野生児(Feral Children / Wild Child)とは、一般に幼くして人間と隔絶された世界に暮らし、人間の社会的行動様式や言語に非接触のまま育った子供の事を指す。有名なケースでは1799年にフランスの森で発見された通称"アヴェロンの野生児(※1)"や、19世紀ドイツで発見されたカスパー・ハウザー(※2)、インドのアマラとカマラ(※3)などが挙げられる。また最近では13年間に渡って暗闇に軟禁された米カリフォルニアのジェニー(※4)という少女のケースもある。本文中にもある通り、これら野生児のケースが常に科学者の間で注目を集めるのは、心理学や精神分析の世界で長く続く、人間は生来的に知性と理性を備えた人間であるのか、或いは生まれながらには動物と変わらず、環境によってそれら人間性が形成されるのかという議論(環境/遺伝因子議論)に重要なヒントをもたらすと考えられているからである。