契約責任規範において特則がある場合について、両者の相互作用を認めるものがある(我妻132頁、他)。例えば、運送契約において高価品の明告がない場合の運送人の免責規定や、各種の免責約款などがある場合、そのような責任軽減の不法行為責任への適用の可能性を認めるのである。しかし、判例は、前述のように相互作用を否定する厳格な請求権競合説であり、例えば、安全配慮義務違反は契約責任の一種だとした上で、民法711条を類推して遺族に固有の慰謝料請求権を認めることを否定した判決などもある(前掲最判昭55・12・18)。
(2) 法条競合説
 不法行為責任と契約責任は、法律の条文上競合するように見えるが実際は競合しないとする非競合説である(川島武宜「契約不履行と不法行為の関係について」民法解釈学の諸問題所収)。この説によれば、不法行為は一般市民間の法律関係を律するものであり一般の社会関係における一般的標準的な内容を持っているのに対し、契約責任は契約関係という特別の関係にある者の間の責任規範であり、そこでは契約の種類に応じた特別のリスク配分がなされている。したがって、契約関係にある者については特別法としての契約責任規範が優先的に適用されるべきである。すなわち、この説においては、契約関係にある者の間では契約責任のみが、それ以外の場合には不法行為責任が成立し、両者が競合することはないことになる。ただし、この非競合説の中にも、契約関係にある者同士であっても、運送人が故意で物を壊したり盗んだ場合などについては運送人の責任を軽減した規定の恩恵に浴しえないとして、両者の相互影響を認めるものもある。


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