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避難所用SS投下スレ11冊目

976ウルトラ5番目の使い魔 62話 (3/18) ◆213pT8BiCc:2017/08/10(木) 13:45:54 ID:TiRezyjA
 メザードが無敵でいられるのは別次元に潜んでいるときだけ。すなわち、蜃気楼を吐くアコヤと一緒であり、居場所を見つけられれば貝を叩き割るのはたやすい。ガイアは頭上にエネルギーを集中させると、アグルから引き継いだ必殺技を放った。
『フォトンクラッシャー!』
 青白く輝く光の帯に貫かれ、メザードは断末魔の咆哮を上げると炎上して果てた。巨大なたいまつのように一瞬燃え盛り、黒い消し炭のようになって崩れていくメザードをガイアは憮然として見送った。
 以前にエースを苦しめた怪獣のあっけなさすぎる末路。もちろんそのときにガイアはまだこの世界にはいなかったけれど、破滅招来体に遣われて、置き去りにされたようなメザードの末路に一抹の哀れを覚えもするのだった。
 ともかく、これで破滅招来体がこの世界に持ち込んだ怪獣は、確認できる限りすべて撃破した。ガイアは変身を解除して我夢に戻り、ファイターEXのコクピットから通信機に呼びかけた。
「こちらファイターEX、波動生命体は撃破したよ。そっちはどうだい?」
 すると一呼吸置いてから、通信機から藤宮の声が返ってきた。
「こちらはこれからだ。少し待て、すぐ終わる」
 藤宮がいるのはロマリアの別の場所。人里からやや離れた山間部で、そのすそ野に彼は立っていた。
 山は一見すると平穏そうに見えなくもないが、あちこちにがけ崩れの跡が新しく残っており、この山が最近になって地殻変動に脅かされていることが見て取れた。
 そして藤宮の見ている前で山肌が崩壊し、地底から巨大な怪獣が這い出てくる。
「来たか」
 藤宮は短くつぶやいた。ほぼ計算通り、ここに怪獣が現れるのはわかっていた。
 現れた怪獣は、身長およそ六十メートル。岩の塊に手足がついたような不格好な姿をしているが、眠そうな目つきにたらこ唇をした顔つきは妙にユーモラスな印象を受ける。
 しかし藤宮は特にユーモア感覚を刺激された様子はなく、現れた怪獣を観察した。
「硬い外皮に太い手足、典型的な地底怪獣の一種だな。目が退化していないのは、地上での活動力もあるという証拠」
 渓谷怪獣キャッシー。藤宮は知らないが、これがこの怪獣の名前である。一説では怪獣ゴーストロンの仲間とも言われるが、動きは鈍く、大半は眠っているために生態にはまだ謎が多い。
 しかし藤宮はざっと怪獣の特徴を分析すると、これが破滅招来体によるものではなく、自然の怪獣が住処の異変で無理に起こされてきたのだということを確信した。
 怪獣がのろのろと人里の方向へと歩き出していく。このままでは、怪獣に悪意がなくても被害が出てしまうだろう。藤宮は傍らに持っていたバッグから、バイザー型の装置と拳銃型の発射機を取り出し、怪獣の頭部へ向けて受信機を発射した。
「コマンド、m2m1242m、Enter。住処に戻れ」
 装置を介して藤宮が怪獣の頭部に撃ち込まれた受信機に信号を送ると、キャッシーはフラフラと頭を振って、眠そうにあくびをすると元来た山に向かって戻りだした。


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