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あの作品のキャラがルイズに召喚されましたin避難所 4スレ目

382ウルトラ5番目の使い魔 69話 (15/15) ◆213pT8BiCc:2018/03/17(土) 00:16:04 ID:JbiDIihg
 ダミアンが道を開けると、コルベールは「感謝します」と、一言会釈して横を通り過ぎていった。
 もちろん、他の元素の兄弟は愕然とし、納得できないと飛び出そうとしたがダミアンが厳しく視線で押しとどめた。
 やがてコルベールが行ってしまうと、ドゥドゥーやジャネットだけでなくジャックまでもが「兄さん、どういうつもりだい!」と、問い詰める。人一倍仕事に厳しいダミアンにしては信じられない甘さが信じられないのだ。だがダミアンは額の汗を拭う仕草をすると、冷たい視線を兄弟たちに向けて言った。
「さっき、もし仕掛けていたら何人かはやられていた。最悪、相打ちに終わっていたかもね」
「えっ!?」
「ジャック、君も気づかないとはまだまだだね。もっと鼻に注意するようにすることだ……さて、帰ってミス・クルデンホルフから報酬をもらうとするよ」
 そう言うと、ダミアンは踵を返してさっさと歩いていってしまった。弟や妹たちは訳の分からないまま慌てて兄の後を追う。
 ダミアンは弟たちに見せないように一瞬だけ屈辱に歪んだ顔を浮かべ、次いでコルベールをどのように利用して稼ごうかと現実的な思考を巡らせ始めた。
 元素の兄弟は闇の中に去って消え、後には寒々しい夜明け前の路地だけが残る。その淀んだ空気の中に油っぽい湿った風が流れ、やがて乾いた風が取って代わっていった。
 
 
 東の空に昭光が見えてくる。夜明けは近い。
 爆散したロボットの機体はまだくすぶっているが、消火はもうすぐ終わるだろう。
 一方で、残ったロボットの両腕は王立魔法アカデミーが検分に来るまで保管されることになっている。しかし、どうせこんなでかいものを盗んでいく奴などいるまいと気を抜く番兵の目を盗んで、セリザワがロボットの右腕を調べていた。
「やはり……ロボットの元々の金属は見たことがないものだが、この追加装備された砲に使用されている金属は、確かあの星で主に使われているものだ……だが、あの星の連中だとしたら何の用でハルケギニアに……侵略か? まだ断定はできんが、備えておく必要はありそうだ」
 容易ならざる存在がハルケギニアに来ているかもしれない。セリザワの目に金色の朝日が映りこんで来る。だが、彼の表情はその光に危険な未来を見ているかのように厳しく、晴れなかった。
 
 
 続く


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