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あの作品のキャラがルイズに召喚されましたin避難所 4スレ目
693
:
ルイズと無重力巫女さん
◆1.UP7LZMOo
:2018/12/01(土) 02:06:11 ID:EpCC/uLM
「実は私、単独行動をする前にお付きの者に何かあった時の為にとお金を用意してもらったんですよ。
とは言っても、ほんの路銀程度にしかなりませんが……でも、あそこの屋台のお料理や飲み物なら最低限買えるだけの額はあると思うわ」
そう喋りながらアンリエッタは紐を解いた袋の口を開き、中にギッシリと入っているエキュー金貨を魔理沙に見せつける。
何ら一切の悪意を感じないお姫様の笑顔の下に、一文無しな自分をあざ笑うかのように黄金の輝きを放つエキュー金貨たち。
てっきり銀貨や銅貨ばかりだと思っていた魔理沙は息を呑むのも忘れて、輝きを放ち続ける金貨を凝視するほかなかった。
「……なぁ、これの何処が路銀程度なのかちょいと教えてくれないかな?」
「…………あれ?私、何か変な事言っちゃいましたか?」
呆然としつつも、何とか口にできた魔理沙の言葉にアンリエッタは笑顔のまま首を傾げる他なかった。
やはり王家とかの人間は庶民とは金銭感覚が大きく違うのだと、霧雨魔理沙はこの世界にきて初めて実感する事ができた。
ひとまず代金を確保する事ができたので、魔理沙はアンリエッタを伴って屋台を巡ってみる事にする。
食べ物と飲み物の屋台はそれぞれ二つずつの計四つであったが、それぞれのメニューは豊富だ。
最初の屋台は肉料理系の屋台で、いかにも屋台モノの食べやすい料理が一通り揃っており、香ばしい匂いが鼻をくすぐってくる。
スペアリブや鶏もも肉のローストはもちろんの事、何故かおまけと言わんばかりにタニアマスの塩焼きまで並んでいる。
もう一つはそんなガッツリ系と対をなすデザート系で、今の季節にピッタリの冷たいデザートを売っているようだ。
今平民や少女貴族たちの間で流行っているというジェラートの他にも、キンキンに冷やした果物も売りの商品らしい。
横ではその果物を冷やしているであろう下級貴族が冷やしたてだよぉー!と声を張り上げている姿は何故か哀愁漂うが印象的でもある。
下手な魔法は使えるが碌な学歴が無い彼らにとって、こういう時こそが一番の稼ぎ時なのであった。
「さてと、メインとなるとこの屋台しか無いが、うぅむ……どのメニューも目移りするぜ」
「た、確かに……私も見たことのないような名前の料理がこんなにあるなんて……むむむ」
すっかり王女様に奢られる気満々の魔理沙は、アンリエッタと共に屋台の横にあるメニューを凝視している。
一応メニューの横にはその名前の料理のイラストが小さく描かれており、文字が分からなくてもある程度分かるようになっている。
無論アンリエッタは文字の方を見て、魔理沙はイラストと文字を交互に見比べながらどれにしようか悩んでいた。
屋台の店主とバイトであろうエプロン姿の男女はそんな二人の姿を見て微笑みながら、その様子をうかがっている。
それから数分と経たぬ内、先に声を上げたのは文字を見ていたアンリエッタであった。
「私はとりあえず……この料理にしますが、マリサさんはどうしますか?」
彼女はメニュー表に書かれた「羊肉と麦のリゾット」を指で差しつつ、目を細める魔理沙へと聞く。
そんな彼女に対して普通の魔法使いも大体決めたようで、同じようにメニューの一つを指さして見せる。
「んぅ〜そうだなぁ、大体どんな料理なのかは絵を見れば察しはつくが……ま、コレにしとくか」
そう言って彼女が選んだメニューは真ん中の方に書かれた「冷製パスタ 鴨肉の薄切りローストにレモン&ソルトペッパーソースを和えて」であった。
いかにも屋台向けな料理の中でイラストの方で異彩を放っていたからであろう、上手いこと彼女の目を引いたのである。
メニューが決まれば後は注文するだけ、という事でここは魔理沙が鉄板でソーセージを焼いていた男にメニューを指さしながら注文を取った。
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