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あの作品のキャラがルイズに召喚されましたin避難所 4スレ目
201
:
ルイズと無重力巫女さん
◆1.UP7LZMOo
:2017/10/31(火) 22:07:26 ID:.xFHoMyw
彼女の背後、樹にもたれ掛かって休んでいた青年貴族が突然話しかけてきたのである。
思わずその声に目を丸くした後、バッと声のした方へ振り向くと思わず自分を指さして「…私の事?」と聞いてしまう。
年齢はもうすぐ二十歳になるのだろうか、魔法学院はとっくに卒業している年の彼は貴族にしてはやけに安っぽい格好をしていた。
一応貴族としての体裁は整えているものの、ルイズが今着ている服と比べても格が低いのは一目瞭然である。
そして同じ貴族である自分に対しての軽い接し方からして、恐らく彼は俗にいう下級貴族なのだろう。
貴族の家の子として産まれても、その全員が順調な人生を送れるとは限らない。
とある家の三男か四男坊として生まれれば、親はある程度の教育だけ受けさせて家を追い出す事がある。
金の無い貴族の家では全員を魔法学院に入れさせる金も無いし、彼らの一生を養える余裕も無いからだ。
許嫁がいたり魔法の才能があれば別であるが、大抵は杖と幾つかの荷物を鞄に詰められて適当な街へ放り込まれてしまう。
彼らは魔法も中途半端であれば王宮の仕事が出来るほど頭も良くなく、精々文字の読み書きと掛け算割り算ができる程度。
王宮での勤めに必要なコネも知識もなく、ましてや宮廷の貴族達から一目置かれる程の魔法も使えない。
故に彼らの様な低級貴族は平民たちと共に暮らしており、共に同じ職場で働いて日銭を稼いでいる。
中には壊れた壁や床の修繕なども行っている者たちもおり、日々頑張って暮らしているのだという。
幸い中途半端な魔法でも平民たちには重宝され、その日の食事に困るような事態は起こっていない。
魔法学院へ入れる中級や上流階級の者たちは彼らを貴族の恥さらしと呼ぶ事はあるが、声を大にして批判することは無い。
皮肉にも貴族の恥さらしである彼らが平民たちに力を貸すことによって、貴族全体のイメージ向上へと繋がっているからだ。
井戸やポンプの修理をしたり、家の修理などのアルバイトも平民たちには好評なようである。
下級貴族達も無茶な金銭要求をしたりはせず、時にワインや手作りの料理とかでも良いという変わり者もいるのだとか。
きっと自分に声を掛け、あまつさえ貴族と看破してきた彼もその内の一人なのだろう。
そんな事を考えていたルイズに向けて、背後に青年貴族はクスクスと笑いながら喋りかけてくる。
「そう、君の事だよ。市場から命からがら!…って感じで出てきた時の君を見てね。…お嬢さん、外国から観光に来たお忍びの貴族さんでしょう?」
得意気になって勝手な事を喋ってくる下級貴族にルイズは苦笑いを浮かべつつ、
――――違うわよこの三、四流の間抜け!私はトリステイン王国の由緒正しき名家、ヴァリエール家の者よッ!!
…と、叫びたい気持ちを何とかして堪えるのに必死であった。
何の為にこんな暑い街中にまで繰り出し、そしてあの地獄の市場を超えて来たのか、彼女はその理由を改めて思い出す。
ここで怒りにまかせて自分の正体を暴露してしまえば、ここへ来た意味自体が無くなってしまう。
それだけは何とか避けようと必死になって、彼女は硬過ぎる作り笑顔を浮かべて下級貴族に話し掛けた。
「…そ!そそ、そうなのよ!この夏季休暇を利用して小旅行の…ま、まま真っ最中でしてねぇ…ッ!」
「……あ、あぁそうなんだ」
半ばヤケクソ気味ではあるが、不気味な造り笑顔と震えている言葉に下級貴族も軽く怯みながらそう返してくる。
ルイズ本人としてもあからさまに無理してると自覚していたので、すぐさま顔を横へ逸らしてしまう。
(何やってるのよルイズ・フランソワーズ。こんな所で爆発してたら本末転倒じゃないの…!)
閉じている口の中で歯を食いしばり、相も変わらず激しやすい自分にいら立ちを覚える。
そして気分を落ち着かせるように一回深呼吸した後、こちらを心配そうに見ていた下級貴族方へと振り向いた。
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