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あの作品のキャラがルイズに召喚されましたin避難所 4スレ目

609ウルトラ5番目の使い魔 76話 (3/13) ◆213pT8BiCc:2018/09/16(日) 20:05:09 ID:yMMJKRV6
「隊長……」
「いいさ、諸君。みなまで言うな。胸がいっぱいすぎてなんて言ったらいいかわからないんだろう? ぼくも今日だけは、そんな気持ちさ。だから諸君、一番大切なものはそれぞれの胸の中に大切にしまっておこうじゃないか」
 おしゃべりなギーシュも、まるで悟ったように語るほど、昨日のことは少年たちの誰にとっても素晴らしかった。誰もが、死んでもあのことだけは忘れまいと心に誓っている。しかしそこで、才人がみんなに知った風な顔をしながら言った。
「だけどみんな、ルイズに犬呼ばわりされてたおれからわかったようなことを言わせてもらえば、今のおれたちは美味しい骨をやっとくわえたばっかの犬っころだ。新しい骨を見つけてうかつに「ワン」なんて吠えてみろ。くわえてた骨まで落っことしちまうぜ。わかるだろ?」
 才人のその言葉に、皆ははっ! とした顔になった。
 そう、油断は大敵。人生、上がるのは大変だが落ちるのは一瞬なのだ。ましてや、昨日のことは覗きという最低最悪の行為が見つかった後の、まさに奇跡に等しい出来事だった。今後、もしまた覗きのようなことをしたら名誉挽回の機会は二度と来ないと思っていいだろう。
 しばらくは自重しよう。やっと上がった女の子たちからの好感度を、翌日急下降させるような間抜けだけは避けなくてはならない。
 と、いうわけで全員でもう一回冷たい水を頭から浴びて、彼らは屋敷に戻った。そして、起きてきた女の子たちに「あんたたち早朝から濡れネズミでなにやってんの?」と、呆れられたのは言うまでもない。
 
 やがて朝食も終わり、一日が動き出す。
 本来なら、昨日のうちに魔法学院に戻らねばならないはずだったので、今日はあまりぐずぐずもしていられない。
「幸い、馬たちは大丈夫だ。これなら日があるうちには余裕で学院までは帰れるだろう」
 エレキングの起こした嵐にも、馬たちはたくましく耐えてくれていた。そして、帰る算段がついたなら、あとはあいさつ回りを済ませなければならない。
 屋敷には、まだ仕事を残しているルビアナが続けて住まうことになった。食べ物などについては、土地の人が差し入れてくれるそうで心配はない。
「ではルビアナ、君と別れるのはつらいけど、ぼくたちもこれ以上学院を空けているわけにはいかないんだ。次の虚無の曜日には必ずまた来るから、しばしのお別れを許してくれ」
「おなごり惜しいですが、仕方がありませんね。ギーシュさまたちと過ごした毎日は、とても楽しかったです。せめて、お見送りだけはさせてくださいませ」
 こうして、見送りについてくるルビアナといっしょに、魔法学院の生徒たち一行は屋敷を後にした。
 ド・オルニエールの里は平穏さを取り戻しており、今日は穏やかな晴れで、昨日の戦いが嘘のように感じる。
 一行は、滞在中に世話になった住人の方々にあいさつをして回り、その途中で同じように帰り支度をしている魅惑の妖精亭の面々と会った。
「ようジェシカ、そっちもこれから帰りか?」
 才人が声をかけると、八百屋で野菜を見繕っていたジェシカが振り向いた。
「おはようサイト、わたしたちも昨日のうちには帰るつもりだったけどだめだったからね。せめて、こっちで安い食材を仕入れてから帰ろうとしてるのよ。それより、ルイズとは風呂上りにうまくやれたの?」


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