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あの作品のキャラがルイズに召喚されましたin避難所 4スレ目

699ルイズと無重力巫女さん ◆1.UP7LZMOo:2018/12/01(土) 02:18:14 ID:EpCC/uLM
 疑いはやがて確信へと変貌を遂げて、本人を外界へと引きずり出すエネルギーとなるだろう。
 それ即ち、アルビオンの人間と直接話し合うために゛元締め゛自らがその体を動かして外へと出るという事を意味するのだ。
 今まで自分に火の粉が降りかからぬ場所で多くの貴族たちを動かし、気楽に売国行為をしていた゛元締め゛。
 しかし、ふとしたキッカケで彼らに疑いを持ち始めた゛元締め゛は、自ら動いてアルビオンの人間たちに問いただしに行く。
 それが仕組まれていた事――そう、要人が消えた事さえ彼を表舞台に上がらせる為の罠だという事にも気づかず。
 そして食いついた所で釣りあげてやるのだ。強力な地位を利用して国を売ろとした男と、それに関わる者たち全てを。 

「それが今回、私に仕える者が提案した『釣り』のおおまかな流れです」
 表の喧騒から遠く、時間の流れさえゆったりとしたものに感じられる人気の無い路地裏で、アンリエッタは今回の作戦を教え終えた。
 そんな彼女に対して珍しく黙って聞いていた魔理沙は面白そうに短い口笛を吹いたのち、「成程な」と一人頷く。
「餌も上等なら、釣り針や竿も最高級ってヤツか?この国の重役なら絶対に動揺すると思うぜ?」
「それはそうでしょうね。何せ今はこの王都に通常よりも倍の衛士たちが入ってきていますから」
 魔理沙の言葉にアンリエッタそう返しつつ、ふと表の通りから聞こえてくる喧騒に衛士達の走り回る音も混じってきているのに気が付く。
 規律の取れた軍靴が一斉に地を踏み走る音靴は、彼らが六人一組で行動している事を意味する音。
 きっとそう遠くないうちにも、この路地裏にも捜査の魔の手が伸びるのは間違いない。

 アンリエッタは魔理沙と目配せをした後で自ら先頭に立ち、隠れ場所を探しつつ街の中を進んでいく。
 途中表通りへと繋がっている場所を避けつつ、彼女は衛士に見つかってはいけない理由も話してくれた。

「ここまでは計画通りです。しかし……もしここで衛士達に見つかり、捕まってしまえば全てが無に帰してしまいます。
 恐らく私が確保されたという報告は、すぐにでも゛元締め゛の耳に届く事でしょう。そうなれば後はヤツの思うがまま、
 アルビオンの使者とすぐに仲直りした後で、持てるだけの情報を持たせて彼らを白の国へと送った後で、すべての証拠を隠滅――
 そして持ち帰った情報で彼らはわが国で戦争を始めるつもりなのです。ゲルマニアやガリアの僻地で起きているモノと同じ形式の戦争を……」
 
 戦争だって?――王女様の口から出た物騒な単語に、流石の魔理沙も眉を顰める。
 トリステイン自体が幻想郷程……とは言わないが相当平和な国だというのは彼女でも理解している。
 平和とはいっても化け物に襲われたりこの前はあのアルビオンとかいう国が攻めてきたりしたが、それは一般大衆にはあまり関係ないことだろう。
 現にこの街に住んでる人々はかの国と実質戦争状態にあるというのに、いつも変りなく暢気に暮らしている人間が大半を占めているのだ。
 そんな平和なこの国で――彼女の言い方から察するに最低でも国内で――戦争が起こるなどとは、上手いこと想像ができないでいる。

 それに魔理沙自身、ちゃんとしたルールに則った争い……つまりは弾幕ごっこが戦いの基本となった幻想郷の出身者という事もあるだろう。
 深刻な表情をして国で戦争が起きるかもしれないと呟くアンリエッダの言葉に肩を竦め、信じられないと言うしかなかった。
「おいおい戦争って……いくらなんでも、そこまで発展したりはしないだろ?」
「確かに貴女の言う通りです。王政の管轄領地やラ・ヴァリエ―ルなどの古くから仕える者たちの領地で起こりえないでしょう、――しかし
「しかし?」
「管理の行き届かない領地、つまりは僻地で戦争が起きる可能性は決して無いとは言い切れないのですよ」
 深刻な表情のまま言葉を終わらせたアンリエッタに、魔理沙は口から出かかった「マジかよ」という言葉を飲み込む事はできなかった。
 そしてふと思った。この世界では、ふとした拍子や失敗で簡単に戦争が起こってしまうのではないのかと。


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