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あの作品のキャラがルイズに召喚されましたin避難所 4スレ目

421ウルトラ5番目の使い魔 70話 (12/15) ◆213pT8BiCc:2018/04/10(火) 08:35:31 ID:Duwr85eM
「誰だ? お前」
「きゅいいーっ! う、撃たないでなのねーっ!」
 危うく火薬矢で爆殺しそうになったが、それよりもジルはあっけにとられた。なぜこんなところに若い女が素っ裸でいる? いやそれより、あのドラゴンはどこへ行った?
 問い詰めると、裸の女はあたふたしながら、ドラゴンは逃げたのね、と答えた。正直、あの図体で逃げられるわけはないのだが、実際いないものはしょうがない。だがそれにしても、妙齢に見えるのに変に態度や口調が幼い女だ。
 ジルは気が抜けてしまった。ドラゴンの気配はなくなって、あたりはただの廃墟でしかない。しかし、村人たちにはどう説明したものか。
 すると、悩んでいるジルの後ろから、裸の女がぽつりと話しかけてきた。
「ジ……ル?」
「ん? なぜ、お前わたしの名を知っている」
「えっ!? あ、ええっとええっと。シ、シルフィはシルフィなのね! あのドラゴンに捕まってたのね。助けてくれてありがとなのね!」
 そうわめく女を、ジルは困った様子で見つめるしかなかった。普通に考えて変なのは誰でもわかる。けれど、不思議なことにジルはこの怪しすぎる女を厳しく問い詰めることができなかった。
 どこかで会ったことがあるか? いや、そんな覚えはないが。しかしジルの心のどこかで何かが引っかかっていた。
 ただ、そうは言っても裸の女をそのままにしておくわけにはいかない。
「お前、服はどうした?」
「きゅいっ?」
「ちっ、仕方ないねえ。これだけの屋敷跡なら衣装の一着や二着あるだろう」
 瓦礫を押しのけて、ジルは埋まっていたクローゼットから女物の服を探し出すと裸の女に着させた。きゅいきゅいわめいてかなり嫌がったが、そこは無理やりにでも着させた。
 本当に、見た目の割に幼児のような女だとジルは思った。まったく、自分は昔から子供には苦労させられるとも思う。だがすぐに、子供? 自分が関わったことがあったか? と、思い返した。
 どうも調子が狂う。ジルは頭をかいた。この女を見てから……いや、あのドラゴンを見てから、自分の中に妙な何かが生まれている。
 誰か……この女の顔を見ていると、誰かの顔がぼんやりと浮かんでくる。だが、どうしても輪郭がはっきりしない。イライラして仕方がない。
「お前、もう一度聞くよ。どこの誰だい? なぜこんなところにいたんだい?」
「え、えっと、えっと。その、あの……なのね。な、なのね」
「んん?」
 しどろもどろな様子が怪しすぎる。思わず「シルフィード!」と怒鳴りそうになったときだった。どかした瓦礫の中から、一冊の本が転げ出てきたのだ。


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