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あの作品のキャラがルイズに召喚されましたin避難所 4スレ目

443ルイズと無重力巫女さん ◆1.UP7LZMOo:2018/04/30(月) 22:34:56 ID:8hDym6Ss
「やけに怒ってたわね、何か気になる事でもあったの?」
「仕事中に油を売っていたのもあるが…今はちょっとな、忘れておきたい事を思い出されたんだ」
「忘れておきたい…?」
「今の仕事に集中できんって事だよ」
 またもや首を傾げそうになった霊夢にそう言って、アニエスは踵を返して廊下の奥へと進んでいく。
 先ほどとは違い明りの殆どない、薄暗いその廊下を。
 その後ろ姿を見つめる霊夢は、何かしらの事情があるのだろうという事だけは何となく理解していた。
(気になるっちゃあ気になるけど…今はそれを一々聞ける程時間の余裕は無さそうね)
 今抱えている『何か』を記憶の片隅に置いている彼女に声を掛けられる前に、霊夢はその後をついていく。
 もう一度この薄暗い廊下の向こうにいる、氷漬けにされた男の許へ。

 アニエスと霊夢が下水道へと続く通路がある曲がり角へ辿りついたのは、それから一分も経ってないであろうか。
 曲がり角の手前には見張りであろう若い衛士と隊長らしき中年の衛士がおり。それに加えて魔法衛士隊員も二人ほどいた。
 薄く安そうな鎧を纏った衛士達とは違い、ある程度上質な服にマンティコアの刺繍が入ったマントを羽織っている。
 こに至るまで平民の衛士達ばかり見てきた霊夢は、見慣れぬ貴族たちを指さしながらアニエスに聞いてみた。
「誰よアイツら?アンタ達のお仲間?」
「そうとも言うな、所属は物凄く違うが。…今回事件の起きた場所と被害者が原因で、ここに派遣されてきた魔法衛士隊の連中だ」
 霊夢の質問にそう答えるていると、中年衛士のアーソン隊長と話していた魔法衛士隊の隊長らしき男が近づいてくる二人に気が付いたらしい。
 貴族にしてはヤケに穏やかな表情を浮かべた彼は、わざわざアニエスたちの方へと近づいてきたのだ。

 それに気が付いたアニエスはその場で足を止めると、近づいてくる隊長にビッ!見事な敬礼をして見せた。
 突然の礼に何となく足を止めてしまった霊夢は少し驚いたものの、それを真似して敬礼する程彼女はマジメではない。
 敬礼もせず、ましてや頭を下げる事も無く見物に徹する事にした巫女さんを余所にアニエスは彼の名前を口にした。
「魔法衛士隊所属マンティコア隊隊長ド・ゼッサール殿!わざわざお越し頂き、誠に恐縮です!」
「やぁ、君が噂のラ・ミラン(粉挽き)かい?…成る程、噂に違わぬ鋭い美貌に…何より、体も十分に鍛えてある。女だてら良い衛士だ」
 返す必要も無いというのに、わざわざ敬礼を返しつつもゼッサールはアニエスの満足そうに頷いてみせる。
 そして、彼が粉挽きと呼んだ彼女の横に立って此方を見つめている霊夢の存在に気が付いてしまう。

「おや?君は…確かどこかで見たことがあったかな?」
 先に現場に到着していた衛士達や、自分たち魔法衛士隊隊員たちとは明らかに見た目や雰囲気が違う。
 そんな少女を無視できるはずも無く、質問を飛ばしてきたゼッサールに霊夢は少し面倒くさがりながらも軽い自己紹介をした。
「まぁお互い初対面じゃないのは確かね。…名前は博麗霊夢、それを聞いたら思い出すでしょう?」
「…レイム?…レイム、レイム…レイ……ん、アァッ!」
 自己紹介を聞き、暫し彼女の名を反芻していたゼッサールはすぐに思い出す事か出来た。
 それは今から少し前、アルビオンが急な宣戦布告を行ってきた際の緊急会議で王宮に呼び出された時…。
 大臣や将軍たちの終わりの無い会議の最中に突如乱入してきた、紅白の少女が彼女であった。
 確かあの時は自分とは縁のあるヴァリエール家の御令嬢がいた事も、記憶に残っている。
 
 思い出したと言いたげな表情を浮かべるゼッサールを見て、霊夢は「どうよ?」と聞く。
 それに「あぁ」と頷いて見せると、二人が知り合いだという事に気が付いたアーソンが彼の方へと顔を向ける。
「ゼッサール殿、この少女の事を見知っていて…?」
「ん、…あ、あぁ!まぁな、少し前に知り合う出来事があってな…まぁ友達って呼べるほど親しくもないがね」
 訝しむ彼とアニエスに片目を竦めつつそう言うと、自分を見上げる霊夢を指差しながらアーソンへと聞いた。


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