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あの作品のキャラがルイズに召喚されましたin避難所 4スレ目

503ルイズと無重力巫女さん ◆1.UP7LZMOo:2018/05/31(木) 23:27:08 ID:U9W0lNME
 局長の説明を聞きつつもアンリエッタは書類と睨めっこし、マザリーニも「失礼」と言ってその中から一枚を抜き出して読み始める。
 確かに彼の言うとおり、この書類に名前が載っている人間の経歴は貴族や平民といった枠組みを超えていた。
 現在服役中である開錠の名人に思想的にはみ出し者となっているが総合的に優秀な成績を持つ魔法衛士隊の隊員に、平民にして貴族顔負けの薬学知識を持っている女性。
 一体どこをどう探せばこれだけのイロモノを集められるのかと聞きたくなるほど、多種多様な特技を持つ変わり者たちがピックアップされていた。
 今現在国内にいる無名の人材たちを眺めつつ、アンリエッタは思わず感心の言葉を口に出してしまう。
「それにしても良くこれだけ探せましたね。特に条件付けはしていませんでしたから、ある程度幅が広がったのもあるでしょうが…」
「情報を探る事は我々の十八番ですので。この時の事を想定して常に一癖も二癖もある人物にはマークをしておりましたので」
 成程、どうやら自分から許しを得る前にある程度人材探しをしていたのか、随分と用意周到な人だ。
 並の宮廷貴族より準備万端な局長に感心しつつ、アンリエッタは一旦書類から顔を上げて満足気のある表情で頷いた。

「分かりました。貴方の部署はこれまで日陰者でしたし、ここまで調べてくれていたのなら私から言う事はありません」
「では人材確保はこのまま進める方針で?」
「えぇ、お願いします。ただ、軍に属している者については少し上層部の将軍方とお話する必要はありますが」
 王女から直々の許しを得た局長ホッと安堵した後に、慌てて頭を下げると彼女に礼を述べた。
 アンリエッタはそれに笑顔で返してから、一足遅れて書類を見ているマザリーニはどうなのかと促してみる。
 老いかけている枢機卿も先ほどの彼女と同じく書類から一旦視線を外し、それから局長を見てコクリと頷いて見せた。
 それを肯定と受け取ったのか、局長は枢機卿にも礼を述べるとすぐさまこれからの方針を話していく。
「それでは軍属の者以外に関しては我々からアプローチをかけます故、軍部との説得は何卒朗報を期待いたします」
「分かりました。今の将軍方なら、今回の増員計画にも賛成してくれる事でしょう………って、あら?」

 アンリエッタもアンリエッタ局長とそんな約束を交えた後再び書類へと目を戻し、ラスト一枚の人物が女性である事に気が付いた。
 まるで収穫期の麦の様に金色に輝く髪をボブカットで纏め、鋭い目つきでこちらを睨んでいるかのような似顔絵が印象的である。
 経歴からして平民であるのはすぐに分かるが、王都にあるいちパン屋の粉ひき担当から王都衛士隊の隊員という経歴は変に独特であった。
 しかし衛士になってからの業績は中々であり、女だというのにも関わらず衛士としては非常に優秀という評価が書かれている。
 他の九人と比べればやや地味ではあるが、その経歴故に気になったのかアンリエッタは局長に彼女の事を聞いてみる事にした。
「あの局長殿?彼女は…」
「ん?あぁこの人ですか。実は彼女は私が見つけましてな、彼女には是非とも我々の元で『武装要員』」として働いて貰いたい思ってましてな…確か愛称は、ラ・ミランと言いましたかな?」
「ラ・ミラン(粉挽き女の意)…?」
 愛称と言うよりも蔑称に近いその呼び名を思わずアンリエッタが復唱すると、局長はコクリ頷きながら言葉をつづけた。
「ラ・ミランのアニエス。王都の平民や下級貴族達の間では下手な男性衛士よりも怖れられております」


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