したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。

避難所用SS投下スレ11冊目

969ウルトラマンゼロの使い魔 ◆5i.kSdufLc:2017/08/06(日) 21:52:46 ID:dXWvJpSI
 つまり……ここは“六千年前のハルケギニア”。そして目の前にいるのは……“始祖”と
称される前の初代“虚無”の担い手ブリミルと、初代ガンダールヴ!
 あまりの事態に呆然と立ち尽くす才人と、彼の様子の変化に呆気にとられているブリミルと
サーシャ。しかしブリミルが才人に何か声を掛けようとした、その時……突然辺りをゴゴゴゴ、
と急な地鳴りが襲った。
 この途端、ブリミルとサーシャの表情に緊張が走った。
「むッ! いかん、ヴァリヤーグだ! こんな場所に現れるなんて!」
「近いわよ! 早くここから離れましょう!」
 えっ、ヴァリヤーグ? と才人はきょとんとした。そう言えば、さっきブリミルがそんな
名前を口にしていた。
 しかし、この地面の揺れの感じは……才人も何度も体験している「あれ」の予兆では……。
「きみ、こっちに!」
 ブリミルが才人の手を引きながら駆け出そうとするも、その時には草原の中央の地面が
下から盛り上がっていた。
「ああ、まずい! すぐそこまで来ている!」
「やばいわよ! 今はろくな武器もないわ!」
 そして地表を突き破って、巨大な影が才人たちの目の前に出現した!
「グガアアアア!」
 どっしりとした恐竜を思わせるような体格ながら、恐竜よりも何倍も大きい肉体。上半身が
鎧兜で覆われているかのような形状をした巨大生物を見やった才人が叫ぶ。
「ヴァリヤーグって……怪獣じゃねぇか!」
 才人たちの前に現れたのは、ネオフロンティアスペースの地球において、モンゴルの平原から
現れたところを発見され、怪獣という存在の実在を証明した怪獣、ゴルザであった!
 地上に這い上がってくるゴルザに対して、ブリミルとサーシャは顔を強張らせる。
「こんなに距離が近くては、ぼくの詠唱は間に合わない。こんな時に光の巨人がいてくれたら……」
「そんなことを言っててもしょうがないわ。とにかく走りましょう! どうにかまければ
いいんだけど……」
 ゴルザからの逃走を図るブリミルたちであったが、不幸にも怪獣はゴルザ一体だけではなかった。
才人が、空から急速に接近してくる気配を感知したのだ。
「あぁッ! 空からも来るッ!」
「何だって!?」
 見れば、空の彼方からくすんだ赤銅色の刃物で出来た竜のような怪獣が、背に生えた翼で
風を切りながらこちらに降下してくるところだった。ゴルザと同時にイースター島から出現した
怪獣、メルバである!
「キィィィィッ!」
 メルバはゴルザの反対側、つまり才人たちの進行方向に着地。これで才人たち三人は、
怪獣二体に挟まれた形となる。ブリミルがうめく。
「最悪だ……。逃げ道もなくなってしまった……!」
 サーシャは短剣を抜いて怪獣たちを警戒しながら、ブリミルへと叫んだ。
「わたしが時間を稼ぐわ! あんたは隙を見て、そのサイトとかいうのを連れて逃げなさい!」
「そんな! きみを置いていくなんて出来ないよ! そんな短剣で二匹のヴァリヤーグに
挑もうなんて無茶が過ぎる!」
「じゃあ他にどうしろっていうのよ!」
 問答するブリミルとサーシャだが、怪獣たちは待ってはくれない。ゴルザが額にエネルギーを
集める。光線を撃とうとしている前兆だと、才人はこれまでの経験から感じ取った。
 そしてはっとブリミルたちに振り向く。ここが本当に過去の世界かどうかは知らないが、
もしそうだったら、二人が怪獣の餌食になったら大惨事だ。ハルケギニアの歴史が根本から
ねじ曲がってしまう!
 才人は反射的に身体が動いていた。
「二人とも危ないッ!」
「えッ!?」


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板